転生したグリードがスライムと相棒になった件   作:バンドリーマーV

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OP「Storyteller」TRUE


4 神之怒と最凶のオーズ

 

東。

 

 

ベニマル「到着だな。行くぞ、ウツロ」

 

ウツロ「オーケー、侍大将」

 

 

ベニマルとウツロが、結界を張る魔法装置を目指す。

 

 

ウツロ(…シズ)

 

 

ウツロは胸に手を置く。最初の襲撃時、シズの体で同郷の異世界人もいる中で、人を殺すことを躊躇っていたウツロの中で、声が響いたのだ。

 

 

『──貴女の覚悟が確かなら、私も一緒。貴女の大切な人達を守って』

 

ウツロ(…目が覚めてるんだね。きっともうすぐ、私が分離しても大丈夫になる。でも今は…一緒に戦おう)

 

 

二人は騎士達の前に出る。

 

 

「止まれ!それ以上近づくと容赦せんぞ!」

 

ウツロ「容赦しないのはこっちのほう」

 

ベニマル「悪いな。俺の八つ当たりに付き合ってもらって…!」

 

 

黒炎と冷気が舞い、剣を構えた二人が飛び出す。ベニマルに斬られた騎士は黒炎で燃え尽き、ウツロに斬られた騎士は凍りつき、砕け散る。

 

 

「き、聞いてないぞ…こんな、化け物──」

 

 

最後の一人も、二人にX字に斬り裂かれ、超温差によって蒸発する。百人以上いた騎士達は全滅し、二人は魔法装置を破壊した。

 

 

ベニマル「任務完了。さて、情けなくも困ってる奴らはいねぇだろうな?」

 

ウツロ「いたらしばくけど、大丈夫でしょ」

 

ベニマル「フッ、そうだな」

 

 

 

南。

 

 

ガビル「ドラゴニュートの戦士達よ!我輩に続けぇっ!」

 

 

ガビル達ドラゴニュートにより、騎士達は瞬く間に全滅、装置も破壊する。

 

 

 

北。

 

 

ソウカ「ソウエイ様、申し訳ございません。この者達は、想定していた程の強敵ではありませんでした」

 

ソウエイ「その様だな。やはり異世界人がいるのは、リムル様とゴーダ様の読みどおり、西」

 

 

北の騎士達も『隠密』部隊が瞬殺した。

 

 

 

 

 

西。

 

 

「前方より敵襲!数は…6人?」

 

 

ハクロウ、リグル、ゴブタ、ゲルド、フォス、フラメアの悪魔が、騎士達の前に現れた。騎士達の中に、異世界人のキョウヤの姿を見つける。

 

 

フォス「いたです…フラメアの仇…!」

 

悪魔「そうだね…ここで終わらせるよ」

 

悪魔(ヴィオレ様の気まぐれで生まれたとはいえ、私はフラメアの分身。だから…フラメアの帰る場所を守るため、奴らには死んでもらう)

 

リグル「行くぞ…!」

 

フォス「はいです!」

 

 

フォスは《獣身化》し、6人は騎士達と戦闘を開始、次々と蹴散らす。

 

 

ショウゴ「ヒャハハハッ!良いねぇ、やるじゃねぇか!俺が相手になってやるぜ!」

 

 

異世界人の一人、ショウゴが前に出る。

 

 

ゴブタ「来たっすね、ゴブゾウ達の敵…!でも、お前の相手はオイラじゃないっすよ」

 

 

ショウゴの前に立つのは、ゲルドだ。

 

 

ゲルド「安心するがいいぞ。俺があの者に鉄槌を下してやる」

 

ゴブタ「頼むっスよ、ゲルドさん…ゴブゾウはあぁ見えて、気のいい奴だったんスよ…」

 

 

一方。

 

 

キョウヤ「せっかく死ななかったんだから、尻に帆をかけて逃げればよかったのに」

 

ハクロウ「ホッホッホ。こう見えても負けず嫌いなんじゃよ。若造が天狗になっておるのも不愉快じゃしのう」

 

 

ハクロウも、弱体化のせいで敗れたキョウヤと相対する。

 

 

悪魔「…終わったね、あんた」

 

キョウヤ「!お前は、あの時の悪魔か…!」

 

悪魔「私が始末したかった」

 

ハクロウ「悪魔よ、すまんのぅ。フラメアの分身たるお主も、仇を討ちたいじゃろうが…これはワシの戦いじゃ」

 

悪魔「…分かった。頼むよ」

 

フォス「ハクロウ様…フラメアの仇を、頼むです…!」

 

ハクロウ「うむ。フォスよ、お主もお主の戦いに全員を尽くすのじゃ」

 

フォス「はいです!」

 

悪魔「行くよ…!」

 

 

悪魔とフォスはコンビを組み、騎士達を蹴散らしていった。

 

 

 

 

 

キョウヤ「あ?…嘘だろ?」

 

ハクロウ「所詮は二流以下といったところじゃのう」

 

キョウヤ「舐めるなよ…クソジジイがッ!」

 

 

キョウヤの攻撃は、ハクロウには一切通じない。激昂して斬りかかるキョウヤ。

 

 

ハクロウ「そろそろお主の天眼にも、ワシの動きが追えるじゃろうて」

 

キョウヤ「は?何を言って──」

 

ハクロウ「朧流水斬!」

 

 

キョウヤの首が飛んだ。

 

 

キョウヤ(…え…思考加速が、切れない…?)

 

ハクロウ「…知っているぞ。お主…住人を殺める時、わざと急所を外し、相手が長く苦しむのを楽しみながら殺しておったな。幼い子供達までも…

 

──終わりじゃよ。引き伸ばされた時間を有効に使い、自らの悪行を十分に反省するが良いぞ」

 

 

その『思考加速』は、キョウヤ自身ではなく、ハクロウが施したもの。首が飛んでから、脳に酸素が届かなくなり、息絶えるまでの一瞬を、千倍に引き延ばされる。

 

痛みと苦しみを感じ続ける、永遠に等しい地獄の時間を、何もできずに味わうのみ。

 

キョウヤは因果応報の最期を迎えるのだった。

 

 

 

 

 

ショウゴ「ぎゃああああッ!?」

 

ゲルド「貴様の肉体強化スキルはなかなかのものだが、腐食に対しては無力なようだな」

 

 

ゲルドはショウゴの猛攻を全て防いだ上、自身のスキルでショウゴの手足を腐食させていた。

 

 

ハクロウ「まだ終わっておらぬのか?」

 

ゲルド「今トドメを刺すところです」

 

ショウゴ「クソが…!キョウヤは何してやがる!?」

 

ハクロウ「お主の友達ならここじゃ」

 

 

ハクロウはキョウヤの生首を投げ捨てる。

 

 

ショウゴ「う、うわぁああっ!?」

 

 

ショウゴは泣き喚きながら逃げ出した。

 

 

ショウゴ(まずい、何か力を…!そうだ…!)

 

 

ショウゴが陣地のテントに飛び込むと、共にテンペストを襲撃した、異世界人の少女…キララがいた。

 

 

キララ「何…せっかく昔の夢見てたのに…原宿でタピオカ飲んでて…」

 

ショウゴ「キララ…俺の為に死んでくれ…!」

 

キララ「はっ…?がっ…!?」

 

 

ショウゴはキララの首を絞める。

 

 

キララ「お…かあさ…」

 

フォス「ッ!」

 

ショウゴ「ぐぁああッ!?」

 

 

間一髪間に入ったフォスが、ショウゴの腕を斬り飛ばした。

 

 

フォス「仲間殺しは、ユーラザニアでも最大の罪なのです…!」

 

キララ「な…んで…」

 

 

キララは気絶する。

 

 

ショウゴ「ち、チクショオッ!?」

 

 

しかし、ショウゴは生き残っていた兵士に襲いかかり…首の骨が折れる音が、響いた。

 

 

フォス「!」

 

ハクロウ「そこまで堕ちたか」

 

ゲルド「貴様は武人ではない」

 

ショウゴ「うるせぇ。俺は生きてぇんだ…!聞こえたか?世界の言葉が教えてくれたぜ。こいつの魂を代償として、《生存者(イキルモノ)》のスキルを得たってな!」

 

 

腐食していた手足が回復する。

 

 

ハクロウ「新たな力を得る事が狙いじゃったか」

 

ゲルド「仲間殺しはリムル様が定める最大の罪…!」

 

ショウゴ「黙れよクソ虫ども!勝てばいいんだろ、勝てば!」

 

 

しかし…

 

 

ショウゴ「やべで、やべでくださっ…!」

 

 

ショウゴが何十倍にも強くなったのは確かだが、再生が追いつかない程の攻撃でボコボコにされ、不様に命乞いしていた。

 

 

ゲルド「一撃で頭を割る。その苦痛から解放してやろう」

 

ショウゴ「ひぃいっ!?」

 

 

しかしゲルドの一撃は、何者かの魔法障壁に阻まれた。

 

 

ショウゴ「ら、ラーゼンさん!」

 

 

老年の魔術師、ラーゼンがショウゴの前に立った。

 

 

ラーゼン「ショウゴ達では勝てぬ訳じゃ。一度引くとするわい」

 

ゲルド「逃がさぬ!」

 

ハクロウ「止まれ!」

 

 

ハクロウがゲルドを止め、その先の地面が爆発した。

 

 

ラーゼン「この罠を見抜くか。警戒すべきはお主の方じゃったか」

 

ハクロウ「狸め。最初からワシを警戒しておった癖に」

 

ラーゼン「では、失礼するとしよう。生きておれば、戦場でまた会えるやも…」

 

ハクロウ「それは無い。貴様が向かう戦場には、我らが主達が向かわれるからのう。貴様らはやり過ぎた。決して怒らせてはならぬ方を激怒させたのじゃ。楽には死ねぬじゃろう」

 

ラーゼン「つまらんハッタリよ。一応は忠告としてこの耳に留めておこうぞ。では、さらばじゃ!」

 

 

ラーゼンは姿を消した。そうしている間に、ゴブタ達が騎士達を全滅させてやって来た。

 

 

フォス「これで終わりです…!」

 

 

フォスが最後の魔法装置を破壊し、町を覆う敵の結界は全て消えた。

 

 

 

 

 

ショウゴ「す、すまねぇ。助かったぜ」

 

ラーゼン「気にするな、ショウゴよ。新たなスキルで傷は回復したようじゃが…念の為、回復魔法をかけてやろうぞ」

 

ショウゴ「あぁ」

 

 

しかし、ラーゼンの魔法を受けたショウゴは倒れた。

 

 

フォルゲン「心を殺したか。予定より早いのでは無いか?」

 

ラーゼン「仕方あるまいて。こやつは最早、使い物にならなかった」

 

フォルゲン「失敗したりせんのだろうな?」

 

ラーゼン「安心せい。これが初めてと言う訳ではないわ。我が師のリインカーネーションに比べれば、ポゼッションなど児戯にも等しい技よ」

 

 

ショウゴの魂を破壊したラーゼンは、自身の魂をショウゴの肉体に移した。

 

 

ラーゼン「これでワシは、不屈の精神と強靭なる肉体を併せ持つ、ファルムス王国史上最強の魔人となったのじゃ」

 

フォルゲン「ハハ…ショウゴの姿でその調子だと、違和感があるな」

 

 

こうしてショウゴも、因果応報の最期を迎えた。

 

 

 

 

 

ファルムス軍本陣。

 

 

「魔物にもすごい美人がいるらしいな」

 

「早い者勝ちだぜ?」

 

「女もいいが、財宝もかなりのものらしいぜ?楽しみだな」

 

 

ゲスな会話をする兵士達に、別の兵士の一人が顔をしかめる。

 

 

「どうなんですかね、あの人ら。ちょっと感性おかしくありません?」

 

「襲撃を前に高揚しているんだろ。染まる必要はないが、慣れた方が楽だぞ」

 

「そんなもんなんすかねぇ…」

 

 

新人を宥めた兵士は、出陣前に子供から受け取った、お守りのペンダントを見る。

 

 

(国のためでも、神の為でもない。戦う理由は俺自身の中にある。奴らほど浮かれる事は出来ないが、俺も武勲は立てたい。自分の家族を守りたいのなら、自分で足掻くしかないんだ。魔物の国の住人には悪いが、俺は俺の大義を貫かせて貰う)

 

 

そんな中、上空のリムルと仮面ライダーゴーダが、ついに動いた。

 

 

 

 

 

(♪「黎明」TRUE)

 

 

「「──誰一人、逃がさない…」」

 

《スキャニングチャージ!》

 

ゴーダ「生贄となって死んでいけ…フッ!」

 

リムル「死ね。神の怒りに焼き貫かれて…!《神之怒(メギド)》!」

 

 

リムルは、水の精霊の力で作り出した無数の水玉に、太陽光を集束させて放つ光の雨で、次々と兵士達を貫き、即死させていく。

 

ゴーダは自身のメダルに対応する、この世界の魔物…エビルムカデ、アーミーワスプ、ジャイアントアントを模した無数のエネルギー体を生み出し、その毒によって兵士達を即死させていった。

 

 

「な、何が…がはっ!」

 

 

先程の兵士も脇腹を貫かれ、倒れながらも、必死にペンダントに手を伸ばす。

 

 

ゴーダ「……」

 

 

その前にゴーダが降り立ち、ペンダントを拾い上げる。

 

 

「お…願い…です…殺さないでください…家族は、殺さないでください…」

 

 

兵士は血を吐きながらも、必死に訴える。

 

 

「お…私は、この侵攻が、どんなものか知った上で参加しま…したっ…!罪は、私にあります…子供達は、何も知らないのです…!」

 

ゴーダ「…もういい。喋るな」

 

 

ゴーダは変身を解除すると、兵士の手にペンダントを握らせる。

 

 

ゴーダ「必要が無いし、やる理由もない。安心しろ」

 

 

ゴーダは右腕に形成したハチアームの針で、兵士の心臓を貫いた。

 

 

ゴーダ「…名前も知らないが、お前を忘れることは永遠にない。俺が永遠に背負う罪だからな…」

 

 

息絶えた兵士を一瞥したゴーダは、再び変身し、飛び上がった。

 

 

 




《続く》
ED「STORYSEEKER」 STEREO DIVE FOUNDATION


アニメベースの本作ですが、最後、名も知らぬ兵士のエピソードは漫画版からです。

ファルムス軍は一般兵士もゲスが多かったですが、全員ではない。

だからこそ、リムルもゴーダも罪を背負う覚悟を決めたわけで…
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