転生したグリードがスライムと相棒になった件 作:バンドリーマーV
OP「Nameless Story」寺島拓篤
(♪「オーズ・ザ・ストーリー」)
大賢者:告。前回までの三つの出来事を纏めます。
一つ。オーク軍の侵攻が迫る中、リザードマンのガビルが村を訪れました。
二つ。ドライアドのトレイニーが、マスター達にオークロードの討伐を依頼しました。
そして三つ。謎の道化・ラプラスが、ガビル達に接触しました。
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(♪「カウント・ザ・メダルズ」)
大賢者《告。カウント・ザ・メダルズ。現在、個体名:ゴーダ・テンペストの使えるメダルを確認します》
ライオン、トラ、チーター
クワガタ、カマキリ、バッタ
サイ、ゾウ
ソウエイが使者として、リザードマンの首領と話をつけ、同盟締結に向けて動き出した。
ゴーダ「そういや…あいつ、どうしてるか」
ふと思い立ったゴーダ。
ゴーダ「ソウエイ、ラビットマンの集落ってどこにある?」
ソウエイ「ラビットマンでしたら…」
ソウエイから方角を聞いたゴーダは、一体の牙狼に乗り、森を走った。しばらくすると…
フラメア「あ…ゴーダ様!」
ゴーダ「!フラメア」
牙狼に止まって貰う。
ゴーダ「村につく前に会っちまったな。どうした」
フラメア「オークの軍勢の話を聞いて…手分けして偵察してるんです。けど、ラビットマンは弱小種族ですし…覚悟は決めて…」
ゴーダ「その必要はない」
フラメア「え?」
ゴーダ「ドライアドから依頼を受けた。オークロードは、俺とリムルが倒す」
フラメア「…!本当に…!」
ゴーダ「だから心配するな」
フラメア「はい…!」
フラメアはゴーダの手を握る。
フラメア「ご武運を…!」
ゴーダ「あぁ」
そして翌日。
ゴーダ「さて…行くか」
リムル「あぁ、出陣だ…!」
ウツロ「腕が鳴る…」
ゴーダ、リムル、ウツロ、ベニマル、ソウエイ、シオン、ハクロウ、ランガ、そしてゴブタ達ゴブリンライダー達が出陣した。
道中、野営の準備をしていると…
ゴーダ「…ん?」
ゴブタ「ゴーダ様、どうしたっスか?」
ゴーダ「妙な気配がする…この辺りを探りたい。大勢駆り出すのも悪いし、ゴブリンライダーから何組か出してくれ」
ゴブタ「了解っス!」
リムルにも了解を得て、ゴーダに加えて、ゴブリンと牙狼達の一部が、辺りを探り始めた。
「むぅ…確かに妙な匂いが…ゴーダ様がおっしゃったのはこれか…?」
一体で歩いているのは、フラメアと会った時や、今回の行き道に、たまたまゴーダを背に乗せていた、一匹の牙狼である。
「む…?」
妙な気配を感じ、歩いていると…
ラプラス「計画順調みたいやなぁ、ゲルミュッド様」
ゲルミュッド「うむ、オークロードの誕生は幸運だった。森の覇権を手に入れる日も近いだろう…!」
ラプラスと、別の仮面男が話していた。
ラプラス「ん…?よっと」
「アオンっ!?」
ラプラスが軽くエネルギー弾を放り、牙狼は見つかった。
ラプラス「何や、牙狼族かいな?」
「き、貴様ら、何者だ…!オークロードは貴様らと関わっているのか…!?」
ラプラス「聞かれちまったならしゃあないなぁ、あいつの強さの確認や」
ラプラスが指を鳴らすと…
『『キェエッ!』』
「何!?」
赤い鳥のような怪人…オウムヤミーが現れた!
「何だこいつは…!グアッ!」
牙狼は応戦するが、敵わずにヤミーに甚振られ、ヤミーの火炎弾とゲルミュッドのエネルギー弾を同時に喰らい、重傷を負う。
(何者なんだ…!ゴーダ様とリムル様に、お伝えせねば…!)
ゴーダ「ッ!?」
ゴーダのユニークスキル《探求者》が反応した。
ゴーダ「探索斑に何か起こったか…!変身!」
《ライオン!カマキリ!チーター!》
オーズラキリーターに変身したゴーダは、チーターのスピードで現場に急いだ。
オーズ「!おい、大丈夫か!」
既にラプラスとゲルミュッドは姿を消しており、オーズは倒れている牙狼を助け起こすが…
オーズ「なっ…!?」
オーズはオウムヤミーを見て驚愕した。
オーズ「ヤミー、だと…!?」
ゴーダ(しかも鳥…アンクのヤミー…!馬鹿な…!)
『『キェエッ!』』
オーズ「グアッ!」
高速飛行による連続攻撃を喰らう。
『『キェエッ!』』
オーズ「フッ!オラッ!」
一瞬の隙をつき、カマキリソードで斬りつける。ヤミーは高所からの火炎攻撃に切り替え、オーズはチーターのスピードで回避する。
オーズ「だったらこいつだ…!」
《ライオン!カマキリ!バッタ!》
《スキャニングチャージ!》
オーズ「ハァア…ッ!オォッ!」
ラキリバにチェンジし、必殺技を発動、バッタレッグを変形させ、その力で大ジャンプする。
オーズ「セイヤァアアアッ!!」
ライオンヘッドの光で敵の目を眩ませ、エネルギーを纏うカマキリソードで斬り裂く。
『『キェエッ!』』
オウムヤミーは爆散し、セルメダルが飛び散った。
ゴーダ「大丈夫か!」
変身を解除したゴーダは、倒れた牙狼に駆け寄る。意識はないが、息はある。
ゴーダ「クソッ、回復薬貰っとくんだった…!」
ゴーダ(リムルを呼んで回復薬を…この怪我で間に合うか…!?…呼ぶ?そうだ、名付けだ…!)
名付けで強くなれば、回復力も上がる。
ゴーダ(あまり考えてる時間はねぇ。ランガはリムルが、自分の名字の嵐に牙を合わせた…なら俺の名前に牙を合わせて…)
ゴーダ「…『ゴーガ』!お前の名前は『ゴーガ』にしよう!…うおっと!」
名付けにより、ゴーガの魔素が牙狼に与えられ、牙狼の体が光った。
ゴーダ「ぐう、けっこう持ってかれるのな…!お~い、誰かいないか!」
名付けで回復力が上昇したことで、リムルに連絡し、回復薬が届けられるまでの時間が間に合った。
リムル「間に合ってよかったぜ。で、こいつに名付けしたんだな」
ゴーダ「あぁ」
ゴーガ「ゴーダ様、リムル様、ありがとうございます…!」
頭を下げるゴーガの毛並みは、何故かライドベンダーっぽい色と模様になっていた。
ゴーダ「いや、元々俺が探しに行かせたのが原因だし、気にするな」
ゴーダ(しかし、なんでライドベンダーっぽくなってんだ…?)(汗)
ゴーガ「ゴーダ様より授かりし『ゴーガ』の名の元に、改めて忠誠を誓いましょう!」
ゴーダ「お、おう、頼む」
そしてゴーダは、オウムヤミーが残したセルメダルを回収し、一部を除き、リムルの《捕食者》による胃袋収納に預けた。
リムル「ゴーガが目撃した仮面男達が、オーク達の裏にいる黒幕かもしれないわけだな」
ゴーダ「あぁ。しかし、あのヤミーは一体…」
リムル「お前の世界にいた、グリードが生み出す怪物、だったか。この世界にもグリードがいるってことか?」
ゴーダ「分からん。だが、あのヤミー…」
ゴーダ(アンクのメダルが、関わっている…?)
ラプラス「これで秘密も守られるやろ」
ゲルミュッド「でなければ困る!俺の野望が…」
トレイニー「興味深いお話ですね」
「「!?」」
仮面二人の前に、トレイニーが現れた。
トレイニー「私の名はトレイニー。この森での悪巧みは見逃せません」
ラプラス「ヤバいで、ドライアドや」
ゲルミュッド「何だと!?」
トレイニー「それで、何を企んでいるのですか?」
ラプラス「いや~守秘義務が…」
トレイニー「そうですか、ではもう用はありません。森を乱した報いを受けなさい。精霊召喚《風の乙女(シルフィード)》…《大気圧縮断裂(エアリアルブレード)》」
トレイニーは風の精霊を呼び出し、風の刃がラプラスの片腕を飛ばした。
ゲルミュッド「!?おい、腕…!」
ラプラス「早く逃げた方がえぇで。ここらにしときまひょか」
二人はラプラスの煙幕で姿を消した。
トレイニー「逃げられましたか…状況は思わしくありません。リムル・テンペスト、ゴーダ・テンペスト…オークロードの討伐、信じていますよ」
そして再び進んでいると…
ゴーダ「…!今日はスキルの反応が多い日だな…」
リムル「《探求者》か?」
ゴーダ「あぁ」
ソウエイ『よろしいですか』
リムル「どうした、ソウエイ」
ゴーダのスキル反応に次いで、偵察中のソウエイから《思念伝達》が届く。
ソウエイ『交戦中の一団を発見しました。一方はリザードマン首領の側近、交渉の際に見かけました。相手はオーク数体ですが、力を見せつけるつもりか、上位個体一体が甚振っています』
リムル「助けよう。勝てるか」
ソウエイ『容易いことかと』
リムル「即答かよ。頼む」
ソウエイ『御意』
ゴーダ「俺も先に行くか。名付けの影響か、ゴーガが新しいスキルを獲得したから、一気に加速できそうだ」
リムル「おう、頼んだ」
ゴーダ「ゴーガ、行くぞ」
ゴーガ「承知しました!」
ゴーガの四本の足に、タイヤを模したエネルギー体が現れ、回転し、ゴーガは一気に加速した。ユニークスキル《疾走(アクセル)》である。
リムル「速っ!?てかあれタイヤ!?」
ランガ「ほう!我とは違う方向に進化したようですな」
ソウエイ「フン」
「グァアッ!」
ゴーダ「あいつも相当だな…」
ゴーダが到着した時には、ソウエイはオークの上位個体を瞬殺していた。
ソウエイ「ゴーダ様、お早いご到着でしたね」
ゴーダ「まぁな。指揮官は瞬殺か」
「おのれ…!」
残ったオーク達が襲いかかる。
ゴーダ「残りは俺もやろう。さっさと片付けるぞ」
ソウエイ「承知」
ゴーダ「ゴーガ、お前はそこのリザードマンを守ってろ」
ゴーガ「了解しました!」
ゴーダ「鬼人達から貰ったメダル、使い所かな。変身!」
《サイ!トラ!ゾウ!》
ゴーダ「フッ!」
ゴーダはオーズサトラゾに変身し、トラクローでオークの槍を受け流した。
オーズ「ンラァッ!オラァッ!」
更にサイヘッドの頭突き、ゾウレッグの強烈なキックで、屈強なオーク達を次々と吹き飛ばしていく。
ソウエイ「操糸妖斬陣…!」
ソウエイはスキル《粘鋼糸》で、オーク達を斬り裂く。
オーズ「前回のセルメダルをっと…!」
オーズはオウムヤミーから手に入れたセルメダルから三枚を、メダジャリバーに入れ、オースキャナーでスキャンする。
《トリプル・スキャニングチャージ!》
オーズ「ハァアア…ッ!セイヤァアアッ!!」
オーズバッシュが、残ったオーク全てを空間ごと斬り裂き、空間が戻ると同時に爆散させた。
リムル達も到着し、負傷していたリザードマン首領側近の女性を、回復薬で助けた。
「あ、あなた達は…?」
リムル「俺はリムル・テンペスト。こっちは…」
ゴーダ「ゴーダ・テンペストだ。リザードマンとの同盟の為に来たんだが」
「…!お願いがございます…!リザードマン首領たる父と、兄たるガビルをお救いください…!」
リムル「ガビルの妹なのか?」
「はい。兄が謀反を起こし、首領を幽閉したのです…!」
ラプラスにまんまと乗せられたガビルは、オークを格下と甘く見ており、援軍到着までの籠城を選んだ父を軟弱と見て、部下達と共に反乱したのだ。
ガビルが出ていった後、オークの部隊が侵入し、首領は娘で側近ある親衛隊長を逃がし、これ以上同盟相手をリザードマンの事情に巻き込まないため、ソウエイにこのことを伝えるよう命じたのだ。
「兄は自分の力で勝利するつもりですが、オークロードを甘く見ており…このままでは、リザードマンは滅亡するでしょう…!」
ウツロ「何やってんのあのアホ。ねぇお兄ちゃん」
ゴーダ「……」
ウツロ「何目ぇ逸らしてんの」
ゴーダ「…人のこと言えねぇ…」
ウツロ「…あ~…」
古代オーズを甘く見た結果、危うく吸収されかけたゴーダは、ガビルをバカにできなかった。
ウツロ「まぁうちのお兄ちゃんの黒歴史は置いといて」
ゴーダ「グハッ」グサッ
リムル「大丈夫か」(汗)
ウツロ「首領側近ちゃん、続きよろしく」
「は、はい!先走るなという約束も守れず、虫のいい話とは承知しております。しかし、力ある魔人の皆様を従える貴方様の、その慈悲に縋りたく…!何とぞ…!」
ゴーダ「…俺の知ってる奴が言っていた」
「え?」
ゴーダ「『手が届くのに手を伸ばさなかったら、死ぬ程後悔する。それが嫌だから手を伸ばすんだ』…ってな。おい、リムル」
リムル「あぁ、分かってる」
ゴーダ「お前の願い、聞き入れた」
「…!ありがとうございます!」
ガビル「オークが、オークを食っている…!」
オーク軍相手に優勢だった、リザードマンとゴブリン混成のガビル軍だったが…オーク達が仲間の遺体を喰らい、オークロードのスキルの力でパワーアップしたことで、形勢が逆転していく。更には…
ガビル「オークに水かきと鱗だと!?」
「ガビル様!さっき仲間が一人喰われちまった…!」
「それからだ、奴らの動きが変わったのは…!」
ガビル「まさか、喰うことで我らの能力を…!密集!ゴブリン隊を中央へ、隙無く固まれ!ゴブリン隊を守りつつ、包囲を突破する!…む!?」
黒い鎧を身につけた、上位個体のオークが現れた。
ガビル「凄まじいオーラ…!お前がオークロードか!?一騎打ちを申し込む!」
「フン、俺はオークジェネラル。オークロード様の足元にも及ばんよ」
ガビル「なん、だと…!?」
ガビル(これで足元にも及ばないだと…!?どれほどの化け物なのだ、本物のオークロードは…!)
「一騎打ちだったか?いいだろう…!」
ガビル「…感謝する!行くぞ!」
ED「Another colony」TRUE