艦これSS パールハーバーの提督   作:九九艦爆

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第六話 増援

~~提督執務室カッコカリ~~

 

提督(食料もそろそろ限界か…)カリカリ

 

提督(早めに本島のほうも制圧しなきゃな…真珠湾に何があったかも知りたい…)カリカリ

 

提督「ふぅ…」コーヒーノミノミ

 

提督「なぁ、夕立…」

 

夕立「ぽい?」

 

提督「なんで俺の膝に座ってるんだ…?」

 

夕立「提督さんが最近構ってくれないからっぽい!」

 

提督「だとしても執務中に膝に乗られると困るんだが…」

 

夕立「構ってくれるまでどかないっぽい!!」

 

提督「えぇ…わかったよ、散歩にでも行くか。」

 

夕立「ホントに!やったっぽい!」クルッ

 

提督「お、おい!抱き着くんじゃない!離してくれ!」

 

??「…」コンコンコン

 

提督「ちょっと待ってくれ!おい、夕立!離せ!いや力強すぎだろ!」

 

加賀「失礼しま…」ガチャ

 

提督「…あ」

 

加賀「…何してるのかしら、こんな昼間から。」

 

提督「違うんだ加賀!これは夕立が勝手に乗ってきたのであって俺は何も…」

 

加賀「憲兵…はいなかったわね。由良さんでも呼んできますかね…」スタスタ

 

提督「ロリコンを広めようとするな!てか待ちやがれ!誤解だ!それより夕立もいい加減離せ!」

 

夕立「今まで構ってくれなかった罰っぽい!」

 

 

真珠湾に提督が着任して一か月がたった。第一次真珠湾空襲や敵艦隊の接近以外に目立った深海棲艦の動きはなかった。今まで懸念されていた地上からの攻撃も今のところないが、戦力の都合で制圧に乗り出せない状況であった。しかし、もともと連れてきていた特設ヒ100輸送船団に積まれていた食料などはそ底をつきかけていた。提督が夕立と戯れているよりも三日前、あるできごとがあった。

 

~~三日前、カウアイ島沖~~

 

??「右舷、一キロにカウアイ島。座礁に注意して。」

 

提督「どうだい?目立ったものはあるかい、時雨。」

 

時雨「うん…特に目立ったことはないよ。建物はあっても人はいないみたい…少し不気味だね…」

 

提督「変だな。島を捨てたのか、ほかの何かがあるのか…」

 

見張員妖精「十時の方向、潜望鏡視認!距離…推定三キロ!」

 

提督「総員!戦闘配置につけ!対潜戦闘用意!」

 

《パッパッパッパッパッパパパー パッパッパッパッパッパパパー》

 

提督「機関増速、爆雷投射用意!」

 

見張員妖精「潜水艦、浮上!上がってきます!」

 

提督「は…はぁ?浮上だぁ?時雨、攻撃はいったん中止!砲戦の用意だけしておけ!」

 

時雨「う…うん。」

 

 

提督たちがカウアイ島の現状確認中にあった潜水艦は日本海軍の潜水艦、海大Ⅵ型aの一番艦【伊号潜水艦第百六十八潜水艦】であった。彼女、伊168、通称イムヤは真珠湾にある情報を伝えに来たのであった。それは真珠湾へ大規模な増援、そして補給についてだった。提督は機密文書を受け取り、衝撃を受けた。補給はまだしも、増援についての項目をみたとたん、提督の顔は青ざめたのであった。海上戦力の大規模な拡張、そして陸上戦力についての項目が異様なほど量があり、中には目を疑う項目もあった。そしてその情報を伝えたイムヤも真珠湾所属になるという内容もあった。これは艦娘のイムヤにも伝えられておらず、なぜこの指令があったのかもよくわかっていない。

 

~~現在、真珠湾~~

 

提督「はぁ…ようやく解放されたか。まったく夕立は元気な子だよ…」

 

加賀「そうね、ロリコン提督さん。」

 

提督「やめてくれ…不可抗力だ…」

 

加賀「それよりも今日中に来るんじゃないのかしら?増援というのは。」

 

提督「そうだと思うんだが…索敵網に引っかかるだろ。あそこの艦隊もくるって話だからな。相当大所帯で来るぞ。」

 

??「May I come in?」コンコンコン

 

提督「Yes,come in.」

 

フレッチャー「失礼します。提督、」ガチャ

 

提督「あれか。」

 

フレッチャー「発信源不明の通信より、『新人の歓迎会は明日の夜明け』とのことです。」

 

提督「ついに来るか…受け入れ準備だ、湾内に停泊できる場所を少しでも確保するぞ。」

 

 

~~翌朝~~

 

提督「夜通し作業ってのはさすがに眠いなぁ…」

 

由良「はい、提督さん。コーヒーです。」

 

提督「あぁ、ありがとう。…すまない由良、車のカギをとってくれるか?そろそろ港のほうに行こうか。加賀、ついてきてくれ。」

 

加賀「わかったわ。橋口少佐、あなたも行くわよ。」

 

橋口少佐「了解です、姐さん!」

 

由良「鍵です。由良のお仕事はほかにありますか?」

 

提督「おぉ、ありがとう…そうだな、駆逐艦たちを起こしてきてくれ。あと少し仮眠をとってきなさい。夜通し作業だったからな。」

 

由良「ありがとうございます…少し休んできます。」

 

提督「さぁ、これからが俺の戦場だな。」

 

数時間後、真珠湾の増援を連れた艦隊が到着した。その艦隊には横須賀鎮守府、佐世保鎮守府、呉鎮守府から選抜された艦が増援を乗せた船団を護衛していた。主な艦艇は金剛型の金剛、榛名、第二航空戦隊の飛龍、蒼龍。軽空母龍驤や重巡高雄、愛宕などである。そのほかにも軽巡や駆逐艦が多数。かなりの大艦隊である。当然真珠湾内には収まらないため、輸送船、真珠湾に移動になった艦を優先的にフォード島横にある【戦艦横丁】の名で有名な場所に横づけし、停泊した。護衛の主力は潜水艦の脅威を避けるため湾内に停泊、駆逐艦などは交代しつつ周辺の哨戒を行った。

 

~~フォード島臨時応接室~~

 

提督「お久しぶりです、長官。」

 

連合艦隊司令長官(大将)「久しぶりだなぁ、元気そうで何よりだよ。」

 

提督「はは…なんとかうまくやってます。」

 

長官「久しぶりの再会なんだが君に謝らないといけないことがある。このような危険な任務に付き合わせて申し訳ない。」アタマサゲ

 

提督「長官?!なにをしてらっしゃるんですか!頭を上げてください!」

 

長官「いや、本当になんて言ったらいいか…少ない戦力で最前線に送り出して…」

 

提督「長官、それは問題ありません。私だって五体満足でやってますし一人も死人を出していませんよ?何も頭を下げるほどでは…」

 

長官「うむ…とにかく、危険な任務を押し付けたことには変わりない、すまなかった。」

 

提督「いいんですよ…私の失態のせいでこうするしかなかったのは知ってます。」

 

長官「ん…それより増援について話そうか…」

 

提督「はい、それで、内訳を詳しくお願いしたいのですが…」

 

長官「わかった、まずは海上戦力からいこう。残念だが戦艦、空母の配備はない。理由は…言うまでもないな、大本営や海軍省の奴らが原因だ…次に重巡洋艦、青葉型の二隻が来た。それに軽空母の鳳翔だ」

 

提督「軽空母と重巡が二隻もくるのはいいんですがこんな最前線にいささか旧式ですね、青葉型は一万トン以下ですし、鳳翔に至っては…」

 

長官「それはすまない…だがこれでも増えたほうなんだぞ?とにかく次だ、軽巡だがこれも二隻だ。夕張と、大淀だ。大淀は去年の末に就役した新造艦で、潜水艦隊旗艦としての能力をもたせたんだが…まぁ、この事はあとで説明するよ。最後に駆逐艦だ。これも比較的新型の夕雲型から二隻だな夕雲と長波だな。」

 

提督「新型艦ですか…ありがたいですね…あと先ほど言っていた大淀の話は?」

 

長官「あぁ、実はミッドウェー島に潜水艦隊の基地を置くことになったんだ。潜水母艦を配置して太平洋…特に北方の攻略のために配置する。一様滑走路も使用可能な状態だから対潜哨戒用の航空隊と防空隊も配置することになる。一応真珠湾のお抱えになる。かといって潜水艦隊の指揮はこっちだが基地はそっちの管轄だ。よろしく頼むぞ。」

 

提督「えぇ、ある程度は聞いていましたが…こりゃ仕事が増えますな。それで大淀は何故こっちの配置なんです?」

 

長官「もし小さなミッドウェー島が深海の大艦隊にでも襲撃されればすぐ壊滅するのは目に見えておる。もしそうなったとき指揮権を一時的にそちらに移すことになる。それと、潜水艦隊の行動情報をそちらに伝えなければならないしな。」

 

提督「わかりました。それでは要請を出していた地上戦力は?」

 

長官「じつは海軍でそろえた陸戦隊を主力で配置するはずだったんだが陸軍に敵地上戦力がいることが流れたらしく南西諸島での膠着や大陸戦線の落ち着きで出番が欲しい陸軍が来ることになった。」

 

提督「まさか航空隊までくるとかは言いませんよね?」

 

長官「そのまさかだ、少ないとは言え来ている。」

 

提督「フォード島飛行場以外はまともに使えないんですよ?航空隊の受け入れは無理があります!」

 

長官「わかっておる…その飛行場を奪取するための地上戦力だろう?とにかく変更はできない…すまないがな。」

 

提督「……」

 

長官「そんな償いを込めて私もいろいろ手配させてもらった。南方が比較的落ち着いてきているのは知っていると思うが、補給の面もかなり安定してきているんだ。その周辺に住んでいた住民の協力も得てまともな食事ができているらしい。その代わりこっちは本土…もとい周辺の島も人がいるのかわからない。それも踏まえ、給糧艦の間宮を真珠湾に配置することになった。それに伴い、周辺の畑を利用し海軍陸軍共同で食料自給化を進める。」

 

提督「…頭が痛いです…本土に帰らせてください。」

 

長官「そう言うな…そのため君の補佐になる人物を連れてきた。入ってくれ。」

 

??「ハッ!失礼します!」ガチャ

 

提督「…冗談か夢でも見ているんですか?なんでこいつが…?」

 

長官「自己紹介は…いらないか。君の元相棒、佐々木中佐だ。」

 

佐々木中佐「先輩…いえ、少将…これも違いますね…提督。再びあなたの下で働けて光栄です。」

 

提督「お前…あの後で退役したんじゃ…」

 

佐々木中佐「あんなことでやめるわけないでしょう、なんたってあなたに鍛えられた海軍軍人なんですから!」

 

長官「さて、詳細はすべて機密文書にまとめてある。確か君の秘書艦に渡したはずだ。目を通しておいてくれ。それと、明後日には出港する。空の輸送船は連れていく。ミッドウェー島の配備が終わり次第定期船を回せるようになる。」

 

提督「了解です。」

 

長官「私は少しここを見て回るよ。佐々木君、行こうか。」

 

提督「少々お待ちを…『こちら応接室。…あぁ、俺だ。すまないが由良をこっちによこしてくれ。…頼む。』長官、案内役を付けます。」

 

長官「何から何まですまないね。」

 

 

こうして真珠湾に増援が到着した。かなりの戦力の増強ではあるが最前線、ましてや敵の本拠地の目の前の基地には圧倒的に足りない戦力であった。海上戦力のほかに海軍の基地航空隊の増強。加賀、赤城隊の機種転換を行った。内容は零戦二一型を二二型または三二型に変更(三二型は練度の高い搭乗員ように二式30ミリ機銃が搭載された試験機が実戦テストとして数機配備)そして九九艦爆一一型を二二型に変更した。(更新された後も予備機として今までの機体も真珠湾のものとなった。)さらに大陸、本土の航空隊より精鋭の偵察機搭乗員、対潜哨戒機搭乗員、陸攻搭乗員、機体を配備。これらは今まで加賀、赤城隊が行っていた周辺偵察の任を引継ぎ、二式艦上偵察機、一式陸攻、九七艦攻などが配備された。防空隊として赤城隊への増強といった形で上記の零戦、そしていくつかの試作機が実戦試験として配備された。陸軍は戦車隊、航空隊を大陸戦線から引き抜いている。どれも各地の部隊からの混成であるため、海軍は真珠湾航空隊と呼称。陸軍もハワイ方面軍とし、ほかの部隊と呼称が異なっている。陸上戦力として海軍は陸戦隊として特二式内火艇などの兵器と兵士500名ほどを配備、陸軍は3000名程度の歩兵、九七式中戦車などを一定数配備する形になった。航空隊は一式戦Ⅱ型、九七式重爆などが配備された。このほかにも様々な兵器、装備が配備されているが後々説明していく。

 

~~フォード島桟橋付近~~

 

加賀「この荷物を全部捌くのはかなり時間がかかりそうね。」

 

提督「もうあたまいたい。」

 

??「提督直々に荷捌きとは感心だなぁ。」

 

提督「お久しぶりだな、杉本。」

 

そこには半そでのシャツに軍服を腕も通さず肩にかけ、軍刀を持った男がいた。彼は提督と同期、階級も同じである少将の呉鎮守府の提督、杉本熊重が立っていた。その堂々とした姿、勇敢で積極的に勝負を挑む性格から呉の熊と呼ばれている。

 

杉本少将「少しの間世話になるからな、挨拶ぐらい…と思ったんだが。お前さん、なかなか大変そうな場所に飛ばされたなぁ。気の毒だよ。」

 

提督「なんとでも言え。だがあれだけことをしたんだ。このくらい素直に受け入れるさ。」

 

杉本少将「まぁ、責めるつもりはないさ。おれがお前の立場だったらもっとひどいことになっていたはずだぞ?それになんやかんや今は戦果も挙げてるし死人も出てないそうじゃないか?それだけで十分なんじゃないか?」

 

提督「…」

 

杉本少将「そう思い込む必要はないさ。そうだ、今晩お前さんの部屋で一杯やろう。今までの話も聞きたいしな。」

 

提督「わかった。楽しみにしておくよ。」

 

杉本少将「おっと、そういえば荷物の手続きがあるんだ、失礼するよ。」タッタッタ…

 

~~数時間後、臨時応接室~~

 

提督「…」コンコンコン

 

提督「…どうぞ」

 

??「失礼する。」

 

提督「…」(無言で敬礼)

 

提督の前には海軍では見慣れない軍服、敬礼をしている男がいた。

 

??「本日付けでハワイ方面隊司令に着任した、陸軍大佐江原だ。」(陸軍式敬礼)

 

提督「…陸軍の派遣、感謝する。そして歓迎するよ…ようこそ、パールハーバーへ…」

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