ラブライブ! -School life recorder- 作:Clown42
別にできなくてもいいんですが、何度も何度も長いとさすがに読みずらいかなーっていう勝手な思い込みですのでお気になさらずw
活動報告でも書きましたが現在SAOを同時進行で書いています。
一応ラブライブ→SAO→ラブライブ......と順々に書いていくつもりですが気分で変動します、あしからず。
4月7日 火曜日
予期せぬ携帯の着信音で目を覚ます。
部屋の広さ故に小さい音でも結構うるさいので早々に止める......はずだったのだが......
何故だろう、腕が全く動かない。いや、金縛りとかの類いじゃないと思うのだが。なんか重量感あるっていうか、抑え込まれてる感じ?
だが、頭の方も覚めてきてようやく理解した。
そうだよ、俺は昨日寝るまえに穂乃果に抱きつかれてたじゃないか。そりゃ動けんわけだ。
そうこうしてるうちに着信音は鳴り止んでしまったので、穂乃果が起きるまで待つ事にした。今日から普通登校なので、あと少しだけなら寝てても問題ない。
「ん......ふにゃ?」
「よう、おはよう。穂乃果。」
「うん......おはよう悠理くん......って、悠理くん!?」
「どうした?」
「いや、『どうした?』じゃないよ!?何でいるの?」
「だって、ここ俺の部屋だし」
「え?」
さすがの穂乃果もこの状態には驚いたようで、顔が真っ赤になってる。ここが俺の部屋だと言ったら、更に赤くなって俺を抱く力が強くなる。もしかして、俺を抱いてるの事にも気づいてないのか?
「ところで穂乃果さん」
「は、はい!?」
「そろそろ放してくれるとありがたいんだが」
「放す?あっ......」
やっぱり気づいてなかった。
穂乃果はすぐさま俺を放すと、両手で顔を隠していた。
いつもはガンガン前に進んで、皆を引っ張っている穂乃果。それでもお菓子等の甘いものを食べるときや、かわいいものを見てたりするときは。ああ、女の子だなぁと思うのだが。こういうことで恥ずかしがっている姿を見ても女の子だなぁというか、少しかわいく思う。本人には絶対言わないが。
「ごめんね!もしかして、今日寝れなかったりした......?」
「いや、大丈夫だよ。まぁ、少しドキドキしたけど」
「そ、そっか。寝れたならよかった」
「さて、着替えて学校行こうぜ。早くしないと雪穂が穂乃果の部屋に来るんじゃないか?」
「あ、そうだね......うん、じゃあまた後でね」
どことなく残念そうにしてたのは気のせいだろうか。
とにかく、俺も着替えて部屋を後にすることにした。あ、そういえば着信来てたな。誰からだ?
携帯を起動するとメールが1通入っていた。
<sub:特別試験編入制の皆さんへ>
なんと、教育委員会からのメールだった。
実は、俺を含めた試験生は編入後は記録以外することが殆ど無いわけではなく。こうして教育委員会から何かとお達しがあることがある、大体はお知らせなのだがたまに課題的なものを出されることがある。
「あんまり面倒なものじゃなきゃいいんだが......」
ぼやきながらメールを開く
<特別試験編入生の皆さん、おはようございます。いよいよ新学期が始まり、皆さんの学校生活が責任を伴うものとなりました。中には親元を離れて活動することになった生徒の方もいるとは思いますが、その方はあまり羽目を外しすぎないで節度を持って行動して下さい。>
最初はやはりそういう文章でくるよな。
本題はここからか......
<それでは、本題に移ります。今回皆さんには、とある場所に来て頂きます。場所は各々に追って連絡致しますが、時間は19時です。そして、指定された場所に編入先の生徒会長と共に来てください。以上です。都合の悪い方は必ず連絡をしてください。>
なんだそりゃ、秘密の誓いでもするってのか。
とにかく、俺は19時までに穂乃果と指定された場所に行けばいいってことか。場所がどこかは気になるが、決まってないということは他の試験生に会わせてくれるってことは無いかも知れないな。元々試験生同士で連絡を取ったりするのは禁止されてるから別にいいけど。
ちなみにそれが禁止されてる理由は、他の試験生の学校にうつつを抜かすことがないようにするためである。まぁ、あくまで『俺が聞かされた理由は』だがな。それ以外に何かあるかは分からないが、何事にも表と裏がある。本当のことをなにも知らない方がいいこともあるだろう。
俺は携帯をカバンに入れて朝食を食べに部屋を後にした。
「あ、おはよう。お兄ちゃん」
「ああ、おはよう。雪穂」
食卓へ行くと既に雪穂が朝食を取っていた、承諾したとはいえお兄ちゃんと呼ばれるのは少しくすぐったいものがある。
「そういえば、制服もらえるの今日なんだっけ?」
「ああ、まぁ放課後だけどな」
「そうなんだ、でもみたいなぁお兄ちゃんの制服姿」
「明日から普通に見れるさ」
途中から穂乃果も朝食に加わり、食事を終えて3人で登校することにした。
そう、今日の放課後に俺は音ノ木坂の制服をもらうことになっている。正真正銘音ノ木坂の生徒であることを示すものであると同時に、試験生であることの証となる。
正直、腕章だけではどうも締まりがないというか身が入らないというか。あまり実感がないのだ、なんていうか即席感満載で。もちろん学校側としてはそんなつもりはないのは十分承知してるし応急処置的なものなのも把握してるのだが、ついそう思ってしまう。
「ってかさ、穂乃果」
「ん?何?」
「昨日、電車の時間教えてくれたのはいいんだけどさ」
「うん」
「登校の時に乗らないなら意味なくね?」
「そんなことないよ~お出かけするときとか重要だよ?」
「俺はまだここらへんに何があるのかさっぱりだから出かけることなんて皆無なんだが......」
「うっ......こ、これから役に立つよ。うん」
「だといいんだが」
昨日海未がびっくりするような時間に来れたのは、これが要因の一つでもある。もちろん早めに穂乃果を起こしたのが一番大きいが、それに匹敵するくらいに電車の時間を教わるために早く家を出たのに、本当に時間を教わるだけで乗ったりしたわけじゃないのも大きい。
「3年生になっても、お姉ちゃんは相変わらずだね」
「えへへ、ありがと。雪穂」
「いや、褒めてないよ?」
しばし、姉妹の会話を聞きながら歩いていると。ことりと海未の2人と合流する、何でも普段はいつも一緒に登校してるのだとか。5人で登校か......こんな人数で登校するなんて小学校の時以来だな......しかも周りは女子ばっかりとか、去年までこうなるなんて思ってなかったなぁ。そんな風に思いながら、楽しそうな穂乃果たちの様子を眺めていると。学校についたので、昇降口から各々の教室へ解散する。
「さて、サクッと終わらせますか」
ここで、穂乃果たち普通の生徒が授業している間俺は何しているのかというと。
これが今日のノルマだと言わんばかりに、各教科の課題が置いてある。そう、実は俺は授業は無いのだ。試験生として俺の編入を受け入れたとはいえ、先生の数が増えたわけではなく。しかも1年生は去年より増えているので、俺に割く人員がいないのだ。だから、よっぽどのことがない限り俺はみんなの授業時間分の課題をこなしていくのが日常なのである。
ただ、俺は対して気にしてないのだが。それに対する配慮として、明確な授業時間というのがないので。課題をこなすペースや休み時間は自由だし、すべての課題が終わった瞬間から放課後扱いということになっている。一見ものすごく優遇されてるように見えるが、いや、実際優遇されてるのだが。逆を言うと課題が終わらないと、ずっと教室に監禁された状態になるという恐怖の仕様になっている。自慢じゃないが俺は、これといった苦手科目は無いのでそんなことになるのは珍しいと思うが。絶対にならない自身は残念ながら無いので、どんな課題が出るのか毎日ドキドキでしょうがない。
とはいえ、さすがに新学期の始点。そこまで難しい問題はなく、昼頃には全部終わってしまった。量が少なかったってのもある。
他の生徒も昼休みみたいなので、俺は屋上で昼を済ますことにした。
「1度やってみたかったんだよなぁ、屋上で昼飯ってやつ」
誰に言うでもなくそう呟く。
前にも言ったが、去年までいた学校では屋上に行けなかったので。弁当の味もひとしおである、まぁ自分で作ったのだが。
作ったといっても、前日の夜に作り置きしてるので特に手間はかかってないし特別旨くもない。
だが、やはり気分的にいつもより旨く感じた。食べ終わってから、誰もいないのをいいことに梯子でペントハウスの上に登って寝転がる。
「ふぅ............」
やっぱり落ち着ける場所って大事だなと、しみじみと感じる。
昨日に負けず劣らずのいい天気な今日は、昼頃の気温と食後の満腹感で心地よい眠気をつれてくる。このあとは放課後だが、制服を受け取ったりする関係上校外には出るわけにはいかないので。このまま無抵抗で昼寝することにした。
(本......がとう......き......いた......来れ......)
なんだ?よく聞こえないよ。っていうか誰だ?話しかけてるのは。
(実......ず......たし......こと......)
なんのことだ?頼むからせめて顔だけでも見せてくれ。
(そく......よ......つか......ば......て......)
そく?約束?そんなのしたっけ?
(待ってる......ずっと......)
ちょ、いや、まだなんも理解してないって。
「待てよ!」
......何言ってるんだ?俺。
一瞬自分でも何してるのかわからなかったが、すぐに思い出した。
そうだ、夢を見ていたんだ。えらく途切れ途切れで、ぼやけてて何言ってるのかさっぱりだったが。最後の言葉だけははっきり聞こえた、声は聞こえなかったが確かに『聞こえた』のだ。
「待ってる、ずっと......か......」
誰か待たせてたっけ?と意味もない思考回路を回しながら携帯にメールが入ってないか確認する。
<sub:特別試験編入生 神...>
<sub:どこにますか?>
どうやら、海未と委員会から来てるようだ。先に委員会のを見る。海未のはおそらく、生徒会室に来てくれ的なものだろう。
<今朝のメールでお伝えした件について、場所が決まりましたのでお伝えします。場所は東京都中央区、晴海客船ターミナルの1階。メインラウンジ側の外です。時間の変更はありません、遅れずに来てください。以上。>
ふむ、了解。今の時間は......15時か、まぁ大丈夫だろ。
続いて海未のメールは......あ、今さっききたのかこのメール。
<制服が届いたそうなので、生徒会室に来てください。みんな待ってますよ。>
よし、ならいくか。制服見るのは楽しみだったしな。
携帯をしまい、ペントハウスから降りて屋上を後にした。
生徒会室。みんな待ってるとは言ってたがそのみんなにアイドル部の面々も入ってるとは思わなかった。そんなに人がいるとそれはそれで緊張するんだが......ってか2名見たことない人いるし......
そんなことを考えていると、理事長が制服を持ってやってきた。
「あら、皆さんおそろいで」
「ええ、もう勢揃いですよ。俺はてっきり生徒会の3人だけだと思ってましたが」
「アイドル部のみんなにも見てもらった方が、今後も関わりやすいと思いまして」
「単純に、みんなに見て欲しかったのもあるけどね!」
「うん、ちょうどよくOGもいるしね」
生徒会の3人もそれぞれ話す。穂乃果、お前のそれは単に巻き込んだだけにも聞こえるぞ......
とにかく、俺は制服を受け取り。別の部屋で着替えて戻ってくる。
戻ってきた後の反応はお察しの通り、「おぉ」だったり。「似合うよ」だったりだ。
見掛けはなんてことはない普通のブレザータイプの制服だ。『特別』と呼べるとこなんて無いし、元々ブレザーだったので見た目に大した変化はない。強いて言うならネクタイがあるぐらいだ。だが、見掛けとかとは違う『何か』がこの制服にはあった。それは、この学校の願いなのかもしれないし。これを着ることの責任、あるいはこれを着る者が帯びる使命なのかもしれない。
考えすぎかもしれないが、俺はこいつを着るに値する働きをしなきゃならない。それが、試験生として俺がここにいる以上果たさなきゃならない義務であり責任だ。
あ、そういえば穂乃果と一緒に晴海客船ターミナルまで行かなきゃならないんだった。
まだ名前の知らない2人に自己紹介したいけど、また今度にしよう。さすがにこれは後回しにはできない用事だ。
「理事長すいません、僕はそろそろ......」
「あ、そうね。いってらっしゃい」
「はい。穂乃果、ちょっと来い」
「え?な、何!?」
「移動しながら説明する、とにかく来てくれ」
「う、うん」
既に事を伝えてある理事長に出発の意図を伝え、穂乃果を連れ去るようにしてその場を後にする。
道中で今回の事を伝え、目的地へ行くことにした。場所を伝えたときに、穂乃果は少し懐かしそうにしていた。もしかして、思い出の場所なのか?学校からはかなり遠くだが。
晴海客船ターミナルについたときには時間は18時半頃を迎えており、遅れないように途中から走ってきた俺と穂乃果は少々息が荒くなっていた。だが、ついたはいいものの人一人いる気配もなく明かりもないので。本当にここでいいのか?と一瞬疑ってしまったが、大丈夫なようである。着信が来たので携帯を確認すると、やはり教育委員会からの電話だった。
「お待ちしていました、神坂悠理君」
「僕と会長はどうすればいいのですか?」
「我々が用意しましたそこの壇上に2人で立ってください」
「はい」
指示された通り壇上に向かい合って立つ。
「この後は?」
「私たち立会いの下、宣誓をしていただきます。悠理君は既に、始業式にて宣誓と取れる挨拶をしたとの報告は受けていますが。制服を受領し、真に音ノ木坂学院の生徒となった今。改めてその誓いを立てて頂きたいと思います」
「わかりました」
「では、はじめてください。一度電話を切ります」
どうやら、始業式の時のように宣誓をしろとのことらしい。ってか制服受け取ったこと、もう知ってるのか。
俺は深呼吸した後、話し出す。
「穂乃果。今回は特別試験編入生としてではなく、あえて俺という一個人として誓わせてもらう」
「うん」
「俺は、必ず役目を果たすよ。それは試験生として編入してきたからじゃなく、そういう指示や要請を受けたからでもない。学校案内のあの日、穂乃果たちと出会って去年までの出来事やみんなの思いを知って。生徒のみんなは、あの音ノ木坂が好きなんだってわかったから。その想いを壊したくないって思ったから、俺はあの日からずっとこの共学化を成功させてみせるって自分に誓ったんだ。この先、穂乃果たちの足手まといになることもあるかもしれない。男子ってことで不便をかけることもあるだろう。それでも、穂乃果たちと一緒に音の木坂学院を守りたい。怖れずに前へ進んだ先で、みんなと喜びを分かつために。以上、神坂悠理より音ノ木坂学院へ」
「ありがとう、悠理くん。わたしも、きみのことわたしなりにサポートするよ。こんな会長だけど一緒に頑張ろう、わたしたちは一人じゃないもの」
「ああ、改めてよろしくな。穂乃果」
「うん、よろしく。悠理くん」
編入してきて、何度決意したのかもう忘れてしまった。
でも、それほどまでに自分の中で大事なものとなっているのは確かだろう。そして、俺に負けないくらい。穂乃果もそう思ってるに違いない、少し涙目になってるし。
このあと、電話で今回の件は終了と伝えられ。俺たちは家に帰ることにした。ここを出ようと穂乃果の方を向くと、穂乃果はさっきまで俺たちが立っていた壇上の方を見つめていた。
「どうした、穂乃果」
「ううん、久しぶりだなーって」
「そうなのか?」
「あれ?悠理くんμ'sのPVとか借りたんじゃないの?」
「借りたけど、まだ見れてないよ。昨日は予想外の事があったからな」
「むー言わないでよー恥ずかしいなぁ......」
少しからかうと、穂乃果は顔を赤くする。今朝の事を覚えているんだろう。しかし、穂乃果がそう言うってことは。やっぱりここは、μ'sに縁のある場所ってことか。そう考えていると、穂乃果が話し出した。
「ここはね、去年のラブライブ本選の会場だったの」
「へぇ、ここが......」
ラブライブとはスクールアイドルの大会である。もちろん当のスクールアイドル達からしてみれば、そんな簡単なものでは済まされないくらいの大イベントである。去年は夏と冬にやったみたいで、穂乃果達μ'sは冬の陣優勝アイドルだ。ちなみに夏の陣はA-RISE(アライズ)というグループで、去年は2回のラブライブを東京地区のアイドルが制するという。知らない人が見聞きしたら、出来レースなんじゃないかと疑ってしまうような結果だったそうだ。まぁA-RISEと言えば俺みたいに、スクールアイドルは知らないけどA-RISEは知ってるっていうくらい超人気スクールアイドルだ。今でこそトップをμ'sに渡してしまいはしたものの、その人気は衰えるところを知らないと見える。まぁ少し前の俺はそんなA-RISEのことも知らなかったのだが。
とにかく、そんな激戦に激戦を極めた去年のラブライブの最終ステージの場所がここなのだそうだ。そりゃ、感慨深いものがあるだろうさ。
「ほら、穂乃果。もう遅くなるから行くぞ」
「うん。あ!そういえば悠理くんに自己紹介してなかった」
「生徒会室にいた人のこと?見たことない人が2人いたけど......」
「うん、その2人もμ'sの元メンバーなの。そのうちまた紹介するね」
「ああ、頼む」
日が落ちた2人きりの空間で、俺はこれまでのことを思い返す。
思ってみれば、前の高校では。友達こそいたもののどこか孤独を感じていた節もあった、浮いている感覚と言えばいいのだろうか友達と一緒にいるのに一緒にいれてないような感じ。だが、音ノ木坂学院にきて。穂乃果たちと出会って、その感覚はなくなっていった。自分の居場所を見つけたというのは、こういう感じなんだろうか。
『わたしたちは一人じゃない』穂乃果が言ったその言葉が、自分はいつの間にか独りだったことに気付かされた。だが同時に、もうそれも終わりを迎えた。これからは勇気をもって前に進むことになる、もちろん俺が主役だなんて微塵も思ってない。今日限りで孤独からは卒業だ、特別自信があるわけじゃないけどきっとどうにかなるさ。
いつの間にか穂乃果に握られていた手を、俺は呼応するようにそっと握り返した。
この話に限った話ではありませんが、ところどころにラブライブ内外のそれっぽいネタを仕込んであります。
でも見るべきはそっちじゃないので、あくまで「あ、あった」程度に思っておいてください。
感想等お待ちしております!
そろそろ、悠理くんの人間関係を進展させたい......