お化け屋敷の内容は面倒なんで割愛。
お詫びにこれあげるから許して?
――少女は、ある家で養子として迎えられた。
父親は土砂崩れに巻き込まれて、母親は病でいなくなった。
親戚は誰も彼女を引き取ろうとせず、いろいろ揉めて母親の姉に引き取られることとなった。
叔母(母親の姉)は決して裕福な家庭とはいえず、叔母と、叔父と息子が3人の5人で生活していた。
そして、少女が増えたことによって生活は困窮することとなった。
彼女は自分が歓迎されていないことは分かっていた。
叔父は無関心、叔母は家の手伝いでこき使う、兄たちは嫌悪感を隠さずいじめてくる。
そんな扱いである理由は分かっていながらも、彼女は悲しみと孤独感を我慢することができなかった。
今は亡き両親は、自分たちの愛しい娘に愛を注いできた。
健やかに、穏やかに少女を育ててきた。
父親がいなくなっても、母親が病に臥せっても、変わることなく育てていった。
だからこそ、少女はいまの生活に耐えられなかった。
そんな彼女を支えるのは、お誕生日のプレゼントで両親から贈られた赤いリボンだった。
昔の家から持ってきたテディベアでも、母の形見のネックレスでもなく、華奢な赤いリボンが彼女を支えてきた。
――だって、ぬいぐるみは兄たちがどこかに隠してしまったから。
――だって、ネックレスは売り飛ばされて食べ物に変わったから。
――だって、これしか残り続けなかったから。
このリボンのおかげで、いないものとして扱う叔父にも、愛のない厳しさでこき使う叔母にも、玩具扱いをしてくる兄たちにも耐えることができていた。
ある日、叔母にお使いを頼まれて、街に繰り出した。
彼女に見向きもしない人たちの群れに揉まれながらも目当てのものを手に入れた彼女、その帰り道。
少女は一人の男の子と出会った。
切っ掛けはなんてことない、彼がものを落として彼女が拾った、ただそれだけ。
ただ、彼が落としたものは親の形見でこれしか残ってない、ただこれだけ。
彼女が興味を示してしまった、それだけ。
それだけだが、少年と少女の距離は縮まっていた。
そこからは簡単だった。
街で会うたびに交流を深めて、深めて、深め続けて。
遂には彼を家に招待するようになった。
家族がいない間に、こっそりとばれないように。
彼らは、実に楽しそうだった。
――けれども、あぁ……
いつものように少女は少年を家に招待した。
家には家族は一人もいないはずだった。
兄たちがいた。
生意気な。売女め。魔女が。
少女は手を掴まれ引きずり倒された。
腹を蹴られた。手足を踏まれた。髪を引っ張られた。椅子をぶつけられた。あざだらけになった。
少女は少年に助けを求めた。
〝助けてッ助けてッ〟
〝黙れ、クソビッチが〟
兄たちは少女の変化に気づいていた。
お使いから帰ると楽しそうに笑う少女を。
自分たちを苦しめている魔女の変化を。
少女が変わったのは少年のせいだった。
――気に食わない
いつも笑わない少女は楽しく話していた。
――気に食わない
――俺たちが貧しくなったのはあいつのせいなのに
気に食わなかったから、少女を追いつめた。
少年に話しかけた。
少女のことを聞いた。
少女のあることないことを吹き込んだ。
――少女は少年の大事なものを奪おうとしているんだよ、俺たちがされたみたいに。
少年の瞳は嫌悪感と憎しみで濁っていた。
少女の呆け面に、兄たちはゲラゲラ笑う。
嗜虐心が刺激されて陶酔していく。
――そうだ
――こいつの大事なものを壊しちまおう
〝ッ嫌!やめて!〟
こいつの大事なものはこれ?
〝ダメ、本当にダメなの!〟
そう、そのリボン。髪ごと切っちまおうぜ。
〝やめてやめてヤメテッ〟
うごくなよ~アバズレ、狙いが逸れる。
ジャキン
〝アッ〟
〝いい気味だな〟
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス
1週間後、異臭がするといって一つの家に入ったところ、7人の腐乱死体が発見された。
包丁で何度も切り刻まれた跡が体中にあり、誰のものかさえわからなかった。
ただひとつ、きれいなままの死体があった。
ざっくばらんに髪が切られ、左手に包丁を持ち、太ももに乗せられた右手にはリボンを握りしめた、華奢な少女の死体だった。
この猟奇殺人事件は少女が家族を殺害し、偶然通りがかった少年も運悪く殺され、そののちに自害したという風に処理された。
その家は壊されずに残されている。
……しばらくしてから、その家には少女の幽霊が出てくるようになった。
……まったく、〝ひどい映画を見せられている〟気分だよ。間違いなくこれは悪夢だな。
「……」
「これで配置は大丈夫かな」
「ああ、問題ないだろう」
さて、何がどうやら覚えていないが今日はKAMIKOU FESTIVAL当日でげす。
ドキがムネムネしてくるね!
これに関して私、青葉くんちゃんさんはある一つの目標があります。
「……」
「昨日ゲームで徹夜したからねみー」
「お前この期間中ずっとじゃねぇか」
学年1位?トラブルなく終わる?
「……」
「ほら、早く準備しなさい」
「えぇ?まだ着替えなくてもいいじゃん」
のんのん。
違いますよ。
「それじゃあみんな、頑張っていこー!」
「「「「おー!!」」」」
「……おォー」
やるべきことは一つ。
食い物全制覇じゃー!!
「青葉くん、頑張ろうね」
「……せやな」
そうだな!(お腹いっぱいになるまで)頑張らないとな!
文化祭で屋台ぐらいしか楽しみがなかった高校生活だった
(´・ω・` )