青葉くんは出てこないです。
「冬弥、ちょっといいか」
「彰人か、どうかしたのか?」
名前は
『BAD DOGS』という名前でストリートライブを行っていたが、紆余曲折あり、
「うちのクラスの出し物がお化け屋敷なのは知ってるな?」
「あぁ、彰人から聞いたことがある。それに俺のクラスからも、そのことは度々耳にしている」
冬弥のクラス、1-Bでも噂になっている。
つくりこみがすごいだとか、気合が入ってるだとか……。
どのようなものなのか、冬弥も気になっていた。
「それがどうかしたのか?」
「うちのクラスのリーダーがそのお化け屋敷がどんなものか、ほかのクラスのやつを使って確かめたいそうだ」
「なるほど、それで俺に体験してもらいたいということだな」
「あぁ」と彰人は首肯する。
「わかった。今は作業を休憩しているから、俺も協力できる」
「おう、助かる」
「入るのは俺一人か?できるならもう何人かいたほうがいいんじゃないか?」
「いや、オレ以外にも、ほかの連中が呼びかけに言っているから大丈夫だ」
「確かめたいといっても、大勢の人がお化け屋敷が体験したら意味ないからな」
「確かに、あまり中を知られすぎたら面白くないな」
「それじゃあ行くか」という彰人の言葉に返事をした冬弥は、肩を並べて歩き出す。
「(お化け屋敷……考えれば行ったことがないかもしれないな)」
「(どんなものか楽しみだ)」
冬弥は小さな笑みをこぼし、1-Cを目指した。
「あっ彰人くん、やってみたいってひと見つかった?」
「うん、オレの友人を連れてきたよ」
「一年B組の青柳冬弥だ。お邪魔させてもらう」
「全然大丈夫!わたしたちが誘っているからね」
「私は――、1-Cのリーダーをしているよ。それより冬弥くん、そっちの作業とか大丈夫?」
「問題ない。丁度休憩中に彰人に連れられてきたからな」
「それより、C組のお化け屋敷がどんなものか気になるな。ここを通るたび、気合が入っていると思うからな」
「そこは期待してくれていいよ!まだ完成はしてないけど、ほとんど出来上がってるから楽しめると思うよ」
「そうか、楽しみだな。」
C組の見た目は異様に変わっていた。
壁は所々茶色に変色していたり、本物のようなツルやツタが張っていたりと年季の入った家のような見た目だ。
両隣の壁が乳白色なぶん、際立っている。
「本当はここで説明とかするんだけど、彰人くんがついていって説明するかたちでいい?」
「うん、大丈夫」
「冬弥くんもそれでいい?」
「あぁ、問題ない」
「ありがとう。それじゃあ準備するから少し入ったところで待っててね」
――さんはそういうと、中へ入っていった。
「じゃあ、オレたちも入るか」
猫かぶりをやめた彰人に反応をし、冬弥は教室に入る。
ビニール袋で囲われた小部屋には一つの絵が置いてあった。
質素な服に身を包んだ少女で、顔はマジックで塗りつぶされている。
だが、可憐な少女なのだろうと冬弥は思った。
「すごいな、この絵は……なんというか引き寄せられるというか……」
「だよな、……その絵を描いたやつ、このお化け屋敷の小道具として使うためにわざわざ描いたそうだ」
「それは……気合が入ってるな」
正直、冬弥はどこかのコンクールに出せば入賞はとれるだろう絵を、こんなことのために描いた人の気が知れなかった。
「どうしてこの絵をこの部屋に置いてあるんだ?」
「一応、このお化け屋敷を出るためにこの絵に描かれている赤いリボンを持っていかないといけないっていう設定があんだ」
「なるほど、それで」
「(その為だけに頑張ったのか……その人は。)」
「……彰人くん、冬弥くん、準備できたよ」
黒のビニールの暖簾から出てきた――さんは笑顔で次の言葉を吐いた。
「それじゃ、楽しんでいってね!」
『清廉な少女』
作者:宵崎青葉
8時間以上かけて描き上げた少女
顔も描く予定だったが、彼の集中力が切れたand眠かったことでマジックで手抜き
本当はちょっとだけ顔は描いた
質素な洋服に包まれた彼女は、見る人を引き寄せる。
塗りつぶされた顔は愛くるしくて、もしくは可憐で、もしくは……。
マジックの隙間から見える鼻や口などを見た人は、容姿は違えど全員が美少女を想像する。
コンクールに出せば確実に入賞するだろう。