目を開けると、真っ白な空間にいた。
ごちゃごちゃとものが、私を中心として存在している。
シンセサイザー、キャンパス、望遠鏡や古そうな車まで、一貫性のないモノたちが、遠いといえば遠いし、近いといえば近い距離にある。
なかには浮いているものがある。
さかさまに浮かんだ家に、ぬいぐるみでできた球体、おしゃれなマネキン。
気分はさながらサマー〇ォーズの〇z。
「ど、どこ!ここ!
「せーいかーい!」
「ひゃっ!」
突然の声に、肩が跳ねる。
後ろから、聞いたことのある声がした。
そして、思考がぐちゃぐちゃになった。
振り返る。今の声は、電子の声。
……スマホから光、不思議な空間、
だから、後ろの人は、多分、電子の歌姫……
「こんにちはー。それとも、初めましてかな、夜舞冬芽ちゃん?」
「ミク……」
そう、エメラルドグリーンに赤、茶、橙のメッシュが入った長髪をハーフアップに……ハーフアップ?
「……誰!?」
誰!?
「えぇ!?今、冬芽ちゃんの口からわたしの名前呼んだよ!?」
「嘘だ!ミクちゃんはツインテールと相場が決まっていたはず、ハーフアップのミクちゃんはミクちゃんじゃない!」
そうだ、ミクちゃんはツインテだ。
どのセカイのミクちゃんもツインテだったんだ。
だから目の前の……あれ?
……ビビバスのミクちゃんはツインテ?(お団子ツインテです)
……ツインテじゃ、ない!?(ツインテです)
……フゥー(深呼吸)
「ごめん、あなたはミクちゃんだったね。そういう髪形のミクちゃんもいるよね……」
「……う、うん」
急激な私の態度の変わりように困惑しているみたいだけど、ヨシ!
ミクちゃんの困惑顔かわいい!
そう思っていると、誰かに腕を引っ張られた。
「ユキ!」
「うひゃ!」
首をひねって後ろを見る。
……金髪ロング、つり目な碧眼、整った顔立ち。
ハーフな彼女は、焦った顔でこちらを見ている。
「あ、ラムちゃん」
「あ、じゃないわよ!あの光に飲まれたあと、こんなところに連れられたのに……どうしてそんなに冷静なのよ!」
「いや、だって……」
ここってばセカイだし……
「はじめして!絹更月蕾夢ちゃんだよね?初音ミクだよー」
「っ!初音、ミク?ミクってあのバーチャルシンガーの?」
ミクちゃんの方を見る。
〝そうそう、そういう反応だよ〟と言わんばかりに腕を組んでうなずいている。かわいい。
「……誰?」
「!?」
やっぱり、そうなるよね。
私もうなずいておこう。
……さて、と……とりあえず聞いておきたいことは聞いておこう。
ショックを受けた様子のミクちゃんに声をかける。
「ねえミクちゃん、ここって何?」
「え、ほんとにミクなんだ……」
「うぅ……蕾夢ちゃんひどい……。で、この空間のことだね?」
「ここは『セカイ』。あなたたちの本当のオモイでできたところだよー」
「本当の、おもい……」
「うんうん、見たところ、冬芽ちゃんはもう見つけてるみたい!」
「えっ」
やったね!ってミクちゃん言ってるけど、私が見つけてる?みのりちゃんみたいに?
……思い当たる節がないな。
……まあ、考えても仕方ない。
それにしても私がセカイにかー。
あの5つのユニットのどっかに!とは妄想したりしたけど、まさかどれにも当てはまらないとは……。
まあ、あの方たちの中に入っていくのはおこがましいからないな。
あ、そうだ、確かユニットは4人いたはず。
私と、ラムちゃん、あとは誰かと誰か。
んーミクちゃんに聞いたら教えてくれるかな?
「ねえ、私たち以外にもメンバーはいるの?」
「そうだよー、あと二人かな?」
「その人たちの名前って教えてもらえる?」
「フユ?」
「うん!いいよ!」
ラムちゃんは怪訝な顔でこっちを見てくるけどスルーする。
そんなことよりも、ニコニコかわいいミクちゃんから名前を聞きたい。
どうしてだろうね?私はその人たちとユニットを組んでいくのを知っているからかな?
みんなのように……みんなのようになれる状況になっていくからかな?
「あと2人の名前はー……
「宵崎青葉くん、だね!」
ここでも、その名前が出ちゃうのか
ムズカシイ……ムズカシイ……