転生したグリードがスライムと相棒になった件   作:バンドリーマーV

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OP「ヒカリハナツ」寺島拓篤


4 紫と薔薇

 

《スキャニングチャージ!》

 

オーズ「セイヤァアアアアアッ!!」

 

カール「グァアアアアッ!?」

 

 

オーズの『ヒートアリキック』で、カールは大爆発と共に吹き飛ばされていった…!

 

 

グスタフ(まずいぞ…!この依代だけは守らねば!)

 

グスタフ「闇夜の帷よ、降りよ!根源たる負の感情よ、来たれ!」

 

 

結界の外で、グスタフはオーラを放ち、誰しもが持つ負の感情を、国中の人々から吸収、エネルギーに変換する。

 

 

グスタフ「同胞たるカールよ、我が糧となれ!」

 

カール「うァアアアアッ!?」

 

 

更にはカールの力まで吸収し、禍々しいオーラと共にパワーアップした。

 

 

グスタフ「それでは始めるとしよう!…む?」

 

 

回復薬で傷を癒したパウロが、救出したゼノビアを抱え、走っていく。フォスとフラメアも一緒だ。

 

 

グスタフ「愚か者共が。わしから逃れられるものか!」

 

フォス「させないですッ!」

 

 

フォスが《獣身化》し、二本の短刀を構え、グスタフに猛攻を仕掛ける。

 

 

グスタフ「チィッ…!目障りだッ!」

 

フォス「うぁああっ!」

 

 

フォスは吹き飛ばされた。

 

 

フラメア「フォスッ!」

 

パウロ「大丈夫かッ!?」

 

グスタフ「暗黒魔法、フォビドゥン!」

 

 

グスタフの魔術は、三人に当たる前に防がれた。

 

 

『『『!』』』

 

ルミナス「そこで大人しゅう見ておれ。その娘を助けようとした心意気に免じて、妾が貴様らを守ってやろうぞ」

 

パウロ「お、おう…!」

 

フォス「ど、どちら様です…?」

 

フラメア「…!」

 

 

フラメアは目を見開く。

 

 

フラメア「ルミナス様…?」

 

ルミナス「久しいな、子ウサギ。だが、今は話している時間はない」

 

グスタフ「何者だ」

 

ルミナス「貴様の様な小物に教える気など無いわ」

 

グスタフ「何っ!?」

 

ルミナス「今のあの者達では、貴様の相手は荷が重いやもしれぬ。妾が遊んでやる故、光栄に思うが良かろう」

 

グスタフ「魔人か。小娘の癖に生意気な!…なっ!?」

 

 

グスタフの攻撃を、ルミナスは片手で止めた。

 

 

ルミナス「ぬるい」

 

グスタフ「バカな、わしの全力が!?」

 

ルミナス「知らぬわ」

 

 

グスタフは蹴り飛ばされ、ルミナスの鋭い歯が目に入る。

 

 

グスタフ「まさか、ヴァンパイアなのか!?しかもわしより強いじゃと!?何者なのだ!?」

 

ルミナス「貴様が知る必要などあるまいよ」

 

グスタフ(まずい…!このままでは、何も成せずに滅んでしまう!そんなことになったら、わしは…!)

 

 

グスタフはゼノビアに向かっていく。

 

 

パウロ「くっ!」

 

グスタフ「邪魔だ!」

 

パウロ「ぐはっ!」

 

フラメア「パウロさん!」

 

 

ゼノビアを守ろうとしたパウロは蹴り飛ばされる。

 

 

グスタフ「我らが原初たる神よ!この者に宿りて、わしに力をお貸しくださいませ!」

 

 

グスタフは魔法陣を出現させる。

 

 

ルミナス「パウロさん!」

 

フォス「大丈夫ですか!?」

 

ルミナス「息はあるな。バカな奴じゃ」

 

フラメア「あ…ゼノビア様が…!」

 

グスタフ「おぉ、成功だ!」

 

 

光の柱が上がり、ゼノビアがいた場所には、紫の髪の少女が立っていた。

 

 

 

 

 

?「やぁルミナス。せっかくだから挨拶だけでもと思って、ボクの方からわざわざ来てあげたよ?」

 

グスタフ「ん?ヴィオレ様、この者をご存知なのですか?…いや、待てよ…ルミナス…ルミナスじゃと!?ではこの者が、滅んだとされる先代魔王、《夜魔の女王(クイーン・オブ・ナイトメア)》ルミナス・バレンタイン!?」

 

ルミナス「チッ、やはり貴様か。《原初の紫(ヴィオレ)》よ、何度も言うが妾に迷惑をかけるのはやめよ」

 

 

ルミナスは紫の髪の少女…ヴィオレを睨みつける。

 

 

ヴィオレ「アハハ!嫌だよ、だってボクは、人が嫌がる事をするのが大好きなんだもん!特に君の様に抜け目のない相手は、出し抜くのが大変だもんね。どうせ一緒に遊ぶのなら、ボクも楽しみたいし。これからもよろしくね?」

 

ルミナス「抜け抜けと…!」

 

ヴィオレ「ふふっ…!」

 

 

ヴィオレが光と共に飛び出し、ルミナスは回避する。

 

ヴィオレが次々と放つ魔力弾を、ルミナスは魔法陣のバリアで防ぎ、反撃の魔力弾を連射。

 

ヴィオレは紫、ルミナスは赤いオーラを纏い、超スピードで飛行しながら、幾度もぶつかり合う。

 

 

グスタフ(し、信じられん…!ワシは今、神々の戦いを見ておるのじゃ…!)

 

フラメア/フォス「「あわわわ…」」ガクブル

 

 

フラメアとフォスは、次元の違う戦いに、抱き合って震えるしかない。

 

 

ヴィオレ「ハハハハっ…!」

 

ルミナス「フッ…!」

 

 

互いに巨大な魔力弾を手に構え、突撃した二人は、大爆発と共にぶつかり合い、着地した。

 

 

ヴィオレ「うん!腕は落ちてないようだね?感心感心」

 

ルミナス「やかましいわ。それよりも貴様、この落とし前はどうつけるつもりなのじゃ?」

 

ヴィオレ「う〜ん、そうだねぇ…」

 

グスタフ「か、神よ!ワシは、ワシは…!」

 

ヴィオレ「そうだね。ボクのシモベのクセして、こんな簡単なお仕事もこなせないなんて、残念残念」

 

グスタフ「お待ちを!次こそは必ず成功させてごらんに入れます!今回とて、貴女様を受肉させるという功績を…」

 

ヴィオレ「は?これは無理矢理この子の体に、ボクの力で顕現しただけなんだけど」

 

グスタフ「え?」

 

ヴィオレ「君の功績なんて皆無なのに、笑わせないでよね。ボク失望しちゃった。証拠を残すくらいなら、ボクの手で始末しなければならないんだもん」

 

グスタフ「し、始末…あ、おぉ、そうですとも!貴方様なら必ずや、ルミナスの首を…!」

 

ヴィオレ「ば〜か。ゴミは消えちゃえ!」

 

グスタフ「そ、そんな…グァアアッ!?」

 

 

ヴィオレが手を掲げると、グスタフは絶叫と共に消滅し、抜け殻となった体が倒れる。

 

 

ヴィオレ「お前の他にも種は蒔いてあるからね。さて…」

 

 

ヴィオレはフラメアをチラッと見る。

 

 

フラメア/フォス「「ひいっ…!?」」

 

ヴィオレ「もう、ウサギちゃんもキツネちゃんも、そんなに怯えないでよぉ。ルミナスのお気に入りに手を出したら、後々面倒だし?」

 

ルミナス「分かっておるならさっさと帰れ」

 

ヴィオレ「まぁまぁ。それよりウサギちゃん、君の主…ゴーダ・テンペストとか言ったっけ?ここからでも気配が伝わってくるよ。ボク、ちょっと興味出てきちゃったな~!」

 

フラメア「へ…?」

 

ヴィオレ「それじゃあボクは帰るね。バイバ〜イ!」

 

 

ヴィオレは姿を消し、ゼノビアが倒れ込んだ。

 

 

 

 

 

フラメア「あ…ゼノビア様!」

 

ルミナス「フン、本当に気まぐれで厄介極まりないな奴じゃ。さて、どうしたものか」

 

 

ルミナスは回復魔法でパウロを目覚めさせる。

 

 

ルミナス「貴様、近う寄れ」

 

パウロ「は、はいっ!」

 

ルミナス「よいか?貴様がこやつをその棒で殴り倒した。そうじゃな」

 

パウロ「ハイ!俺がそいつを殴り倒しマシタ!」

 

 

ルミナスの魔眼の力を受けたパウロが、記憶を書き換えられ、棒読みで言った。

 

 

ルミナス「うむ、よかろう♪」

 

フォス「へ…?」

 

フラメア「えっ、あの、ルミナス様…?」

 

ルミナス「お前達も話を合わせるのじゃぞ?」ニッコリ

 

フラメア/フォス「「は、はいぃっ!」」ビクッ

 

ルミナス「では、また会おう…フラメア」

 

 

ルミナスはフラメアの肩を叩くと、姿を消した。

 

 

フラメア「し、心臓に悪いですぅ…!」

 

フォス「あ、あの方は一体…?」

 

フラメア「…わ、私に名前をくれた人だよ…」

 

フォス「えぇえええええええッ!!?」

 

 

 

 

 

結界が消え、ゴーダ達がやって来た。

 

 

サトル「まさか、お前が倒したのか?」

 

パウロ「ハイ!俺がやりマシタ!」

 

エイジ「マジで?」

 

フラメア「ま、マジなんですよっ!いや~見事な一撃だったなぁっ!」(汗)

 

フォス「はいですッ!こう、頭をスパーンとッ!」(汗)

 

ゴーダ(こいつら絶対なんか隠してるな。まぁいいか…)

 

 

引き攣った笑みを浮かべるフラメアとフォスを見て、エイジはため息をついた。

 

 

大賢者《解。デーモン同士の合体は、禁忌とされる程の難事です。不測の事態になれば、失敗する可能性が高いでしょう》

 

リムル(つまり、タイミングよくパウロが殴ったことで倒せたと…?フラメアとフォスの反応は気になるが、仕方ないか…)

 

 

サトルはゼノビアの容態を見る。

 

 

サトル「肉体的には問題なし。まもなく目覚めると思うよ」

 

アスラン「感謝する!」

 

サウザー「それで大怪盗殿。大事な質問があるのだが良いだろうか?」

 

サトル「い、いや~、悪いが俺達も忙しい身でね!エイジ、ベニマル、ソウエイ!」

 

エイジ「はいはい。じゃあ、これで失礼するよ」

 

 

四人は姿を消した。

 

 

 

 

 

ウツロ『二人ともお疲れ』

 

ゴーダ『マジで疲れた』

 

リムル『ほんとだよ…』

 

 

分身と入れ替わり、ウツロと共に解放されたリムルは、ゴーダと合流し、思念伝達で話していた。

 

 

ウツロ『よかったね、お兄ちゃん。進歩あったんでしょ?』

 

ゴーダ『…まぁな。でも、まだまだこれからだ』

 

リムル『そのいきだよ』

 

アスラン「おぉ、待っていたぞ!リムル殿、ゴーダ殿、ウツロ殿!」

 

リムル「アスラン殿下?」

 

アスラン「すまないが、妹がまたも衰弱してしまったのだ。出来れば、貴殿が持つ秘薬を分けて欲しいのだが…頼めるだろうか?」

 

リムル「もちろん、良いですよ」

 

ゴーダ/ウツロ「「あっ」」

 

 

ゴーダとウツロが何か言う前に、リムルはアピトの蜂蜜を渡すが…

 

 

サウザー「うむ、やはりな。私がもらったものと同じだ」

 

アスラン「やはりそうでしたか」

 

リムル「えっ?…あっ!?」

 

ゴーダ/ウツロ「「バカ…」」

 

 

あっさりバレてしまい、ゴーダとウツロは頭を抱えた。

 

 

 

 

 

ゼノビア「皆様のおかげで、私、自由の身になれました」

 

アスラン「貴殿らには、何から何まで世話になった。感謝する」

 

サウザー「我らは貴殿らには恩義を感じている。その事をどうか忘れずに、何かあれば頼って欲しい」

 

リムル「こちらこそ、微力ながらお役に立てた様で何よりです。もしもまた薬が必要になるようなら、ミョルマイルという商人をお尋ねください」

 

ゴーダ「あっ、おい…」

 

アスラン「ふっ。最近台頭したという、魔物の国と取引のある商人か」

 

バラク「そういえば、その国の盟主達の名前も、リムル・テンペストとゴーダ・テンペストだと言うらしい。奇遇な事もある事です」

 

ゴーダ「お前な…」

 

ウツロ「少しは学べ」

 

リムル「あ、あはは…」

 

パウロ「やっぱりすげぇお人だった…」

 

 

話は本題に入り、黒幕はやはり国王だったらしい。兵士が拘束しようと乗り込んだ時には、既に息絶えていたそうだ。実はルミナスの仕業なのだが、それは誰も知らない。

 

 

アスラン「残されていた資料から、父がアークデーモンを召喚したと判明した。病で残り少ない命と世を儚んだ父は、俺と兄上を争わせ、生き残った者の体に乗り移ろうとしていたのだ」

 

サウザー「結果として良かったのであろうよ。罪状からすれば、死罪以外にはあり得なかっただろうからな」

 

ゴーダ「本当に全て解決したってわけだ」

 

ゼノビア「はい。ありがとうございました、リムル様、ゴーダ様…いいえ、大怪盗様達♪」

 

リムル「だからそれはやめてくれって~!」

 

 

 

 

 

ゴーダ「パウロ、本当に残るのか?」

 

パウロ「騎士団長にスカウトされたからな!」

 

アスラン「期待しているぞ」

 

パウロ「はっ!」

 

リムル「ま、せいぜい頑張れよ。じゃあ皆さん、お元気で!」

 

ゴーダ「またいつか」

 

ウツロ「じゃあね~」

 

フラメア「失礼します!」

 

 

こうしてゴーダ達は、イングラシアに戻るのだった。

 

 

フォス「パウロさんすごいですね…」

 

ゴーダ「お前だって、ゼノビアを助けるために、アークデーモン相手に立ち向かったんだろ?」

 

ウツロ「かっこいいぞキツネちゃん」(≧ω≦)b

 

フォス「あ、ありがとうございます…!」

 

ゴーダ「にしても、今回はお前もヒヤヒヤしたよな」

 

フラメア「そ、そうですね」

 

フラメア(主にルミナス様の関係で…)

 

フラメア「でも…ゴーダ様と一緒に旅ができて、よかったです!」

 

ゴーダ「あぁ。俺も楽しかったよ」

 

フラメア「えっ、は、はい…!」(///)

 

ゴーダ(…やっぱり、こいつが傍にいると、自然と楽しいなんて言葉が出て来るな…)

 

 

一方。

 

 

ヴィオレ「……」

 

 

住処に戻ったヴィオレは、水晶玉で今までのゴーダの戦いを見ていた。

 

 

ヴィオレ「あはは…!何これ、最高…!」

 

 

クロが映像越しに一目見た瞬間、運命の如くリムルに心酔してしまったように…ヴィオレもまた、ゴーダの姿に何かを感じ、見蕩れていた。

 

 

ヴィオレ「ボクはきっと、彼に出会うために…!」

 

 

ED「ココロトラベル」岡咲美保

 

 

 

 

 

 

神聖法皇国ルベリオス。

 

 

ヒナタ「……」

 

 

異世界人にして、西方聖教会の聖騎士団長、坂口日向(ヒナタ・サカグチ)は、魔国連邦に関する報告書を読んでいた。

 

 

ヒナタ「盟主の一人、リムル・テンペスト…貴方が、シズ先生を殺したのね」

 

 

その時、ドアがノックされた。

 

 

「ルウです。お姉様、今いいですか?」

 

ヒナタ「えぇ」

 

 

入室したのは、同じく異世界人の少女。

 

 

【挿絵表示】

 

 

ルウ「──行くんですか?テンペストの盟主の元に」

 

 

──ルウ・サカグチ。聖騎士団副団長にしてヒナタの義妹、右腕である。

 

 

ヒナタ「えぇ。恩師の仇を放ってはおけない」

 

ルウ「だったら、私も同じです」

 

 

ルウは報告書に描かれた、ゴーダの似顔絵を見る。

 

 

ルウ「…ゴーダ・テンペスト…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルウ「──こいつが、映司を…」

 

 

 

次回…新章『魔王誕生編』開始

 

 

 

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