転生したグリードがスライムと相棒になった件 作:バンドリーマーV
《スキャニングチャージ!》
オーズ「セイヤァアアアアアッ!!」
カール「グァアアアアッ!?」
オーズの『ヒートアリキック』で、カールは大爆発と共に吹き飛ばされていった…!
グスタフ(まずいぞ…!この依代だけは守らねば!)
グスタフ「闇夜の帷よ、降りよ!根源たる負の感情よ、来たれ!」
結界の外で、グスタフはオーラを放ち、誰しもが持つ負の感情を、国中の人々から吸収、エネルギーに変換する。
グスタフ「同胞たるカールよ、我が糧となれ!」
カール「うァアアアアッ!?」
更にはカールの力まで吸収し、禍々しいオーラと共にパワーアップした。
グスタフ「それでは始めるとしよう!…む?」
回復薬で傷を癒したパウロが、救出したゼノビアを抱え、走っていく。フォスとフラメアも一緒だ。
グスタフ「愚か者共が。わしから逃れられるものか!」
フォス「させないですッ!」
フォスが《獣身化》し、二本の短刀を構え、グスタフに猛攻を仕掛ける。
グスタフ「チィッ…!目障りだッ!」
フォス「うぁああっ!」
フォスは吹き飛ばされた。
フラメア「フォスッ!」
パウロ「大丈夫かッ!?」
グスタフ「暗黒魔法、フォビドゥン!」
グスタフの魔術は、三人に当たる前に防がれた。
『『『!』』』
ルミナス「そこで大人しゅう見ておれ。その娘を助けようとした心意気に免じて、妾が貴様らを守ってやろうぞ」
パウロ「お、おう…!」
フォス「ど、どちら様です…?」
フラメア「…!」
フラメアは目を見開く。
フラメア「ルミナス様…?」
ルミナス「久しいな、子ウサギ。だが、今は話している時間はない」
グスタフ「何者だ」
ルミナス「貴様の様な小物に教える気など無いわ」
グスタフ「何っ!?」
ルミナス「今のあの者達では、貴様の相手は荷が重いやもしれぬ。妾が遊んでやる故、光栄に思うが良かろう」
グスタフ「魔人か。小娘の癖に生意気な!…なっ!?」
グスタフの攻撃を、ルミナスは片手で止めた。
ルミナス「ぬるい」
グスタフ「バカな、わしの全力が!?」
ルミナス「知らぬわ」
グスタフは蹴り飛ばされ、ルミナスの鋭い歯が目に入る。
グスタフ「まさか、ヴァンパイアなのか!?しかもわしより強いじゃと!?何者なのだ!?」
ルミナス「貴様が知る必要などあるまいよ」
グスタフ(まずい…!このままでは、何も成せずに滅んでしまう!そんなことになったら、わしは…!)
グスタフはゼノビアに向かっていく。
パウロ「くっ!」
グスタフ「邪魔だ!」
パウロ「ぐはっ!」
フラメア「パウロさん!」
ゼノビアを守ろうとしたパウロは蹴り飛ばされる。
グスタフ「我らが原初たる神よ!この者に宿りて、わしに力をお貸しくださいませ!」
グスタフは魔法陣を出現させる。
ルミナス「パウロさん!」
フォス「大丈夫ですか!?」
ルミナス「息はあるな。バカな奴じゃ」
フラメア「あ…ゼノビア様が…!」
グスタフ「おぉ、成功だ!」
光の柱が上がり、ゼノビアがいた場所には、紫の髪の少女が立っていた。
?「やぁルミナス。せっかくだから挨拶だけでもと思って、ボクの方からわざわざ来てあげたよ?」
グスタフ「ん?ヴィオレ様、この者をご存知なのですか?…いや、待てよ…ルミナス…ルミナスじゃと!?ではこの者が、滅んだとされる先代魔王、《夜魔の女王(クイーン・オブ・ナイトメア)》ルミナス・バレンタイン!?」
ルミナス「チッ、やはり貴様か。《原初の紫(ヴィオレ)》よ、何度も言うが妾に迷惑をかけるのはやめよ」
ルミナスは紫の髪の少女…ヴィオレを睨みつける。
ヴィオレ「アハハ!嫌だよ、だってボクは、人が嫌がる事をするのが大好きなんだもん!特に君の様に抜け目のない相手は、出し抜くのが大変だもんね。どうせ一緒に遊ぶのなら、ボクも楽しみたいし。これからもよろしくね?」
ルミナス「抜け抜けと…!」
ヴィオレ「ふふっ…!」
ヴィオレが光と共に飛び出し、ルミナスは回避する。
ヴィオレが次々と放つ魔力弾を、ルミナスは魔法陣のバリアで防ぎ、反撃の魔力弾を連射。
ヴィオレは紫、ルミナスは赤いオーラを纏い、超スピードで飛行しながら、幾度もぶつかり合う。
グスタフ(し、信じられん…!ワシは今、神々の戦いを見ておるのじゃ…!)
フラメア/フォス「「あわわわ…」」ガクブル
フラメアとフォスは、次元の違う戦いに、抱き合って震えるしかない。
ヴィオレ「ハハハハっ…!」
ルミナス「フッ…!」
互いに巨大な魔力弾を手に構え、突撃した二人は、大爆発と共にぶつかり合い、着地した。
ヴィオレ「うん!腕は落ちてないようだね?感心感心」
ルミナス「やかましいわ。それよりも貴様、この落とし前はどうつけるつもりなのじゃ?」
ヴィオレ「う〜ん、そうだねぇ…」
グスタフ「か、神よ!ワシは、ワシは…!」
ヴィオレ「そうだね。ボクのシモベのクセして、こんな簡単なお仕事もこなせないなんて、残念残念」
グスタフ「お待ちを!次こそは必ず成功させてごらんに入れます!今回とて、貴女様を受肉させるという功績を…」
ヴィオレ「は?これは無理矢理この子の体に、ボクの力で顕現しただけなんだけど」
グスタフ「え?」
ヴィオレ「君の功績なんて皆無なのに、笑わせないでよね。ボク失望しちゃった。証拠を残すくらいなら、ボクの手で始末しなければならないんだもん」
グスタフ「し、始末…あ、おぉ、そうですとも!貴方様なら必ずや、ルミナスの首を…!」
ヴィオレ「ば〜か。ゴミは消えちゃえ!」
グスタフ「そ、そんな…グァアアッ!?」
ヴィオレが手を掲げると、グスタフは絶叫と共に消滅し、抜け殻となった体が倒れる。
ヴィオレ「お前の他にも種は蒔いてあるからね。さて…」
ヴィオレはフラメアをチラッと見る。
フラメア/フォス「「ひいっ…!?」」
ヴィオレ「もう、ウサギちゃんもキツネちゃんも、そんなに怯えないでよぉ。ルミナスのお気に入りに手を出したら、後々面倒だし?」
ルミナス「分かっておるならさっさと帰れ」
ヴィオレ「まぁまぁ。それよりウサギちゃん、君の主…ゴーダ・テンペストとか言ったっけ?ここからでも気配が伝わってくるよ。ボク、ちょっと興味出てきちゃったな~!」
フラメア「へ…?」
ヴィオレ「それじゃあボクは帰るね。バイバ〜イ!」
ヴィオレは姿を消し、ゼノビアが倒れ込んだ。
フラメア「あ…ゼノビア様!」
ルミナス「フン、本当に気まぐれで厄介極まりないな奴じゃ。さて、どうしたものか」
ルミナスは回復魔法でパウロを目覚めさせる。
ルミナス「貴様、近う寄れ」
パウロ「は、はいっ!」
ルミナス「よいか?貴様がこやつをその棒で殴り倒した。そうじゃな」
パウロ「ハイ!俺がそいつを殴り倒しマシタ!」
ルミナスの魔眼の力を受けたパウロが、記憶を書き換えられ、棒読みで言った。
ルミナス「うむ、よかろう♪」
フォス「へ…?」
フラメア「えっ、あの、ルミナス様…?」
ルミナス「お前達も話を合わせるのじゃぞ?」ニッコリ
フラメア/フォス「「は、はいぃっ!」」ビクッ
ルミナス「では、また会おう…フラメア」
ルミナスはフラメアの肩を叩くと、姿を消した。
フラメア「し、心臓に悪いですぅ…!」
フォス「あ、あの方は一体…?」
フラメア「…わ、私に名前をくれた人だよ…」
フォス「えぇえええええええッ!!?」
結界が消え、ゴーダ達がやって来た。
サトル「まさか、お前が倒したのか?」
パウロ「ハイ!俺がやりマシタ!」
エイジ「マジで?」
フラメア「ま、マジなんですよっ!いや~見事な一撃だったなぁっ!」(汗)
フォス「はいですッ!こう、頭をスパーンとッ!」(汗)
ゴーダ(こいつら絶対なんか隠してるな。まぁいいか…)
引き攣った笑みを浮かべるフラメアとフォスを見て、エイジはため息をついた。
大賢者《解。デーモン同士の合体は、禁忌とされる程の難事です。不測の事態になれば、失敗する可能性が高いでしょう》
リムル(つまり、タイミングよくパウロが殴ったことで倒せたと…?フラメアとフォスの反応は気になるが、仕方ないか…)
サトルはゼノビアの容態を見る。
サトル「肉体的には問題なし。まもなく目覚めると思うよ」
アスラン「感謝する!」
サウザー「それで大怪盗殿。大事な質問があるのだが良いだろうか?」
サトル「い、いや~、悪いが俺達も忙しい身でね!エイジ、ベニマル、ソウエイ!」
エイジ「はいはい。じゃあ、これで失礼するよ」
四人は姿を消した。
ウツロ『二人ともお疲れ』
ゴーダ『マジで疲れた』
リムル『ほんとだよ…』
分身と入れ替わり、ウツロと共に解放されたリムルは、ゴーダと合流し、思念伝達で話していた。
ウツロ『よかったね、お兄ちゃん。進歩あったんでしょ?』
ゴーダ『…まぁな。でも、まだまだこれからだ』
リムル『そのいきだよ』
アスラン「おぉ、待っていたぞ!リムル殿、ゴーダ殿、ウツロ殿!」
リムル「アスラン殿下?」
アスラン「すまないが、妹がまたも衰弱してしまったのだ。出来れば、貴殿が持つ秘薬を分けて欲しいのだが…頼めるだろうか?」
リムル「もちろん、良いですよ」
ゴーダ/ウツロ「「あっ」」
ゴーダとウツロが何か言う前に、リムルはアピトの蜂蜜を渡すが…
サウザー「うむ、やはりな。私がもらったものと同じだ」
アスラン「やはりそうでしたか」
リムル「えっ?…あっ!?」
ゴーダ/ウツロ「「バカ…」」
あっさりバレてしまい、ゴーダとウツロは頭を抱えた。
ゼノビア「皆様のおかげで、私、自由の身になれました」
アスラン「貴殿らには、何から何まで世話になった。感謝する」
サウザー「我らは貴殿らには恩義を感じている。その事をどうか忘れずに、何かあれば頼って欲しい」
リムル「こちらこそ、微力ながらお役に立てた様で何よりです。もしもまた薬が必要になるようなら、ミョルマイルという商人をお尋ねください」
ゴーダ「あっ、おい…」
アスラン「ふっ。最近台頭したという、魔物の国と取引のある商人か」
バラク「そういえば、その国の盟主達の名前も、リムル・テンペストとゴーダ・テンペストだと言うらしい。奇遇な事もある事です」
ゴーダ「お前な…」
ウツロ「少しは学べ」
リムル「あ、あはは…」
パウロ「やっぱりすげぇお人だった…」
話は本題に入り、黒幕はやはり国王だったらしい。兵士が拘束しようと乗り込んだ時には、既に息絶えていたそうだ。実はルミナスの仕業なのだが、それは誰も知らない。
アスラン「残されていた資料から、父がアークデーモンを召喚したと判明した。病で残り少ない命と世を儚んだ父は、俺と兄上を争わせ、生き残った者の体に乗り移ろうとしていたのだ」
サウザー「結果として良かったのであろうよ。罪状からすれば、死罪以外にはあり得なかっただろうからな」
ゴーダ「本当に全て解決したってわけだ」
ゼノビア「はい。ありがとうございました、リムル様、ゴーダ様…いいえ、大怪盗様達♪」
リムル「だからそれはやめてくれって~!」
ゴーダ「パウロ、本当に残るのか?」
パウロ「騎士団長にスカウトされたからな!」
アスラン「期待しているぞ」
パウロ「はっ!」
リムル「ま、せいぜい頑張れよ。じゃあ皆さん、お元気で!」
ゴーダ「またいつか」
ウツロ「じゃあね~」
フラメア「失礼します!」
こうしてゴーダ達は、イングラシアに戻るのだった。
フォス「パウロさんすごいですね…」
ゴーダ「お前だって、ゼノビアを助けるために、アークデーモン相手に立ち向かったんだろ?」
ウツロ「かっこいいぞキツネちゃん」(≧ω≦)b
フォス「あ、ありがとうございます…!」
ゴーダ「にしても、今回はお前もヒヤヒヤしたよな」
フラメア「そ、そうですね」
フラメア(主にルミナス様の関係で…)
フラメア「でも…ゴーダ様と一緒に旅ができて、よかったです!」
ゴーダ「あぁ。俺も楽しかったよ」
フラメア「えっ、は、はい…!」(///)
ゴーダ(…やっぱり、こいつが傍にいると、自然と楽しいなんて言葉が出て来るな…)
一方。
ヴィオレ「……」
住処に戻ったヴィオレは、水晶玉で今までのゴーダの戦いを見ていた。
ヴィオレ「あはは…!何これ、最高…!」
クロが映像越しに一目見た瞬間、運命の如くリムルに心酔してしまったように…ヴィオレもまた、ゴーダの姿に何かを感じ、見蕩れていた。
ヴィオレ「ボクはきっと、彼に出会うために…!」
ED「ココロトラベル」岡咲美保
神聖法皇国ルベリオス。
ヒナタ「……」
異世界人にして、西方聖教会の聖騎士団長、坂口日向(ヒナタ・サカグチ)は、魔国連邦に関する報告書を読んでいた。
ヒナタ「盟主の一人、リムル・テンペスト…貴方が、シズ先生を殺したのね」
その時、ドアがノックされた。
「ルウです。お姉様、今いいですか?」
ヒナタ「えぇ」
入室したのは、同じく異世界人の少女。
ルウ「──行くんですか?テンペストの盟主の元に」
──ルウ・サカグチ。聖騎士団副団長にしてヒナタの義妹、右腕である。
ヒナタ「えぇ。恩師の仇を放ってはおけない」
ルウ「だったら、私も同じです」
ルウは報告書に描かれた、ゴーダの似顔絵を見る。
ルウ「…ゴーダ・テンペスト…」
ルウ「──こいつが、映司を…」
次回…新章『魔王誕生編』開始