弱いのが嫌で転生したら、初っ端から最強でした。 作:くらんもち
ちなみに諸々の都合で雪月花よりは更新が遅くなります(断言)。
もしかしたら現代兵器も少しだけ出るかも……?
もう、消えてしまいたい。本当に、弱くて、俺は、自分が大嫌いだった。事故で両親と妹を喪ったのはつい先週。何でも、パトカーに追い掛けられ、焦っていた凶悪犯が信号無視、そこにいた両親の車に追突したらしい。横からぶつかり、運転していた親父と、その後ろに乗っていた妹は即死。さらに転がったせいでお袋も当たり所が悪く病院にて死亡確認。
偶々。そう、偶然だった。偶々凶悪犯がいて、偶々警察にそいつが見つかって、偶々そこにいた家族が死んだ。
死ぬなら俺のほうが良かったのに。もう嫌だ。今まで家族のために、みんなのために、働いてきた。親孝行がしたかった。あいつも、年頃の高校生。オシャレだってしたかっただろう、友達と遊びまくって笑っていたかっただろう。でも、それを見ることはもう叶わない。本当に、弱い。弱すぎて、死にたくなる。強くなりたい。大切な人達を死なせたりなんてしないように、もっと稼いで、楽もさせたい。だけど、どうすりゃいい?俺に出来ることなんて………。
ピコンッ
メール?こんな夜遅くに?しかも俺の家用のパソコン。3年前ならともかく、今はほとんど使っていない。さらに言うなら、これのアドレスは家族ぐらいしか知らない。なのに何故?
訝しりながら、それを開く。それには、こんなことが書いてあった。
『おめでとうございます!あなたは転生する権利を得ました!剣と魔法の世界に生まれ変わって、自由を謳歌しよう!
はい
いいえ
』
「……胡散臭。」
思わずそんな声を漏らす。絶対フィッシング詐欺だろこんなの。隠そうともしない胡散臭さに、硬直して画面を見つめてしまっていた。我に返り、メールを削除しようとする。すると、
『答えないので了承と見なします!それでは、異世界に行ってらっしゃ〜い!٩(๑>∀<๑)۶』
「は?」
そして、俺の意識は遠ざかってゆく。
ぼやけつつある頭で、何となくだけど、良いかもしれないと思った。だって、異世界転生ってことは記憶もあるんだろ。それなら、もう同じ失敗はしない。絶対に、守り抜いてみせる。それが家族への、せめてもの手向け。そんなことを考え、俺の意識は闇へと沈んだ。
……随分と、時間がかかるのな。そんなことをふと思った。だって、あれから30分は経ったのに未だに視界は開けない。というより目が開けない。物理的に。だが、それでも異世界に向かっているというのは、妙な確信とともに感じていた。
さらに10分ぐらい後。ようやく瞼の裏が明るくなる。
お、そろそろいいかな。
そして目を開けると……。
見渡す限りの、大草原だった。
往復ミサイル様の『転生者が異世界で現代兵器を使うとこうなる』に感化されたのは内緒。