周りの2年生たちが、こちらに視線を向けてくる。
こんなところに1年が、しかも入学の次の日にきているのだから当たり前か。
でも、目の前の先輩はただただめんどくさそうな雰囲気を醸し出している。
「とりあえず、お話が長くなると思うので、ここじゃなくてどこか別のところで食べませんか?」
「……はあ」
気怠そうに返事をした宵崎先輩は、こちらに背を向けて歩き出した。
その行動に少し困惑したが、食べかけだった弁当を持ってくるのだろう。うん、そうであってほしい。
それにしても、青葉先輩は何も疑問もなくこちらの提案に乗ってくれたな。
普通、私のような見知らぬ人からの接触に抵抗感、あるいは疑問があるはずなのだ。
そして余りかかわりたくないと思うのだが……それを考えれば、となりの名も知らぬ先輩はよくここまで付き合ってくれているなあ。
「あの、ごめんなさい。先輩をここまで私の都合に付き合わせてしまって」
「んーん、ダイジョーブ。私的には、青葉くんに用がある冬芽ちゃんのほうに興味があるからね」
「そうですか……ところで先輩、十六夜若葉って人知りませんか?その人のことも探していたんですけど」
「え、私のことも探してたの?」
「ええ、そうですそうです……え?」
え?
「あの……ものすごく今更なことなんですけど……先輩のお名前って……」
「だから十六夜だよ?十六夜若葉は私」
「……」
えええええええええぇぇぇぇぇぇぇ!?
「あ、敬語外しても問題ないよ、青葉くんも問題ないよね?」
「……いいんじゃない」
丁度戻ってきた青葉先輩は、迷惑そうな表情をして頷いた。
話す場所は屋上、原作キャラの暁山瑞希がよくたまに来る場所である。
昨日はここに行けなかったので、ついでに聖地巡礼をしに来た。
だが、失敗したかもしれない。
「うう……春先だから風が冷たい……」
「そうだねえ、中でお話ししよっか」
「……」
まあ、気を取り直して。
「実は私、昨日音楽系サークルを結成してですね、今メンバーを集めているんです」
「4人ぐらいで活動したいとおもっていて、人を探していたんです」
「それでどうして私たちに?」
「……」
「えーっとお」
若葉先輩は首をかしげて問いかけてくる。
まあ当然聞いてくよね。しかし正直に『ミクちゃんがあなたたちのことを言っていたので!』という荒唐無稽すぎる話は言えない。
……でも、私先輩達のこと何も分かっていないんだよね。
まさか情報収集のために動いたら一発ですべてがそろって本人がいるとは想像していなかった。
青葉先輩に目を向けてみる。
青葉先輩はこっちの話に参加するつもりがないのかご飯に集中している。
私が言葉を探していると、私に目を向けてきた。話半分で聞いているのかな?
……うーん、別にセカイに連れてってもいいな。
別にこの二人はあそこに必ず来ることになるんだろうし、今連れてっても変わらないだろう。
それに反応も見てみたいな。
「理由を見てもらったほうが早いですね」
「?」
「……」
スマホ開いて、『Untitled』を選択して……ポチッ
「眩しいと思うので注意してくださいね」
「?……わっ!?」
「……」
さて、うまく説明できるかな?
ご都合主義~♪