転生したグリードがスライムと相棒になった件 作:バンドリーマーV
薄暗い迷宮を歩く一行。一本道に見えるが、方向感覚を狂わせる罠があちこちに仕掛けられている。
『フフフ…』
「「ん?」」
笑い声が響く。
リムル「強力な念話…いや、テレパシーか?」
『『つまらぬぞ、客人よ。もっと怖がれ。もっと怯えよ』』
少女らしき声が響く。
ゴーダ「ここに住んでる精霊か?俺達は上位精霊に用がある。案内して欲しいんだが」
『『いいよ、教えてあげる。でもその前に…試練の時間だよ』』
クロエ「!先生、あれ…!」
辺りが光に包まれ、道が開ける。闘技場のような空間が形成され、巨大な魔鉱製ゴーレムが三体現れた。
リムル「試練って、こいつらを倒せば良いのか?」
『『その通り!』』
ゴーレムと向かい合うリムル、ゴーダ、ウツロ。何故かルーズベルトも戦おうとしていたが、アリスが止めていた。
「「「ッ!」」」
ゴーレムのパンチを飛び退いて避ける。
ゴーダ「殺しに来てるじゃねぇか!てか魔素エネルギーが半端ないな!」
『『勝ってるかな♪勝ってるかな♪』』
リムル「なんかバカにされてるような」
ウツロ「この前のスカイドラゴンより強いじゃん。まぁ、それなら遠慮無しだよね」
ゴーダ「だな…!」
《セイウチ!シロクマ!ペンギン!》
「「変身!」」
《ライオン!ゴリラ!バッタ!》
《ウ・ツ・ロ~・ウツロ・ウ・ツ・ロ~…!》
《──ギンシロセイ!》
二人はオーズラゴリバ、ライダーウツロに変身する。
アリス「ウツロさんも変身できたんだ…!」
ゲイル「ゴーダ先生も、この前とは違う姿だね…!」
オーズ「オォッ!」
《シロクマアーム!》
ウツロ「フッ…!」
オーズはゴリラアーム、ウツロはシロクマアームでゴーレムに対抗する。
『『へぇ、やるじゃん!』』
リムル「おい、今のうちに謝るなら許してやる。そうしないなら、こいつらを壊すけど良いんだな?」
『『アハハ!面白い!良いよ、良いともさ!やってごらんよ!』』
ゴーダ「後悔しないことだな」
《サイ!ゴリラ!ゾウ!》
《サ・ゴーゾ…!サ・ゴーゾォッ!》
オーズはサゴーゾコンボに変身した!
ケンヤ「おぉ!すげぇ迫力!」
クロエ「なんだろ、今の歌…」
『『『歌?』』』
ウツロ(あれ、クロエ聞こえてる?)
クロエは変身者以外は、魂で繋がった者にしか聞こえないはずのドライバー音声を、何故か聞き取っていた。
(♪「Sun goes up (サゴーゾコンボのテーマ)」)
https://m.youtube.com/watch?v=5mVGGdRNZxY
オーズ「オォオオッ!!」
オーズはサゴーゾコンボとなり、ドラミングと共に重力を操作し、ゴーレム達は浮き上がり、宙を舞いながら、互いにぶつかり合う。
『『はぁっ!?』』
リムル「驚くのはまだ早いぜ!フッ!」
リムルは飛び上がり、《粘鋼糸》でゴーレムを捕縛する。
リムル「《縛糸・黒炎獄(バインドヘルフレア)》…!」
《操糸妖縛陣》と《黒獄炎(ヘルフレア)》の合わせ技で、ゴーレムを焼き尽くし、破壊した!
ウツロ「さぁて、こっちも…」
《ペンギンキャノン!》
《ペンギン・コアバースト!》
ウツロ「──シュートッ!」
胸に装備したバズーカ砲からの冷凍光線で、ゴーレムは凍り付き、砕け散った。
《スキャニングチャージ!》
オーズ「ヌンッ!オォオオッ…!セイヤァッ!!」
オーズはゾウレッグを地面に叩きつけ、白いリング型の重力波を放ち、引き寄せたゴーレムを、サイヘッドの頭突きとゴリラアームの両拳、一斉攻撃で粉砕した…!
その後。
リムル「焼き尽くされたくなかったら出てこい。隠れている場所はお見通しなんだぜ?」
『『ひぃいっ!?』』
金髪の小さな少女のような妖精が現れた。
コーダ「んで、お前は?」
「ジャジャ〜ン!我こそは偉大なるじゅぐへっ」
クロエ「噛んだ」
ラミリス「ンンッ…!我こそは、偉大なる十一大魔王が1人、迷宮妖精のラミリスである!」
リムル「魔王?」
ラミリス「頭が高いぞ!跪くがいぐへっ」
ラミリスはリムルのチョップを食らう。
リムル「お前みたいなガキが魔王になれる訳が無いだろ」
ラミリス「ガキ言うなや!あたしが魔王以外の何だって言うのさ!」
リムル「アホの子?」
ラミリス「誰がアホの子や!」
ゲイル「お馬鹿さん?」
ラミリス「そうそうお馬鹿さんやで…って、丁寧に言えば良いってもんやないわい!」
リムル「う〜ん、ミリムっていう魔王の友達がいるが、お前そいつと比べようも無いほど弱そうだが?」
ラミリス「バカぁッ!あのねぇ!ミリムって理不尽魔王って呼ばれてるの!そんな理不尽の権化と可憐なあたしを比べるなんて、失礼なんてもんじゃないよ〜!てかあんた達、ミリムと知り合いなの?」
リムル「最近友達になった」
ラミリス「ちょっと待って。あんた達、ジュラの大森林で新しく盟主になったって奴ら?」
コーダ「そうだが、知ってたのか」
ラミリス「ミリムの奴がちょ〜久々に来て、マブダチが出来たって自慢しやがったの!鼻で笑ってやったのにほんとだったなんて!」
ウツロ「マジで魔王なのか、このちんちくりん」
ラミリス「ちんちくりん言うなぁっ!」
ラミリス「殺すつもりも、怪我させるつもりもなかったのよさ」
リムル「本当かよ?」
ラミリス「本当だって!ビビらせて、ちょっと楽しんで、その後颯爽と助けて、尊敬される予定だったの!」
コーダ「アホか」
ラミリス「《精霊の守護像(エレメンタルコロッサス)》を壊しちゃうなんて。拾ってきたおもちゃいじくって、や〜っと完成させたのに!精霊工学の粋を集めて作ったのに!」
リムル「精霊工学?ドワルゴンでエルフとドワーフが共同開発しようとしてた、魔装兵って奴?」
ラミリス「ピンポ〜ン!よく知ってるね!」
コーダ「あぁ、ベスターが昔作ってた奴か」
ラミリス「あれは、精霊魔導核っていう心臓部を作れなくて失敗したんだよ。通常の鋼材で作ったって、精霊力に耐えられるはずないのにね。暴走して壊れた外殻が捨ててあったから、持って帰って復元したの!あたしって天才?すごくない?すごくな〜い?」
リムル(ウザい、しかしすごい…)
そこでリムル達は、子供達と精霊について相談した。新しいゴーレムの報酬付きである。
ラミリス「なるほどね…」
コーダ「精霊女王とやらを紹介して欲しいんだが」
ラミリス「ん?あ〜言ってなかったっけ。あたしだよ」
「「「え?」」」
ラミリス「だから、精霊女王、あたしだよ」
コーダ「お前魔王だろうが」
ラミリス「精霊の女王が堕落して魔王になっちゃったんです~!」
ウツロ「堕落…納得」
ラミリス「どういう意味じゃい!あっ、そういえばあいつも堕落したんだった」
リムル「あいつ?」
ラミリス「レオンちゃん?」
「「「!」」」
ウツロ「……」
ウツロがピクリとする。
ラミリス「あいつ、何か調べ物があったみたいで、大昔の上位精霊を呼び寄せてさ、契約結んだんだよね。だからレオンちゃんを勇者と認定して、精霊の加護を授けたって訳」
リムル「ちょっと待て、何で勇者が魔王になってんだ?」
ラミリス「堕落したんじゃないの?無茶な事も言ってたな。異世界から特定の人物を召喚してくれって」
ウツロ「…そういや、そんなこと言ってたっけか」
ラミリス「無理に決まってんのにね。泣きそうな顔してたね。いや、あれは泣いてた!」
ウツロ「…まぁ、レオンのことは今度考えよう」
コーダ「…ウツロ」
ウツロは自分に言い聞かせるように呟き、再びラミリスを見る。
ウツロ「で、精霊の棲家に案内してくれんの?」
ラミリス「ん?あぁ…」
ラミリスは真面目な顔になる。
ラミリス「あたしはね、魔王であると同時に、聖なる者の導き手。迷宮妖精であり、精霊女王でもあったの。勇者に精霊の加護を授ける役目も担ってるんだよ。
だから安心するが良いさ。公平だからね、あたしは。あたしが、あたしこそが、世界のバランスを保つ者なのだよ。
良いよ。召喚に協力してあげる。すごい精霊を呼び出すと良いさ」
リムル「ここが…」
ラミリス「迷宮の最深部、精霊の棲家」
コーダ「ここに上位精霊がいるのか?」
ラミリス「いるけど、上位精霊には自我があってね。呼び出しに応じてくれるかは、気分次第だよ」
ケンヤ「来てくれなかったらどうするの?」
ラミリス「エネルギーを切り取って、新たな上位精霊を生み出せば良いんだよ」
ウツロ「シズのスキル《変質者(ウツロウモノ)》を、リムルの《大賢者》に補佐してもらえば…」
一番手には、最年長のゲイルが立候補した。
ゲイル「先生…自分に何かあったら、あいつらを頼みます」
リムル「大丈夫だ」
リムルはゲイルの肩に手を置いた。そしてゲイルの祈りに応え、自我のない下位精霊達が、ちらほらと現れ始める。
リムル「《暴食者(グラトニー)》で捕食、《変質者(ウツロウモノ)》で統合…」
リムルは上位精霊を生み出し、無事ゲイルに宿らせた。
リムル「もう良いぞ。よく頑張ったな」
コーダ「無事に魔素が安定したようだな」
ゲイル「先生…!ありがとうございます!」
『『『やった~!』』』
ウツロ「よかった…」
ウツロはほっと息をつく。次はアリスだ。
リムル「アリス、頑張ったな。もう大丈夫だぞ」
アリス「フフッ…!」
リムル「おっ…!?」
クロエ「むぅっ…!」
アリスは笑みを浮かべ、リムルの頬にキスをした。クロエが頬を膨らませている。
ケンヤ「う〜し!次は俺の番だ!…ん?」
ケンヤは祈る前に、何か金髪の上位精霊が出てきた。
『よお〜元気かい?おいらは元気さ』
ラミリス「あ〜っ!あんた何しに人の家にやって来てんのよ!?」
『ちょっとした気まぐれだよ』
リムル「そちらさんは?」
ラミリス「こいつは…」
『オッス!おいら光の精霊。そこの魔物に堕ちた邪悪な妖精と違って、純粋な光の精霊様だよ』
ラミリス「誰が邪悪よ!」
コーダ「ケンヤお前、何か光の上位精霊を召喚したみたいだぞ」
ケンヤ「え〜っ!?」
『ケンヤって言うのかい。じゃ、ケンちゃんだな!なんかケンちゃんに光る物を感じたんだよ、光だけに!」
ケンヤ「面白くねえよ」(汗)
『ってな訳で、おいらがケンちゃんを助けてやるのだ。ケンちゃんが成長するまでは、おいらが保護するよ。もしかしたら、ケンちゃんも勇者になれるかもしれないからね!』
光の精霊はあっという間にケンヤに宿った。
リムル「あっ」
ラミリス「宿った」
ケンヤ「えっ?」
リムル「あ?あぁ、大丈夫!計画通りだ!ハハハハハ!」
ケンヤ「あっ、えっと…うん!」
次はリョウタ。
リムル「おや、水と風のダブル属性の精霊が生まれたぞ」
リョウタ「かっこいい!」
リムル「よし、統合っと…!」
リョウタも無事精霊を宿らせることができた。
ラストはクロエ。
クロエ「先生…あのね…先生…」
リムル「あ?ん?」
クロエ「あのね、先生…あのね…大好き…!」(///)
リムル「俺も好きだよ」
クロエ「フフッ…!」(///)
クロエが祈り始めると…
『『『!』』』
白い光と共に現れたのは、黒髪の女性。
リムル「何だ!?精霊じゃ、ない?」
『解。上位精霊と同様の精神体(スピリチュアルボディー)です。異常なまでのエネルギーを検知。上限は測定不能です』
『『『!?』』』
女性はリムルの唇にキスをした。更に…
リムル「ッ!?」
リムルの中のヴェルドラが、何やら反応した。
ラミリス「待て!させないよ!あんたの好きにはさせない!!」
リムル「おい、突然何を!?」
ラミリス「うるさい!そいつはヤバいんだよ!見て分からないの!?」
リムル「分かる訳ないだろ!」
ラミリス「あっ!?」
あたふたしているうちに、精霊(?)はクロエに宿った。
ウツロ「今の…どこかで…?」
ゴーダ「ん…?」
リムル「さっきのは何なんだ?」
ラミリス「分かんないわよ!詳しくは分からない!でもね、あれは多分未来で生まれたのよ!」
リムル「は?」
ラミリス「未来からやって来た、精霊に似た何か!とても信じられないけど、その子に宿った事で、自分を生み出す土壌を作った?」
コーダ「未来…どういうことだ?」
ラミリス「あ〜!本当に分からない!でもあれは大きな力を持ってた!未来であれが生まれたら、大変な事になる気がする!もしかしてあれは、時の大精霊の加護を受けて…」
謎は残ったが、クロエの魔素も無事安定していた。
リムル「良いじゃ無いか。全員成功したんだからさ。ありがとな」
ゴーダ「お前のおかげで、子供達も助かったよ。ありがとう」
クロエ「ありがとう…!」
『『『ありがとうございました!』』』
ランガ/ゴーガ「「感謝する!」」
ウツロ「ありがとう…本当に」
ラミリス「そ、そんなの良いってば〜!」(///)
ウツロ「…やったよ、シズ」
ウツロが胸に手を当て、呟くと…
『──ありがとう』
ウツロ「…え?」
ウツロはハッと顔を上げる。
ウツロ「…今のって…」
ED「リトルソルジャー」田所あずさ