総受けスペちゃん   作:223系新快速

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創作で自分の行動に責任を持つという描写をするのって、初めてです。その甲斐あって、久し振りに10話到達の小説を書けました。どれもこれも短編ばかりで、ネタとして継続出来なくて…。


第10話 慇懃無礼な態度

ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港から国際線で羽田空港へ飛び、そこから京急のエアポート快特、山手線、京王線で府中にある日本トレセン学園へ向かう。府中競バ場正門前駅へ向かう競バ場線は、普段は2両編成のワンマン運転のため、ホームを移動する。

一応変装はしたものの、ここまで来れば意味はなくなる。競バ場線に乗るウマ娘は、トレセン学園の生徒がほとんどだからだ。とはいえ自分はG1バだし、余計な騒ぎを起こすこともないが。

 

 

久し振りに戻ってきたが、全体的に空気が澱んでいる。大方、スぺ先輩を失って、精神的ショックを受けているのだろう。私はルドルフ生徒会長の指示通り、生徒会長室へ直行する。

 

コンコンコン

 

ルドルフ「入ってくれ。」

シーザリオ「失礼する。」

 

ガチャ

 

相変わらず綺麗に纏まっている。中には生徒会組と、シリウス先輩がいた。

 

シーザリオ「さてと、僕が戻ってきた以上は、これ以上事態を悪化させないようにするよ。」

グルーヴ「自信満々に言うのはいいが、具体策はあるのか。」

シーザリオ「僕がスぺ先輩の代わりをすればいいだけの話。」

グルーヴ「ちょっと待て、スペシャルウィークとお前とでは、タイプが違い過ぎる。生徒の心の穴を埋めるには…。」

シーザリオ「それが何?今の先輩方は、スぺ先輩に依存し過ぎている。だったら、他に人誑しを加えることで、依存対象はスぺ先輩だけじゃないということを分からせられるはず。それに、これが出来る人って、数少ないし。」

シリウス「同感だ。私がやってもいいが、これ以上面倒を見るのは結構大変だ。」

グルーヴ「仕方ないな、暫く任せる。」

シーザリオ「ええ。」

 

シーザリオはニヤリと笑う。

 

グルーヴ(なんだあの顔は。一体何を企んでいる。)

 

 

タイシン「臨時全校集会って、一体何?」

ハヤヒデ「おそらくスペシャルウィーク君喪失に対する事なのだろうが、その先が計算出来ない。」

 

全校生徒が講堂に集まる。ルドルフが説明を始める。

 

ルドルフ「生徒会長のシンボリルドルフだ。今日は重要なお知らせがあるため、こうして集まって貰った。」

アヤベ「重要なお知らせ?一体何かしら?」

ルドルフ「それは、彼女本人に説明してもらおう。入ってくれ。」

 

僕は皆の前に歩み出る。

 

シーザリオ「久し振りですね、先輩方、そして、後輩の皆さん。」

イナリ「お、お前は、」

アヤベ「そんな、」

タイシン「まさか、」

「「「シーザリオ!」」」

シーザリオ「ええ。如何にも、シーザリオです。ずっとアメリカのトレセン学園にいたけど、今回の事件を聞きつけて、急いで帰ってきました。」

アヤベ「はあ、オペラオーがもう一人増えるなんて、憂鬱だわ…。」

シーザリオ「おや、僕の事がそんなに嫌いですか。」

アヤベ「嫌いではないけど、鬱陶しいのよ。なんでそこまで自己陶酔出来るのかしら。確かに自分に自信を持つのは大切だけど、過ぎると身を亡ぼすわよ。」

シーザリオ「これが僕の生き様ですから変える気はないですね。そもそも、今回僕が戻ってきたのは、まさにそれですし。」

アヤベ「ま、予想はしていたわ。いつも五月蠅いオペラオーまでが静まる状況じゃ、貴方しか打開出来ないものね。」

 

 

昼食になり、シーザリオが学食に入ってくる。

 

シーザリオ「ここ、同席してもいいかな?」

「シーザリオ様、私達と共に食事を!?」

シーザリオ「勿論だよ。誰かと共に食事をする事に感謝出来るように、僕は努力しているからね。」

「キャー、素敵ー!」

 

その様子を黄金世代が見ている。

 

ツル「…。」

キング「色々気を使っているのは分かるし、スペシャルウィークさんの如く人を誑し込む要素があるのも認めるわ。」

エル「でも、スぺちゃんと同じ距離感を維持するのは難しいデース。」

グラス「ええ、例え学年が同じでも、一歩引いた関係になります。」

スカイ「それに、なんか腹に一物抱えている顔ですね~あれは。」

 

 

~放課後~

突発的にチームを抜けたスペに代わり、臨時でスピカに所属するシーザリオ。アメリカでこなしていた練習メニューを沖野に渡し、それを基にトレーニングする。

 

ウオッカ「やっぱ日本とアメリカのオークスを制しただけあって速いな~。」

ダスカ「ああもう、同じ練習をしたいという欲求が抑えられないわ。トレーナー、並走してもいいかしら?」

沖野「そうだな、この後の一部予定を組みかえれば可能かな。」

 

練習が終わり、雑談をするメンバー。

 

テイオー「ねー、はちみー飲まない?僕の好物なんだー。」

シーザリオ「いいよ。」

テイオー「やったー!」

マックイーン「気を付けてくださいまし。はちみーはかなりカロリーが高いですわ。考えなしに飲むと、太り気味になってしまいますわ。」

ゴルシ「それはマックイーンが飲み過ぎたせいだろ。」

マックイーン「お黙りなさい。」

 

バシッ

 

ゴルシ「ギャー!」

 

 

シーザリオ「やれやれ、同じことをしているはずなのに、疲れる。僕のそれは後天的に作ったものだけど、スぺ先輩はほぼ天然。やっぱり敵わないな。」

???「フーン、じゃあ、オレが代わろうか?」

シーザリオ「えっ、貴方一体誰!?」

 

 

~数日後~

BNW、覇王世代を始め何人かが集まっている。

 

タイシン「シーザリオの奴、見た目は愛想よく振舞っているけど、その実アタシ達を馬鹿にしている。その証拠に、私達に与えるだけで何も受け取ろうとしない。」

チケット「ええっ、それってどういうこと!?」

ロブロイ「『これだけやれば十分でしょ』って言外に言っています。四字熟語で言い表すなら、慇懃無礼が妥当ですね。」

チケット「でも、与えてくれるならそれでいいんじゃ?」

ハヤヒデ「チケット、人間関係は、相互互恵が原則だ。与える側はコストが大きくなり、与えられる側は自立心が育たなくなる。シーザリオ君にそれが分からないはずはない。」

シーザリオ「ご明察ですね、先輩方。」

 

シーザリオが不敵に笑いながら立っている。

 

グルーヴ「シーザリオ、なんの目的でこんなことをする。返答次第では只では済まさんぞ。」

シーザリオ「形は違えども、スぺ先輩と先輩方との関係を表すとこういうことになるんですよ。」

グルーヴ「何!?」

シーザリオ「エアグルーヴ先輩、貴方はドゥラメンテを始め、数多くの後輩ウマ娘を指導し、実績を残してきたことで生徒会役員にまで上りつめましたよね。」

グルーヴ「ああそうだ。もし会長が立候補しなければ、私が生徒会長になっていただろうな。」

シーザリオ「そう。そんなエアグルーヴ先輩でさえ、スぺ先輩の魅力には抗えなかった。まあ、エアグルーヴ先輩は理想の追求という軸があるのと、スぺ先輩が補習常連組ということで、釣り合いは取れています。でも、他の先輩方はどうです?幾らサンデーサイレンス先輩がえげつない手を使ってきたからって、全員が足を掬われるというのはちょっとないんじゃないですか?」

タイシン「アンタ、言わせておけば!」

ハヤヒデ「よせタイシン、シーザリオ君にはこちらを馬鹿にする気はあっても、スペシャルウィーク君を貶める意図はない。」

シーザリオ「ま、それもこれまでです。僕がやらずとも、もっと適任な人物が見つかりました。」

ハヤヒデ「な、それはいったい誰だ?」

シーザリオ「この人です。」

???「スぺ掛かり勢になる事が悪いんじゃない、スぺ掛かり勢が責任を取らないのが問題。だったら、オレが責任を取らせる。」

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