マイク『1時間程昼休憩挟んでから午後の部だぜ!じゃあな!!!イレイザーヘッド飯行こうぜ…!』
相澤『寝る』
マイク『ヒュー!』
切ってから話しなさいよ…
お昼…
出久「やっば、座るとこない…」
もう外で食べようかな…
麗日「あ、デクくーん!」
出久「麗日さん!」
麗日「席取っといたからこっちおいで〜!」
まじか、感謝や。
出久「いやはや、ありがとうね。」
麗日「いえいえ。」
飯田「素晴らしい動きだったな、緑谷くん。」
出久「飯田くんもあのスピードは初めて見たなぁ。流石に対応できない。」
麗日「初見で対応出来たらもうそれは人間じゃないと思うよ…」
出久「えっ」
麗日さんに人外判定されたら生きていけないわ。
飯田「だが、こちらのハチマキも取っていたからな。俺も驚いたさ。」
出久「なんか、見えたから…」
麗日「すごいね…」
そんなことを話しながらお昼を食べていると
轟「緑谷、ちょっといいか?」
出久「轟くん?どうしたの?」
轟「少し話がある。」
出久「ん〜、ここじゃできない話?」
轟「あぁ。」
出久「ん、分かった。」
「2人とも、ちょっと席外すね。」
飯田「あぁ、分かった。」
〜
轟「……悪りぃな、時間取らせて」
出久「大丈夫だよ。それで話って?」
とりあえず轟くん家の地獄を聞かされます、と。
そこから話されたのは、とても非常な現実だった。
個性婚。超常黎明期、人々に個性が芽生えて以降第二世代から第三世代で問題となったもの。より性能の良い個性を持った子どもを創り出すことを目的として為される婚姻のことである。
轟の父、No.2ヒーローエンデヴァーは超えるべき目標としてオールマイトを常にライバル視していた。やがて自分ではオールマイトを超えられないと悟った彼は、高熱を操る自身の個性と相反する冷気を操る個性を持った女性と結婚する。自身の欠点であった熱が籠ってやがて個性が使えなくなるという点を、冷却する個性で解決しようとしたのだ。
もちろん、そう上手くはいかない。何人も子どもができて、その度に失敗してきた。それでも諦めずに妻に子どもを産ませ続けて遂にできたのが末子の最高傑作、轟焦凍という訳である。
エンデヴァーは幼い轟に何度も何度も辛い訓練をさせた。妻の静止も聞かず、轟をNo.1を超えたヒーローにするために。優しかった母を追い詰めていった父のことを、轟はそれはもう憎んだ。
エンデヴァーを否定する。やがて家庭で唯一父から守ってくれた母も失ってからは、それが轟の行動理念となった。両親から受け継いだ氷結と熱の個性の内氷結の方だけを用いてNo.1となり、エンデヴァーなど必要なかったと証明する。轟焦凍という男のたった一つの目標であった。
轟「俺の左側が憎い。段々とあのクソ野郎に似てくる俺のことを怖いと思ってしまう。母はそう言って俺に煮湯を浴びせた」
出久「…」
轟「悪いな。気分悪くなる話だっただろ。それでもお前には聞いてほしかったんだ。同じオールマイトを超えようとする者として」
そう轟が去ろうとする。
出久「轟くんはそれでいいの?」
轟「は…?」
やっぱ何も言わないのは癪というか我慢できないというか。
出久「君は今、憎しみが原動力となっている状態だ。そんな君が、その目標を達成した後、果たして君には何が残るの?」
轟「…何が言いてぇ。」
出久「じゃあはっきり言ってあげるよ。」
「"君の生き方は間違ってる"」
轟「っ!?」
出久「憎しみは、何も生まないし何も残らない。残るとするなら役目を終えた抜け殻の身体だけだよ。」
轟「お前に俺の何がわかるっ!」
出久「分からないよ、憎しみと復讐しかない人の人生なんて。」
「でもね?一つだけ言っとくよ。」
「君は"まだ変われるよ"」
そう言って去る。さてと、あれだけ大口叩いたんだ。
目指すは優勝、だな。
本当は、気持ちの奥底では、轟くんの所で負けようと思ってた。
彼の為にも。
でも、気が変わった。
やってやりますか!
マイク『予選落ちしたリスナーに朗報だ!あくまでこれは体育祭!全員が参加できるレクリエーションだって用意されてるのさぁ!本場アメリカからチアリーダーも呼んでいっそうの盛り上げを……!』
皆「「「…」」」
拳藤「どうしたの、A組……?」
マイク『ありゃあ?』
相澤『なーにやってんだ、あいつら……』
視線を集めているのは、A組の女子陣。何故だか知らないが、雄英が招待したチアリーダーに混じって同じ格好をしていた。全員、この世の全てを恨むかのようにどこか遠い目をしている。
事の発端は、上鳴の一言。みんながチアリーダーをしているところを見たがった彼が、騙されやすい上に衣装を用意できる八百万を言いくるめて女子陣に着させたのだ。
騙していることに気付いた峰田が珍しく止めようとしていたが、「でもお前も見たいだろ?」という言葉に嘘は付けずに結局やらせてしまう。その結果この状況が出来上がったのだ。
…
上鳴「午後は女子全員でチアやって応援合戦しなきゃいけないんだってよ!」
八百万「そんなこと、聞いていませんけど……?」
峰田「信じる信じないは勝手だけどよ、これは……相澤先生からの言伝だからな!」
…
出久「…そーいやこれがあったか。」
八百万「騙しましたわね、上鳴さん!峰田さん!」
麗日「ま、まぁ息抜きくらいにはなるだろうし……」
蛙水「お茶子ちゃん、庇わなくていいのよ」
ちなみに、葉隠の「面白そうだし、衣装も勿体無いからみんなで踊ろうよ!」という鶴の一声で結局みんなチアリーディングをすることになった。上鳴と峰田は後で必ずシバく、と共通意識も持って。
出久「はぁ…」
仕方ない、やるか。
出久「麗日さん。」
麗日「あ、デクくん、おかえり…。」
出久「うん。あ、片付けありがとうね。」
麗日「ううん、大丈夫だよ。」
出久「それはそうと…」バサッ
麗日「わっ」ファサ
とりあえず僕の体操着を麗日さんに着せる。
出久「とりあえずこれ着てて。後八百万さん、みんなの分の服か大きめのタオルをお願い。」
八百万「わ、分かりましたわ。」
出久「さて、と。」クルッ
上鳴・峰田「「ビグッ」」
出久「どうしてやろっかな〜?」
上鳴「ゆ、許してくれ緑谷!」
峰田「お前だってこの状態悪くないって思うだろ!?」
出久「そうだね、皆を騙してなければいいなって思えたね。」
「まぁ、僕もそこまで鬼じゃない。」
2人「「えっ?」」
出久「お互いデコピン一発で済ませといてあげるよ。」
上鳴「ま、まじか緑谷!」
峰田「心の友よぉ…!」
出久「んじゃあ、おデコ出して?」
2人「「はい!」」バッ
出久「行くよ〜?」グググ
ま、普通にやる訳ねぇだろうよ。
OFA5%…
出久「デラウェア・スマッシュ!」パァン!
2人「「ぎゃああああ!!!」」
制☆裁!
この後女子軍から「ありがとう」「よくやった」「嬉しかった」と褒められまくった。やったった。