ところで、海にたくさんいる大量のプカモン達。
これらを見て、疑問に思わないだろうか。
「このプカモン達はなぜ、幼年期のままこんなにたくさんいるのだろうか」と。
プカモン達とて、食われるのは嫌なはずだ。
ならばさっさと成長期ヘ進化してしまったほうが、個体の生存率はぐんと上がるだろう。
しかし、プカモン達は進化せず、幼年期のままあちこち泳ぎ回って暮らしている。
…どことなく奇妙である。
我々はプカモンについて観察し、研究した。
プカモン達の生活を見ていると…
プカモンの主食は、海藻であったり、水棲デジモンの死骸であったりするが…
プカモンよりさらに小型の幼年期デジモンである、ピチモンやポヨモンを食べる事もあった。
…そしてプカモンは、なんと小粒のデジタマを大量に産んだ。
そして、プカモンが産んだデジタマからは、稚魚のようなデジモンが産まれた後、プカモンへ成長した。
…これは驚いた。
なんとプカモンは、幼年期のままデジタマを産むのである。
プカモンの餌となるピチモンやポヨモンも、プカモン同様に、幼年期のまま大量にデジタマを産み、親と同じ姿の子が孵化することが確認された。
謎が解けた。
弱い被捕食者であるプカモンや、さらにその餌となるピチモン達が、なぜ幼年期のままあちこちにいるのか。
彼らは、幼年期を最終進化形態として、ハイペースで殖えることによって生存する種だということだ。
我々は仰天した。
陸上のデジモン達は、皆レベル4になって初めてデジタマを産んでいたからだ。
低レベルデジモンが、高レベルデジモンに勝る点…
それは「代謝量が極めて少ない」ことである。
消費カロリーが少ないから、僅かな餌だけで生き延びられる。
外敵に捕食されようが構わない。それら外敵の死骸が、増えたプカモンやピチモン達の餌となるから。
…そうした生活環を獲得したデジモンもいるということだ。
もっとも、ピチモンやプカモンポヨモンの中には、成長期や成熟期へ進化をする個体もいるようだ。
彼らのDNAを調べたところ、幼年期のまま殖える個体群とは、大きく遺伝子配列が異なっていた。
同じ外観でも、DNAがぜんぜん違う。
だから生活環や成長の方向、デジタマを産むようになる年齢にも差異が出てくるのである。
水棲デジモンは、この傾向がかなり多い。
魚型デジモンであるスイムモンも、成長期のままデジタマを産むことが確認されている。
つまり、デジモンは。
産もうと思えばどんなレベルでも、デジタマを産めるのである。
それでも、陸上のデジモンはレベル4になるまでデジタマを産もうとしないことが多い。
これは、恐らくだが…
DNAに秘められた「強くなろうとする意思」が、陸上デジモンの方が強いのかもしれない。