壊れたフリして好きな子曇らすの楽しすぎる 作:邪悪なトリカス
ドーモ、ハジメマシテ、
ええ、転生です。日本の男からこの
前世のことは個人情報なので伏せておきましょう。
今世のことは、やはり個人情報たる名前は伏せておきましょうか。
代わりに今世の通り名を。
ええ、やらかした上に脱獄をキメました。テヘッ
ちなみに罪状は不良生徒の拉致監禁と
テヘッじゃねえよクソ野郎、だって? それはそう。
経緯を語り切るのにそう時間は必要ない。
前世と比べたらまさにゲームか何かのキャラかってくらいの戦闘力を手に入れたことを、絡んできた不良を返り討ちにしてしまったのをきっかけに自覚した”私”は完全に調子に乗り、立派な正義実現委員会のエリート(笑)に育ち、当然のごとく挫折し、荒れて、そこに嫌なことが重なって、最後には正義の意味を見失って。
気づけば
とにかく悪を消し去らなければならないという強迫観念に取り憑かれた”私”は、普通のトリニティ制服に着替えたとたんにまた絡んでくるようになった不良生徒を逆に捕え、もう悪事はしませんと言うまで、もし言わなければあと少しで本当に死ぬという所まで徹底的に痛めつけ、常に人の顔色を伺う大人しい生徒に
そんなことをトリニティ自治区やD.U.各地で繰り返しているうちに仲間だったはずの正義実現委員会から追われるようになり、仲間から逃げて、不良と戦って、捕らえて痛めつけて、また仲間から逃げて……
ふと正気に戻った頃には矯正局の独房でボロぞうきんみたいに蹲っていた。
正義実現委員会にも、ブラックマーケットの賞金稼ぎにも、ヴァルキューレ警察学校にも追われることのない矯正局の生活は規則正しく健康的で、看守だって意味もなく暴力振ってきたりしないマトモな奴ばっかりで身心ともに穏やかに過ごすことができた。
そして穏やかさを取り戻した心は、つい余計なことを考えてしまうもので。
何を考えたのかというと……
「あー、俺に銃向けたときの羽川の顔、もう一回見てえー……」
というものだ。逃げてるときはこちらも必死だったのであまり気に留めていなかったが、正義実現委員会副委員長で”私”の友達だった羽川ハスミの、泣きたいのを強靭な意志で必死に押さえこんで無理やり作ったのだとわかる、あらゆる感情が凝縮された
穏やかになった心で改めてその顔を思い出してみると、もう一度見たい、という気持ちが溢れて止まらなくなるのを感じたのだった。
前世を含めてもあれ程に美しく心惹かれるものを俺は見たことがなかった。これって恋?
恋じゃねえよド変態、だって? それはそう。
そのド変態に覚醒した俺は趣味が破壊と略奪のヤベー奴、災厄の狐の脱獄に便乗した。
建前上は逃げた災厄の狐を追って。実際、あいつは”私”からすれば加工対象だったし、クロノスも「脱獄の動機は恐らくそれ」と報道した。
まああの狐はすぐに先生に嫌われることを恐れて大人しくなる(キヴォトス基準)んだけども。
それに、仮にあいつを捕まえても多分矯正局に帰ることはない。だって羽川に会えないし。
で、脱獄当日は先生と思しきイケメンを連れた生徒たちを発見。プロローグの真っ最中らしく、その中に羽川もいた。
ちょうどあちらからギリギリ見える位置に立って眺めていると無事こちらを発見。
せっかくなのでいっそ気持ち悪いくらい、それこそ今まで誰にも見せたことが無いくらい、おもいっきり明るく元気に手を振ってみると”私”のあまりの変わり様に動揺する羽川を拝むことができた。
どうせ報道されるとはいえ、やはり羽川には真っ先に脱獄を知っておいてほしかったので大満足だ。
狙撃されるかな、と思ったが、とっさに動けなかったらしく難なくその場を離れることができた。
そして脱獄者を八囚人と呼称する報道が為され、いつの間にかつけられていたらしい”独善の鳩”の名を賜り今に至る。
過激な
考えたやつは皮肉が大好きらしい。もしくは暇だったのかな? 俺としては気に入ったが。
さて、自分語りはこの辺にして……せっかく脱獄したんだから、また捕まるまでにやりたいことやらないとな!
という訳で戻ってきましたトリニティ自治区!
待ってろ羽川……”私”がゲヘナの不良を拷問するところ、また見せてやる。ゲヘナなんて皆撃ってしまえば良いって”私”の前で言ったのはお前だからな? ちゃんと見ろよ? 目を逸らすなよ?
「ははは、楽しみだなぁ!」
いつか起きる調印式ミサイル事件より前に、ひと暴れさせてもらおう。だからまた、あの顔で捕まえに来てくれ。
今度こそ、完全に。お前自身の手で終わらせてくれ。
頼むよ、ハスミちゃん
好評そうなら連載にして今後のこととか過去とか書くかもしれませんがとりあえず短編で垂れ流します。
(追記) 続きます