転生したグリードがスライムと相棒になった件   作:バンドリーマーV

32 / 35
OP「Storyteller」TRUE


6 復活

 

『トリさん?』

 

?『俺は鳥じゃない』

 

『トリさんがしゃべった!』

 

 

──『私』は、何も視えない真っ暗闇の中で、誰かと話している。

 

 

『青い鳥を探してるの。見つけると幸せになれるんだよ。お母さんが死んじゃってから、ずっと探してたの』

 

?『俺は…赤い』

 

『そっか…』

 

 

 

?『だけど、お前の欲望を満たすことはできる』

 

『欲望?』

 

?『お前のやりたいことだ。何がしたい?』

 

『きれいなものが見たい』

 

 

 

?『──お前の欲望を満たしてやる』

 

 

 

 

 

ウツロ「…!」

 

 

ハッと目を覚ますウツロ。

 

 

ウツロ(…夢?シズの記憶…?いや、違うの…?進化の影響…?)

 

 

辺りを見回せば、自身と同じく『進化の眠り』についていた魔物達が、次々と目を覚ましている。

 

 

ウツロ(みんな、進化してる…あの時、お兄ちゃんの体に宿ってたのは、間違いなく…)

 

ウツロ「…え?」

 

 

ウツロは何かに気付く。

 

 

ウツロ(…私だけじゃない…シズも、進化してる…?)

 

 

 

 

 

『──ゴーダ…ゴーダ』

 

ゴーダ「…ぅ…」

 

 

ゴーダは、光に満たされた空間で目を覚ました。

 

 

ゴーダ「…!」

 

【挿絵表示】

 

目の前に立つのは、こちらの世界での自分と同じ姿。記憶に残る『彼』の姿とは違うが、間違いなく…

 

 

ゴーダ「…映司?」

 

映司「久しぶり、ゴーダ」

 

 

──火野映司は、ゴーダに笑顔を向けた。

 

 

映司「君と、もう一度話したいと思ってた」

 

ゴーダ「…あぁ。俺もだ」

 

 

向かい合う二人。

 

 

ゴーダ「…すまなかった。謝って済むことじなないが…俺は、お前のことを何も分かっちゃいなかった。俺は結局力に溺れて、お前を…」

 

映司「俺の最期は、俺の選択の結果。そして…俺の欲望から生まれた君は、俺の欲望を押しつけられた被害者なんだ。

 

君はこの世界で、自分の願いを持ち、仲間を得て、変わっていった。俺は、今の君を信じる」

 

ゴーダ「…この手で一万人以上殺したんだぞ、俺は…」

 

映司「…この世界は、前の世界とは違う。前の世界以上に、奇麗事が通用しない世界だってことは分かってる。君が仲間を守るために、覚悟を決めたってことも」

 

ゴーダ「…仲間」

 

 

リムルやウツロ、フラメア達の顔が、頭に浮かぶ。

 

 

ゴーダ「──この世界で出会った皆と、これからも共に在る為に…俺は、魔王になる」

 

映司「魔王か。今の君には、言うまでもないだろうけど…王になるなら、覚えておいた方がいい。1人じゃできないことがあるってことを」

 

ゴーダ「…あぁ。この世界に来て、それを知って…今回のことでも、嫌って程思い知らされたよ」

 

映司「そうだね…どんなに誰かを助けたいと思っても、1人じゃ救えない命がある。だからこそ…」

 

ゴーダ「…だからこそ、手を繋ぐ」

 

映司「そうだ。君は、この国の全ての人と手を繋いできた。そしてこれからも、その輪が広がっていくはずだ」

 

 

映司は手を差し伸べる。

 

 

映司「俺は君を信じる。今の君なら、皆を幸せにする、本当の王に…最高最善の魔王になれる」

 

ゴーダ「──あぁ。なってみせるさ…!」

 

 

ゴーダは映司の手を握り…二人はようやく、手を繋ぐことができた。

 

 

ゴーダ「──ありがとう。映司」

 

映司「全ては、君が掴んだものだ」

 

 

映司はゴーダの手に、3枚のメダルを握らせる。

 

 

ゴーダ「これは…ありがとな」

 

映司「さぁ、戻って。君の大切な人が、君を待っている」

 

 

そう言って、映司は歩いていく。

 

 

ゴーダ「──映司!」

 

 

ゴーダは彼を呼び止め、伝える。

 

 

ゴーダ「──ルウは、こっちの世界で元気にしてるぞ」

 

映司「──」

 

 

振り返った映司は、目に涙を浮かべながらも、微笑んだ。

 

 

映司「──あの子のことを頼む」

 

ゴーダ「──あぁ。俺が、あいつの手を掴む…!」

 

 

 

 

 

──ゴーダ様…

 

 

ゴーダ「ぅ…」

 

フラメア「──ゴーダ様!おはようございます!」

 

 

現実世界で目を覚ますと、ゴーダを膝枕していたフラメアが、輝く笑顔を見せた。髪が一房、ゴーダと同じ赤紫になっている。

 

 

ゴーダ「…フラメア」

 

フラメア「はい!ゴーダ様とリムル様のおかげで、無事に戻ってきました!」

 

ゴーダ「そうか…」

 

 

ゴーダは起き上がり…

 

 

フラメア「はわっ!?」(///)

 

 

フラメアを抱き締めた。

 

 

ゴーダ「──おかえり」

 

フラメア「──はい!ただいまです!」

 

 

その震える声を聞き、フラメアもゴーダを抱き締め返した。

 

 

 

 

 

リムル「おはよう、シオン…無事に生き返ったようで、何よりだ…!」

 

シオン「はい!」

 

 

リムルとシオンも再会を果たしていた。

 

 

シオン「こうして無事に、我ら一同、生き返る事が出来ました!」

 

『『『我ら一同、一名の欠落もなく、無事に生還いたしました!』』』

 

 

ゴブゾウをはじめ、生き返った者達が、二人の前に跪く。

 

 

リムル「あぁ…!」

 

ゴーダ「よかった…」

 

 

更に、魔王進化のギフトにより、配下達は全員進化し、大幅に強くなっていた。

 

 

リムル「大賢者、ラファエルに進化して流暢になってる!」

 

ゴーダ「確かに、機械的な感じが無くなってるな…」

 

ベニマル「ところでリムル様、ゴーダ様」

 

ウツロ「お兄ちゃん、覚えてる?」

 

 

ベニマルとウツロが、ニヤつきながら現れる。

 

 

ゴーダ(あぁ、魔王化で理性を失ってないか確かめるために、合言葉決めたんだった…ん?合言葉?…ハッ!?)

 

ベニマル/ウツロ「「シオンの料理は?」」

 

リムル/ゴーダ「「ひぃっ!?」」

 

シオン「私の料理がどうしましたか?」キラキラ

 

((『クソマズい』なんて答えられるか~ッ!?))

 

ベニマル「さぁお答えを!」ニヤニヤ

 

ウツロ「理性が残ってるなら、さぁ!」ニヤニヤ

 

((こ、こいつらァアッ!?))

 

 

思念伝達で作戦会議に入る二人。

 

 

ゴーダ(おいどうする!?下手言ったら終わるぞ!)(汗)

 

リムル(知るか!?ラファエルさん、君の叡智でシオンを誤魔化す素晴らしい答えを導き出してくれ~!)

 

ラファエル《解。該当する答えは…ありません》

 

((え~ッ!?))

 

ベニマル「ククッ…食べてみたいんだろう。お前が死んでいる間、食べられなくて残念そうにしていたからな!」

 

ウツロ「ぷぷっ…お兄ちゃんも食べてみたいって!」

 

シオン「そうだったのですね!喜んでお作りします!」

 

ゴーダ(や、ヤバい…!)

 

 

実はベニマルとウツロ、出撃前にリムルとゴーダから受けた、あの秘密命令を根に持ち、嫌がらせを実行したのである。

 

 

ラファエル《ではこう答えることを推奨します》

 

「「ん?」」

 

 

ラファエルが代替案を伝える。

 

 

ゴーダ(そ、それだ!)

 

リムル(さすがは智慧之王!)

 

リムル「コホン!あ~ベニマル君、ウツロ君!君達の決めた合言葉は確かこうだったな!」

 

ゴーダ「そう!お前達が『シオンの料理は?』と聞いたら、俺達に…せ~の!」

 

リムル/ゴーダ「「クソマズい!」」

 

リムル「…と答えるようにと!」

 

ベニマル/ウツロ「「なァッ!?」」

 

リムル「そう言えって、お前達が考えて決めたんだよな!お・ま・え・た・ち・が!」

 

ベニマル「り、リムル様ッ!」

 

ゴーダ「どうだウツロ、ちゃんと覚えてただろ!『お前達が』決めた合言葉!」

 

ウツロ「ちょっ、お兄ちゃんっ…!マジでやめっ…!?」

 

 

シオンから黒いオーラが…

 

 

ベニマル「ま、待てシオン!お二人は目覚めたばかりで、混乱されておられるのだ!」(汗)

 

ウツロ「そうそう!寝起きだもんね!」(汗)

 

シオン「──分かりました。ベニマル様…いえ、ベニマル、ウツロ。私はリムル様の直属なので、敬称は不要でしょう」

 

「「ひぃっ!?」」

 

シオン「私の料理、その腹がはち切れるまで堪能させて差し上げましょう…!ウフフ…!」

 

 

シオンは恐ろしい笑みと共に歩き去った。

 

 

ベニマル「どうしてくれるんです!?」

 

ウツロ「私達に死ねとッ!?」

 

ゴーダ「し、死にはしないだろ。ゴブタだって無事なんだから」

 

リムル「がんばってくれ!」

 

ベニマル「がんばってくれって…!まぁ、ずっと試食しているからか、最近では毒耐性が身につきましたが…」

 

リムル「毒耐性…!」(汗)

 

ゴーダ「ゴブタに続いてお前もか…」

 

ベニマル「今度こそ、死ぬかも…」

 

ウツロ「最悪だ…」

 

リムル「ま、まぁ…自業自得ってことで!」

 

ベニマル「…あっ、そうでした。こんなことをしている場合ではなく、まだ問題がありまして」

 

「「問題?」」

 

ベニマル「リムル様とゴーダ様が眠っていらっしゃった、三日の間に…」

 

リムル「俺達三日も寝てたの!?」

 

ウツロ「そう。獣王国ユーラザニアが、大変なことになってね…」

 

 

ベニマルとウツロの視線の先には、ユーラザニアの三獣士…アルビス、スフィア、フォビオがいた。

 

 

 

 

 

突然、ミリムがカリオンに宣戦布告。

 

カリオンは国民を避難させ、1週間後、ミリムとの一騎打ちに臨む。

 

しかし、ミリムの力は圧倒的だった。

 

戦闘形態を見せたミリムの一撃で、ユーラザニアの町は全て消し飛んだ。

 

そしてカリオンは、突如乱入してきた魔王フレイの一撃で倒れたのだという。

 

 

リムル「ユーラザニアが消滅したというのか…!」

 

フォビオ「…はい。俺が見届けました」

 

フォス「…っ…」

 

アルビス「国民は予め避難していたため、無事でしたが…」

 

ゴーダ「避難民に寝泊まりする場所と食い物を…!」

 

リグルド「勝手ながら、既に手配しております」

 

ゴーダ「そうか、さすがだな」

 

アルビス「ありがとうございます」

 

リムル「しかし、魔王フレイがミリムと…?」

 

フォビオ「魔王ミリムは、そういう策略を嫌う性格だと思っていましたが…」

 

ゴーダ「同感だな。あの純粋バカのミリムに限って…」

 

フォビオ「それなんですが…魔王フレイが、カリオン様を抱えて飛び去った方向が、彼女の国でも、ミリム様の支配地でもなかったのです。あの方角は、魔王クレイマンの支配地です」

 

アルビス/スフィア「「何!?」」

 

スフィア「俺…出かけてくる!」

 

アルビス「待ちなさい、スフィア!仇討ちなら、全員で攻め込みますよ」

 

ゴーダ「お前が待て!抱えてったってんなら、魔王カリオンは生きてるだろう」

 

リムル「ミリムが決闘を邪魔されて怒らないはずがない。何か裏がある。勝手に暴走するなよ。助けられるものも助けられなくなる」

 

『『『はい…!』』』

 

 

 

 

 

ミリム達のことは気になるが、ひとまずは平和な時間が流れていた。

 

 

ゴーダ「……」

 

 

ゴーダが取り出したのは、プテラ、トリケラ、ティラノ…紫のコアメダルだ。

 

 

フラメア「ゴーダ様、そのメダル…」

 

ゴーダ「恐竜のメダルは、映司が宿していたもの…あいつが託してくれたんだな…」

 

フラメア「はい。私も…」

 

ゴーダ「!お前、それ…」

 

 

フラメアも3枚の恐竜メダルを取り出した。

 

 

フラメア「生き返る時、魂だけの私の前に、あの人が現れて…」

 

 

──────

 

映司『ゴーダのことを頼むよ』

 

──────

 

 

フラメア「私にこれを託してくれたんです」

 

ゴーダ「そうか…」

 

 

ゴーダとフラメアは笑い合い、ゴーダは再びメダルを見る。

 

 

ゴーダ「──ありがとう」

 

 

 




《続く》
ED「STORYSEEKER」 STEREO DIVE FOUNDATION
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。