転生したグリードがスライムと相棒になった件   作:バンドリーマーV

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OP「Storyteller」TRUE


3 全てを賭けて

 

会議のため、仲間を集めたはいいが…

 

 

ゴーダ「待て、さらっといるが誰だお前!?」

 

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悪魔「どうも!」

 

 

フラメアそっくりの悪魔に唖然とするゴーダ。

 

 

フォス「こ、この子は襲撃の時、私達を助けてくれたです!信じていいと思うですよ!」

 

ゴーダ「そうなのか?てか、なぜフラメアと同じ顔をしている?」

 

悪魔「フラメアは旅の途中で、悪魔の中でもすっごい偉い方と知り合って、気に入られてたの。その方が、フラメアの最期の祈りを聞いてね。

 

ご自分の顕現には力が足りなかったけど、代わりに力を送った。一度フラメアの体に宿って、その魂に触れて顕現したから、私は悪魔であると同時に、フラメアの分身でもあるの」

 

 

特殊な誕生経緯に加えて、フラメアがルミナスから名を授かっていた影響もあり、受肉に成功したようだ。

 

 

悪意「だから、フラメアの願いは私の願い。私もあなた達に協力させて欲しい」

 

ゴーダ(シズとウツロみたいなもんか…《探求者》で探っても、悪意や嘘はないし、妨害の気配もない。信じてよさそうだな)

 

ゴーダ「よし、分かった。同席を許可する」

 

悪魔「ありがとう!」

 

 

 

 

 

リムル「──と言う事で、俺達は魔王になろうと思う」

 

ゴーダ「こちらに向かっていると言うファルムス王国の軍隊…1万名以上を養分にして、魔王に進化する」

 

 

エレンが改めてお伽話を話し、リムルとゴーダが宣言する。

 

 

リムル「シオン達が蘇生する確率は、3%もある」

 

シュナ「そ、それは…」

 

リムル「まぁ待て。言いたい事、聞きたいことがあるだろうが、その前に、最後まで話を聞いてくれ」

 

シュナ「はい…」

 

 

 

リムル「──俺は、元人間の転生者だ」

 

ゴーダ「俺はグリードだが、人間から生まれた存在。異世界人と呼ばれる者と、同じ世界の生まれだ」

 

リムル「俺は向こうで死んで、この世界で生まれ変わったんだ。スライムとしてな。最初は孤独で寂しかったが…そんな俺にも友達が、仲間ができた。お前達だ。嬉しかった。家族とも呼べる、大切な者達だ」

 

 

 

ゴーダ「…前世の俺は、ろくでなしのクズだった。他人を利用し、気持ちを踏み躙り、手に入れた力に溺れて暴走する…ファルムスの奴らを責められないようなクズだったんだ。

 

自業自得で死んだ俺は、何の因果か、この世界で二度目の生を受け…やり直す機会を与えられた。

 

リムルと出会って、お前達と出会って…俺は初めて仲間を得て、その喜びを知った。自分がどれだけ愚かだったかを知ると同時に、この世界で得た幸せを守りたいと思った」

 

 

 

リムル「人間を襲わないというルールも、人間が好きだと言ったのも、元人間だったからだ。今更後悔しても、取り消すことは出来ないが、その事でお前達が傷つくのは、本意じゃない」

 

ゴーダ「すまなかった。イングラシアに長居せず、すぐに帰還していれば…」

 

 

 

シュナ「それは違います。いつでもお二方が守ってくださるという甘えが、私達にあったのです。その結果が、今回の惨劇でした」

 

ベニマル「俺も今回の件で痛感しました。リムル様とゴーダ様との繋がりを絶たれた時、常にあった万能感が消え去り、胸中には、寄る辺を失った動揺が広がったのです。留守を預かっていたというのに、惨事を未然に防げなかった原因は、俺にあります」

 

リグル「待ってくれ、ベニマルさん!それを言うなら、警備責任者の俺の失態だ!原因なら俺にある!」

 

ゲルド「いや…初めて道を通る者には、もっと目を光らせておくべきだった…!」

 

ウツロ「相手が人間だからって躊躇しちゃった…相手も殺す気で来てるのに…」

 

ゴブタ「オイラのせいっす…相手を煽りすぎたかもしれないっす…!」

 

リグル「いや、あれは仕方ない」

 

 

 

ゴーダ「お、おいお前らちょっと待て…!油断してたのはこっちだ…!」

 

リムル「あぁ。自分の思いを優先した結果、この様だ。本当にすまなかった」

 

ハクロウ「お二人がご自分の思いを優先したからと言って、何ら問題はございませんぞ。今回の件は、わしら全員の油断…そして、弱さが原因じゃ。あの様な不埒者どもに好き放題されてしまったのは、わしらの怠慢であろう!違うか、皆の衆!」

 

 

一同が頷く。

 

 

ゴーダ「お前ら…」

 

リグルド「リムル様とゴーダ様は、我らの主。人間と仲良くしようと、魔王になろうと、貴方方の想いが、我らの進むべき道なのです」

 

リムル「元人間が主とか、嫌じゃないのか?」

 

ゴブタ「え?リムル様はリムル様、ゴーダ様はゴーダ様っすよね?」

 

シュナ「私達がお慕いしているのは、リムル様とゴーダ様です」

 

フォス「そうです!前世が何でも、関係はないですよ!」

 

悪魔「フラメアだって、ゴーダ様の前世のやらかしを全部知っても、変わらなかったでしょ?」

 

ゴーダ「…そうか」

 

リグルド「皆の気持ちは、同じです。その様なことを気にする者など、誰もおりません。我らはただ、従うのみですぞ」

 

 

 

 

 

議題は再び、今後の人間への対応となる。

 

 

リムル「俺が思うに、人間は善にも悪にもなれる。それは、そもそもの性根もあるだろうが、周囲の環境に大きく影響される」

 

ゴーダ「個人として善であっても、住む国が悪の道に進めば、いつしか同じ色に染まるだろう。欲望が膨れ上がれば、過ぎた正義も悪になる」

 

リムル「だから、人間が学習できる環境を整えたいと思う。俺達のことを知ってもらえれば、良き隣人になれるのだと。そして、人間と魔物の垣根を取り払えると…俺は、その可能性を信じたい」

 

ゴーダ「これはあくまで、今後の希望としての話。まずは俺達の存在を、人間達に認めさせることからだ」

 

ベニマル「なるほど。リムル様とゴーダ様が魔王として君臨する事で、武力を用いた交渉は不利だと悟らせる」

 

リムル「あぁ。その上で、他の魔王に対する牽制も行い、人間達の国の盾としての役割を担うことにする」

 

ゲルド「賢い者ならば、敵対するよりも、共存を選ぶでしょう」

 

ゴーダ「あぁ。友好的な者とは手を繋ぎ、害意ある者には相応の報いを受けさせる。相手に対して、鏡のように接するんだ」

 

リムル「そうして、長い時間をかけてゆっくりとでも、友好的な関係を築ける様に目指す。これが俺達の考えだ」

 

 

全員が笑みを浮かべ、頷くのだった。

 

 

 

 

 

そして、迫る戦いについて。

 

 

ベニマル「ソウエイからの情報によると、進軍中の軍勢は、3日後にはテンペストに到着すると思われます。ファルムス王国の騎士団が1万。傭兵団6000。魔法使いが千程度。これに、西方聖教会の神殿騎士団(テンプルナイツ)3000」

 

ウツロ「町の四方に陣取ってる連中も合わせて、総勢二万以上か…」

 

ベニマル「正面は俺の部隊が受け持つ方がいいな」

 

ゴブタ「ゴブリンライダーにも先陣を任せて欲しいっす!」

 

ゴーダ「すまんが、連合軍は俺達に任せて欲しい」

 

ゴブタ「え?」

 

リムル「理由はある。殺された者達の蘇生に関わるんだが…これを為すには、俺達が魔王になる事が絶対条件だ」

 

ゴーダ「そして、侵略者二万人を、俺達2人が自分の手で殲滅することが、俺達が魔王になる為に、必要不可欠なプロセスだからだ」

 

 

同時に、自分自身に一切の甘えを許さないために。

 

 

リグルド「だとしても…お二人だけで出陣するのは、危険すぎでは?」

 

リムル「心配ない。油断もしないし、手加減もしない」

 

ゴーダ「甘っちょろいことは言わねぇ。皆殺しか奴隷かを迫るような相手、潰すまでだ」

 

ベニマル「…分かりました。今回は、お二人に託します」

 

リムル「うん。お前達には、別に任せたいことがある」

 

ゴーダ「街の四方に、結界を発生させる魔法装置が置かれ、中隊規模の騎士達が守っている。四箇所同時に攻め落としてもらいたい」

 

ベニマル「ほう」

 

ゲルド「では、各々に選抜部隊を決めませんと」

 

リグル「是非とも、このリグルに!」

 

ゴブタ「オイラも!今回は本気で怒ってるっすよ!」

 

リムル「慌てるな。人選は済んでいる」

 

ゴーダ「東にはベニマルとウツロ。西にハクロウ、リグル、ゴブタ、ゲルド、フォス…あと、そこの悪魔。街道のルートからして、西には多分異世界人達がいる」

 

悪魔「任せてよ!」

 

フォス「了解ですっ!」

 

 

フォスの友人のステラとネムは、それぞれの国の状況を確かめるため、ミリム、フレイの領地に向かうことになっている。

 

 

ゴーダ「南はガビルとその配下達。北はソウエイ、ソウカ達『隠密』に任せる」

 

ソウエイ「我らにも機会を与えて下さり、感謝します」

 

ガビル「お任せあれ!」

 

リムル「シュナ。この忌々しい結界こそが、シオン達の魂を留めている可能性が高い。分かるな?」

 

シュナ「はい。代わりになる結界を張れば良いのですね?」

 

リムル「そういうことだ」

 

シュナ「お任せを…!」

 

ゴーダ「ミュウラン、お前もシュナを手伝ってくれ」

 

ミュウラン「承知しました。せめてもの償いの為、必ずやご期待に応えてみせましょう」

 

シュナ「よろしくお願いしますね。ミュウラン」

 

ミュウラン「はい。こちらこそ」

 

リムル「連合軍は、決戦は3日後だと思っているだろう。だが、我々は今、この瞬間を持って、敵の殲滅行動に移る!」

 

ゴーダ「シオンやフラメア、ゴブゾウ達を生き返らせるぞ!」

 

『『『はい!/おう!』』』

 

 

 

 

 

そしてゴーダは最後にもう一度、フラメアの元を訪れ、その頭をなでる。

 

 

ゴーダ「──安心して待ってろ。すぐに呼び戻してやる」

 

ウツロ「…お兄ちゃん」

 

ゴーダ「…ウツロ。リムルもベニマルに、同じことを頼んでるだろうが…俺も、お前に頼みがある」

 

ウツロ「何?」

 

ゴーダ「…進化した時、俺が理性のない化け物になっちまってたら…その時は戦える奴らを指揮して、速やかに俺を始末しろ」

 

ウツロ「…!」

 

ゴーダ「もう二度と、同じ過ちは犯さないと決めたんだ。そして…お前にしか、頼めない」

 

ウツロ「…っ…」

 

 

ウツロは拳を握る。

 

 

ウツロ「…分かった。全く…とんだ貧乏くじ」

 

ゴーダ「他にいねぇよ。お前は…俺の、たった一人の妹だからな」

 

ウツロ「…ば~か」

 

 

 

 

 

翼を広げたリムルとゴーダは、上空からファルムス軍を見下ろす。

 

 

リムル「こいつらが、シオン達を…情けは必要ないな」

 

ゴーダ「お前達は生贄だ。全てを取り戻す…!」

 

 

そして…

 

 

世界の言葉《──魂の変化を確認。ユニークスキル《探求者(テヲノバスモノ)》の根幹、『火野映司を理解する』という願いの前進が、今回の変化により、更なる進化の域に至ったことを確認しました》

 

 

絶望の中、自問自答を続けるうちに、気付いたもの。

 

 

世界の言葉《『火野映司の欲望の根幹』を理解したことにより、ユニークスキル《探求者》の権能を完全解放。使用不可能となっていた、個体名ゴーダ・テンペントのコアメダルの力が、完全な状態で使用可能となりました》

 

 

ゴーダの胸からコアメダルが飛び出す。以前と違い、完全な状態のゴーダメダルだ。

 

 

ゴーダ「……」

 

 

かつて火野映司は、砂漠の地で出会った者達を救うため、そして長い戦いと悲劇の連鎖を終わらせるため、オーズとなり戦った。

 

攻めてきた軍隊に応戦し、国中の武器を全て破壊し、一人も殺さず完全に無力化したのだ。

 

 

ゴーダ(…俺はお前のようにはできない。だが…俺は俺の大切な仲間達を守り、取り戻すためにこの力を使う。それが、俺の戦いだ…!)

 

 

ゴーダはゴーダメダルをドライバーにセットし、オースキャナーでスキャンする。

 

 

《ムカデ!ハチ!アリ!》

 

ゴーダ「──変身」

 

《~♪ゴーダ・ゴーダァ…ゴ~・オォ~・ダァ~…!!》

 

 

──仮面ライダーゴーダ。

 

かつては暴走したその力を、完全に制御し、異世界に再誕した。

 

 

リムル「──始めるぞ」

 

ゴーダ「あぁ…!」

 

 

 

《続く》

 

 




ED「STORYSEEKER」 STEREO DIVE FOUNDATION


【余談】

フォス、ゴーダと距離が近くなった影響で、原作スピンオフ『トリニティ』とは違う配置。

ステラとネムは原作通り動いています。

原作フォスがゴブエモンと共に戦った敵は、ゴブエモンが単独で足止めし、原作通り様子を見に来ていたルミナスに瞬殺されています。

最後、少し『小説仮面ライダーオーズ』の話を出しました。

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