ARC-Vに転生したが   作:火壁

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原作にオリ主を入れるのは自分でやるのに引け目を感じていたがリビドーを抑えていられなかった。

誰かに刺さればいいなぁって思います。


振り子を見つめる目

 俺が目覚めた時、そこは地元とはまるで違う街並みが広がっていた。

 

 雑居ビルの上には『デュエル塾』と書かれた看板が並び、街道から視線をずらすと、公園など広い場所では老若男女問わず上に()()()()を付け、彼らの間には現実にはあり得ないモンスターが互いに向かい合っていた。『ブラッド・ヴォルス』や『アックス・レイダー』。それはまさしく俺が遊び、愛していた『デュエルモンスターズ』のモンスター達だった。

 

 ふと、俺の姿をビルのガラスで見る。黒いパーカーと赤色のTシャツに紺色のスラックス、服装はセンスの無い俺には普段通りだが、身長が明らかに縮んでいた。175はあった身長は半分と少し程度まで下がり、腕にはデュエルしていた彼らと同じようにデュエルディスクが付けられている。デッキを確認すると、通常モンスターと申し訳程度の魔法、罠カードが入れられており、小学生が考えたような()()()()()()()()()()()()()だった。

 

「おーい!まったく速く行きたいからって置いていくんじゃない。迷子になったらどうするつもりなんだ?」

 

「ご、ごめんなさい、()()()

 

 記憶にあった姿に、無意識に父へ謝罪する。俺は父さんとある場所へ行くために街中を歩いていて、興奮から俺は父さんを置いて走ってしまったのだ。父さんは軽々と俺を持ち上げ、肩車する。

 

「でも、楽しみなのは分かった!さあ走るぞーーー!!!」

 

「と、父さんあぶっ危ないから歩いてああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 

 俺は父さんの頭を支えに、揺れる身体が投げだされないように踏ん張る。今から向かう所は、これからの展開を分かっている自分からしてみれば、先程までの興奮を返してくれと言わんばかりに溜息を吐きたくなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺達の目に遊勝塾の看板が見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【数年後】

 

 遊勝塾のデュエルフィールド。そこにいるのは遊勝塾の創設者であり、アクションデュエルのパイオニアである『榊遊勝』の息子、そして後にペンデュラム召喚を大衆の場で披露する()()()()()()()()、『榊遊矢』。権現坂道場の跡取りにして、遊矢の友人、『権現坂昇』。遊矢の場には伏せカードが一枚。権現坂の場には『超重武者ソード999』と『超重武者ワカ―O2』が存在する。そう、()()()()()だ。

 

「俺は超重武者 ソード999と、超重武者 ワカ―O2をリリースし、『超重武者ビッグベン―K』をアドバンス召喚!!」

 

 二体の機械武者が光となって消え、一回り大きい僧兵がフィールドに現れる。駆動するエンジン音は立体映像でも大迫力だった。

 

「さあ遊矢!この男権現坂といざ尋常に勝負だ!!」

 

「ああ!さあかかって来い!!」

 

「バトル!超重武者ビッグベン―Kでダイレクトアタック!!」

 

「リバースカードオープン!『EMピンチヘルパー』!ダイレクトアタック宣言時、その攻撃を無効にして、デッキからEMを1体特殊召喚する!『EMジンライノ』を特殊召喚!!」

 

「くっそう上手くはいかんか……」

 

「これから俺のエンタメデュエルを……っは?」

 

 これから遊矢の逆転……といったタイミングで、立体映像にノイズが走る。次の瞬間、全ての立体映像が消え去った。

 

「え?え?わあああああああああ!!」

 

「遊矢!?いったい、何が……?」

 

 二人が唖然としている時、フィールドに二人の人物が入ってくる。現在遊勝塾の運営をしている『柊修造』とその娘『柊柚子』だった。

 

「すまん遊矢!大丈夫か?」

 

「遊矢!き、急に立体映像が故障して……ごめんなさい!」

 

「今、『敦人(あつと)』が修理してくれているが、あいつも顔色よくなかったしどうなるか……」

 

「それは良いけど……塾長、入塾希望者の人は?」

 

「え?そうだった!すまんちょっと行ってくる!」

 

 修造はすぐさまフィールドから出ていき、遊矢たちも休憩室に向かっていった。三人で駄弁っている時、一人の男が入ってくる。黒パーカーに赤のTシャツ、紺色のスラックスの男は顔に煤を付けながらため息を吐いた。

 

「敦人にぃ!どうだった?」

 

「駄目だ。配線とかフリーズというより筐体自体がイカれたって感じだ。大分古い物だし、買い替え時期もとうに過ぎてるし、諦めて腹括るしかないな」

 

「う……経費が……経営が……」

 

「来るべくして来たんだ。諦めろ」

 

 がっくりと項垂れる柚子の肩に手を置き慰める。その時、扉が開き、今度は二人の男が入ってきた。

 

「塾長、入塾希望者どうだった?」

 

「駄目だった。デュエル自体はいいけど立体映像システムが復旧してから改めて話をする事になった。敦人、どうだ?」

 

「柚子の様子を見て判断して」

 

「……そんなぁ」

 

 親子揃って項垂れる。その雰囲気を割るように置いてけぼりにされた人が口を開いた。

 

「お話、伺いました!」

 

「そういえば塾長、この人は?」

 

「ああそうだ。遊矢、お前にお客さんだ」

 

「ワタクシ、チャンピオンであるストロング石島のプロモーターである『ニコ・スマイリー』と申します。遊矢くん、単刀直入に申し上げます。明日行われるストロング石島と、デュエルしていただきたい!!」

 

 そういってニコは、『ストロング石島 ファン感謝デー』のポスターを広げて見せる。それに権現坂が嚙みつくが、修造が止める。しかしニコが提示した報酬の新型立体映像装置に目を輝かせる。柚子も同様だった。

 

「しかし、それは遊矢が決める事だ。遊矢お前は……遊矢?」

 

「敦人もいないぞ。いったいどこへ……」

 

「遊矢……」

 

 

 

 

 

 

 

「まだ、心は揺らいだままか?」

 

 

「まあ……ね……」

 

 遊矢と共に遊勝塾を抜け出し、スタジアムが見える海浜公園に来た。三年前、遊矢の父遊勝はストロング石島とのチャンピオン決定戦を前に行方不明。警察やファンが捜索しても見つからず、結果として遊勝は逃げ出したチャンピオンと汚名を受け、遊矢はその息子としての誹りを受けた。学校でもいじめを受け、それでも父の教えを守ろうとデュエルを続けた。

 

 まるで()()だった。

 

 そういった時の遊矢はまるで鬼のように怒り狂った。俺にデュエルを挑まず、俺の言葉を否定するように殴りかかった。

 

『お前に!父さんのいるお前に何が分かるんだよ!!』

 

『分かんねえよ!自分の家族置いて、大事な戦いほっといて、数えきれない人がっかりさせて!それで笑顔だなんて馬鹿げてるぜ!!』

 

『なんだと!!』

 

 全ての笑顔を奪った。遊矢の母に、遊矢自身に呪いのように笑顔を振りまいた彼を、俺は許せそうにない。そこからは大人が止めるまで殴り合いが続いた。それから何日も口を利かない日々が続き、それが破られたのは三か月過ぎた頃。遊矢のデッキをいじめっ子が奪い取ろうとした時、俺は割って入りそいつとデュエル。そいつを叩き潰した後、遊矢は聞いてきた。

 

『そんなデュエルが正しいの?相手を叩き潰すデュエルが父さんのデュエルより正しいの?』

 

 傍から見れば確かに俺のデュエルは相手を叩き潰す事を目的として見える。自らの父が説いたアクションデュエルを否定しておきながら、自分のデュエルに笑顔があるのか、遊矢は気になったんだろう。

 

『デュエルってのは真剣勝負だ。アクションデュエルのように楽しむものも肯定されて然るべきだけど、そうじゃない人もいる。お前の親父は、やり方が半端だったと思う』

 

 何よりと間をとって、続ける。

 

『煽り廚はプロとして駄目だろ』

 

 おどけたように言うと、俺も遊矢も吹き出し、笑っていた。三か月の間を埋めるように、大きな口で。

 

 それからは、自身の行きたい道を模索し始めた。エンタメ性を求めるより真剣勝負にシフト。デッキの在り方やデュエルスタイルも変化していった。しかし、父親の影が消えない事も事実。父の影と今の自分のギャップに、遊矢は揺れていた。

 

「まるで振り子だな。デュエルに向いてない」

 

「心理フェイズだっけ?馬鹿にできないから困るよ。敦人にぃ、俺……ストロング石島と戦って勝てるかな?」

 

「……奴のデュエルは典型的なパワータイプ。それを補うカードはアクションカードに依存している節がある。アクションデュエルのチャンピオンとしては正しいかもしれないが、それが隙になる。勝ち筋はある」

 

「……ありがとう」

 

 遊矢は胸を張って家路につく。後日、スタジアムは新たなデュエルの産声に沸いた。

 

 俺は、この世界で過ごした数年で気づいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 原作崩壊しかかってね?これ




オリ主は16歳設定。カードプールほぼ全種(四天の龍等除外)。

よくある全カード持ってますチート。

遊矢は笑顔教を脱却しているが、父親を引きずってる感じ。
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