転生したグリードがスライムと相棒になった件 作:バンドリーマーV
「西方聖教会の正体は掴めたのかい?」
ラプラス「警備が厳重すぎて無理やったわ」
「それで?ヒントくらいは掴んだんだろ?」
ラプラス「なんや、苦労して手に入れた情報やから、高く売りつけたろ思たのに」
「君は嘘つきだからね」
ラプラス「酷いお人やなぁ。さすが、グランドマスターの顔とひん曲がった野望を同居させとる変人…ユウキ・カグラザカはんや」
シズの教え子であるユウキは、中庸道化連と繋がっていたのだ。
ユウキ「お褒めに与り光栄だけど、依頼料の引き上げは無しだぜ?」
ラプラス「ほんま敵わんわ」
ユウキ「そう言うなって。約束の報酬は、もう準備できてるからさ」
ラプラス「え!?ほなっ…!?」
ユウキ「僕の中にいた君達の会長の魂は、無事ホムンクルスに定着したよ」
ラプラス「どこや!?早く会わせてぇな!」
ユウキ「落ち着けよ。さっきからそこに居るって」
ラプラス「は?…えっ、この別嬪さんが?」
秘書の金髪の女性、カガリ。
ラプラス「ぶわははははっ!なんですのんその格好!趣味を変えはったんですか!?」
カガリ「うるさいぞラプラス。それが二百年ぶりに対面したこの俺…魔王カザリームに対する態度か?」
ラプラス「おかえりなさい、会長…!」
そして本題。
ラプラス「西方聖教会本部には怪しい物は何もなかった。そんでわいは、霊峰の頂上を目指す事にしたんや。そしたら、なんや偉そうな吸血鬼のおっさんが赤い光線ぶっ放してきて、ワイ全身バラバラにされてしもうて…」
ユウキ「いやいや何で君生きてるの?」
カガリ「ブラッドレイ…魔王ヴァレンタインの得意技だ」
ラプラス「!?」
ユウキ「法皇の正体が魔王だった、とかかな」
カガリ「奴は人間や亜人を餌としか見ていない。そんな男が人類の守護者を名乗っているのだとしたら…何かがあるのでしょうね」
ユウキ「お手柄だよラプラス。しかし魔王が居るとなると、迂闊な事は出来ないか…」
ラプラス「まぁ、魔王を誘き出すだけやったら、何とかなるんちゃいます?クレイマン、アンク、魔王ミリム、魔王フレイ。魔王達は三人の連名で色々出来るんやろ?開けばええやん、ワルプルギスを」
リムルとゴーダがヴェルドラを連れて町に戻り、大騒ぎになった。
フラメア「ヴぇ、ヴェルドラ様ぁっ!?」
エレン「えぇっ!?本物の暴風竜なの!?」
リグルド「ヴェルドラ様とリムル様、ゴーダ様は、一体どの様な御関係なのでしょうか!?」
ヴェルドラ「リムルとゴーダとは心の友!魂の片割れ!盟友である!」
歓声が上がる。
リグルド「何と!?ミリム様だけではなくヴェルドラ様までも!」
ベニマル「おぉ…!」
ゴブタ「リムル様とゴーダ様は最初っから凄かったすよ!」
笑顔に満ちた宴の中、リムル、ゴーダ、ベニマル、ウツロは恐怖の中にいた。
ゴーダ「なんで俺達まで…!」
ベニマル「一緒にシオンの料理を味わってあげて下さい…!」
リムル「巻き込むんじゃねぇよ…!」
ウツロ「奇跡的に美味しいかもしれないじゃん…!」
リムル「そんな簡単に奇跡なんざ起きねぇんだよ…!」
シオン「お待たせしました!」
『『ひぃっ!?』』
シオンはいつも通りのダークマターを出してきた。未加工食材がまんま入っている。
シオン「私が加工しようとすると、建物も一緒に切ってしまうので…」
ゴーダ「それ(剛力丸)で調理してんのかよ!?」
ベニマル「…フッ。子供の頃から不可能なんてないと思っていましたが、思い上がっていたようですね」
ウツロ「上には上がいる。世界は広いんだよ」
ゴーダ「いい顔で何言ってんだお前ら!」
リムル「刀は調理道具じゃないんだ!包丁とか…!」
シオン「私は剛力丸一筋なのです。浮気はちょっと…」
リムル「あぁそう。今度包丁をプレゼントしてやろうと思ってたが…」
シオン「間違ってました私の勘違いです剛力丸も多少の浮気は大丈夫と言ってます!」
とはいえ、今回はどうしようもない。
ウツロ「ぐうっ…!お残し厳禁がシズの信条…ッ!」
ゴーダ「俺達は魔王に進化したんだ…!このぐらい…!」
覚悟を決めて口にすると…
『『『美味い!?』』』
ベニマル「ど、どういうことだ!?」
シオン「実はですね、生き返る際のギフトで、新たなスキルを獲得したのです!その名は《料理人(サバクモノ)》!」
どう料理してもイメージ通りの味になるらしい。
ベニマル「これで、死なずに済む…!」
翌日。
ゴーダ「…というわけで、俺達は世界に向けて、魔王になったことを宣言する」
ハクロウ「ほほう、他の魔王に喧嘩を売る、そう言うことですかな?」
ゴーダ「他の魔王にというか、相手は魔王クレイマン、そして魔王アンクだ」
会議を進めていると…
フューズ「ブルムンド王国とテンペストの安全保障条約に従い、馳せ参じました!」
ゴーダ「え、フューズ?」
ファルムス侵攻の情報を得たフューズが、援軍を連れて駆け込んで来たのだが…
リムル「俺達が全滅させちゃったんだよ!」
フューズ「(;゚д゚)」
フューズが唖然としている間に、ドワルゴンからガゼル王達までやって来た。
ガゼル「聞いたぞ、魔王になったらしいな」
リムル「まぁね、色々あってな」
フューズ「…魔王?一体どういうことです、聞き捨てなりませんよ!?」
リムル「何だプルプル震えて、小便ならそこを曲がって(フューズ「俺が知りたいのは便所の場所じゃないですよッ!」
ゴーダ「だよな」
ざっくり説明して、聞かなかったことにしてもらったところで、新たな来客。
ガゼル「こやつらは魔導王朝サリオンの者達だ。相変わらずだなエラルド」
エラルド「お前もなガゼル。それで、そちらの者が?」
リムル「どうも初めまして。この森の二大盟主の一人、リムルです」
ゴーダ「同じく二大盟主のゴーダだ」
エラルド「ッ!貴様らがァッ!私の娘を!たぶらかした!魔王ですかァッ!」
ゴーダ「いや何言ってんの?」
エラルド「覚悟はできているんでしょうねェッ!──炎よ!燃えよ、爆ぜよ、荒れ狂え!」
巨大な火の玉が形成されていく。
ゴーダ『いきなり何してんだこのオッサン!?』
ラファエル《告。あれは超高等爆炎術式です》
リムル『なんでいきなりそんなァッ!?』
エラルド「炎よ!燃えよ、爆ぜよ、荒れ狂え!集いて(エレン「この、アホタレがぁああッ!」ぐへぁっ!?」
全力疾走してきたエレンが、魔法の杖でエラルドをぶん殴った。
エレン「ちょっとパパ!何しに来たのよ!」
エラルド「エレンちゃん!無事だったのか!」
エレン「無事も何も、私は自分の意志でここに来たのよ!」
ガゼル「親バカは治らんなエラルド」
エラルド「親バカなのではない。エレンちゃんが可愛いから、仕方ないのだ♪」
ガゼル「それを世間一般では…いや、何を言っても無駄よな」
エレン「こちら、私の父で魔導王朝サリオンの大公爵である、エラルド・グリムワルトです」
エラルド「どうぞエラルドとお呼びください」
ゴーダ「あぁ。で、用件はエレン絡みだけか?」
エラルド「当然…そんなわけは無い。自分の目で見極めておきたかったものでね。娘が気に入った、君達という人物をな。では私も、会議に参加させてもらうとするよ…!」
『『『暴風竜ヴェルドラぁっ!?』』』
ヴェルドラが顔を出したせいで大混乱になり、会議は一時中断。ガゼルとエラルドとの密談で、復活の経緯を説明する羽目になった(フューズは気絶した)。
エラルドとしても、娘が魔王を誕生させてしまったことで、リムル達を見極めにきたわけだが、最終的に友好を結ぶことを決めた。
ようやく会議が再開し、転生から今までのことを全員に説明する。
リムル「ヒナタの奴、こっちの話を全く聞いてやくれない、冷酷で恐ろしい…あっ」
ウツロ「…気を遣わないでいいよ。ヒナタの恨みも、半分は私に対してなんだし」
リムル「お、おう…」
フューズ「我々が掴んでいた情報とは、少し印象が違いますね…彼女達は、自分を頼って来た者に必ず手を差し伸べているんです」
気になることはもう一つ。
リムル『ヒナタに俺を売った奴がいる…俺とウツロ、シズさんの関係を知ってる者は少ない。疑わしいのは…』
ラファエル《告。その可能性が一番高いのは…》
ゴーダ『…神楽坂優樹、か』
リムル『だよな…だが、お前と映司さんのことまでは話してないよな』
ゴーダ『俺達以外でその情報を持っているのは、俺の知る限り一人だけだ』
リムル『…魔王アンク、か。だが、西方聖教会は魔物と取り引きしないんだろ?』
ゴーダ『ユウキが魔王と繋がってるのか?』
その時。
ラミリス「あだぁっ!?」
ゴーダ「…ん?ラミリス?」
突如現れたラミリスが、ガラス張りの天井に衝突していた。
ラミリス「あたた…話は聞かせてもらったわ!この国、テンペストは!滅亡するッ!」
『『『な、なんだって~ッ!?』』』
ラミリス「そう、滅亡…ぎゃ~っ!?」
ウルティマ「ね~ゴーダ様ぁ、このふざけた羽虫、どうしてくれようか?」
ゴーダ「離してやれ」(汗)
ラミリスはヴェルドラと対面して気絶したため、会議続行となる。
リムル「公に発表するのは、以下の筋書きだ。欲深いファルムス王国の王が、テンペストへ軍を向け、戦争になり、敗北した」
ゴーダ「ファルムス軍の大量の死者が封印を解いてしまい、ヴェルドラを復活させた」
リムル「英雄ヨウムと俺達が協力し、守護者として祀る事で、話をつけた…とする」
二人は、ガゼル王、エラルドとも相談の上で決めた筋書きを発表する。
ガゼル「人は自分が理解できない存在を恐れ、決して認めようとはしない。だが、暴風竜の仕業であるならば、理解するのは容易だろう」
周りも賛成。脅威はヴェルドラのみだと、敵を油断させるという利点もある。
リムル「ヴェルドラには、俺達の罪を背負わせてしまうが…」
ヴェルドラ「我はお前達のカルマを共に背負うと決めていた。暴風竜の威、存分に使うが良い」
ゴーダ「ありがとな、ヴェルドラ」
続いて、ヨウムをファルムスの王にする計画。
ガゼル「…よかろう。俺としては、その計画自体に異論はない」
ヨウム「ッ!」
言いつつも、ガゼルは《英雄覇気》でヨウムを威圧する。
ガゼル「貴様は民を思い、苦しみを負って立つ、覚悟があるのか…!」
ヨウム「…へっ、知るかよ。好きで王様になろうってんじゃないんだ。だがよ…俺を信じて託されたこの役目、断ったんじゃ男が廃るだろうが!出来もしないと決めつけて、やる前から諦めたくないだけさ。惚れた女の前で、カッコつけたかったってのもあるけどよ」
ミュウラン「バカ…」(///)
ヨウム「やるからには全力でやってやるさ!」
グルーシス「こいつはバカだが、無責任ではない。アンタのように英雄王と呼ばれるその時まで、このグルーシスが見届けると誓おう…!」
ガゼル「フッ…ならばよい。何かあれば、俺を頼るが良い」
ラプラス「ユーラザニアへ攻め込むんやて?」
ラプラスの前には、魔王クレイマンと魔王アンク…ロストがいた。
クレイマン「あの国は人口だけは多い」
ロスト「僕達の覚醒の為の、ちょうど良い生贄になってくれると思わないかい?」
ラプラス(非戦闘員も含め皆殺しかいな。強引すぎるっちゅうか…ちょいと焦りすぎちゃうか?)
ラプラス「…なぁ、ほんまに自分の意思で、今回の作戦を決めたんやな?」
クレイマン「私に命令出来るのは、カザリーム様と、恩のある『あの方』のみ。それは君が一番よく知っているだろう」
ロスト「僕だって、クレイマンの言う『あの方』の欲望の行く末を見たいから協力してるんだ。その意思に反することはしないよ」
ラプラス「…分かった。ならえぇわ。わいはもう行くけど、最後に友人として忠告や。魔王ミリムの支配を過信せん方がえぇ。油断せんようにな」
ラプラスは姿を消した。
クレイマン「私が何者かに影響されているとでも言いたいのか?忌々しい…!」
目を覚ましたラミリスによれば、魔王が集結する会議『魔王達の宴(ワルプルギス)』が開催されるらしい。
発議者はクレイマンと魔王アンク。
カリオンが魔王同士の相互不干渉協定を破り、ミュウランがクレイマンの部下だとバラした。
それでリムルとゴーダがミュウランを殺した上、カリオンに唆されて魔王を騙った、という大法螺話で二人を制裁する気らしい。
そして、捕虜の取り調べについて。フォスが助け捕まえたキララは素直に取り調べに応じたが、残りの三人はシオンの審問(?)でヤバい状態だとか。
シオン「エドマリス王に接触した商人が、我が国の商品を持ち込み、王の欲を刺激したのだそうです。今後の流通の主流が我が国に移るのを恐れ、今回の件に繋がったみたいです」
ウツロ「西方聖教会の枢機卿は、テンペストを神に対する明確な敵対国として討伐する予定なんだってさ。大司祭のレイヒムは、神敵討伐の栄誉で、中央の評価を得ようとしてたらしいよ」
その捕虜四人を、ヨウムが救出したことにして、国盗りの足がかりにする。
ゴーダ「国王と大司祭、フォスが捕まえた異世界人、もう一人の捕虜はどんな奴だ?」
シオン「ラーメンです!」
ウツロ「ラーゼンね」
ラーゼンは叡智の魔人と言われる凄腕の魔法使いだが、原初の悪魔二人は相手が悪すぎた。
リムル「よしヨウム、ディアブロも連れて行け」
ゴーダ「ウルティマもついて行け」
「「え!?」」
左遷か!?とショックを受ける原初二人だが、皆が警戒するラーゼンを一蹴したからこその指名である。
リムル「俺達は魔王二人を相手に戦争を起こす。ヨウム達の支援に誰をつけるか悩んでいたが、お前達なら適任だ」
ゴーダ「頼んだぞ」
ディアブロ「おぉ…!承知しました!」
ウルティマ「速攻で終わらせるよ…!」
そして魔王クレイマン、魔王アンクの軍勢…魔人、ヤミー等を合わせて5万が、ミリムの領地で編成を行っている。
ゴーダ「奴らは用心深い。俺達の街に獣王国の戦士団が合流していることは知っている筈だよな?それでこの戦力ってのは弱すぎる」
アルビス「確かに変です」
ベニマル「クレイマンの狙いは、この街とは違うのではないか?」
ウツロ「…まさか、獣王国?」
スフィア「ユーラザニアが狙いだって言うのか!?しかし、首都は消滅し、周囲の街や村に残っているのは避難民ばかりで…!」
ゴーダ「まさか…残った国民を皆殺しにして、その魂で真なる魔王に覚醒するつもりか…!」
『『『!?』』』
ラファエルも同意する。リムルの新たな転送魔法により、援軍を送り込むことが決定した。
リムル「魔王二人の居場所を特定出来れば、殴り込んで終わらせられるんだけどな」
シオン「こちらがワルプルギスに乗り込んで、その二人と文句のある魔王達を全て斬り捨ててしまうのはどうでしょうッ!」
ゴーダ「他の魔王とまで揉めるのはダメだろ。だが、乗り込むってのは悪くないな」
リムル「ラミリス、俺達もワルプルギスに参加出来るか?」
ラミリス「え?う~ん、多分大丈夫だと思うけど、付き添いは二人までだよ」
ラミリスのお供はトレイニーとベレッタ。ベレッタはかつて、リムルがラミリスのために召喚し、ゴーレムに宿った悪魔である。
リムル「よし、シオンとランガを連れて行く!」
ゴーダ「俺はウツロとゴーガだな」
シオン「ありがとうございます!」
ウツロ「任せてよ」
ランガ/ゴーガ「「お任せください!」」
ED「STORYSEEKER」 STEREO DIVE FOUNDATION