転生したグリードがスライムと相棒になった件 作:バンドリーマーV
(♪「オーズ・ザ・ストーリー」)
大賢者:告。前回までの三つの出来事を纏めます。
一つ。ゴーダとウツロの戦いは、決着をつけることなく終結。
二つ。ウツロはマスター達と和解し、シズの欲望を叶えるべく、力を蓄え始めます。
そして三つ。ゴーダはフラメアとの語り合いにより、希望を見出しました。
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(♪「カウント・ザ・メダルズ」)
大賢者《告。カウント・ザ・メダルズ。現在、個体名:ゴーダ・テンペストの使えるメダルを確認します》
ライオン、トラ、チーター
カマキリ、バッタ
ゾウ
ウツロの誕生からしばらく経ち、フラメアが一度里に戻った後、リムルやゴーダ達の村の建設は、ドワーフ達が中心となり、順調に進んでいた。
リグルド「今日もお食事は必要ないのですか?」
リムル「あぁ、スライムの体じゃ…おおっ!?リグルド!俺も飯を食うぞ!」
リグルド「おおっ!では今日は宴会ですな!」
ゴーダ「そうか、人間に擬態すれば味覚も…ん?そういや、ネオグリードって味覚あんのか…?」
リムル「言われてみれば…あるんじゃねぇの?もうメダルの体じゃないんだし」
ゴーダ「だな…食ってみるか」
そんなやり取りの後。
ゴーダ「さて、リムルはシズのスキルを試すために洞窟行っちまったし、俺は…」
ウツロ「兄妹でピクニック?」
ゴーダ「なんでそうなる。てかお前距離近いんだよ」
いつの間にかウツロが隣にいた。
ウツロ「…シズは、家族と繋がりを強く意識してた。私もその影響を受けてるんだと思う」
ゴーダ「…そうか」
ゴーダ(映司は、父方の家族と確執があったからな…)
その時。
ゴーダ「!《探求者》に反応が…」
ランガ『リムル様、ゴーダ様!』
スキルの反応に続いて、ランガの切羽詰まった様子の思念伝達が届く。
ゴーダ「行ってくる。お前は村で警戒してろ。危なくなったら呼ぶ」
ウツロ「りょ~かい」
ゴーダは駆け出した。
ウツロ「…いや、お兄ちゃん…元々丸くなってはいたけど、更に加速してない?…あのウサギ娘のおかげかな」
ゴブタ「ぎゃ~ッ!?」
リムル「ゴブタ!」
ゴーダ「何事だ?」
何者かの攻撃を受けたゴブタに、リムルが回復薬を与える。辺りには、食料調達に出ていたホブゴブリンやテンペストウルフ達が倒れている。
リグル「クッ…!」
ランガ「アオーン!」
近くでは、リグルが紫の髪の女性、ランガが黒髪の大男と、青髪の青年を相手に、激闘を繰り広げていた。
リムル「二人とも、戻れ!」
リムルの呼びかけで、二人が飛び退いてくる。
ランガ「申し訳ありません、我がいながらこのような…!」
リグル「面目ありません…!まさか大鬼族(オーガ)と出くわすとは思わず…!」
リムル「オーガ?あれが…?」
ゴーダ「全員鎧か和服…日本刀まで下げてんぞ」
先程の三人に加えて、赤髪の青年、桃色の髪の少女、白髪の老人…計6人のオーガがいる。
リムル「倒れてる者達はどうした?」
ランガ「魔法で眠らされております。あの桃色の髪の仕業です」
ゴーダ「魔法ねぇ…」
リムル「お前達、事情は知らんが、うちの者達が失礼したな。話し合いに応じる気はあるか?」
リムル(実力差は明白なのに、ゴブタ達は致命傷じゃないし、警備隊も殆ど無傷で無力化されてる。訳ありか?)
赤髪「正体を現せ、邪悪な魔人め!」
「「は?」」
赤髪「魔物を使役するなど、普通の人間ではない。オーラを抑えようと無駄だ!全てその仮面が物語っている!」
リムル「へ?」
ゴーダ「仮面って、これか?」
リムルはウツロからシズの仮面を預かっており、それを顔につけていた。
赤髪「同胞の無念、その億分の一でも、貴様の首で贖ってもらおう!」
赤髪のオーガは刀を持つ。
ゴーダ「なんだか知らんが、こりゃ戦うしかねぇな…」
赤髪「!それは…」
ゴーダが取り出したメダルに、オーガが反応する。
ゴーダ「変身」
《ライオン!トラ!バッタ!》
ゴーダはオーズラトラバに変身した。
赤髪「なんだと…!?」
リムル「ランガは魔法を使う彼女を牽制しろ。殺すなよ」
ランガ「ハッ」
リムル「残りは俺とゴーダで相手をする。ゴーダ、行けるな?」
ゴーダ「おう。負ける気がしねぇな」
赤髪「舐められたものだな。真勇か蛮勇か、その度胸に敬意を払い、挑発に乗ってやろう。後悔するなよ…!ハァッ!」
赤髪が二人に斬りかかるが…
(♪「力の暴走」オーズBGM)
オーズ「フッ!」
オーズかメダジャリバーで受け止めた。
赤髪「ッ!ハァッ!」
オーズ「オラァッ!」
二人は激しく剣をぶつけ合う。
白髪「ヌンッ…!」
オーズ「っと…!」
白髪の剣で、メダジャリバーが弾かれる。
オーズ「その殺気、タダもんじゃねぇな…」
《ライオン!カマキリ!チーター!》
オーズはラキリーターにチェンジし、カマキリソードの斬擊と、チーターレッグのスピードで対抗する。
リムル「お前は眠っとけ」
【《麻痺吐息》】
リムルは巨大な金槌で殴りかかってきた黒髪のオーガに麻痺吐息を浴びせ、眠らせた。紫の髪のオーガが後ろから攻撃するが、リムルは回避した。
リムル「悪いな、《魔力感知》で丸見えだ…ッ!?(でかいッ!)」
思わず紫髪の女性オーガの豊満な胸に視線がいったが、バレたっぽい。
リムル「ま、丸見えってのはそういう意味じゃないぞ、誤解するな!」
【《粘鋼糸》】
追撃してきた彼女を、蜘蛛糸で縛り上げる。
リムル「転びそうですよ、お嬢さん。な~んて…っと」
【《身体装甲》】
青髪のオーガの不意打ちの刀を、腕に鱗を纏わせて受け止め、そのまま殴り飛ばした。
リムル「さて、あとは…ッ!?」
ゴーダ「グアッ!?」
ゴーダは白髪のオーガの攻撃で、ダメージを受けた。
リムル「ゴーダ!大丈夫か!」
ゴーダ「おう。しかしあの爺さん、他の五人とは別格だな」
白髪「…エビルムカデの麻痺吐息、ブラックスパイダーの粘糸鋼糸、アーマーザウルスの身体装甲…他にも多数の魔物の技を会得しているやもしれません。ご注意を、若」
リムル(俺が洞窟で捕食した魔物を、スキルを一目見ただけで言い当てたのか…)
リムル「おい、そろそろ話を…」
赤髪「黙れ!確かに貴様らは強い。だからこそ確信が深まった。貴様らは奴らの仲間だ!たかが豚頭族(オーク)ごときに、我らオーガが破れるとは考えられぬ…!」
オーズ「オークだぁ?──ッ!危ねぇッ!」
リムル「ッ!?」
瞬く間に、リムルの右腕が斬り飛ばされた!
オーズ「ッ!」
オーズはリムルの右腕をキャッチする。
白髪「むぅ…ワシも朦朧したものよ。頭をはねたと思ったのじゃが」
リムル(一瞬で魔力感知と身体装甲を…!)
オーズ(俺も当たる一瞬前にしか分からなかった…割って入る暇もなかったとは…)
赤髪「どうやら蛮勇の方だったようだな。右腕を失い、発狂しない胆力は褒めてやる。たった二人で俺達に挑もうとした、その傲慢さが貴様らの敗因だ!冥府で悔やみ続けるがいい!ハァッ!」
オーズ「あぶねっ!?」ガキーン!
オーズは赤髪の剣を、身体装甲を継続したままのリムルの腕で受け止め、飛び退いて距離を取った。
オーズ「ぐっ、咄嗟とはいえ右腕だし、アンクを盾にしたみたいで気分が悪いな…!」
リムル「おい、人の腕を盾にするな!」
オーズ「悪かったって!ほらよ!」
リムルはオーズが投げ渡した右腕を吸収し、右腕を再生した。
【《超速再生》】
「「!?」」
赤髪「ば、化け物め…!鬼王の妖炎(オーガフレイム)!」
赤髪が放った炎が、リムルとオーズを飲み込むが…
リムル「悪いな、俺達に炎は効かないんだ」
二人は炎の中から、平然と現れた。
リムル「だが、確かに俺は、お前達を甘く見ていたようだ。少し、本気を見せてやろう」
オーズ「右に同じだ。俺も力を解放する」
リムルは仮面を外し、ゴーダはメダルを交換する。
《ライオン!トラ!チーター!》
《ラタラタ~ラトラーター♪》
(♪「スキャニング・チャージ」)
オーズ「オォオオッ!」
リムル「フッ!」
【《黒炎》】
リムルは新たなエクストラスキルで巨大な黒い炎を放出し、オーズは全身から眩い光と熱線を放つ。
「「ッ!?」」
桃髪「あ、あれは…あの炎は、周囲の魔素を利用した妖術ではありませぬ!あの炎を形作るのは、純粋にあの者の力のみ…炎の大きさが、そのままあの者の力…!それに…あの凄まじい光と熱さは…!」
オーズ「どうする、まだ続けるのか?」
赤髪「クッ…!」
リムル(よし、ビビってるな。頼むからこのまま降参してくれよ…?)
白髪「若、姫を連れてお逃げ下さい。ここはワシが…!」
赤髪「黙れジイ…!──凄まじいな。悲しいが、我らでは貴様らに太刀打ちできんようだ。
だが俺も、オーガの次期頭領として育てられた誇りがある!無念に散った同胞の恨みを晴らさずして、何が頭領か!
敵わぬまでも、一矢報いてくれるわ…!」
白髪「若…!ならばワシもお供しましょうぞ…!」
二人は剣を構える。
オーズ(おい覚悟ガンギマっちまったぞ、どうすんだこれ…)ヒソヒソ
リムル(マズいな、完全に裏目に出てしまった…)ヒソヒソ
その時。
桃髪「お待ちください、お兄様!この方々は、敵ではないかもしれません!」
桃髪のオーガの少女が、両陣営の間に割って入った。
リムル/ゴーダ「「ん?」」
赤髪「何故だ!里を襲った奴と同じ、仮面の魔人ではないか!お前もそう言っただろ!」
桃髪「はい…ですが、これほどの力を持った魔人様達が、姑息な手段を用いて、豚共に里を襲撃させるなど、不自然です。それこそ、どちらかお一人だけでも、我々を全滅させられるでしょうから…里を襲った奴らとは無関係ではないかと」
赤髪「ぅ…」
ゴーダ「少しは話を聞く気になったか」
リムル「もうこれいらないよな?」
ゴーダは変身を解除し、リムルは《黒炎》を《捕食》して引っ込めた。
赤髪「な、何者なんだ、お前達は…」
ゴーダ「何者ねぇ。俺は…なんて言えばいいのかね。人間から生まれた新種の魔物ってとこか?名前はゴーダだ。んで、こっちが…」
リムル「俺はただのスライムだよ」
赤髪「スライム…?」
リムル「そ、スライムのリムル」
リムルはスライム形態に戻る。
「「!」」
赤髪「ほ、本当に…」
リムル「仮面はある人からの預かり物だ。お前達の里を襲った奴の仮面と同じか確認して構わない。ほら」
赤髪「あ、あぁ…似てはいるが…」
桃髪「これには、抗魔の力が備わっているようです」
白髪「しかし、あの時の魔人はオーラを隠しておらなんだ…」
赤髪がリムル達の前で片膝をつき、頭を下げる。
赤髪「すまない…こちらの勘違いだった。どうか謝罪を受け入れて欲しい」
リムル「うむ、苦しゅうない」
その後、事情を聞く為、和解したオーガ達を村に招待することになったのだった。
ED「Another colony」TRUE