輝く星の傍に〜有馬かなの弟〜   作:黒い柱

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少ないですが、書きました


第二話〜出会い〜

 自分が転生してまず最初に感じた感覚は、「この子、顔面偏差値高すぎんだろ……」である。こちらは前世は本当に普通の顔面だったため、内心自分の顔かと疑わざるをえなかった。

その結果、思い始めたのは姉である有馬かなを追いかけるて俳優を目指す、という目標だった。

 

 そうは言っても顔はともかく演技はズブの素人だ。その方面で天才に勝つためには努力が必要不可欠だ。ということで生まれてから一年間は必死になって演技のノウハウを学んでいった。若い脳のためか吸収力が良すぎて驚いた。まあ、死んだ年齢が高校生だし、若いも何もないけど。

 

 そんな中、さっそくチャンスがやってきた。姉の出演する映画の見学が許されたのだ。姉を始め、さまざまな役者の姿を生で見るチャンスだ。逃すわけにはいかない。

 

 姉の出番が来るまで俺は待合室にいることになった。役は気味が悪い道案内の子供たちである。そんな中、姉は相方である少年とさっそくトラブルになった。

 

「ここはプロの現場なんだけど! 遊びに来てるなら帰りなさい!」

 

 相手の子役の妹が母に会いたくてギャン泣きしている様子を見て姉が言う。

 

「えっと……」

 

「私は有馬かな。今日の共演者よ」

 

 手元にあった台本を確認したところ、彼はアクアというらしい。

 

「アクアくんだっけ。僕は有馬怜人。よろしくね」

 

 俺が声をかけると、アクアの近くにいた少女が答える。

 

「……この子、アレじゃない? えっと……重曹を舐める天才子役?」

 

「十秒で泣ける天才子役!」

 

「ブフっ!」

 

 彼女の物言いに俺は思わず吹き出してしまった。重曹って……。よくそんな言い間違い思いつくな。天然で言ってる分下手な芸人より面白い。

 

「何笑ってんのよ、怜人。ドラマの泣きっぷりが凄いって話題になってるのよ」

 

「ごめん、姉ちゃん」

 

「ていうか、あなたたちコネの子でしょ! 本読みの段階じゃあなたもアイドルの子も出番なかったのに、監督のゴリ押しってママも言ってた! そういうのいけないことなんだから!」

 

 怒気を撒き散らす姉に俺はビビりつつ答える。

 

「姉ちゃん、ダメだって揉めたら……」

 

「こないだ監督が撮ったドラマ見たけど、全然出番なかったじゃん。どうせカットしなきゃいけないほどへったくそな演技したんでしょ。媚び売るのは上手みたいだけど!」

 

 俺の静止も振り切り、彼女は捨て台詞を吐いて出ていってしまった。恐る恐る後ろを振り返ると……

 

「お兄ちゃん」

 

「分かってる。相手はガキだ……。殺しはしない……」

 

 めちゃくちゃブチ切れてた。幼児が出していいオーラじゃないってこれ……。

 

「……えっと、ごめんなさい。ウチの姉がご迷惑を」

 

「別にいいさ、お前が謝ることじゃないし……」

 

「いやマジでごめんなさい。姉ちゃん、根は悪くないんです。ただ、ここんとこ忙しくて余裕がないみたいで……」

 

 このあとの演技に影響がなければいいが……。

 

「分かった。それじゃ俺はそろそろ行くから、ルビーはミヤコさんが来るまで待っててくれ」

 

 そう言ってアクアは出ていった。俺は近くにいた妹ちゃんに声をかける。

 

「えっと、ルビーちゃんだっけ。改めてごめんなさい」

 

「別にそんなに謝らなくても」

 

「そこはマジで迷惑かけた申し訳なさもあるけど、将来の仕事相手に蟠り持ったままだと支障出そうだし」

 

「てことはあなたも……」

 

「うん。一応役者目指してる。2人とも顔面国宝級だし、近い将来共演するかもね」

 

 そう俺が言ったところで、ルビーが黙り込む。

 

「……どうしたの?」

 

「……勘違いなら気にしなくていいんだけどさ、もしかして怜人くん、2周目?」

 

 マジか。そのワードが出てくるということは向こうもその可能性があるというわけか。ここは素直に打ち明けるべきか。これからの人生、協力者が一人でもいた方が立ち振る舞いは非常に楽になる。お互いをフォローできればそれがベストだ。しばらくどうするべきか迷った俺はボケをかますことにした。

 

「……俺男だし、妊娠はしてないよ?」

 

「この歳で妊娠はダメでしょ。てか、その返しするとか間違いなく2周目じゃん!」

 

 ルビーが少し大きな声で突っ込む。

 

「まあ、そうだよ。前世は高校生のときに崖で足を滑らせて死んじゃったんだ。その様子だとルビーちゃんも?」

 

「……まあ、そうね。あと、お兄ちゃんも」

 

「そっか。細かいことは詮索しないでおくけど、何かあったら相談して。と言っても携帯まだ持ってないから連絡先交換できないけど」

 

 そう答えると、ルビーはドン引きしながら言う。

 

「距離の詰め方エグ。嫌な予感しかしないんだけど」

 

 それに対して俺は苦笑いを浮かべた。俺のこのいつかまた会うことになるという予感は大的中するのだが、それはかなり先の話だ。

 

 

 

 

 

 




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