総受けスペちゃん   作:223系新快速

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デジタルのやり方は所詮第三者、ならばスぺ自身が鏡写しをやればいい、となりました。それにしても、各自の利害がぶつかって、話があちこち迷走しますね。道理で自分らしさを確立するのが遅れるわけです…。
美女と野獣ですが、語り手によって話の展開は結構違いがあるようですね。ここでは私がグリム童話で読んだ内容にしました。
後ルドルフの駄洒落ですが、いつかは使ってみたいと思っていましたが、ここで出てくるとは思いませんでした。


第11話 スペシャルブラック

???「スぺ掛かり勢になる事が悪いんじゃない、スぺ掛かり勢が責任を取らないのが問題。だったら、私が責任を取らせる。」

タイシン「アンタ、誰?スペシャルウィークに似ているけど、雰囲気は完全にサンデーサイレンス先輩。」

 

タイシンが見慣れぬ生徒を睨みつける。

 

チケット「ええっ、どういうこと!?」

???「オレはスペシャルウィークだ。もっとも、君達の知るスペシャルウィークではないが。」

ルドルフ「成程、私の時と同じか。」

特別週(ブラック)『その通り。オレは並行世界のスペシャルウィークだ。そっちの小柄なウマ娘が指摘したとおり、オレはそっちの世界のサンデーサイレンスに似た性格だ。さしずめ、スペシャルブラックとでも言うべきかな。』

 

それを聞いて、ドーベルがガタガタと震え出す。

 

デジタル「ドーベルさん、どうしたんですか?」

ドーベル「終わりだわ、この世の終わりだわ…。」

ドトウ「どどど、どういうことですかあ~?」

ドーベル「スペシャルブラックは、私が創作したスぺドベ作品の中で、、スぺがサンデーサイレンスと同じ境遇を辿った世界線の主人公なのよ。ただ、何故現実に現れたのか分からないけど…。」

シーザリオ「どうやら、ドーベルの創作理由と僕の思案をVRシミュレーターが読み取って生成したらしい。これだけは避けないといけないという最悪の世界線、そして慇懃無礼な態度を取り続けることの限界、この二つの思いが重なった結果、強烈な存在意義が発生して、現実世界へ引っ張り出されたそうだ。」

ハヤヒデ「…、それで、そのスペシャルブラック君はどういうレース運びをするのだ?」

ドーベル「スペシャルブラックは、全てを蹂躙する悪鬼羅刹のようなレースをするのよ。固有はシューティングスターとスターコメットの2つ。シューティングスターはこの世界のスぺと同じだから説明を省略するわ。スターコメットの効果は、『競技場の任意の地点で、相手に対して隕石の雨を降らせて競技場を埋め尽くし、速度とスタミナを凄く削る』なのよ。」

 

それを聞いて動揺する一同。

 

ハヤヒデ「固有が二つある上に全く違うパターンで、しかも任意発動とは…。」

トプロ「ええっと、何かの冗談ですよね?」

ドーベル「残念だけど、私の作品で厳密に定義しているわ。」

チケット「作品中で勝ったウマ娘は?」

ドーベル「いないわ。そもそも、これは最悪の世界線で、決してこうなってはならないという戒めを込めて描いたもの。クラシックを終えた段階で、スペシャルブラックはレースを蹂躙する理由を語る。誰もが不幸になりながら、誰もそれを止められないという地獄への一本道を暴走する世界よ。」

ハヤヒデ「最終的な戦績はどうなる?」

ドーベル「定まっていないわ。キンチェムやセクレタリアト、エクリプスの偉業が霞むレベルで勝ち続け、凱旋門賞やBCターフ、KGVI&QESなどを制覇・連覇。果ては本来適性のないダートや障害ですら基礎能力の高さと固有で捻じ伏せる。偏執的なまでのヒール路線よ。」

オペラオー「僕の偉業を更に拡張した感じか。」

ルドルフ「まさしくさいきょうだな。」

グルーヴ「会長、それはどの意味で?」

ルドルフ「最強かつ最凶かつ最狂かつ最恐だ。」

グルーヴ「会長、真面目な話の時にギャグは止めてください。」

 

エアグルーヴのやる気が下がった。

 

ドトウ「救いはないのですかあ~。」

シーザリオ「いや、あります。というより、これくらいの逆境を超えられないようじゃ、スぺ先輩を取り戻すのは不可能ですよ。」

 

一同が驚いて目を見開く。

 

シーザリオ「だってそうじゃないですか。皆スぺ先輩に甘えている。だったら、裏の顔を見せて、それでも好きだと言えるかを見定めるしかありません。心を失った悲しきレースマシーンを、それでも愛することが出来るか。表だけでなく裏も愛してこそ本物ですよ。」

ロブロイ「まるで美女と野獣ですね。まあ、この場合、スぺシャルウィークさんに非はありませんが。」

シーザリオ「いや、あります。犯罪ではないにしろ、女誑しの才能を発揮して、数多くのトレセン学園生徒の道を狂わせた、という非が。選べない、というのは逃げなんですよ。」

アヤベ「そういう貴方はどうなのよ。」

シーザリオ「勘違いしそうなファンには、ちゃんと線引きを明確にして、危険を回避していますよ。毎回残念そうな顔を見るのは心苦しいですが、これはちゃんと対処しないと雪だるま式に膨れ上がりますから。」

オペラオー「適切な対応方法を分かっているようだね。」

特別週(ブラック)『フン、オレの事を止められるのは、この世界のオレしかいないと思うが?』

ロブロイ「確かに、それが物語の王道展開ではあります。ですが、スペシャルウィークさんはアイデンティティの確立で悩んでいるわけではありません。であれば、それ以外の道もあるはずです。」

 

ロブロイの発言を裏付けるように、一同が勝負の顔をする。

 

アヤベ「ロブロイの言う通りよ。あまり私達を見くびらないで欲しいわね。私はあの子の分まで走ると決めたのよ。」

アルダン「全レース、毎回これが最後かもしれないという覚悟で走っています。前回のレースではガラスが砕けそうになって不覚を取りましたが(描写はないが途中で競争中止)、今度は壊れても走り続けます。」

ラモーヌ「つまらないわね。圧倒的強者なら、もっと魅せるレースをする責任があるのよ。」

ブライト「ほわあ~、スペシャルウィーク様は強みが違っても私と同じ路線でのライバルですわ~。動機が影のそれであろうと、私の行動は変わりませんわ~。」

 

だが、半分が気炎を上げる一方、もう半分は意気消沈している。

 

エル「エルの存在意義が行方不明デース…。」

キング「一流の名が泣くわ。こんな状態の相手を止められないなんて…。」

トプロ「スペシャルウィークさんにこんな裏の顔があったなんて…。もしかして私もこうなってしまうんじゃ…。」

マルゼン「お姉さん、自信なくしちゃうわ。走ることは楽しさが大事なのに、こんな走り方は楽しくないわよ。」

スズカ「先頭の景色が見られない上に、私と仲良くならないスぺちゃんがいるなんて…。」

 

そんな様子を横目で見るシーザリオ。

 

シーザリオ(やっぱり、どんな集団でも自発的に動けるのは少数で、与えられないと動けないのが多数派。であれば、一人だけを選ばせるというのがそもそも非合理的。ならば、開き直って誑し込んだ相手に対して責任を取らせるのが吉。そもそも修羅場になるのは、欲望を満たせないから。総受けはスぺを自分色に染め上げるから、他人の色に染まるのを許せない。これがゲームだったらスぺ先輩を攻めに変更するなどして思い通りにいくが、これは現実…、いや待て、ゲーム?そうだ!)

 

何かに気づいたシーザリオ。

 

 

~アメリカ~

サンデーサイレンスは、生徒会会議に出席していた。アメリカのトレセン学園は、理事長がノーザンダンサー、生徒会長がシアトルスルー、副生徒会長にイージーゴア、会計にティズナウ、庶務にシガー、ゼニヤッタと、錚々たる面々である。(因みに実績からすればセクレタリアトも入れるが、のんびりした性格から激務は好きでないとして辞退。)

 

シガー「成程、いつもキレている先輩が大人しく出てきたのは、スペシャルウィークがいるからか。」

ティズナウ「しかし、だからと言って正式に編入させるわけではないウマ娘の面倒を見るのは、こちらとしても責任が持てないな。」

SS「別にトレーニングさせろとは言わねえ。付添人として同行の許可さえくれればそれでいい。」

ゴア「それくらいならいいんじゃないかな。」

シガー「ゴア先輩、しかしそれでは…。」

ゴア「反対するなら、サンデーの事、君が対処してね。」

シガー「賛成します。」

スルー「よし、決まりだ。スペシャルウィーク、君はサンデーサイレンスの同行時のみ、この学園の見学許可を与えよう。」

スぺ「ありがとうございます。」

SS「よし、早速案内するぜ。」

スルー「待てサンデー。君への条件をまだ言ってないよ。」

SS「なんだ面倒臭え。サッサと言え。」

スルー「スペシャルウィークの独占を禁止する。」

SS「は、ふざけんな!」

スルー「ほお、これほどの名バを独占出来るとは、君も随分と偉くなったものだね。」

SS「チッ…。」

 

サンデーが舌打ちする。幾らG1を6勝しているとはいえ、これまでの行動から反論するのは難しい。

 

スルー「では早速。」

スぺ「く、くすぐったいですよう。」

 

シアトルスルーがスぺとじゃれ合う。

 

シガー「あーあ、こんな性格いい子がサンデー先輩に運命を感じるなんて。ゴア先輩だったら良かったのに。」

SS「それはどういうことだシガー。」

シガー「ゴア先輩だったら、アメリカのトレセン学園の生徒にしやすかったってことです。」

SS「…。(こっちに戻ってきたのは間違いだったか?)」

 

サンデーが揺れていると、そこに電話がかかる。

 

SS「失礼。ん、シーザリオか。何、抜本的解決方法が見つかったから、スぺを連れて戻って来い?うーむ、そのやり方なら、確かに効果ありだな。よし、こっちは何とかする。」

 

SS「スルー、さっき言った内容は、この先も続くのか?」

スルー「当然だとも。毎回新規発行していては手間がかかるし、彼女はそのような扱いをしていい存在じゃないからね。」

SS「それを聞いて安心した。日本に用が出来たから連れて戻る。またすぐに戻ってくるからな。行くぞ、スぺ。」

スぺ「は、はい。」

 

バタン

 

ティズナウ「行ってしまった…。」

シガー「まあいいじゃないか。日米を反復横跳びするなら。」

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