デジタルモンスター研究報告会   作:タマリリス

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爬虫類から先の段階への進化

フローラモンとコロモンは、昼食をとってしばらくすると、木槌を持ってデジドローンの前に来た。

 

今回は少し強いボットを開発したので、それと戦わせてみよう。

 

コロシアムに二匹を転送した。

 

やがて、2機のボットが出現した。

これらは飛行はできないものの、四つの車輪で縦横無尽にコロシアム内を走行した。

 

そして、主砲からゴムボールを勢いよく発射した。

 

ゴムボールをくらったフローラモンはよろめいた。

いつもよりも強いことに気づいたらしい。

 

花粉を撒き散らすものの、ボットは花粉の射程の外からゴムボールを発射し、フローラモンを攻撃する。

 

フローラモンはひぃひぃと逃げ回った。

 

フローラモンは、やがてボットが発射したゴムボールを拾うと、それをボットへ投げ返した。

 

ボットは素早く走ってボールを回避した。

 

ちなみに、2機のボットのうち、現在フローラモンと交戦している機体は私が操作している。

 

フローラモンは悔しがったが、再びゴムボールを拾い、ボットへ投げた。

 

 

一方コロモンは、ゴムボール攻撃を浴びっぱなしであった。

スピードもパワーもフローラモンより遅く、ゴムボールを投げ返すのも不得意なコロモン。

 

容赦なくゴムボールを連射するボットに対して、コロモンは弱々しくゴムボールを投げ返すも、ボールは一向に当たらない。

 

コロモンは、ボットを睨んだ。

 

コロモンは、コロシアムの周囲を見回すと…

 

あるものを発見し、それに近寄った。

 

コロモンが発見したのは、研究メンバーの一人が前回の訓練で出しっぱなしにして片付け忘れていた飛行型ボットであった。

 

コロモンは、飛行型ボットをつっついている。

 

私は飛行型ボットのコントローラーをコロモンへ渡した。

 

コロモンは、舌を使ってコントローラーをいじくっているが…

あまりうまく飛行型ボットを操作できていない。

 

そうこうしている間に、四輪型ボットはコロモンへ接近し、ゴムボールを連射した。

何発もゴムボールをくらったコロモンは、悔しそうに涙を流した。

 

すると、なんとコロモンは…

何を思ったのか、飛行型ボットとコントローラーを食べた。

 

え!?食えるの!?

まあ、このボットはデジタルワールドの鉄で作ったわけじゃなく、ソフトウェアに質量を持たせたものだから、デジモンなら食えるのかもしれないが…

食うの!?なんで!?

 

ボットを食べたコロモンは…

光に包まれた。

 

やがて光が消えると…

コロモンの姿は変わっていた。

 

 

まるでコマンド部隊のような装備に身を包んだ、爬虫類型デジモン。

 

自動小銃のようなものを持っている。

 

これは…環境に適応するために…

ボットのデータを吸収し、機械の兵装を身に着けたとでもいうのか!?

 

我々は唖然とした。

これまでは生物らしい進化をしていたデジモンという存在が、突如我々の技術…機械を吸収し、それを獲得したのである。

 

コロモンの新たな姿には、コマンドラモンという名前がつけられた。

 

コマンドラモンは、自動小銃を四輪型ボットへ連射した。

ゴムボールより弾速の速い銃弾は、四輪型ボットを瞬く間に破壊した。

 

 

一方のフローラモンは、ボットを倒すのに手間取っている。

 

フローラモンは、両腕の花から花粉を撒こうとするが…

コマンドラモンの方を向き、両腕を下ろした。

またアレルギーを起こさせてしまうと思ったのだろうか。

 

するとコマンドラモンは、ガスマスクを取り出して装着した。

 

え!?ガスマスク!?

そんなものを一体どこで拾ったんだ!?

 

いや違う、拾って身に着けたんじゃない…

進化によって身に付けたのだ。

フローラモンの花粉を、戦闘に最大限に活用できるようにするために。

 

…コマンドラモンは、腰から金属製の球体を取り外すと、フローラモンに向かって手で何かの合図をした。

 

フローラモンは、コマンドラモンの意図を察したのか、花粉を撒いた。

 

花粉から逃れるために、フローラモンから離れる四輪型ボット。

 

コマンドラモンは、ボットの逃走先へ球体を投げつけた。

 

すると、球体はボットのすぐそばで爆発した。

あれは爆弾か…!

 

…2機目のボットも破壊された。

 

フローラモンとコマンドラモンの勝利である。

 

 

 

二匹は勝利に喜び、その場でデジタケを食べようとした。

 

コマンドラモンは、ボットが落としたデジタケを食べようとして近付き、ガスマスクを外した。

 

…数秒後。コマンドラモンは激しくくしゃみをし続けた。

アレルギーそのものは克服できてなかったのか…。

 

二匹とデジタケをビオトープへ転送した。

コマンドラモンは水場で顔を洗うと、フローラモンと共にデジタケを食べた。

 

 

 

これは…

いけるのではないだろうか!?

 

二匹の成長期デジモンは、訓練によって協力してボットを撃破した。

それなりに戦闘の立ち回りを学習したようだし、会話はできずともボディランゲージで簡単な意思疎通はできているようだ。

 

実を言うと、我々が用意できる戦闘訓練用ボットは、現在の技術では先程の飛行型ボットと四輪型ボット程度が限界だ。

あれらの数を増やすとかはできるかもしれないが、今の二匹にとっては大した訓練にはならないかもしれない。

 

そして、懸念事項としては…

メインPCを調査するなら、あまり悠長に構えていられないということだ。

 

デジモンは成熟期になると、デジタマを産み始めるのである。

ゴミ箱の状況がどうなっているかは分からないが…

こちらの戦力が増しているのと同様に、あちらの戦力も、日に日に増していく可能性は高い。

 

 

 

 

さて…

いよいよ、デジクオリアをスタンドアローンで起動するために必要な、ライセンスのUSBドングルが届いた。

 

突入作戦を決行するかどうか…

判断は迅速に行わなければならない。

 

 

ビオトープでのんびり寝ているフローラモンと、飛行型ドローンを操作して遊んでいるコマンドラモンを見ながら、突入作戦に備えて何をすべきか私は考えた。

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