転生したグリードがスライムと相棒になった件 作:バンドリーマーV
OP「Storyteller」TRUE
1 邂逅と断罪
コリウス王国での戦いからしばらく経ち…リムルとゴーダがイングラシア王国を離れる日がやって来た。ウツロはイングラシアに常駐しているわけではないため、今はテンペストにいる。
クロエ「先生…!」
子供達は涙を浮かべている。クロエはリムルに抱き付いていた。
リムル「これをやるから元気出せよ」
リムルは抗魔の仮面をクロエに渡した。
『『あっ!』』
アリス「あたしも欲しかったのに!」
クロエ「えへへ…!私が貰ったの」
ケンヤ「良いな良いな~!」
アリス「ずるいずるい!」
ゴーダ「お前達にも、新しい制服のプレゼントがあるよ」
子供達は大喜びだ。
ケンヤ「先生~!」
リョウタ「またね〜!」
ゲイル「さようなら〜!」
アリス「気をつけて〜!」
リムル「元気でな〜!」
ゴーダ「また会おうぜ!」
リムルはランガ、ゴーダはゴーガの背に乗り、イングラシアを去った。
ゴーダ「あの仮面、渡してよかったのか?」
リムル「あぁ。なんか、クロエに渡さなきゃって思ってさ。さぁ、帰ろう!」
リムルは転移魔法を発動しようとするが…
リムル「…ん?」
ゴーダ「この気配は…?ゴーガ、影に入ってろ」
リムル「ランガもだ」
「「はい!」」
ランガとゴーガは二人の影空間に入る。
大賢者《告。広範囲結界に囚われました。結界の外への空間干渉系のスキルは封じられました》
ランガ、ゴーガとも会話不能になる。
ヒナタ「──初めまして、かな?もうすぐさようならだけど」
ルウ「……」
現れたのは、ヒナタとルウだった。
リムル(二人か?あの服、ホーリーナイト…魔物の天敵か…)
ゴーダ「…ん…?」
ゴーダ(あいつ、どこかで…)
ゴーダはルウの顔に既視感を覚える。
リムル「初めましてだと思うけど、何か御用ですか?どなたかとお間違えでは?」
ヒナタ「丁寧なのね。魔物の国の盟主、リムル・テンペストと、ゴーダ・テンペスト」
ヒナタは何者かの密告で、二人の居場所を突き止めたらしい。
ヒナタ「君達の街がね、邪魔なのよ。だから潰す事にしたの」
リムル「何?」
ヒナタは剣を構える。
ヒナタ「そろそろいいわね」
リムル「よくはないが、せめて名前ぐらい教えて欲しいもんだ」
ヒナタ「魔物なのに名前に興味があるのね。私は、神聖法皇国ルベリオスにおける神の右手、法皇直属近衛師団筆頭騎士にして、聖騎士団長、ヒナタ・サカグチ。そしてこの子が…」
ルウ「…聖騎士副団長、ルウ・サカグチ」
リムル「ヒナタだと?お前が…」
ゴーダ「…ルウ?」
ゴーダはピクリと反応し、改めてルウの顔を見る。そして…
ゴーダ「…!」
ゴーダの脳裏に、ある記憶が浮かび上がった。
流れていく、映司の記憶。
映司『俺…旅の途中で、内戦に巻き込まれたことがある』
世界中を旅していた映司が、ある村で出会った少女。
映司『お世話になってた村の人達と協力して、何週間か…でも…でも、内戦は激しくなって…』
爆撃の炎の中に消えた少女。
映司『村で一番最初に仲良くなったあの子を…あの子を、助けられなかった…!』
映司の人生を狂わせ、人格を歪めた、原点。
映司『──ぁああああああああああッ!!!』
ゴーダ「──ッ!」
ゴーダは目を見開き、震える。
ゴーダ(…生きてたのか…!?)
リムル「…ゴーダ?おい、ゴーダ!どうした!」
ゴーダ「あっ…」
ゴーダは我に返る。
ヒナタ「私はリムル・テンペストをやるわ。貴女は、そっちの彼と1対1でやりたんじゃない?」
ルウ「…ありがとう、お姉様」
リムル「ちょっ、話を…!」
ヒナタ「魔物の言葉に興味は無い…!」
リムル「うおっ!?」
ゴーダ「ッ!」
ヒナタが斬りかかり、リムルが回避する。
リムル「待て!俺もお前と同じ日本人だ!シズさんからお前のことを頼まれて…!」
ヒナタ「情報通り、日本人と名乗るのね。シズ先生から私のことを…ね。笑わせないで」
リムルは必死に話すが、ヒナタは聞く耳を持たない。
ゴーダ「リムルッ!」
ルウ「…貴方が気にするべきは私」
ゴーダ「ッ!」
ゴーダとルウが向かい合った。
ルウ「貴方には聞きたいことがある」
ゴーダ「…何だ」
ルウ「──○○映司」
ゴーダ「!」
実家との確執から、母の旧姓を名乗るようになった映司の、戸籍上の本名…ルウと出会った時は、まだ本名を名乗っていた。
ルウ「今は火野映司、か…貴方が殺したって、本当?」
ゴーダ「…ッ…」
何故映司の死を知っているのか、その経緯までどこから情報を得たのか…疑問だらけだが、今はそれどころではない。
逃げ遅れた少女を庇った映司を、直接手にかけたのは、800年前の王だ。しかし…
ゴーダ(俺は、あの時…)
──────
ゴーダ『映司か…!お前は俺だ…!邪魔をするなぁッ!』
ゴーダ『俺の邪魔をしなければ、俺の中で生きられたものを…!跡形も無く消してやる!消えろッ!』
──────
ゴーダ「…っ…」
ゴーダ(俺は映司を殺そうと…あの時分離しなければ、俺と戦わなければ、映司は生きていたのかもしれないのに…俺が、映司を…)
ルウ「早く答えて」
ゴーダ「…あぁ。殺したのは…俺だ」
罪悪感に顔を歪めたゴーダは、そう答えてしまった。
ルウ「……」
リムル「なっ、おい!副団長とやら!映司さんを殺したのはゴーダじゃ…!」
ヒナタ「余所見とは余裕ね」
リムル「ぐっ…!」
リムルはヒナタの攻撃を避けるので手一杯だった。
ルウ「…認めたね。ほんとなんだ。ほんとに、映司は…死んだんだ。そっか…そっか…」
ゴーダ「…っ…」
ルウ「──許さない…許さない、許さない、許さない…ッ!お前はここで…!私が殺してやるッ!!」
ゴーダ「ッ!」
ルウは目にも止まらぬスピードでゴーダに斬りかかり、ゴーダは咄嗟に取り出したメダジャリバーで受け止める。
ルウ「ハァッ!」
ゴーダ「グッ…!ヌアッ!」
剣をぶつけ合うが、一方的に押されたゴーダは、メダジャリバーを弾かれてしまう。
ゴーダ「クッ…!」
ゴーダは飛び退いて距離を取った。
ルウ「…逃がさない…!」
ルウは剣を鞘に収めると、手を掲げる。
《──ホーリーメダジャリバー!》
ルウの手に光が集まり、メダジャリバーによく似た新たな剣が形成された。その剣にセットされているのは…
ゴーダ「…!コアメダル…!?」
オレンジ色に輝く、3枚のコアメダルだった。
ルウ「……」
ルウはメダルスロットの下に備わったレバーを、順番に引いていく。
《コブラ!》
《カメ!》
《ワニ!》
荘厳なメロディが鳴り響く。そして…
ルウ「──変身」
ルウがトリガーを押し込み、逆手でホーリーメダジャリバーを掲げると、メダルのエフェクトが宙を舞い、ルウは光に包まれる。
リムル「あれは、まさか…!?」
大賢者《解。オーメダルのエネルギーと共に、聖霊力の具現化を確認。対魔に特化した聖属性の武具と推測》
ホーリーナイトのトップのみが使いこなす《聖霊武装》に、メダルの力が重なることで変身する姿。
《You are the Knight, You are the Holy Knight!》
《──セイント・ツー!》
──『仮面ライダーセイントツー』。それが、ルウが変身した戦士の名だった。
ゴーダ「…!」
ルウ「…お前はここで終わり」
ゴーダ(…俺はこいつに斬られるべきだと思う。だが、テンペストが狙われてるっていうなら、俺は…!)
ゴーダ「…やるしか、ねぇか…!」
ゴーダの胸から飛び出したメダルが、オーズドライバーに収まる。
ゴーダ「──変身…!」
《ムカデ!ハチ!アリ!》
《チチチチ チッーチッチ…》
《ムカチリー!チリッチリッ!ムカチリー!チリッチリッ!》
ゴーダはオーズ ムカチリコンボに変身した。
「「……」」
オーズとセイントツーは向かい合い…
「「ッ!」」
次の瞬間、セイントツーが飛び出し、ハチニードルとホーリーメダジャリバーがぶつけ合った。
(♪「Ignorantia juris nocet」)
オーズ「グッ…!」
オーズはハチニードルとハチシールドで応戦するが、押されている。
オーズ「ハァッ!」
セイントツー「フッ…!」
オーズはセンターセンチピード、セイントツーはコブラのエネルギー体を頭部から伸ばし、ぶつけ合う。
セイントツー「フッ…!」
剣を鞘に収めたセイントツーは、ワニレッグのエネルギー体を纏い、センターセンチピードを避けながら、高速スライディングで接近。
セイントツー「デァアッ!」
オーズ「グァアッ!」
カメアームを形成し、オーズを殴り飛ばした。
オーズ「だったら…!」
《サイ!ゴリラ!ゾウ!》
《サ・ゴーゾ…!サ・ゴーゾォッ!》
オーズ「オォオッ!」
サゴーゾコンボとなり、ゴリラアームを構えて殴り合いとなる。
オーズ「デァアッ!」
セイントツー「フッ…!」
ゴリバゴーンを放つが、カメアームを合わせて張ったバリアに弾かれた。
ヒナタ「何をしても無駄。君達は詰んでいるのよ。このホーリーフィールドは、西方聖教会が誇る究極の対魔結界なのだから」
リムルもヒナタに追い詰められていた。精神体への直接攻撃により、あと数擊食らえば絶命するという危機的状況だ。
ヒナタ「本来なら私が出るまでもない仕事なの。私が出向いた理由はただ一つ。君がシズ先生を殺し、その遺体に魔物を取り憑かせたと聞いたから」
リムル「ウツロのことまで知ってるのか…!だからそれは…!」
ヒナタ「仇討ちよ。私の手で、君を殺しておきたかったの」
リムル「…確かに、俺が殺したようなものだし、ウツロがシズさんの体に取り憑いてるのは事実だが、ウツロはシズさんを…」
ヒナタ「結果が全てなのだし、どうでも良いわ。この世界で、私に優しかったたった1人の人…でも、もういないのね…これは、自分でもよく分からない感情だね」
《クワガタ!カマキリ!バッタ!》
《ガ~タガタガタ・キリッバ・ガタキリバッ!♪》
オーズ『『『ハァッ!』』』
オーズはガタキリバコンボに変身、分身し、次々とカマキリソードを振るう。
セイントツー「…どれだけ増えようと、お前の運命は決まっている」
《ホーリーチャージ!》
セイントツーはホーリーメダジャリバーのトリガーを長押し、メダルスロット下のレバーを順に引き、トリガーを押し込む。
《トリプル・ホーリーフィニッシュ!》
セイントツー「──ハァアアッ!!」
オーズ『『『グァアアアッ!!』』』
ワニの噛み付きのようなエネルギー体を纏う斬撃で、オーズの分身は次々と消滅し、一体が残った。
リムル(想像を越えた化け物だ…!ゴーダ、作戦は分かってるよな!)
ゴーダ(あぁ…!テンペストが狙われてる以上、ここで死ぬわけにはいかねぇ…!)
思念伝達で会話しながら並び立つ。そして…
リムル「目覚めろ、《暴食者(グラトニー)》ッ!!」
ゴーダ「《具現化(CLAWs)》完全開放…!全部乗せだッ!」
ヒナタとセイントツーの剣が、リムルとオーズを貫くと同時に、凄まじい光が放たれた。そして…
『『──オォオッ!!』』
二体の異形が現れた。
リムルはテンペストサーペントやアーマーザウルス、テンペストスターウルフにイフリート、コウモリの翼…これまで取り込んだ様々な魔物のキメラのような姿。
オーズは頭部がムカデヘッドになっている以外、古代王のグリード吸収体に似た姿に変貌し、ヒナタとセイントツーに飛び掛かった。
「「ッ!」」
応戦する二人だが、あらゆる術が弾かれる。
セイントツー「魂がない…暴走状態?」
ヒナタ「なら…聖霊召喚」
ヒナタは複数の聖霊に攻撃させ、その隙に二人は詠唱を始める。
「「神へ祈りを捧げ奉る。我は望み、精霊の御力を欲する。我が願い、聞き届け給え」」
リムルとオーズは魔法陣に囚われた。
「「──万物よ尽きよ!霊子崩壊(ディスインテグレーション)ッ!!」」
最強の神聖魔法が放たれ、光に飲まれたリムルとオーズは、欠片も残さず消滅した。
ヒナタ「…仇は討ったわ」
ルウ「……」
ルウは変身を解除した。
ルウ「…映司」
ヒナタとルウが去った後…
リムル「し、死ぬかと思った…!ゴーダ、もう実体化していいぞ」
ゴーダ「あぁ…」
スライム姿で草むらに隠れていたリムルから、ゴーダメダルが飛び出し、体を再形成した。
ランガ「主!」
ゴーガ「ご無事でしたか!」
ランガとゴーガもようやく影から出てこれた。
リムルもゴーダも、咄嗟に分身と入れ替わっていたのだ。
オーズはガタキリバの分身が倒される中、本体はメダルだけになって隠れ、分身一体だけ残して脱出していた。
ゴーダ「とにかく、早く帰るぞ!国の奴らが危ない…!」
リムル「あぁ!テンペストへ!…あれ?」
転院魔法が発動しない。
大賢者《告。転移先の特定が不能です。何らかの結界により、テンペストが隔絶されていると推測します》
リムル「なら、どこかテンペストの近くに…!」
テンペスト中央都市。
ウツロ「グッ…!はぁ、はぁ…」
変身を解除され、ウツロは血を流しながら倒れた。
町は炎に包まれ、悲鳴が響いていた。
武装した人間達が、魔物達を虐殺している。
ウツロ「…ッ…」
動けない中、燃える町に、シズの記憶にある空襲の光景がフラッシュバックし、ウツロは頭を抑える。
ウツロ(…守れない…何もっ…!)
《続く》
ED「STORYSEEKER」 STEREO DIVE FOUNDATION
【ルウ】
オーズ好きな人なら、名前で分かってた人も少なくないかもしれない。
オリキャラではありません。原作で映司と出会った本人です。
【仮面ライダーセイントツー】
モチーフは原作の聖霊武装+キングオージャー。変身ポーズはギラ/クワガタオージャー。