ARC-Vに転生したが   作:火壁

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砂肝が美味しい


鳥の部位で好きなのは砂肝

 黒咲隼はアークファイブトップクラスの被害者と言っていい。

 

 親友は別次元の同位体と混ざって消滅。妹は娘取り戻したいってキチハゲが攫って平行同位体とフュージョンして消滅。残ったのは笑顔教の教えだけ。これの何がハッピーエンドかとリモコンぶん投げたデュエリストも少なくないだろう。

 

 しかし、序盤にやった事は少なくとも犯罪ラインぶっちぎりである。救うにはこうするしかないと信じ切って的外れとも言い切れない襲撃をかますのはなんなら融合次元より質が悪い。

 

「貴様、ユートを破ったのか?」

 

「ああ、ワンキル」

 

「そうか……だがユートは返してもらう!!」

 

「待ってくれ隼!彼に敵意はない!」

 

「融合次元のスパイかもしれない。そんな人間を信用するな!」

 

 かもしれない運転で気を付けてってか。戦争起こる前にも妹キチキャラは継続してたっぽいし、ユートは苦労してるな(鼻ほじ)。

 

「ユートにもそうだが、お前にも話を……といきたいがどうせ聞かんだろう?」

 

「当然だ。融合次元のスパイの可能性もある人間を信用する程、俺は甘くない!」

 

「となると、無理にでも聞いてもらうしかないような気もするし、赤馬零児に連絡するっていう手段もあるけど。お前らの目的って赤馬零児だろ?」

 

「そうだ。LDSの人間を狩り、赤馬零児を引きずり出す!奴はアカデミアの首領、『赤馬零王』の息子。息子の話なら聞くはずだ!」

 

「そうか、絶対無理」

 

「「!?」」

 

「理由言うか?奴は狂人だからだ。融合次元の奴等には信用を勝ち取るために何かしらしたんだろうが、その後に掲げたのはどうせ『住み良い世界にするために他次元侵略しよーぜ!!』だろ。でも侵略ってなんのためにする?」

 

「そ、それは……」

 

「何が言いたい」

 

「侵略の目的は『原住民の奴隷化・労働力化』と『資源』だ。資源は土地、鉱物、エネルギー資源と様々。原住民に関しては、話聞くに皆殺しなんだろ?」

 

「ああ、だがその場で殺すんじゃなくてカードに変える。それらを集めてどこかに送っているようだった」

 

「ユート!こいつに話す必要などない!!」

 

 クロワッサンはイラついたように怒鳴る。しかし、ここでこいつには納得してもらわないと困る。

 

「何よりそれを息子や妻がいる状況でかますのが理解できない。考えてみて欲しい。お前らの大事な人が健在の状況で、他の次元に行く手段があるとして同じ事をするか?」

 

「するわけない!」

 

「するわけがないだろう!!」

 

「ほう、ならその理由を聞いても問題ないよな?」

 

 俺の質問に二人共すぐさま答える。この質問も同様だった。

 

「当たり前だ!幸せが奪われる事の怖さを知っているのに、それを自分からするなんて!!」

 

「幸福を理解しているなら、そんな事はできないはずだ!自分の幸福を壊したくないのならな!」

 

 うーんなんとも美しい回答。正常な判断ができる人間の回答だ。まだ戻れるって感じかな?戦争何とかしないと戻るなんて無理だけど。

 

「それをできるのが赤馬零王って事だ。家族がいようが、立場があろうが、余所で戦争起こして皆殺しにして……目的がないのか、目的が他にあるのか……」

 

「目的が他に?」

 

「それは何だ!答えろ!!」

 

「憶測だから無理。てかお前の質問に答える義理ないし」

 

「貴様ぁ!!」

 

 俺の胸倉をつかむが、本当にこれは答えると色々とアレすぎるので答えられない。お前の妹が狂人の娘(4分の1)でお前の親友が狂人の抹殺対象(4分の1)なのはお前の精神が持たない。

 

「デュエルだ!俺が勝ったら全て答えてもらう」

 

「俺が勝ったら?」

 

「赤馬零児の下へ連れて行ってもらう!!」

 

「ざけんなお前が一切損しねえじゃねえか!お前らは俺が管理する。これ以上この次元で暴れんなややこしい事になんだろうが」

 

「「デュエル!!」」

 

「と言いたいが」

 

「なんだ!!」

 

「今日はお開き!帰る!!」

 

「逃げるのか!?」

 

「親父が心配すんだよ!こっちもこっちで色々あんの!ユートは連れてくからな。勝ったの俺だし」

 

 俺はユートを抱え走る。黒咲は逃がさんと襲い掛かるが、この次元、この街は俺のホームグラウンド。近くのガラクタを崩して大通りに飛び出し、人混みに紛れる。もう黒咲の気配はしなかった。

 

「逃げんなよ」

 

「なぜ、俺を連れて行くんだ?」

 

「飯まともに食ってねえだろ。遅かれ早かれ、この次元も戦争に巻き込まれる。食って兜の緒を締めよってな」

 

「……それを言うなら勝って兜の緒を締めよじゃないか?」

 

「勝ってるから同じ事だな」

 

「……おかしな奴だ」

 

 そう零すユートの表情は少し和らいでいた。

 

 

 

 

 

 

 自宅について親父に事情を説明。まあでっち上げなのだが、説得してユートを部屋にあげる。互いに椅子に座り、状況を話し始めた。

 

「明日は黒咲をしばきます」

 

「か、勘弁してもらえないか?」

 

「むしろあの場で通報しなかった事について感謝してほしいんだが?今赤馬零児と出くわしてもいいかもしれないけど明日の様子を確認してからでもいいかと思っての温情なんだが?」

 

 ユートは申し訳なさそうに言うが、突っぱねる。プラン的には原作通りに行きながら犠牲者を最小限に抑えるのが一番だが、今日は親父がいる。3年前の遊勝失踪が原因で、親父は俺もそうなるんじゃないかと過保護気味だ。もう高校生な上、前世含めれば俺の方が年上なのがやるせない。おかげで親父のいる日は夜に外出ができないから、今黒咲が誰かを襲撃しても止めるまでに間に合わない。本当は今日中に納得と仲間に引き込んでおきたかったが、なんとかなーれ(叶わぬ希望)。

 

「何から何までタイミング悪いなー。現実は理想を殺す怪物、悲しいね。努力が全部水泡に帰す可能性が全然あるなんてよーやってらんねえって」

 

「す、すまない……」

 

「俺の弟分がお前と同じ顔なんだ。そんな中でお前の面がバレたら弟分が犯人扱いされる。赤馬零児と会わせるまで、少しおとなしくしていてくれ」

 

「ああ、分かった」

 

 納得した様子ではないが、理解はしてくれたようだ。とりあえず飯にしよう。

 

「なんか苦手な物とかあるか?」

 

「いや、でもいいのか?」

 

「戦いの時こそ飯を食え。食べるという字は人が良くなると書く。食って自分の身体を労え」

 

「……ああ」

 

 遊矢と関わっている以上、俺も戦う運命だろう。英気を養い、備えなければ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんでこうなったんだ……」

 

「し、隼……」

 

 翌日、遊勝塾に行った俺達を待っていたのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 LDS理事長の『赤馬日美香』と、今日デュエルする予定だった黒咲隼だった。




レモン新規がジャック戦まで取っておくのもいいしオリ主が使うのもいい。
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