咲き誇れ秋桜(コスモス)! byウマ娘プリティーダービー 作:ちありや
作者のちありやです。「咲き誇れ秋桜(コスモス)! byウマ娘プリティーダービー(以下「秋桜」)」大団円で堂々完結でございます! お楽しみ頂けましたでしょうか?
あらすじにもある様に、本作は「MUDDY GLORY 〜泥だらけの栄光 byウマ娘プリティーダービー(以下MG)」の続編及び外伝として書かれたものです。まさかMGよりも秋桜の方が長くなるとは思ってもいませんでしたがw
元々はMGの番外編として書いた「5戦5敗のウマ娘」の主人公(執筆当時は名無しのモブウマ娘)ちゃんが単発使用では勿体ないな、と思ったのが秋桜の執筆動機です。
ジュニア級の頃からGⅠ戦線に殴り込んだMG主人公のスズシロナズナ(以下ナズナ)ですが、MGのあとがきにも書いた通り、僕は元々「勝てない」ウマ娘の話を書きたかったんです。
ただナズナの場合はライバルのブラックリリィが勝ち進んで行くと、戦績で参加資格が決まるレース世界ではライバルと競えなくなってしまうので、ナズナは仕方なく入着させてダラダラと『資格』だけは得る形になりました。
そして今回のコスモスキュート(以下コスモス)ですが、「勝てない」主人公のライバルもまた「勝てない」必要があります。でもそうなると低レベル同士の争いになって盛り上がりません。ここの見せ方がとても難所でした。
それを打開してくれたのがメジロパラディン(以下パラディン)でした。「名門メジロ家の出身。しかしそのメジロ家は衰退し、家の再起は彼女の双肩に委ねられた」という状況。むしろ彼女を主人公にした方が主役映えしますよねw
実際、現実のメジロ牧場は出走馬のレース不振による資金難から2011年に一度閉場しています。それを当時の岩崎専務が後を引き受け、再経営されているのが『レイクヴィラファーム』さんです。
パラディン外伝で「メジロの夢を継ぐ」と息巻いていたウマ娘『レイクヴィラ』のモチーフですね。
パラディンの抱える「メジロ家再興」は良い具合に本作の隠し味となってキャラを立たせる事が出来ました。
この「メジロ家再興」があるからパラディンも負けられない。レースのグレードとは全く関係ない所で、コスモスとの熱いライバル展開を持ってこれたのはとても助かりました。
ちなみにゲームのウマ娘本編ではメジロ家の衰退など起きておらず… と思いきや、カルストンライトオのストーリーの中でメジロ家のウマ娘達が「最近は勝てていなくて」という旨の話をしています。
さすがに僕の小説の様な一族の屋台骨が崩れるほどの深刻さは無いでしょうが、公式のウマ娘世界でもメジロは後継者不足に悩んでいるのは間違い無さそうです。
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さて、実は今回の「秋桜」ですが、作品の方向性として『全てMGの逆張りをしよう』という意図で執筆しました。
ナズナは勝ち気な性格だったからコスモスは大人しい性格にしようとか、MGではクラッシックレースを扱ったので秋桜はティアラレースにしようとか、ナズナは怪我したのでコスモスは健康のままにしようとか、MGでは学園のイベントがあまり出来なかったので学園イベント多めにしてみようとか、そして『恋愛』というトレーナーと生徒の関係ではタブーとされる話を盛り込んでみよう、とか……。
全てが上手く噛み合ったかどうかの自信は無いのですが、色々逆にしても話が作れるウマ娘世界の懐の広さを皆様に示せたのではないかと自負しておりますw
あとはナズナの凱旋門賞の話をきちんと書きたかったんですよね… MGの最終話でも「ナズナは凱旋門賞に勝利した」旨のわずか数百文字でしか描写されていません。
まぁそもそも《
なのに何故世界最高峰レースに勝てたのか? 単なる作者の贔屓なのか? 『最強主人公』がやりたいだけだったのか…?
えっと、それはですね。MG執筆終盤、ゲームの育成キャラでナカヤマフェスタが実装されたのですが、その中で「凱旋門賞は雨が多い」という記述があったのですよ。
それまで大して興味も知識も無かった『凱旋門賞』ですが、『雨』というワードを前に「雨と相性の良いナズナを走らせてみたい」という欲求が湧き上がりまして、ご覧の状況になった訳です。
ナズナの《
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あとやりたかったのは『実況』ですね。今回の「秋桜」では秋華賞でやらせてもらいました。
何げにあの秋華賞の実況部分を音読してみると、ちょうど2分くらい(秋華賞の平均コースタイム)で読み上がる仕組みになっています。ストップウォッチ持って自分で測りましたから。いやぁあれはちょっと苦労しましたねぇw
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そう言えば「秋桜」のサブタイトルって、その回のコスモスの台詞の中から抜粋されるのですが、これが意外と難しかったです。
基本的に一人称視点の話なので、「コスモス喋る必要無くね?」という回もあったりして、なんか無理矢理セリフを作った(その結果、何か変になった)事もままありました。このサブタイトル方式は苦労するのでもうやりませんw
そうそう、ウマ娘世界… というか女子界隈では割とお互いの誕生日イベントが重要だったりする訳ですが、「秋桜」ではバッサリとカットしました。
理由は「ストーリーが進まない上に面倒臭い」からです。
主役のコスモスを含めトッカンやパラディンなど、大小20名以上のウマ娘が出てくる作品で誰それの誕生日とかいちいちやってられんわ、というのが偽らざる本音です。
しかもウマ娘の誕生日は1月末から6月頭の半年未満に集約します。この期間コスモスは初勝利からの連戦、ドロワ、春ファン、そしてティアラトライアルと極めて多忙でした。
それらに加えて誕生日がどうとかはテンポを悪くするだけと判断しカットした次第です。
まぁ作品内で語られなかっただけで、コスモスや仲間たち各々の誕生日イベントは何かあったのだろうとは思いますが、その辺は読者様のご想像にお任せします。
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次にサブキャラのトッカンクイーンとオオエドカルチャーとハピネスシアターとスメラギレインボーの4人ですが、この4人はMGにもチョイ役で登場しています(他にもエバシブとかイーグルダイブとかもいますが、まぁ割愛でw)。
トッカンはナズナとクラッシック路線で何度も競っており、少しですがセリフもあります。
一方カルチャーはティアラ路線の強者として名前が出るだけでしたが、カルチャーのライバルであるクリスタルセイバーはナズナとも数度戦っています。
ハピネスはナズナの師匠であったプラチナアイリスが打倒ナズナの為に育てた刺客でした。そしてその想いは今作の宝塚記念で果たされます。
ナズナのクラスメイトでもあるスメラギは生徒会長という役職に就いている事からも、登場回数は増えましたね。
作者的に正直に申し上げると、このスメラギとコスモスのクラスの委員長であるアバロンヒルとの書き分けが弱かったなぁ、という反省点はあります。
本来スメラギをたくさん出す予定は無かったので、キャラ属性が丸被りしているアバロンを使い続けたのは僕の設計ミスです、ハイw。
一応アバロンは「スメラギ会長を尊敬しているので色々真似している」という設定はあるのですが、やっぱり後付け感が酷いですねw
ともかく、この4人をコスモスと絡ませる事で、強すぎず弱すぎない程度のMGとの繋がりが描けました。ナズナやリリィがガッツリコスモスと絡んでしまったら、恐らくコスモスが前作主人公に食われてストーリーが破綻していた気がしますw
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MGからの継続キャラと言えば、本当はツキバミももっとどうにかしたかった。
トレセン学園のスクールモットーにもある伝説の馬《エクリプス》のウマ娘として設定したのですが、史実通りの『無双』状態にすると面白くも何ともないんです。
まだツキバミ自身が主人公であったなら「俺サイキョー」路線で話を作れたのですが、ライバルキャラとして設定されると、主人公と『因縁』が無いとキャラとして動かないんですよね。
「MG」も「秋桜」でもナズナやコスモス達とツキバミの絡みはほとんどありません。完全に空気でした。
しかも伝説レベルに強いとなると、どこかでデバフをかけないと最多GⅠ勝利とか余裕で成し遂げてしまうので、ツキバミは可哀想ですが怪我を多発して休業期間を設けざるを得ませんでした。
僕にもっと文才があれば君の才能を腐らせずに活躍させられていたんだけど… ごめんなツキバミ……。
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さて、「秋桜」の次に書くウマ娘小説ですが、「秋桜」でも期待の新星として登場したウィッシュブリンガーちゃんを主人公に、「秋桜」の翌年度の話を書こうと思っています。ご期待下さい。
長くなったので、最後にコスモス達の来年以後のトゥインクルシリーズ展開を少しだけ書いておきます。
「秋桜」の翌年のレースは、リリィが年明けにいきなり屈腱炎を発症しレースからリタイアします。
GⅠレースはフォーゲルフライが覚醒し、無双状態となります。ライバルのハピネスは今一歩フォーゲルに及ばず、エバシブは姉のリリィの離脱により完全にヤル気を失います。
ナズナやコスモスはレースを続けますが、2人ともGⅡ〜GⅢではそこそこ好成績を収めるものの、今以上のGⅠは取れずにそのまま引退していく事になります。
え? なんで次回作はウィッシュの来年度の話なのに、わざわざこんな盛大なネタバレ情報を書いたのかって?
そりゃあこれらはウィッシュには関係無い事ですし、彼女は… おっと、これ以上は本当のネタバレになってしまうので秘密としておきましょう……。
ヒントとして次回作のタイトルだけ発表します。
「ナイトメア・ウィッシュ」
ナイトメアとはもちろん『悪夢』の事。
さて、順分満帆と思われたウィッシュブリンガーのレース人生。果たして彼女は一体どんな悪夢に囚われてしまうのでしょうか…?
これまでとはガラリと変わった世界観で、ウマ娘公式で描かれる事は絶対に無いであろう新たなストーリーが展開します。
書き始めるのはかなり後(来年の頭くらい?)と思われます。もしそれまで僕の事を覚えていてもらえたなら、また同じ場所でお会いしましょう!