青葉くんは陰キャなので、人と話す時大体目が合いません
……それから姉は、必死になって曲を作り続けた。
……本当に、必死という言葉そのままに。
ご飯は栄養を取るだけに食べた。
――――けれどだんだん、食事自体が少なくなった。
家事をしなくなった。
――――手軽に手放せたのだろうな
寝ることが邪魔になった。
――――体の不都合なことは、強すぎる意志でねじ伏せてきた。
……追いつめている姉を、どうこうするつもりはなかった。
……いつ爆発するかわからないものに触れたくないのもそうだが……俺もきつかったから。
……前から周りの生徒になじめなかったのに加えて、家事の量が増えて、部屋から動かなくなった姉の世話をして、バイトをもって……最後は自業自得か。
とにかく、疲労がたまっていった。体でなく心の。
姉をどうこうするよりも、自分の時間が欲しかった。……これぐらいしか疲れをとる方法を知らなかったから
祖母は、そんな俺たちを気に掛けていた。
3人で暮らしたいが、病院で検査を受け続けていてできない。ごめんね……と。
正直、世話をする人が増えるだけだと思ったので、勘弁してもらいたかった。
だが、代わりに提案された家事代行サービスは嬉しかった。
――ううん、いらない――
どうやら姉は、そうは思っていないみたいで
――わたしは、誰かを救う曲を作り続けなくちゃいけないから……そっちに時間をかけてられない――
……ついに思いやりすら捨ててしまった感じか?
それともおかしな方向に考えてしまったか……
……まあ代行の人を頼もうか。
あと、しばらくはここに近寄らないようにしよう。
今の言葉には流石にイラッとした
……今日は代行の人と初めて対面する日だ。
家の前まで来てくれるので、その後に色々話し合う。
……姉の顔は一度も見なかった。
すなわち姉を世話する時間がなくなったわけで、自分の時間が取れた。
姉のことは気になるが、それよりもしたいことができることの方が重要だった。
……代行の人が来たので、外で対応する。
その時、学生さんが混じって来たことに驚いた。
なんでも、親に勧められて見学?体験?でここに来たのだそう、すごい。
言葉をいくつか話した後、家に入れることになった。
……そこで俺は、デジャヴを感じた。
玄関の戸を開けて、進んだ先に
――姉が倒れていた。
……はぁ、呆れた。
……直後に感じたことは、
「……」
……拝啓、天フォクにいるお
最近、姉がまーた暴走しておられます。
この1週間、姉のトレンドははじめと終わりに『ごめん、聞いてなかった』と『じゃあ、私は忙しいから』をつけることのようです。
……反抗期かナ?誰に対して?
あー思春期なのは分かりますが、えー同じく思春期なボキにとって、あー日本の夏ぐらいのストレスが、ありますねぇ。
まぁ、こっちは『そんな装備で大丈夫か?』と問われたら『大丈夫だ、問題ない』と答える程度には平穏です。
なのであなた
敬具、高1の俺くんより
「……」
さて、バイトに行くかな。
帰れるのは19時ぐらいだといいな、どうかな(通常21時半)。
今日は急遽代役とか頼まれないといいけど。
「……」
「あ、青葉くん、おつかれさまー」
「オツカレェッス、店長」
さてさてさーて、準備しますか。
……ん?
「お疲れ様です」
「オツカレェッス、
……日野森さん」
いつも傍観者気取りな青葉くん