転生したグリードがスライムと相棒になった件   作:バンドリーマーV

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OP「メグルモノ」寺島拓篤



21 救われる魂

 

薄暗い迷宮を歩く一行。一本道に見えるが、方向感覚を狂わせる罠があちこちに仕掛けられている。

 

 

『フフフ…』

 

「「ん?」」

 

 

笑い声が響く。

 

 

リムル「強力な念話…いや、テレパシーか?」

 

『『つまらぬぞ、客人よ。もっと怖がれ。もっと怯えよ』』

 

 

少女らしき声が響く。

 

 

ゴーダ「ここに住んでる精霊か?俺達は上位精霊に用がある。案内して欲しいんだが」

 

『『いいよ、教えてあげる。でもその前に…試練の時間だよ』』

 

クロエ「!先生、あれ…!」

 

 

辺りが光に包まれ、道が開ける。闘技場のような空間が形成され、巨大な魔鉱製ゴーレムが三体現れた。

 

 

リムル「試練って、こいつらを倒せば良いのか?」

 

『『その通り!』』

 

 

ゴーレムと向かい合うリムル、ゴーダ、ウツロ。何故かルーズベルトも戦おうとしていたが、アリスが止めていた。

 

 

「「「ッ!」」」

 

 

ゴーレムのパンチを飛び退いて避ける。

 

 

ゴーダ「殺しに来てるじゃねぇか!てか魔素エネルギーが半端ないな!」

 

『『勝ってるかな♪勝ってるかな♪』』

 

リムル「なんかバカにされてるような」

 

ウツロ「この前のスカイドラゴンより強いじゃん。まぁ、それなら遠慮無しだよね」

 

ゴーダ「だな…!」

 

《セイウチ!シロクマ!ペンギン!》

 

「「変身!」」

 

《ライオン!ゴリラ!バッタ!》

 

《ウ・ツ・ロ~・ウツロ・ウ・ツ・ロ~…!》

 

《──ギンシロセイ!》

 

 

二人はオーズラゴリバ、ライダーウツロに変身する。

 

 

アリス「ウツロさんも変身できたんだ…!」

 

ゲイル「ゴーダ先生も、この前とは違う姿だね…!」

 

 

 

 

 

オーズ「オォッ!」

 

《シロクマアーム!》

 

ウツロ「フッ…!」

 

 

オーズはゴリラアーム、ウツロはシロクマアームでゴーレムに対抗する。

 

 

『『へぇ、やるじゃん!』』

 

リムル「おい、今のうちに謝るなら許してやる。そうしないなら、こいつらを壊すけど良いんだな?」

 

『『アハハ!面白い!良いよ、良いともさ!やってごらんよ!』』

 

ゴーダ「後悔しないことだな」

 

《サイ!ゴリラ!ゾウ!》

 

《サ・ゴーゾ…!サ・ゴーゾォッ!》

 

 

オーズはサゴーゾコンボに変身した!

 

 

ケンヤ「おぉ!すげぇ迫力!」

 

クロエ「なんだろ、今の歌…」

 

『『『歌?』』』

 

ウツロ(あれ、クロエ聞こえてる?)

 

 

クロエは変身者以外は、魂で繋がった者にしか聞こえないはずのドライバー音声を、何故か聞き取っていた。

 

 

 

 

 

(♪「Sun goes up (サゴーゾコンボのテーマ)」)

https://m.youtube.com/watch?v=5mVGGdRNZxY

 

 

オーズ「オォオオッ!!」

 

 

オーズはサゴーゾコンボとなり、ドラミングと共に重力を操作し、ゴーレム達は浮き上がり、宙を舞いながら、互いにぶつかり合う。

 

 

『『はぁっ!?』』

 

リムル「驚くのはまだ早いぜ!フッ!」

 

 

リムルは飛び上がり、《粘鋼糸》でゴーレムを捕縛する。

 

 

リムル「《縛糸・黒炎獄(バインドヘルフレア)》…!」

 

 

《操糸妖縛陣》と《黒獄炎(ヘルフレア)》の合わせ技で、ゴーレムを焼き尽くし、破壊した!

 

 

ウツロ「さぁて、こっちも…」

 

《ペンギンキャノン!》

 

《ペンギン・コアバースト!》

 

ウツロ「──シュートッ!」

 

 

胸に装備したバズーカ砲からの冷凍光線で、ゴーレムは凍り付き、砕け散った。

 

 

《スキャニングチャージ!》

 

オーズ「ヌンッ!オォオオッ…!セイヤァッ!!」

 

 

オーズはゾウレッグを地面に叩きつけ、白いリング型の重力波を放ち、引き寄せたゴーレムを、サイヘッドの頭突きとゴリラアームの両拳、一斉攻撃で粉砕した…!

 

 

 

 

 

その後。

 

 

リムル「焼き尽くされたくなかったら出てこい。隠れている場所はお見通しなんだぜ?」

 

『『ひぃいっ!?』』

 

 

金髪の小さな少女のような妖精が現れた。

 

 

コーダ「んで、お前は?」

 

「ジャジャ〜ン!我こそは偉大なるじゅぐへっ」

 

クロエ「噛んだ」

 

ラミリス「ンンッ…!我こそは、偉大なる十一大魔王が1人、迷宮妖精のラミリスである!」

 

リムル「魔王?」

 

ラミリス「頭が高いぞ!跪くがいぐへっ」

 

 

ラミリスはリムルのチョップを食らう。

 

 

リムル「お前みたいなガキが魔王になれる訳が無いだろ」

 

ラミリス「ガキ言うなや!あたしが魔王以外の何だって言うのさ!」

 

リムル「アホの子?」

 

ラミリス「誰がアホの子や!」

 

ゲイル「お馬鹿さん?」

 

ラミリス「そうそうお馬鹿さんやで…って、丁寧に言えば良いってもんやないわい!」

 

リムル「う〜ん、ミリムっていう魔王の友達がいるが、お前そいつと比べようも無いほど弱そうだが?」

 

ラミリス「バカぁッ!あのねぇ!ミリムって理不尽魔王って呼ばれてるの!そんな理不尽の権化と可憐なあたしを比べるなんて、失礼なんてもんじゃないよ〜!てかあんた達、ミリムと知り合いなの?」

 

リムル「最近友達になった」

 

ラミリス「ちょっと待って。あんた達、ジュラの大森林で新しく盟主になったって奴ら?」

 

コーダ「そうだが、知ってたのか」

 

ラミリス「ミリムの奴がちょ〜久々に来て、マブダチが出来たって自慢しやがったの!鼻で笑ってやったのにほんとだったなんて!」

 

ウツロ「マジで魔王なのか、このちんちくりん」

 

ラミリス「ちんちくりん言うなぁっ!」

 

 

 

 

 

ラミリス「殺すつもりも、怪我させるつもりもなかったのよさ」

 

リムル「本当かよ?」

 

ラミリス「本当だって!ビビらせて、ちょっと楽しんで、その後颯爽と助けて、尊敬される予定だったの!」

 

コーダ「アホか」

 

ラミリス「《精霊の守護像(エレメンタルコロッサス)》を壊しちゃうなんて。拾ってきたおもちゃいじくって、や〜っと完成させたのに!精霊工学の粋を集めて作ったのに!」

 

リムル「精霊工学?ドワルゴンでエルフとドワーフが共同開発しようとしてた、魔装兵って奴?」

 

ラミリス「ピンポ〜ン!よく知ってるね!」

 

コーダ「あぁ、ベスターが昔作ってた奴か」

 

ラミリス「あれは、精霊魔導核っていう心臓部を作れなくて失敗したんだよ。通常の鋼材で作ったって、精霊力に耐えられるはずないのにね。暴走して壊れた外殻が捨ててあったから、持って帰って復元したの!あたしって天才?すごくない?すごくな〜い?」

 

リムル(ウザい、しかしすごい…)

 

 

そこでリムル達は、子供達と精霊について相談した。新しいゴーレムの報酬付きである。

 

 

ラミリス「なるほどね…」

 

コーダ「精霊女王とやらを紹介して欲しいんだが」

 

ラミリス「ん?あ〜言ってなかったっけ。あたしだよ」

 

「「「え?」」」

 

ラミリス「だから、精霊女王、あたしだよ」

 

コーダ「お前魔王だろうが」

 

ラミリス「精霊の女王が堕落して魔王になっちゃったんです~!」

 

ウツロ「堕落…納得」

 

ラミリス「どういう意味じゃい!あっ、そういえばあいつも堕落したんだった」

 

リムル「あいつ?」

 

ラミリス「レオンちゃん?」

 

「「「!」」」

 

ウツロ「……」

 

 

ウツロがピクリとする。

 

 

ラミリス「あいつ、何か調べ物があったみたいで、大昔の上位精霊を呼び寄せてさ、契約結んだんだよね。だからレオンちゃんを勇者と認定して、精霊の加護を授けたって訳」

 

リムル「ちょっと待て、何で勇者が魔王になってんだ?」

 

ラミリス「堕落したんじゃないの?無茶な事も言ってたな。異世界から特定の人物を召喚してくれって」

 

ウツロ「…そういや、そんなこと言ってたっけか」

 

ラミリス「無理に決まってんのにね。泣きそうな顔してたね。いや、あれは泣いてた!」

 

ウツロ「…まぁ、レオンのことは今度考えよう」

 

コーダ「…ウツロ」

 

 

ウツロは自分に言い聞かせるように呟き、再びラミリスを見る。

 

 

ウツロ「で、精霊の棲家に案内してくれんの?」

 

ラミリス「ん?あぁ…」

 

 

ラミリスは真面目な顔になる。

 

 

ラミリス「あたしはね、魔王であると同時に、聖なる者の導き手。迷宮妖精であり、精霊女王でもあったの。勇者に精霊の加護を授ける役目も担ってるんだよ。

 

だから安心するが良いさ。公平だからね、あたしは。あたしが、あたしこそが、世界のバランスを保つ者なのだよ。

 

良いよ。召喚に協力してあげる。すごい精霊を呼び出すと良いさ」

 

 

 

 

 

リムル「ここが…」

 

ラミリス「迷宮の最深部、精霊の棲家」

 

コーダ「ここに上位精霊がいるのか?」

 

ラミリス「いるけど、上位精霊には自我があってね。呼び出しに応じてくれるかは、気分次第だよ」

 

ケンヤ「来てくれなかったらどうするの?」

 

ラミリス「エネルギーを切り取って、新たな上位精霊を生み出せば良いんだよ」

 

ウツロ「シズのスキル《変質者(ウツロウモノ)》を、リムルの《大賢者》に補佐してもらえば…」

 

 

一番手には、最年長のゲイルが立候補した。

 

 

ゲイル「先生…自分に何かあったら、あいつらを頼みます」

 

リムル「大丈夫だ」

 

 

リムルはゲイルの肩に手を置いた。そしてゲイルの祈りに応え、自我のない下位精霊達が、ちらほらと現れ始める。

 

 

リムル「《暴食者(グラトニー)》で捕食、《変質者(ウツロウモノ)》で統合…」

 

 

リムルは上位精霊を生み出し、無事ゲイルに宿らせた。

 

 

リムル「もう良いぞ。よく頑張ったな」

 

コーダ「無事に魔素が安定したようだな」

 

ゲイル「先生…!ありがとうございます!」

 

『『『やった~!』』』

 

ウツロ「よかった…」

 

 

ウツロはほっと息をつく。次はアリスだ。

 

 

リムル「アリス、頑張ったな。もう大丈夫だぞ」

 

アリス「フフッ…!」

 

リムル「おっ…!?」

 

クロエ「むぅっ…!」

 

 

アリスは笑みを浮かべ、リムルの頬にキスをした。クロエが頬を膨らませている。

 

 

ケンヤ「う〜し!次は俺の番だ!…ん?」

 

 

ケンヤは祈る前に、何か金髪の上位精霊が出てきた。

 

 

『よお〜元気かい?おいらは元気さ』

 

ラミリス「あ〜っ!あんた何しに人の家にやって来てんのよ!?」

 

『ちょっとした気まぐれだよ』

 

リムル「そちらさんは?」

 

ラミリス「こいつは…」

 

『オッス!おいら光の精霊。そこの魔物に堕ちた邪悪な妖精と違って、純粋な光の精霊様だよ』

 

ラミリス「誰が邪悪よ!」

 

コーダ「ケンヤお前、何か光の上位精霊を召喚したみたいだぞ」

 

ケンヤ「え〜っ!?」

 

『ケンヤって言うのかい。じゃ、ケンちゃんだな!なんかケンちゃんに光る物を感じたんだよ、光だけに!」

 

ケンヤ「面白くねえよ」(汗)

 

『ってな訳で、おいらがケンちゃんを助けてやるのだ。ケンちゃんが成長するまでは、おいらが保護するよ。もしかしたら、ケンちゃんも勇者になれるかもしれないからね!』

 

 

光の精霊はあっという間にケンヤに宿った。

 

 

リムル「あっ」

 

ラミリス「宿った」

 

ケンヤ「えっ?」

 

リムル「あ?あぁ、大丈夫!計画通りだ!ハハハハハ!」

 

ケンヤ「あっ、えっと…うん!」

 

 

次はリョウタ。

 

 

リムル「おや、水と風のダブル属性の精霊が生まれたぞ」

 

リョウタ「かっこいい!」

 

リムル「よし、統合っと…!」

 

 

リョウタも無事精霊を宿らせることができた。

 

 

 

 

 

ラストはクロエ。

 

 

クロエ「先生…あのね…先生…」

 

リムル「あ?ん?」

 

クロエ「あのね、先生…あのね…大好き…!」(///)

 

リムル「俺も好きだよ」

 

クロエ「フフッ…!」(///)

 

 

クロエが祈り始めると…

 

 

『『『!』』』

 

 

白い光と共に現れたのは、黒髪の女性。

 

 

リムル「何だ!?精霊じゃ、ない?」

 

『解。上位精霊と同様の精神体(スピリチュアルボディー)です。異常なまでのエネルギーを検知。上限は測定不能です』

 

『『『!?』』』

 

 

女性はリムルの唇にキスをした。更に…

 

 

リムル「ッ!?」

 

 

リムルの中のヴェルドラが、何やら反応した。

 

 

ラミリス「待て!させないよ!あんたの好きにはさせない!!」

 

リムル「おい、突然何を!?」

 

ラミリス「うるさい!そいつはヤバいんだよ!見て分からないの!?」

 

リムル「分かる訳ないだろ!」

 

ラミリス「あっ!?」

 

 

あたふたしているうちに、精霊(?)はクロエに宿った。

 

 

ウツロ「今の…どこかで…?」

 

ゴーダ「ん…?」

 

リムル「さっきのは何なんだ?」

 

ラミリス「分かんないわよ!詳しくは分からない!でもね、あれは多分未来で生まれたのよ!」

 

リムル「は?」

 

ラミリス「未来からやって来た、精霊に似た何か!とても信じられないけど、その子に宿った事で、自分を生み出す土壌を作った?」

 

コーダ「未来…どういうことだ?」

 

ラミリス「あ〜!本当に分からない!でもあれは大きな力を持ってた!未来であれが生まれたら、大変な事になる気がする!もしかしてあれは、時の大精霊の加護を受けて…」

 

 

謎は残ったが、クロエの魔素も無事安定していた。

 

 

リムル「良いじゃ無いか。全員成功したんだからさ。ありがとな」

 

ゴーダ「お前のおかげで、子供達も助かったよ。ありがとう」

 

クロエ「ありがとう…!」

 

『『『ありがとうございました!』』』

 

ランガ/ゴーガ「「感謝する!」」

 

ウツロ「ありがとう…本当に」

 

ラミリス「そ、そんなの良いってば〜!」(///)

 

ウツロ「…やったよ、シズ」

 

 

ウツロが胸に手を当て、呟くと…

 

 

『──ありがとう』

 

ウツロ「…え?」

 

 

ウツロはハッと顔を上げる。

 

 

ウツロ「…今のって…」

 

 

 




ED「リトルソルジャー」田所あずさ
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