ARC-Vに転生したが   作:火壁

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 ストーンスィーパー1枚足りない。

手札断殺の処理を間違えていたのでデュエルの展開を修正しました。指摘兄貴達ありがとうございます。


ああごめん。『サテライト不動』の事考えてた

 敦人は激怒した。必ずや、かの邪知暴虐なる赤馬零児を除かねばならぬと決意した。敦人には原作が分かる。敦人は転生者である。友人と、イベントに参加し暮らしてきた。しかし、原作の登場人物の予想外の行動には人一倍敏感であった。

 

「敦人にぃ!彼は……!!」

 

「敦人、彼が……!!」

 

「落ち着け」

 

「「ガッ!!」」

 

 二人が暴走しそうになるのをげんこつで黙らせる。LDSが来たのにも意味不明だが、なんで黒咲がいるんだ?

 

「あなたは本郷敦人ですね。そちらの方は?」

 

「……そいつはユート、俺の仲間だ」

 

「成程、して柊塾長、先程の要件、納得していただけましたか?」

 

「している訳がないでしょう!敦人も遊矢も我が遊勝塾の仲間です!」

 

 修造さんが大声をあげる。え?なんで俺呼ばれたん?

 

「敦人にぃ、この人の目的は」

 

「本郷敦人、そして榊遊矢。あなた達にはLDSの制服組を襲撃した容疑がかけられています」

 

 なんで俺に容疑がかかってるんですかねえ!しかも原作よりも重め!

 

「そ、その理由を聞いても?」

 

「昨日、沢渡シンゴより襲撃者の情報を受けました。そこに本郷敦人、あなたが襲撃者をどこかへ送る様子も聞き及んでおります」

 

 あのバカ弟子余計な事し腐って!

 

「違う!襲撃者は俺だ!彼らは関係ない!!」

 

「尤も、それは最早関係ありません。LDSのデュエルに介入し、勝利した。LDSに泥を塗った。その償いをしていただきます」

 

「ちょっと待って!敦人にぃは何の関係も無いし、俺はその場にいなかった!それはどう説明するんだ!」

 

「あら?今あったではありませんか。そちらから」

 

 理事長がユートを見る。ユートを遊矢に仕立てて難癖付けるつもりか。

 

「しかしユートと遊矢は別人。そう言えばいいじゃねえか」

 

「最早そんな事は関係ありません!」

 

 ヒステリックに叫ぶ。柚子や権現坂には静かにしてもらうようにしたが、権現坂は兎も角、柚子は怯え切ってしまっている。

 

「そうかそうか。つまりLDSに泥を塗った俺や遊矢を潰したい。しかも俺は舞網チャンピオンシップのジュニア、ジュニアユースで優勝してるし目の上のたん瘤みたいなもの。やるには都合がいい状況と?」

 

「言い方は悪いですが、好機と捉えております。零児さんから伺っておりますが、あなたの実力は把握しております。あなたをLDSに引き込めれば生徒達のレベルも格段に上がる。良き相手がいなくて退屈しているのでは?」

 

「生憎そちらより遊矢の方が強くて、後の育成は遊矢に任せようかなと思っているくらいで俺は好きにやりたいんですわ」

 

 裏デュエルですらエクストラデッキ使うの少ないし、いてもそこまで強くない。遊矢にはエクストラデッキの使い方は全部仕込んだし、教えるのも上手い。後はここを初めとして多くのデュエリストに教えられる。仮にも主人公だ。きっとやれる。

 

 でも、それは全て終わった後だ。

 

「平行線ですわね。だからこそ、デュエルで決着を付けましょう!!この黒咲があなたとデュエルを行い、勝利したなら、あなたと榊遊矢をいただきます!!」

 

 遊勝塾はいらない、か。まあ価値は無いし納得ではあるけど

 

「こちらが勝ったら?」

 

「犯人はあなた方ではないとこちらから説明しましょう」

 

「足りない。あんたの株もよこせ」

 

「ふざけるのもいい加減にしなさい!!」

 

「あーもーうっせえなあ、じゃあ今進めてる計画に口出すだけでいいよ」

 

「……何を考えているんですの?」

 

「あらゆる事を、時間が足りないんだからあんたらも使わせろ」

 

 理事長も何かを察したようで、それを受け入れる。黒咲は今にも俺を殺さんと睨みつける。怖いからやめて。

 

 

 

 

 

 

 デュエルフィールドに立ち、デッキをセットする。スタンディングはいい。余計な前振りがないからな。

 

「「デュエル!!」」

 

   黒咲隼

      VS

       本郷敦人

 

   LP4000

 

「俺が先攻だ!俺は『RR(レイド・ラプターズ)―バニシング・レイニアス』を召喚!召喚・特殊召喚成功時、手札から『RR』モンスターを特殊召喚できる。バニシング・レイニアスを特殊召喚し、再びバニシング・レイニアスを特殊召喚。更に効果で『RR―ナパーム・ドラゴニクス』を特殊召喚!!」

 

 果敢にモンスターを4体並べる。しかしチェーン確認ぐらいしてくれ。

 

「!?なんだ!」

 

「バニシング・レイニアスの最初の効果に合わせて『増殖するG』の効果を発動した。このターン、相手が特殊召喚する度にデッキからカードをドローする。3回特殊召喚しているんだから3枚ドローする。どうする?ここで止めるか?」

 

「ほざけ!!俺はナパーム・ドラゴニクスの効果発動!メインフェイズに相手プレイヤーに600のダメージを与える!」

 

「おっと」

LP4000→3400

 

「2体のバニシング・レイニアスでオーバーレイ!!冥府の猛禽よ 闇の眼力で真実を暴き 鋭き鉤爪で栄光をもぎ取れ!エクシーズ召喚!現れよ!ランク4『RR―フォース・ストリクス』!!」

 

 RR―フォース・ストリクス ★4

 ATK100/DEF2000

 

「効果でワンドローな」

 

「いくらでも引くがいい!フォース・ストリクスの効果発動!オーバーレイユニットを一つ使い、デッキから鳥獣族・闇属性・レベル4モンスター1体、『RR―ブースター・ストリクス』を手札に加える。バニシング・レイニアスとナパームドラゴニクスでオーバーレイ!再びいでよRR―フォース・ストリクス!当然効果発動だ。『RR―アベンジ・ヴァルチャー』を手札に加える。カードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

 手札を大量に消費したにしては、終わりは手札2枚。それもどちらも攻撃やダメージに反応するカード。だが、その代償は俺の大量の手札。しかも2枚残った手札と最後に引いたカードはあまりにもお誂え向きだった。

 

「俺のターン!魔法カード『手札抹殺』を発動。互いに手札を捨て、捨てた枚数ドローする」

 

「!!」

 

 黒咲はマズいと顔を歪ませるが、そんなの通常ドロー含めて6枚ドローさせる方が悪い。これで2妨害は消滅した。

 

「捨てた『暗黒界の龍神 グラファ』と『暗黒界の導師 セルリ』、『暗黒界の術師 スノウ』『暗黒界の尖兵 ベージ』『暗黒界の狩人 ブラウ』『未界域のツチノコ』『魔轟神獣ケルベラル』の効果発動。

 

 グラファは相手フィールドのカードを1枚対象にとって破壊し、セルリは相手のフィールドに特殊召喚する。破壊は……フォース・ストリクスにしとくか。スノウの効果で『暗黒界』魔法・罠カードである『暗黒界の文殿』をサーチ、ベージを自己蘇生してブラウで1枚ドロー。ツチノコとケルベラルも自己蘇生だ」

 

 バック間違いなくあれだしこっちから墓地に送りたくない。頼むから適当な所で発動しないでくれよなー頼むよー(懇願)。

 

「セルリの効果。『暗黒界』の効果で特殊召喚に成功した場合、相手は手札を1枚選んで捨てる」

 

「くっこちらの手札をまだ」

 

「何言ってんだ?捨てるのは俺だよ」

 

「なんだと?」

 

「セルリは今お前のフィールドにいる。お前のフィールドで発動してるんだからその相手は?」

 

「……貴様というわけか」

 

「イグザクトリー!手札の『暗黒界の魔神 レイン』を捨ててレインの効果発動。相手の効果で手札から墓地へ捨てられた場合、自分フィールドに復活。その後相手モンスターか魔法・罠カードどちらかを選んで全て破壊する。モンスターを選択!」

 

「なんだと!?……リバースカードオープン!『RR―レディネス』!フォース・ストリクスをバトルの破壊から守る!」

 

「うわーやられたー!!」

 

 フィールドに降り立った神が雷を落とす。黒咲のフィールドは焼け野原となり、黒咲はブツブツと呟き始める。てかもう1ターン伸びたの確定したわやめちくりー

 

「お前達はずっとそうだ……俺達の次元に土足で踏み込んで、全てを破壊していった」

 

「勘違いも甚だしすぎる。そういうのは終わった後にしてくれ」

 

「終わった後だと?俺達は終わらない。たとえ敗れたとしても、後に続く者が必ず貴様等を倒す!」

 

 俺まだ融合次元のスパイと思われてるってマジ?

 

「俺はフィールド魔法『暗黒界の門』を発動!墓地のセルリを除外し、手札の『暗黒界の魔神王 レイン』を捨てて1枚ドロー。レインの効果発動。捨てられた事でデッキからレベル5以上の『暗黒界』モンスターであるグラファを手札に加える。文殿を発動。『暗黒界の取引』を発動。互い1枚ドローして手札を1枚捨てる。捨てられたベージを効果で蘇生。文殿は『暗黒界』カードの効果で悪魔族が捨てられた場合、手札を1枚捨てて2枚ドロー。捨てたのはブラウだから効果で1枚ドロー。

 

 レベル4暗黒界の尖兵 ベージとレベル3未界域のツチノコにレベル2の魔轟神獣ケルベラルをチューニング!破壊神より放たれし神の槍よ 今こそ魔の都を貫け!シンクロ召喚!『氷結界の龍 トリシューラ』!!」

 

 氷結界の龍 トリシューラ ☆9

 ATK2700/DEF2000

 

「シンクロ召喚だと!?」

 

「トリシューラの効果発動。シンクロ召喚に成功した場合、相手の手札・フィールド・墓地のカードをそれぞれ1枚までゲームから除外する!」

 

 黒咲の手札の1枚と墓地のレディネスを除外する。エフェクトが凍らせて砕くというものでめっちゃカッコいい(小並感)。

 

「させるか!レディネスを除外し効果発動!このターン、受ける全てのダメージを0にする!」

 

「魔法カード『暗黒界の援軍』発動。自分の墓地のレベル4以下の悪魔族モンスター、ベージを特殊召喚して手札の悪魔族モンスターであるグラファを捨てる。2体のベージでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!この世の全てを握り潰せ!『(ナンバーズ)106!巨岩掌ジャイアント・ハンド』!!」

 

 №106巨岩掌ジャイアント・ハンド ★4

 ATK2000/DEF2000

 

「速攻魔法『暗黒界の登極』発動!墓地のグラファとツチノコで融合!闇を統べ 現世の影に潜み 願いを乗せて私は征く 龍神は今 全てを束ねる王となる!融合召喚!『暗黒界の龍神王 グラファ』!!」

 

 暗黒界の龍神王 グラファ ☆10

 ATK3200/DEF2300

 

「ブラウを通常召喚。そして墓地の魔神王 レインはフィールドのレベル7以下の『暗黒界』を手札に戻して墓地から復活できる。ブラウを戻して蘇生。カードを3枚伏せてターンエンド」

 

 妨害が無いって……気持ち良い……でもやっぱ誘発の空中戦もいいなって思っちゃう(中毒者)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 黒咲は自身の身に起きた事に一種の浮遊感を覚えていた。

 

 手札抹殺で引いたカードは『RR―スカル・イーグル』と『RR―ヒール・イーグル』の2枚。次のターンでランクアップマジックのどれかを引くことができれば『RR―デビル・イーグル』でレインの攻撃力分のダメージを与え、スキップフォースならば『RR―ブレイズ・ファルコン』で全滅しながらライフを削り切り、他のカードでも『RR―ライズ・ファルコン』で一番攻撃力の高いモンスターの攻撃力を加算し、逆転する術はあった。展開するとしても1体や2体なら逆転できる。そう信じていた。

 

「(ノ・ω・)ノオオオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアア!!!!」

「ゴギャアアアアアアアアアアアアアアア!!」

「グオオオオオオオオオオオオオオ!!!」

「フォオオオオオオオオオオオオオ!!!」

「……」

 

 なんだこの状況は。

 

 自分が相手しているのは融合次元のスパイなのではないのか?融合次元はもう融合以外の召喚法を全て身に着けているのか?なぜ自分は1ターンでここまで追い詰められているのか?融合次元のデュエリストとは何度もデュエルし、追い詰められながらも勝利を重ねて来た。しかし、これはそのレベルを遥かに超えている。現実味が無い。

 

「お、俺の……ターン……」

 

 手が重い。身体がガクガクと震える。最後に命の危険を感じたのはいつだろうか。妹の瑠璃が攫われた時にも現実味の無い浮遊感が襲ったが、これはそれとは全く違うものだった。もう諦めるしかないのか。そう思いふとガラス越しに見えるユートを見やる。

 

「……何を考えているんだ」

 

 俺はまだやるべき事がある。ここで終わるわけにはいかない。ユートを助けるために、融合次元から瑠璃を救うために、エクシーズ次元で泥沼化している戦争を終わらせるために、戦うと決めた自分はどうした!

 

「……うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

 まだライフは残っている。諦めるにはまだはやい。敵が何を構えているか分からないが、自分にできるのはただ前に進むのみ。雄叫びをあげてカードを引く。

 

「ドロオオオオオオオオオオオオ!!よし!RR―スカル・イーグルを召喚!手札の『RR―ペイン・レイニアス』の効果発動!フィールドのスカル・イーグルの守備力500のダメージを受け、このカードのレベルをスカル・イーグルと同じ3として特殊召喚!」

LP4000→3500

 

 黒咲はまだ諦めない。ここで伏せカードを使わなかったのは攻撃反応型か、しかし止まらない。止まれない。せめてユートにはこの男の実力と使用するカードを知らせなければ。

 

「俺はスカル・イーグルとペイン・レイニアスでオーバーレイ!エクシーズ召喚!!現れろ!ランク3『RR―デビル・イーグル』!!!」

 

 RR―デビル・イーグル ★3

 ATK1000/DEF0

 

「デビル・イーグルの効果発動!オーバーレイユニットを一つ使い、相手フィールドの特殊召喚された表側表示モンスター1体を対象に、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与える!!」

 

「この中で1番高いのは……グラファの3200!」

 

「少し届かないが……」

 

 そう、彼の意志はユートに引き継がれる。LDSにも彼の情報は届くだろう。自分のできる事は「チェーンで」え?

 

「グラファの効果、相手のモンスター効果・通常魔法・通常罠を発動した時、その効果を『相手は自分の手札を1枚選んで捨てる』に変更する」

 

「ば、馬鹿な!!効果を書き換えるだと!?」

 

「俺が捨てるのはスノウだ。効果で登極を手札に加えるぞ」

 

 黒咲は思わず膝を着く。最後まで相手の思惑通りになった。もう自分にできる事は無い。力を抜き、両手を広げた。

 

「ターンエンド。やれ。一思いにな」

 

「じゃあ俺のターンでバトル。全軍進撃!」

 

 巨大な岩の手が、2対の魔神が、氷の龍が、漆黒の龍が襲い掛かる。自身の僕がひしゃげるように潰され、爆風に巻き込まれる。黒咲は走馬灯のように流れる思い出の中で、最期を思い叫んだ。

 

「ユートオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

 

 

 

 

 後は……頼んだぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

 

 LP3500→2500→0

 

 もう、自分は戦場から姿を消す、しかし、自分の鉄の意志と鋼の強さは、後ろを進む者に受け継がれる。そう願い、その身をカードに……

 

「いや無いからね。そういうの」

 

「は?」




ソリティア長い。
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