キンカクモンのデジタマからは…
赤くてプニプニした一頭身体型の幼年期デジモン、プニモンが産まれた。
皮膚が丸出しの赤い頭部兼胴体に、大きな目が2つついている。
体の下側から生えている3本の突起を、前足や尾のように使って、地面をピョコピョコ歩き回っている。
パルモンやケンキモン(の本体)、カリアゲは、積極的にプニモンとコンタクトを取っており、フルーツ等で餌付けしている。
キンカクモンのデジタマがなかなか孵化しなかった理由だが…
ひょっとしたら「自身の遺伝子を周囲に適応させるのに時間がかかった」ためかもしれない。
キンカクモンには乳房がある。
あれは決して飾りではなく、授乳のための器官であるはずだ。
ともすれば、その幼年期デジモンは親デジモンから母乳を与えられて育つ形質を持っているはずだ。
ところがキンカクモンのデジタマは、その母乳を与えてくれる親デジモンから引き離された。
そのため、急遽母乳無しで生育できるように自身の胚を作り変え…そのために時間を取られたのではないかと推察している。
あくまで仮説だ。真の原因は別かもしれないが…
ともあれ、プニモンが母乳無しで生育できるように産まれてきてくれたことは僥倖といえるだろう。
…ちなみに、蛮族の集落で産まれるプニモン達は、なぜか我々のもとで産まれたプニモンとは「上下が逆」である。
つまり蛮族集落版のプニモンは、我々のもとで生まれたプニモンとは逆に、三本の突起が頭部の上側から生えるのだ。
多くの哺乳類型デジモンは、幼年期レベル1としてプニモンを産むが…
母乳を飲む種は突起が上になり、母乳を飲まない種は突起が下になり手足として機能するらしい。
ちなみに、全ての哺乳類型デジモンがプニモンを産むわけではない。
プニモンを産むのは、類人猿型やコウモリ型、有袋類型…そしてごく最初期に出現した極一部の哺乳類型デジモンなどだ。
世代が進んで進化を重ねた四足歩行の哺乳類型デジモンは、多くがパフモンという白い毛皮でモフモフのレベル1幼年期デジモンを産むそうだ。
…それにしてもわからん!
なぜ母乳を飲む個体群のプニモンは突起が上に来るんだ!?
どう考えても突起が下になって手足のように機能したほうが合理的だ!
一体何の意味があるんだ…!?
そう思って、デジタルワールドの哺乳類型デジモンを観察してみた。
キンカクモン同様に乳房を持っているデジモン…、イノシシ型デジモンのボアモンを見てみよう。
このボアモンはごく最初期に出現した哺乳類型デジモンであるため、パフモンでなくプニモンを産むのである。
ボアモンが、自分の巣に戻ってきた。
巣ですやすやと眠るプニモン達は目を覚ますと、もぞもぞとボアモンに寄ってきた。
ボアモンは脚を畳み、乳房をプニモン達へ近づける。
すると…
プニモンの頭の三本の突起の中心あたりに、なにやら穴が開いた。
プニモン達は、頭部から生えた三本の突起でボアモンの乳房に掴まると、自身の頭頂に空いた穴へ、ボアモンの乳首を入れた。
そのままプニモン達は、ブルモンの乳房へ三本の突起でしがみついている。
…
えっ!?口そこなの!?
てっきり目の下あたりにあるかと思ってた!
母乳を飲むタイプのプニモン達は、なんと口が頭頂に空いているのだ。
これは驚きだ。
頭頂の穴から母乳を飲むんだ…。
やがて、ボアモンに外敵が近づいてきた。
狼型デジモン、ファングモンである。
ファングモンは、プニモン達を狙ってにじり寄ってきた。
ボアモンはそれを察知したらしい。
プニモン達を乳房にぶら下げたまま、全速力で走り出した!
プニモン達は、走るボアモンの乳房にしがみついている。
ファングモンは、ボアモンを追いかけて走った。
…我々のデジドローンで出せるスピードよりも速く木々の中へ走り去っていったため、ボアモンとファングモンがその後どうなったのかは知らない。
だが…
プニモンの頭部の突起は、どうやら親デジモンの乳房へしがみついたまま逃げるためにあると考えて良さそうだ。
デジモン達は、我々の世界の動物の常識では考えられない進化をすることがある。
プニモン達もその一例だ。