軽めなヒーローアカデミア   作:プロプラスチック

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オリキャラ視点のタイトルでもいいかなって思ったんですけど、やっぱりヒロアカの1話のタイトルはこれですよね。


俺最強、君卵
第1話〖緑谷出久 : オリジン〗


事の始まりは中国、軽慶市。『発光する赤児が産まれた』というニュースだった。

以降各地で「超常」は発見され、いつしか「超常」は「日常」に、「架空(ゆめ)」は「現実」となった。

世界総人口の約八割が何らかの「特異体質」である現在、個性を悪用する(ヴィラン)により混乱渦巻く世の中で、かつて誰もが空想し憧れた一つの職業が、脚光を浴びていた。そう、「ヒーロー」と呼ばれる職業である!

 

これは、個性に問題を抱えた少年と、性格に問題を抱えた少年の物語である。

 

────────────────────────

「えー、おまえらも3年ということで、本格的に将来を考えていく時期だ!」

担任はそう言ってプリントを持つ。

「今から進路希望のプリント配るが皆!」

そこで区切り、担任はプリントを配らずにバラッと放り投げる。

「大体ヒーロー科志望だよね」なんて言いながら。

それと同時に、先程まで大人しく座っていた生徒たちは見せつけるかのように自身の個性を発動させる。

 

「うんうん、皆いい個性だ!でも校内で個性発動は原則禁止な!」

担任はそんな事を言っているが、恐らく一応言っているだけで止める気は無いだろう。

 

しかし、そんな中で1人の生徒が声を張り上げる。

「せんせえー「(みんな)」とか一緒くたにすんなよ」

机に足をかけながら、彼『爆豪勝己(ばくごうかつき)』は堂々と言い放つ。

「俺はこんな没個性共と仲良く底辺なんざいかねーよ!」

彼がそう言うと、教室内はたちまちブーイングの嵐が吹き荒れる。

しかし爆豪はそんなそよ風レベルのブーイング(本人基準)程度諸共しない。

「モブがモブらしくうっせー!」なんて煽り出す始末。

 

しかし次に担任の言ったことによって、そのブーイングも嵐も直ぐに収まる。

 

「あー確か爆豪は……『雄英』志望だったな」

その一言で生徒たちのブーイングは止み、代わりにざわめき出し始める。

「国立の!?今年偏差値79だぞ!?」「倍率も毎度やべーんだろ!?」

 

「そのざわざわがモブたる所以だ!」

そのざわめきで調子に乗ったのか、爆豪は机の上に乗り、王様気分(傍から見れば)で喋りだした。

「模試じゃA判定!俺は中学(ウチ)唯一の雄英圏内!あのオールマイトをも超えて俺はトップヒーローと成り!必ずや高額納税者ランキングに名を刻むのだ!」

調子に乗った王様(爆豪)は自信満々に宣言する

 

話は変わるが、唯一とは、『ただ一つで他には無いこと』を意味する。

つまり、もし他に雄英志望が居れば唯一にならないわけで……。

 

「あ、そいやあ緑谷も雄英志望だったな」

担任のその一言で、爆豪は固まり、生徒達は一斉に緑谷を見る。

そしてその直後、全員一斉に吹き出した。

「はああ!?緑谷あ!?ムリっしょ!」「勉強出来るだけじゃヒーロー科は入れねんだぞー!」

場は、先程の爆豪とは真逆の雰囲気に包まれる。

 

「そっ…そんな規定もう無いよ!前例がないだけで…」

緑谷も負けじと反論しようとするが、それも1人の大王(爆豪)によって止められる。

 

「こらデク!」

突然暴君(爆豪)によって机が爆破され、その風圧で緑谷は吹き飛び、床に尻もちを着く。

どうやら暴君(爆豪)はお怒りのようで、

「没個性どころか無個性のてめェがあ〜!何で俺と同じ土俵に立てるんだ!?」

と、悪人のような顔で叫び散らす。

 

そう、彼『緑谷出久(みどりやいずく)』は無個性である。

今や人口の約二割しかいないと言われている絶滅危惧種。

最も、そんな絶滅危惧種な彼に向けられるのは、珍しい目などではなく、何も持っていない者に対する蔑みの目なのだが。

 

爆豪に凄まれ、緑谷は思わず後ろに下がる。

「待っ…違う待ってかっちゃん!別に…張り合おうとか全然!本当だよ!

ただ…小さい頃からの目標なんだ…、

それにその…

やってみないとわかんないし……」

なんて事を言いながら。

 

しかし、そんな態度が気に入らないのか、爆豪は即座に返す。

「なァにがやってみないとだ!記念受験か!てめェが何をやれるんだ!?」

そう言うと、緑谷は何も返せずに黙る。

教室は未だにくすくすと緑谷を嘲笑う声が聞こえる。

緑谷は、それでも何も言い返すことが出来なかった。

 

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(はぁ、なんでどいつもこいつも無個性ってだけでここまで攻撃的になれるのかねぇ…)

教室の隅、ため息を吐く生徒が1人。

彼は今の状況に心底嫌気がさしていた。

 

(おかしいと思わないのか?無個性だからってここまで笑いものにして言いわけないだろ、これって普通に差別だぞ…)

なんて呆れながら、緑谷以外に軽蔑の眼差しを向ける。

 

(そもそもお前らが馬鹿にしてる緑谷は、諦めずに受かるか分からない雄英受けようとしてんのに、応援もせずに揃ってバカにする…、だからモブだって言われんだよお前らは…)

先程爆豪が皆に向けて言った「モブ」という呼び方。

あれは確かに正しいのかもしれない。

 

(ま、そのモブって言った張本人も、俺から見たら奴らと同じだけどな)

そう思いながら視線を爆豪に向ける。

彼は成績も良く、スポーツも万能だが、いかんせん性格に難がありすぎる。

 

今だって自分だけが受けると思い込んでいた雄英を緑谷も受けると知った途端突っかかってあの態度だ。

使うなと言われた個性まで使って…。

今の彼はヒーローを暴力マシンか何かと勘違いでもしてるのかと思われても仕方無いことをしている。

 

そろそろ我慢の限界に達し、思わず思ったことを口にしてしまう。

「はぁ、くっだらな…」

言った直後、しまったと思い周りを確認すると案の定、緑谷含めた皆の目はこちらを向いており、皆頭に疑問符を浮かべてるような顔になっていた。

爆豪に至っては、さっきの台詞が自分に向けて言ったことだと思ったのか、(ヴィラン)顔負けの悪人面でこちらを睨みつけてきた。

 

「おい客!てめェ!今なんつった!」

どうやら怒らせてしまったようだ。

掌を爆破させながら迫ってくる。

軽い脅しのつもりなのだろうが、正直そんなものまるで怖くない。

 

「おや?聞こえなかったかい?それは済まないね、君たちがくだらないって言ったんだよ」

どうせならと思い、煽ってやった。

すると見事に乗ってきて、胸ぐらを掴んできた。

 

「おー怖」

「おい客!俺のどこがくだらないってんだ!?」

「どこがってそりゃ……おいちょっと待て」

さっきから聞いてりゃよぉ……。

「てめェ!!!誰が客だ!?確かに来人(らいと)って名前的に客っぽいけど!なんで名前じゃなくて客呼びなんだよてめェ!!!」

「うるせぇ!いいから答えろや客!」

雰囲気一触即発。

タイミング良くチャイムがならなければ喧嘩になってたかもしれないね。

 

客呼び直させること出来なかったけど、俺と爆豪の一触即発の雰囲気で周りは緑谷への興味無くしたのか、緑谷の事弄るやついなかったし、結果オーライ……でいいのかな?

 

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「らいちゃん、僕を庇ってくれたのは嬉しいけど、どうしてかっちゃんを敵に回してるのさ!?」

放課後、帰り道で軽元は緑谷から説教を喰らっていた。

「いや、でもあの言い方は無いだろ?出久は諦めずに雄英に挑もうとしてるのにそれを否定なんて!」

「僕は大丈夫だかららいちゃん!気にしないで!」

「…そっか」

反論しようとするも、緑谷に大丈夫と言われ、止める。

本人が大丈夫と言っているのだ、あまり深掘りはしない方がいいだろう。

 

「…お前がそこまで言うなら、分かったよ」

大人しく引き下がることにした。

「うん、それより早く帰ろ!今朝あった事件がヤフートップなんだ!早く帰ってノートにまとめなきゃ!」

緑谷はにこにこしながら『将来の為のヒーロー分析 No.13』と書かれたノートを見せてくる。

少し焦げてる気がするが、気にしないが吉だろう。

 

「にしても本当すごいな出久お前、13まで行ったのかよ」

「おかげさまで、13も後半まで来たんだよ」

「まじか!今度の休日新しいの買いにいこーぜ!」

「うん!」

なんて会話に花を咲かせ、

 

しばらく歩いて短いトンネルに差し掛かったところで、違和感を感じ、反射的に振り返る。

見えたのはマンホールから出てくるヘドロのようなもの、それはどうやら個性のようで、みるみるうちに人の形になった。よく見ると目もある。

 

「Mサイズの…隠れミノ…」

そしてその目は、明らかに出久を狙っている事が分かり……。

 

「っ…出久!」

「……え?」

軽元は咄嗟に出久を突き飛ばし、代わりにヘドロ(ヴィラン)に取り込まれた。

「らい…ちゃん…?」

突き飛ばされた緑谷は、目の前の状況を一瞬では理解出来ず、ヘドロ(ヴィラン)が「大丈夫、苦しいのは約45秒、すぐ楽になるさ」と言うまでただ呆然と見ることしか出来なかった。

 

「っ……!らいちゃん!」

ようやく状況が理解出来たのか、緑谷は軽元を助けようと、ヘドロ(ヴィラン)に掴みかかった。

しかし、どれだけ引き剥がそうとしても、水を掻いてるようなかんかくがするだけで、一向に軽元にたどり着かない。

 

そんな緑谷の足掻きを、ヘドロ(ヴィラン)はニタニタと笑いながら

「掴めるわけないだろ流動的なんだから!」

と言い腕を振るい、緑谷を引き剥がした。

 

「君の友達には助けられたよ、君の友達は俺のヒーローだ」

ヘドロ(ヴィラン)はそう言い、動かなくなった軽元を緑谷に見せつける。

「あぁ……」

それを見た緑谷は、情けない声を出し、全身から力が抜けるのを感じた。

なんでもっと敵の存在に早く気づかなかったんだろうと後悔の念に押しつぶされそうになった。

 

「……あぁ?」

しかしそれは、ヘドロ敵の間抜けな声によって中断される。

何かあったのかと緑谷が顔を上げると、そこには動かないのではなく、(めんどくさいのか)あえて動いてない(・・・・・・・・)軽元の姿があった。

そう、ヘドロ敵は、未だに軽元を乗っ取ることができていないのだ。

ここで緑谷は、そういえば軽元の個性を知らないという事に気がついた。

今まで聞いてなかったし、向こうも話さなかったから、一体どんな個性なのかが分からず仕舞いだったのだ。

 

「らいちゃん、もしかして水中で呼吸が必要ない個性とかなのか…?」

軽元が無事だと分かり、ある程度余裕の出てきた緑谷は、軽元の身体を乗っ取るのに必死なヘドロ敵をものともしない軽元の個性の分析を始めた。

 

時間で言うと1分40秒程経った時、突然マンホールの蓋が吹き飛び、穴から大男が飛び出してきた。

「もう大丈夫だ少年!私が来た!」

それは緑谷の憧れであり、現No.1ヒーローでもある男だった。

 

「オール…マイト…!?」

緑谷とヘドロ敵が驚く中、オールマイトは拳を構える。

ヘドロ敵は逃げようとしたが、オールマイトを前にして逃げられる訳もなく。

TEXAS(テキサス)SMASH(スマッシュ)!!!

その巨体から放たれた一撃は、風圧だけでヘドロを吹き飛ばし、瞬く間に軽元をヘドロ敵から解放した。

 

 

「大丈夫だったかい?少年達よ!」

オールマイトはそう言い、2人に近寄り無事かどうかを確認する。

驚くことに、緑谷は突き飛ばされた時に服を少し汚した程度で、軽元に至っては無傷だった。

 

結局軽元の個性は分からず仕舞い、しかし今の緑谷にとってはそれどころではなかった。

目の前に憧れの存在がいるのだ、興奮している彼の視界には、目の前のオールマイト以外が映っていなかった。

「らいちゃん!オールマイト!オールマイトだよ!!!」

「分かったから揺するな」

 

「本物…本物だよらいちゃん…!生だとやっぱり、画風が全然違う!」

「…そうだね」

 

「そ、そうだこのノートにサインを…」

「してあるね」

「わぁぁぁ〜!ありっありがとうございます!家宝に!家の宝に!」

「落ち着け出久」

 

興奮冷めやらぬ様子の出久とは対照的に、軽元は冷静だった。

理由は隣にいる緑谷だ。

今この状況、誰よりも興奮している緑谷を見て、逆に冷静になることが出来ていた。

 

 

「じゃあ私はこいつを警察に届けるので!液晶越しにまた会おう!」

そう言ってオールマイトは立ち去ろうとする。

「え!そんな…もう…?まだ…」

ここで軽元はここで緑谷の様子がおかしいことに気づいた。

「プロは常に敵か時間との戦いさ」

オールマイトそう言って屈み、飛び立つ体勢に入った。

 

緑谷は止めようとし、それを見た軽元は咄嗟に緑谷のリュックを掴んだ。

 

「それじゃあ今後とも…応援よろしくね!」

オールマイトはそう言い残し、大ジャンプで空の彼方へ消えていった。

 

 

「………てコラコラー!」

しかし軽元は緑谷に、緑谷は咄嗟にオールマイトにしがみついてしまったので仲良く空の旅を満喫することになった。

「ヒュー、なかなか快適ではありませんか〜」

「あばばばばばばっ!?」

余裕な軽元とは対照的に、緑谷は風圧をモロにくらい、顔がとんでもないことになっていた。

 

 

「放しなさい!熱狂がすぎるぞ!?」

オールマイトはそう言いながら緑谷を引き剥がそうとする。

しかしここは空中なわけで…。

「今…放すと…死んっ…死んじゃう…!」

「確かに!」

緑谷に言われ、オールマイトは剥がすのを止める。

 

「僕…!あなたに直接っ…!色ろ色々…ぼっ!あなっ…」

「オーケーオーケー、分かったから目と口閉じな!」

風圧のせいか、緑谷の顔はとんでもないことになっていた緑谷は、オールマイトに言われた通りに、目と口を閉じ、顔を伏せた。

一方の軽元は、そもそも空気抵抗を受けているのかと疑問に思うほどどこも崩れず全然余裕と言った感じで、余裕の無い緑谷を見てゲラゲラ笑っていた。

そしてこの時、顔を伏せた緑谷も、その緑谷しか見てなかった軽元も、オールマイトが咳と共に少量の血を吐いたところを見ることは無かった。

 

 

オールマイトは近くにあった建物の屋上に不時着した。

「怖っかっった………」「大丈夫か出久?」

緑谷は全身が震え、軽元はそんな緑谷を心配していた。

「全く!階下の人に頼め降ろしてもらえるだろう!私はマジで時間ないので本当これで!」

オールマイトは緑谷と軽元を叱りつけた。

それもそうだ、仕事の邪魔をして、下手したら死ぬような危険な事をしたのだ。

緑谷も軽元も流石に反省する。

 

しかし緑谷は危険な行為までしてオールマイトに聞きたかったことがまだ聞けておらず、必死にオールマイトを止めようとする。

「待って!あの…!」「No!待たない!」

しかしオールマイトは本当に時間に追われているのか、緑谷をあしらい、去ろうとする。

 

このチャンスを逃せば次は無い。

そう思い緑谷は、オールマイトに、自身の憧れに問う。

 

「個性がなくても、ヒーローは出来ますか!?」

 

緑谷出久は無個性である。

無個性であるが故に幼少期から皆が当たり前のように持っているそれを持っておらず、苦労していた。

しかし緑谷は決して折れず、夢を諦めずにここまで来た。

そして今、憧れの存在に自身の夢を打ち明け、どう返してくれるか…。

緑谷はそれけ気になっていた。

 

「個性のない人間でも、あなたみたいになれますか?」

 

 

(なるほど、君はそれの答えを聞きたかったんだね…)

軽元は緑谷の方を向き、どこが納得のいったように苦笑いを浮かべながらため息を吐く。

(彼は平和の象徴なんだ、きっと、俺と同じ答えを返してくれるはずさ!)

そんな事を考えながら…。

 

 

まあ最も、2人がオールマイトを見た時には萎んでやせ細っていた訳だが…。

 

「「えぇぇぇぇぇ誰ぇぇぇぇぇ!?」」

とある建物の屋上、そこに2人の絶叫がこだました。

 

 

 

 

続く……




誤字、脱字等ございましたら遠慮なく報告お願いします。

今回書いてみたけど結構大変だったんで次回から少し端折るかも…
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〖次回予告〗
「次回予告に、わ〜た〜し〜が〜!来た!」

「2人に秘密がバレてしまったがNO問題!」

「それよりも、早くヘドロ敵を警察に届けねば!」

「次回!〖ヒーローの条件〗!」

「さらに向こうへ!Plus ultra!」
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