グラス「スぺちゃん、もっとです。」
シーザリオ「グラス先輩、ちょっと求めすぎじゃないですか。」
スぺ「でも、グラスちゃんが求めるなら、それに応えるべ…き…」
バタリ
「「「スぺちゃん/先輩!?」」」
◇
「軽い疲労ですね。」
デジタル「やはり、元が総受けのスペシャルウィークさんが、総攻めを維持するのは難しいですね。」
ルドルフ「解決策はあるのか?」
シーザリオ「ありますよ。私とデジタル先輩、ドーベル先輩、ロブロイ先輩、シャカール先輩の総力を挙げて作った、スペシャルウィーク攻略ゲーム、その名も『スペシャル☆メモリー」が。」
エル「とき○きメ○リアルみたいな感じデース。」
シャカール「あれは主人公が一人で攻略ヒロイン複数だが、これは逆だ。プレイ可能なキャラが複数で、攻略する対象が、スペシャルウィーク一人だ。つまり、好きなキャラでスペシャルウィークを攻略するゲームだな。」
スカイ「これって、全部クリアするとハーレムルートが解放されたりするの?」
デジタル「あー、まだないですね。そもそも、まだフラグ立った人達全員分のルートも作れていないので、試作版です。」
スカイ「でもさ、出来ているのを見るだけでも違うよね~。」
デジタル「じゃあ、テスターをお願い出来ますか?」
エル「勿論デース!黄金世代皆で攻略しましょう!」
◇
黄金世代編
~エルコンドルパサーの場合~
難易度:高
恵まれた才能を生かして世界最強を目指すルート。
クラシック級:真っ当にライバル関係を築く。
シニア級:フランスで好走する。
~グラスワンダーの場合~
難易度:高
自身の能力の高さを、怪我で殺さないように管理するルート。
クラシック級:怪我を直しつつ、なるべくレースに出る。
シニア級:怪我をしない程度にレースに出る。
~セイウンスカイの場合~
難易度:低
ライバルとして同じ路線を走り抜けるルート。
クラシック級:ひたすらクラシック路線を走る。
シニア級:ひたすら中長距離路線を走る。
~キングヘイローの場合~
難易度:中~高
自身の距離適性を考えるルート。
クラシック級:ひたすらクラシック路線を走る。
シニア級:短距離路線へ変更するか、中長距離路線を取るかの二つのパターンがある。
~ツルマルツヨシの場合~
難易度:中
怪我を如何に克服するかを考えるルート。
クラシック級:怪我に負けない体づくりをする。
シニア級:兎に角同じレースを走ってフラグを立て、関係を進める。
◇
デジタル「どうでしたか?」
エル「このゲーム、中々狡い作りデース。」
ツヨシ「難易度が五段階に分かれ、全部クリアするのが中々大変です。」
このゲームの難易度は以下の通りである。
易しい:プラスイベントおよび選択肢のみ出現。ゲームの基本を学ぶ。
普通:怪我などのマイナスイベントや、評価が下がる選択肢が出現。常識的な判断が出来ればクリア可能。
難しい:スペシャルウィークの嗜好を良く知っていないとクリア不可能。ここから難易度が跳ね上がる。
鬼:他のキャラとの絡みが大きくなる。クリアの為に一方的な行動をすると必ず失敗する。
リアル:ランダム要素追加、現実の出来事に合わせてイベント随時追加。理不尽要素も加わり、学園生徒以外の人間にとっては、実際にスペシャルウィークと付き合うのと変わらないレベル。
スカイ「攻略データを持ち越せるのが救いだね~。そうじゃなかったら、とんでもないクソゲーになっていたよ。」
デジタル「あー、やっぱりですか。実は、デジたんとしては、データが重くなるので最初はカットするつもりでしたが、テストした結果、難しい以上だとシャカールさんが匙を投げるレベルで詰まってしまうんですよ。だからってこのシステムを変えるとゲームにならないですし、難しいですね。」
キング「あーもう、どうなっているのよ。」
デジタル「どうしましたか?」
キング「短距離路線にシフトしたら、全然関係が進まないのよ。」
デジタル「短距離路線は中~上級者向けですね。初心者は中長距離路線を維持するのが基本です。」
キング「現実通りにいかないじゃない。」
デジタル「ゲームになれたら、大丈夫ですよ。」
キング「し、仕方ないわね、次は中長距離路線でやってみるわ。」
グラス「…。」
デジタル「どうしたのですか?」
グラス「難易度鬼でのマイナスイベントが多過ぎです。特にこの独占力が、このイベントでどの選択肢を選んでもほぼ確定でついてきます。」
デジタル「あー、グラスワンダーさんの普段の言動をゲームに反映したら、こうなってしまいました…。」
グラス「クリア、可能なのですよね?そうでなければ、私は認めませんよ。」
デジタル「あー、その、デジたん達も、グラスワンダー編はまだ一回しかクリアしていないんですよ…。」
スチャ(薙刀を取り出す音)
デジタル「ひええ、お許しくださいー!」
グラス「デジタルさんに責任を問うつもりはありません。これが私の鏡であるならば、腹を切って詫びるのが筋というものです。」
エル「グラス、早まっちゃダメデース!」
◇
東条「それで私がプレイすることになったわけね。」
デジタル「はい、トレーナーさんがクリア出来るのであれば、グラスワンダーさんも思いとどまるかと…。」
東条「まさかこの年でゲームを、それも担当のメンタルケアの為にやるとは思わなかったわ。」
沖野「おハナさん、俺もやっていいかな?」
東条「ええ、お願いするわ。」
暫く二人がゲームを進める。やがて、手が止まる。
デジタル「ど、どうですか?」
東条「クリアしたわ。このゲーム、確かに良く作られているわね。グラスの性格上の欠点を鑑みれば、引っ掛かるのも当然といったところかしらね。」
沖野「ああ。グラスワンダーは普段はお淑やかな大和撫子だが、物凄く負けず嫌いだ。レースでも、これと決めた相手を徹底的にマークする戦法で勝利をもぎ取る。だがこのやり方は、自分が意識から外していた相手に負けると、処理能力を超えてしまい、理不尽に感じるんだよ。」
東条「それが起きると、マイナススキル『独占力(実生活)」が付きやすくなる。レースでの独占力は強力だけど、実生活での独占力は、イベントでのプラス効果の減少、マイナス効果の増大を起こす、実質的なゲームオーバースキルよ。」
デジタル「では、お二人は、どうやって回避を?」
それを聞いて、二人は示し合わせたように頷く。
東条「私は、全員のデータを事前に叩き込ませることで、理不尽さを回避させたわ。」
沖野「それは普通じゃないのか?」
東条「ここで重要なのは、最初の契約での条項から徹底することよ。」
沖野「つまり、現実に当て嵌めると、選抜レースを見ただけで、マンマークする特性を見抜け、か。きついこと言ってくれる。」
東条「そういう貴方はどうなの?」
沖野「マイナススキルを強制解決するイベントを発生させる。」
東条「あら、私のやり方よりも確実性は高いじゃない。」
沖野「いや、このやり方はトレーナーの所持金がかなり持っていかれる。いやー、こんなところまで再現してくるとは…。」
デジタル「一から十まで創作するより、現実をベースに作った方が手っ取り早いですから。お気に召さないのでしたら変えますが。」
東条「いえ、このままの方が良いわ。でないと、力業で解決しようとする安直なトレーナーが量産されかねないもの。」
沖野「トホホ…。」
何はともあれ、クリア可能なことが示されたため、東条トレーナーがグラスワンダーに説明する。
東条「という訳で、グラス、私のクリア動画を見て研究し、自分の手でクリアしなさい。それが今日のトレーニングよ。」
グラス「は、はい。」
グラスは必死になって研究する。
グラス「うう、私の戦法は、レースならまだしも、現実でやるとなると凄く難しいのですね…。」
一レースにつき最大でも20人足らずの相手を研究すればよいレースと違い、実生活では数に上限がない。しかも、このゲームは高難易度だと伏兵が幾らでも湧いて出てくる仕様である。一回限りの登場のモブが、スペシャルウィークの嗜好に刺さった結果、ネームド全員をごぼう抜きする事さえあり得るのだ(デジタル達がテストプレイした時には発生しなかったが、キングが中長距離通算二回目の時に発生。攻略動画として保存されることになり、嬉しいやら悔しいやらで複雑なキングであった)。
◇
数日後、漸くグラスが納得いく結末に到達する。
グラス「こ、攻略しました…。」
デジタル「やっぱり、グラスワンダーさんがプレイすると、これくらいの成績を残さないと駄目ですね。」
出た結果は、怪我を短期間で直して無敗の三冠バとなり、シニア中長距離路線でグランドスラムして、日本史上最強のウマ娘になる、であった。
エル「でも、これだと現実のグラスはどう足掻いても達成不可能です。怪我をした時点で、クラシックレースには出られませんから。」
グラス「ええ。やっぱり…。」
スペ「駄目だよグラスちゃん。」
グラス「スぺちゃん!?」
スぺ「トレーナーさん、私もグラスちゃんのルート、攻略してみます。」
沖野「あ、ああ、頼むぞ。俺達はトレーナー目線でクリアしたが、どうにも当事者目線だと選びにくいみたいでな。」
暫くスぺがプレイする。そして…、
スぺ「出来ました!」
なんと、現実と同じ成績で、攻略に成功したのである。
グラス「スぺちゃん、どうしてクリアを!?」
スぺ「私がグラスちゃんなら私をどう攻略するか、そういう視点で考えながら進めていったら、クリア出来ちゃいました。」
スカイ「君、まだいたんだ。」
エル「それって半永久的に居座るってことじゃないですか!?」
グラス「…、スぺちゃん、来週時間ありますか?」
スぺ「そ、それは大丈夫だけど…。」
グラス「一緒に来てほしいところがあります。」
スカイ「ほほう、それはひょっとしてデートですかな~。」
グラス「そうです。」
エル「グラスだけとはズルいデース!」
東条「エル、今回はグラスに譲って。」
エル「トレーナーがそう言うなら、仕方ないですね。但し、グラスにはきっちり埋め合わせを要求しますよ。」
スカイ「それなら私も~。」
キング「私もよ。」
デジタル「ひょえ~、デート一つするのも調整が大変です~!」
DLしてPDFで閲覧出来るようにするため、ハーメルンへの投稿を再開しました。
字数制限の関係で、番外編は除外した上で投稿します。