転生したグリードがスライムと相棒になった件 作:バンドリーマーV
ファルムス軍は、ファルムス国王エドマリス、大司祭レイヒム、ラーゼンの三人以外全滅した。
ラーゼン「がっ…!」
エドマリス「ひぃいっ!ラーゼンまでも!」
そのラーゼンも、《神之怒(メギド)》に貫かれ倒れ、エドマリスとレイヒムの上空に、リムルと仮面ライダーゴーダがいた。
エドマリス「き、貴様らが魔物の国の主だな!余はエドマリス!ファルムス王国の王である!伏して控えよ!貴様らに話があるのだ!」
ゴーダ「涙と鼻水と小便でビショ濡れの奴が、偉そうに何言ってやがる」
リムル「相手を見て物を言えよ?発言は許してやるが言葉は慎重に選べ」
エドマリス「ご、誤解なのじゃよ!余は、友誼を結びに来ただけなのじゃ!」
ゴーダ「見苦しいぞ、ゲスが」
リムル「俺達の仲間に犠牲者が出た以上、お前らは敵だよ」
エドマリス「西方聖教会が魔物を敵視しておったので、本当に友誼を結ぶのに値するのか、確かめようとしただけなんじゃよ!宣戦布告も、異世界人が勝手に暴走しただけじゃ!分かった!余の国と国交を結んでやろうぞ!光栄であろうが!ま、まぁ今回の我が軍の損害については後で請求するとして…ギャアアッ!」
リムルがエドマリスの両手、ゴーダが両足を斬り飛ばした。捕虜にするため、黒炎で止血だけはする。
ゴーダ「お前、人を不快にさせる天才か?」
僅かに生き残っていた兵士達も、リムルが獲得したユニークスキル《心無者(ムジヒナルモノ)》と、ゴーダが撒き散らした毒で即死した。
世界の言葉《告。進化条件、種の発芽に必要な養分、人間の魂を確認します。認識しました。規定条件が満たされました。これより魔王への進化、ハーベストフェスティバルが開始されます》
「「ッ!?」」
突然強い眠気に襲われ、リムルはスライム姿に戻り、ゴーダの変身も解け、二人は地上に降りる。
リムル「ヤバい…なんか滅茶苦茶眠い…!」
ゴーダ「ぐっ…こいつは、進化の影響か…!?」
大賢者《告。魔力感知にて、生存者1名を確認》
リムル「何っ…!?」
世界の言葉《告。ハーベストフェスティバルは、途中で停止不可能です》
ゴーダ「チィッ…!ゴーガ!」
リムル「ランガ!」
「「我が主!」」
二人の影に待機していた、ランガとゴーガが飛び出す。
リムル「最重要命令だ…俺達を守って、街まで連れ戻れ…」
ゴーダ「あと、そこの二人を捕虜にしろ…」
「「ハッ!」」
ゴーガ「生き残っている敵の気配を感じますが、いかが致しますか?」
リムル「それは別の者に任せる…召喚魔法、悪魔召喚を発動…供物は此処に転がっている死体、全部だ…!」
ゴーダ「リムル、俺の力で、死体に残った欲望のエネルギーを増幅させる…足しにしろ…!」
リムル「分かった…!餌を用意してやったぞ…出てこい悪魔…!俺達の役に立ちやがれ!」
ゴーダが大量のセルメダルを投入した死体を供物として、大規模な悪魔召喚魔法陣が展開される。そして…
クロ「クフフ…!」
ヴィオレ「アハハ…!やっと来られたよ」
イングラシアでウツロと邂逅した、シズと因縁を持つ悪魔、クロ。
コリウス王国でフラメアと出会い、今回も彼女に力を送った悪魔、ヴィオレ。
テンペストと縁を持つ強大な悪魔達が、それぞれ部下達を連れて現れた。
ヴィオレ「ありゃ、ノワール?キミも来たの?」
クロ「おやおや…久しぶりですね、ヴィオレ」
リムル「おい、お前ら…死んだふりをして隠れている奴がいる。そいつを生かして捕らえろ」
クロ「クフフフ…!懐かしき、気配」
クロはリムルが持つシズの仮面に目をやる。
クロ「新たな魔王が二人も誕生…!実に素晴らしい…!大量の供物に、初仕事…光栄の極みで、少々張り切ってしまいそうです…!」
ヴィオレ「コリウス王国でキミ達を見たあの時から、この日を心待ちにしてたよ…!」
クロ「今後とも、お仕えしても宜しいのでしょうか?」
ヴィオレ「ボクもボクも!」キラキラ
リムル「その話は後だ…まずは役に立つと証明してみせろ…」
ゴーダ「早く行け…」
ヴィオレ「分かってる。容易いことだよ」
クロ「ご安心下さい、マスター」
リムルとゴーダは眠り、ランガとゴーガが背に乗せ、捕虜を咥えて駆けていった。
クロ「フッ…」
クロはシズと最後に会った時の会話を思い出す。
シズ(回想)『待って!もしも…もしもできるなら…私が死んだ後も、世界の行く末を見届けて──』
クロ(結果的に、貴女は命を繋ぎました。しかし、見届ける…シズ、貴女の願いを聞き届けましょう。対価は不要です。世界の行く末を、その真理を…我が君と共に見極めたい。それが私の、唯一つの願いでもあるのですから)
ヴィオレ「な~に黄昏れてんのさ。行くよ」
クロ「えぇ、もちろん」
ヴィオレ(ゴーダ様を始めて見た時…その混沌としながらも強い輝きを放つ魂に惹かれた。こんな気持ち初めてだ…!ブランとジョーヌとの受肉争いもあるけど、それ以上にあの人を傍で見ていたい…!)
中央都市リムル。
世界の言葉《告。個体名リムル・テンペスト、及び、ゴーダ・テンペストの魔王への進化、ハーベストフェスティバルが開始されます。完了と同時に、系譜の魔物へギフトが配られます》
ベニマル「気を引き締めろ!我らが主達の勝利だ!次は我らがその力を振るう番だぞ!」
駆けてきたランガとゴーガは、捕虜二人を投げ捨てると、リムルとゴーダを連れ、ベニマル達の前に出る。
ウツロ「お兄ちゃん…!」
ゴーガ「早く主達を!」
ベニマル「マントをお持ちしろ!熱変動耐性が機能していないかもしれない!」
ヨウムやカバル達が捕虜を連行する中、リムルとゴーダの体が輝き出す。
世界の言葉《告。ハーベストフェスティバルが開始されました。身体組成が再構成され、新たな種族へ進化します》
ゴーダの進化の内容は…
世界の言葉《種族、ネオグリードからデモングリードへの超進化、成功しました。
旧個体にて既得の各種スキル及び、耐性を再取得。成功しました。
新規固有スキル、無限再生、万能感知、魔王覇気、強化分身、万能毒を獲得。成功しました。
新規耐性、自然影響無効、状態異常無効、精神攻撃耐性、聖魔攻撃耐性を獲得。成功しました。以上で進化を完りょ──》
──チャリーン…
メダルの音が響き、紫色のコアメダルが、精神世界に現れる。
世界の言葉《──進化への干渉を確認。ユニークスキル《探求者(テヲノバスモノ)》と、ユニークスキル《具現化(CLAWs)》を統合。アルティメットスキル《真願之王(オーズ)》を獲得。成功しました》
ラーゼン(《生存者(イキルモノ)》のおかげで命拾いしたわい…)
ラーゼン「む…!?」
一人生き残っていたラーゼンの前に、クロとヴィオレ、その配下達が現れた。
ヴィオレ「やぁ!ボク達、キミを拘束しろって言われてるんだ♪」
クロ「殺しはしませんが、痛めつけるなとは言われておりませんので、ご注意を」
ラーゼン「ほう。主らがわしの相手をしてくれるのかのう?」
ヴィオレ「相手?ボクらと戦える気でいるわけ?」
ラーゼン「舐めるでないわ。核撃魔法、ニュークリアカノン!」
クロ「フッ…」
ラーゼンが放った爆炎は、クロに容易く上空へ逸らされた。
ラーゼン(曲げられた!?)
クロ「今の魔法はなかなかお見事でしたね」
ラーゼン「ならば!精霊召喚!来たれ、根源たる大地の上位精霊よ!」
ラーゼンは上位精霊を召喚する。
ヴィオレ「あ~、なるほどね。悪魔は天使に強く、天使は精霊に強く、精霊は悪魔に強い。この三すくみを考えれば、上位精霊を呼び出したのは間違っちゃいないんだけど~…若い、若すぎ」
上位精霊は、ヴィオレによって一撃で核を砕かれ、消滅した。
ラーゼン「バカな!?精霊じゃぞ?上位精霊じゃぞッ!まさか、上位魔将(アークデーモン)…!?」
クロ「マスターより頂いたこの体をもっと試したいので、次は趣向を変えましょう」
アンチマジックエリアが展開される。
ラーゼン「なぜ魔法を封じた!悪魔にとって、魔法が最大の攻撃武器のはずでは…!?」
クロ「どうぞ。物理的にお好きな攻撃をしてみて下さい」
ラーゼン「おのれ…!ユニークスキル《乱暴者(アバレモノ)》!」
肉体強化スキルを発動し、殴りかかるが、二人は全て回避し、ラーゼンを圧倒する。
ラーゼン「その金色の瞳…赤い瞳孔…この圧倒的な強さ…!ま、まさか…!?げ、原初の…!?」
ヴィオレ「へ~、知ってるんだ?」
ラーゼン「あ、あやつらはなんという…なんという恐ろしい奴らを、この世に解き放ちよったんじゃあぁあああッ!」
ラーゼンは恐怖のあまり気絶した…。
世界の言葉《ハーベストフェスティバルが完了しました。続いて、系譜の魔物へのギフトの授与を開始します》
ベニマル「ギフト?ぐっ…!」
ウツロ「なに、これ…!?」
シュナ「お二人との繋がりを…強く、感じます…」
リムルとゴーダの配下たる魔物達が、次々と眠りに落ちていく。
フォス「あっ…」
グルーシス「フォス!」
ミュウランやグルーシスは起きていたが、ゴーダの直属に指名されていたフォスも、『系譜の魔物』と見なされたらしく、眠りについていた。故郷に帰還していたステラ、ネムも同様である。
ベニマル「ぐうっ…!」
ウツロ「眠る、わけには…!」
役目を託されていたベニマルとウツロは、眠るまいと必死に耐えていたが…
「「…!」」
『『……』』
リムルとゴーダが、光と共に立ち上がっていた。リムルは人間態となっている。
目を赤く輝かせ、リムルの体を動かすのは、《大賢者》が進化したアルティメットスキル《智慧之王(ラファエル)》。
ゴーダの体を動かすのも、ゴーダではない何者かの意思。髪型も変わり、穏やかな印象を受ける。
ラファエル「告。あとは任せて、眠りにつきなさい」
ベニマル「……」
ラファエルの言葉に、ベニマルは深い安心感を与えられ、眠りに落ちる。
?「俺達に任せて」
ウツロ「…あなた、まさか…」
その笑顔と雰囲気に、ウツロは何かを察したようだが、そのまま眠りに落ちる。
ラファエル「告。《智慧之王》の名において命ずる。《暴食之王(ベルゼビュート)》よ。この結界内の全ての魔素を食らい尽くせ。一欠片の魂さえも残さず」
?「手伝うよ。《真願之王(オーズ)》の力で、ゴーダと絆を結んだ魂達と繋がれる」
ラファエルは《暴食者(グラトニー)》が進化したアルティメットスキル《暴食之王(ベルゼビュート)》を発動、『?』も補佐し、犠牲者達の魂を集める。
ミュウラン「魔素が全部、吸われた…?」
ヴィオレ「お、やってるねぇ!」
クロ、ヴィオレ、配下達が到着し、気絶したラーゼンを放り捨てる。
ミュウラン「!?」
グルーシス「アークデーモンだと…!?」
クロ「ただいま戻りました。我が君」
ヴィオレ「素晴らしいよ、我が魔王…!」
クロ「失礼ながら申し上げます。どうも、魂の完全なる再生には、魔素量が足らぬようですが
…」
ラファエル「是。規定に必要な魔素量を満たしておりません。生命力を消費し、代用します」
クロ「お待ちください、我が君。代用にご自身達の生命を用いずとも、この者どもをお使い下さいませ。この者達も、あなた様方のお役に立てるなら、光栄です」
クロの配下達も肯定するが…
?「それには及ばないよ。必要なのは、『欲望』の力でしょ?」
悪魔達を止めた『?』は、紫の光を放ち、メダルが裏返るエフェクトと共に、姿を変える。
クロ「おぉ、これは…!」
ヴィオレ「最高だ…!」
その姿は『恐竜グリード』だが、その頭部は白く染まっている。『?』はラファエルにエネルギーを渡していく。
?「これでどうかな?」
ラファエル「告。規定の魔素量に達した事を確認しました。これより、反魂の秘術を開始します」
必要だったのは『欲望』、『生きたいと願う心』…欲望の化身たる悪魔は、それを補うのにうってつけだったわけだが…更に上を行くのは、欲望そのものとも言えるグリードの力。
ミュウラン「究極の、魂の秘術…!?」
グルーシス「これが、生まれたての魔王だって…!?」
集められた魂が、傷の修復と共に、元の肉体に宿っていく。
ラファエル「ぁ…」
?「…それじゃあ」
「「!」」
リムルとゴーダは気を失い、クロとヴィオレが助け起こす。そして…
シオン「─ぅ…」
フラメア「──ぁ…」
犠牲者達が、目を覚ました…。
《続く》
ED「STORYSEEKER」 STEREO DIVE FOUNDATION
【解説】
反魂の秘術に必要な『欲望』については、漫画版15巻巻末の『ヴェルドラ日記』に記載されていました。
ラファエル先生が悪魔を吸収した理由が『欲望』だったならば、悪魔よりグリードの方が…
『これだ!』と思って採用しました。