推しの子の弟は兄を推す   作:oz-ono

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転生した青年は兄を見つける。

 

気がつけば病院の天上を眺めていた。

 

 

「どこだここ?」

 

「起きましたか?先生呼びますね」

 

「あっ、はい」

 

 

だんだん思い出してきた。股間のあたりを刺された・・気がする。焦って確認する。たまも……棒も…………無事!?え?あ、これ無事なのか??!!!のびてる????!!!

 

カテーテルか、チビリそうなほど焦った、チビれないけど。

 

それに分厚く包帯がキッチリされてる。ってことは長く寝てたんだな。

 

すぐに医者が入ってきた。

 

 

「何があったか覚えてますか?」

 

「買い物に行ってたと思うんですがなにかありました?」

 

 

アイドルの自宅で刺されたとか言えない。星野さんの、アイドルの家でそんな事が起きたってなんて言えばいいかわからないし。足を切られて一気に倒れたってことは出血がひどかったはず。太股の付け根の血管がいかれてるなら大量出血、記憶に齟齬がでていたっておかしくはない。

 

フローリング代……嫌もう事故物件じゃね?部屋のオーナーは自分が死ぬかでそれが決まるしヒヤヒヤしてるだろうなぁ……。

 

やばいな、誤魔化して何も覚えていないって言い張るが、それでも自分で自分の状態が良くないと自覚できるぐらいには出血したっぽい。頭回らない。

 

警察にも同じように何も知らないで押し通した。

 

 

「じゃあ犯人に面識は?」

 

「交通事故ですかね?覚えてないです」

 

「なるほど」

 

 

アイの自宅の下の家、調べられたかも知れないが・・拷問器具とか隠してくれただろうか?そのまま捕まらないってことは部下がどうにかしてくれたのだろう。ボーナスあげよう。

 

外にいた部下共はセキュリティを素通りした青年は不審者とは考えなかったようだ。やっぱりボーナスカットか?

 

 

それにしても、トイレから出た瞬間、ドアを開ける直前だった星野さんを押しのけて刺された。自分がターゲットだったのか、星野さんがターゲットだったのかがわからない。

 

というか下手してしまったな……とっさに動いて無理やりな体勢だったけどもっとうまく出来たはずだ。

 

犯人は自殺。兄さんを殺した奴と一緒だったのかはわからない。

 

 

身寄りのない自分のもとには部下たちとミヤコさんとアイさんがよく通ってくれて……壱護社長は失踪、やっぱりやつが犯人だったか。

 

居なくなってからヒットマンを用意したのかも知れない。

 

奴と対面してやつに嘘はないと信じた自分が馬鹿だった。ぶっ殺しておくべきだった。

 

 

ミヤコさんはメディア向けのアピールでのお見舞いなどではなく、甲斐甲斐しく世話をしてくれているが本当に何も知らないようだった。

 

それはそれとして……

 

 

「ところでアイさん、お話があるんですがよろしいでしょうか?」

 

「なになに?」

 

 

瑠美衣ちゃんがおしめを替えに行った今がチャンスだ。

 

 

「転生ってわかります?」

 

「なにそれー?」

 

「生まれ変わりってことですね、死んで別人になるってことですが、実は俺もそうなんですよ」

 

 

全然信じていないな。それでも良い。―――……これはアイさんに伝えたい話ではない。

 

 

「へ、へー……」

 

「いやほんと、別の日本で死んだと思ったらなんかこの日本で生まれてきたんですよ」

 

 

すごく渋い顔をしている。中二病患者とでも思われたか、臨死体験でおかしなことを言い始めたのかとでも思われているのかも知れないな。

 

 

「だから前世の音楽作るのが趣味だし、この日本にはない便利グッズや特許で稼いでます……中学生で特許で稼ぐなんてなかなかいないでしょ?まぁ証明にはなりませんが」

 

「そうなんだー」

 

 

棒読みである。お医者さん来ないかとでも思っているのかな?それよりも抱かれているアクアだ。

 

一瞬かなり驚いた顔をしたのは見逃さなかった。

 

 

「それで、それで、家族が死んで、俺はゴミな親族に引き取られて、殺されそうになって……ギリギリで吾郎にーさんを知って、東京から産婦人科医に受診しにいったんだ。………それで、それでなんだっけ?血が足りない」

 

 

今伝えないと、つながりが無くなってしまうかも知れない。

 

探させてストーキングしてもいいが、それでもこのつながりは大事にしたい。

 

この顔の良い、何を考えているかわからないアイドルはどうでもいいが。

 

 

「センセ、もう寝てた方がいいんじゃない?」

 

「あ、あー、それで、それで、せっかく頑張ってきたのにクソゲーだな人生とかって思ってたんだけど、吾郎兄さんだけが心の支えで、未婚の兄さんからしたら遠縁の面倒も見なくてもいい断っても良いのに身元引受人になるとか邪魔にしかならないのに、引き取ってくれて。

俺や俺の親の財産を渡そうとしてるのに受け取らないって意固地で、むしろ生活費入れてくれてて。

一緒にアイドルグッズ一緒に買ったりして。こんな言い方言うの恥ずかしいんだけど……家族として愛しててさ、最高に楽しかった、楽しかったんだ」

 

「それでなんで私に話すんです?それもアクアも一緒に、あれ?アクアどしたー?」

 

 

目をそらしアイに抱きついたアクア、逃がす訳にはいかない。

 

 

「うん、それで気がついたんだけど、吾郎にーさん、あんた転生したんだよね?」

 

「え?」

 

 

アイに抱きついてこっちを見ないが肩がはねたな。

 

 

「ナイフで刺されたとき、初対面の僕のことを吾郎にーさんしか呼ばないセータって呼んだよね?アイさんも忘れていた俺の、知るはずのない名前を」

 

「な、ナナナ、なンのこっトカなぁ?」

 

 

完璧な動揺、当たりだ。夢じゃなかったか。

 

兄さんも転生してほしかった。どんな場所で、どんな親に生まれるかは分からなかったが……まさかこんな近くに生まれ変わっていてくれたとは。

 

 

「そうなのアクア?」

 

「乗り移ったとも考えられるけど幼児が止血方法や対処法を言えるわけがないんだよなぁ?ねぇ?ご・ろ・う・に・い・さ・ん」

 

「バ、バァブー」

 

「まぁいいや、兄さんなら俺が転生者だってことわかるよね?」

 

 

ごまかす気か、無理があると思うんだが?

 

 

「誰が吾郎に―さんの部屋を片付けたと思ってるんだ?バラすぞ?それでさ、俺なら彼女を日本一のアイドルにできると思うんだが、どうする?今ならいくつかの方法もあるぞ」

 

「……アイにだけはバレたくなかったんだけどなぁ……ほら、だって普通の子を産んでほしかったし」

 

「うちの子すごぉい!じゃあお医者さん!お医者さんになれるよアクア!」

 

「アイ、今まで言い出せなくてごめん」

 

「良いよ!だってアクアは私の子なんだからっ!!」

 

「アイ、お母さん、ごめん、ごめん」

 

「いーよ、産まれてきてくれてありがとうね、アクア……」

 

 

なんだか感動のシーンっぽいけどにーさんこっちに来てくれないかー。まぁいい、これで吾郎にーさんと会っても良いはずはずだ。

 

 

転生前の日本はこことほとんど同じだったけど微妙に違っていた。

 

有名な芸能人の誰でも知ってるレジェンドの名前が違ってて、楽曲も古いのしか同じのがない。

 

 

「吾郎にーさん、いや、アクア。前世での音楽、前世を、家族を忘れないために下手なりに作ってるんだけど、使えると思うんだよね」

 

 

別の日本で人気だった曲は網羅してるし耳コピはできて600曲ぐらいは作った。

 

歌は音痴な自分の声で収録してるから控えめに言ってゴミだし、聞いたことのない2番3番の歌詞は抜けている。

 

調べ直すことも出来ないから一部はおかしくなっているかも知れないがそれでも日本は日本、きっと使える曲も多いだろう。

 

 

「前世で音楽のランキングトップの曲や人気曲は網羅している。これを使えば殿堂入りトップアイドルも夢じゃない…いや、トップシンガーかな?…そう思わない?」

 

「確かに、あの下手くそでいくら言ってもやめなかった音楽がここで役に立つとは……」

 

「下手でいいの!思い出すための音楽だから!!僕自身は音痴なのわかってるからっ!!たくっ」

 

「まぁそういうわけでさ、アイをにーさんが応援したいなら、僕は手助けができるよ」

 

「ナイスだセータ!……ところで部屋のものってどうなってる?捨ててくれた?」

 

「いや、全部残してるよ、流石に部屋は解約したけど」

 

「うぐっ?!」

 

 

いつかは前世のコピー音楽を、誰かに歌ってもらいたかった。思い出すにしても自分のクソ音痴だと余韻も無い。

 

 

「私にも似合う曲あるの?」

 

「あるよー、でも芸能界とかレーベル?とか詳しくないんだけど」

 

「ミヤコさんに聞けばいいよ、何でもわかってるしぃ」

 

 

失踪した壱護の奥さんというのはなんだか微妙な気もするが、近くにいることで様子を見ることもできる。

 

なにせ美人、世話を焼かれるなら美人の方がいい!

 

 

「なんですか?」

 

「いえ、美人だなと」

 

「か、からかわないでくださいよっ!?」

 

 

正直好みである。

 

彼女は失踪した社長のことで罪悪感から介護してくれているのか、それとも壱護にこちらの情報を流すようにしているのかは分からないがそれでも巨乳で色気が具現化しそうな美人にお世話されて嬉しくないわけがない。

 

 

「退院したらディナーでもどうですか?」

 

「え?まぁ良いですけど」

 

「苺プロとの楽曲の提供についても知りたいですし」

 

「楽曲?貴方音楽でもやってるんですか?」

 

「僕自体はとても音痴ですが」

 

「は?」

 

 

それはそれとしてにーさんもいるし苺プロに楽曲提供する準備をしないといけないが何が良いかな?にーさんは幼児だし幼児向けの体操の曲とかどうかな?

 




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