デジタルモンスター研究報告会   作:タマリリス

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スターモンと植物型デジモンと昆虫型デジモン

 

我々は、これまでにふたつの個体の成長と進化を見届けてきた。

 

その中で、デジモンの進化には「レベル」があることが確認された。

 

【レベル1】…幼年期Ⅰ

ポヨモン、ズルモン、スナモンがこれに該当する。

同じタマゴでも、熱水噴出孔付近と穏やかな水域とでは、産まれる種が異なる。

さらに、スターモンはズルモンから成長したが、スターモンのタマゴからはスナモンが産まれた。

このことから、タマゴは親の遺伝子を引き継ぎつつ、ある程度周囲の環境に応じて産まれる姿が変化するといえる。

つまり、進化はタマゴの中で既に始まっているのである。

故にデジモンのタマゴ…デジタマは、レベル0のデジモンといえるだろう。

 

【レベル2】…幼年期Ⅱ

プヨヨモン、ゴロモンがこれに該当する。

活発に動き回れるようになり、さらなる進化のために餌を探し回る。

だが、レベル3の肉食デジモンにとっては、弱くて捕食しやすい格好の餌となる。

体の小ささを活かして隠れたり逃げたりして、外敵をやりすごさなければ、この時点で息途絶えることになるだろう。

【レベル3】…成長期

シャコモン、ゴツモン、スイムモン、ガニモンなどがこれに該当する。

身体機能が一気に発達し、戦闘能力を獲得する。捕食や自己防衛のために戦いの日々に明け暮れることであろう。

戦闘能力ではレベル4には敵わないことが多いが、基礎代謝がレベル4よりは低めであるため、環境が激変しても進化による適応の余地があることがこの世代の強みといえる。

 

【レベル4】…成熟期

ヌメモン、スターモン、ウッドモン、ヤンマモン、スナイモンなどがこれに該当する。

戦闘能力はさらに強大になり、成長期デジモン程度ならば造作もなく打ち倒せる。

そして、レベル4から単為生殖による産卵が可能となる。

 

レベル4デジモンは、基礎代謝カロリーの多さと戦闘能力の強さが比例する傾向が見られる。

スナイモンは、高い戦闘能力を持つが、その分多くの食事を必要とする。

ヌメモンは、他の成熟期に比べ戦闘能力ははるかに劣るが、基礎代謝量が少なく、様々な環境に適応可能だ。

 

デジモンの強さは、単に戦闘能力だけで決まるものではない。ヌメモンはヌメモンで、スナイモンにはない強さを持っているのである。

…現在、レベル5のデジモンは見つかっていない。

成熟期がデジモンの最終形態なのであろうか。

 

 

 

 

スターモンは、デジモンを食べない。

通常の植物だけを食べて生活している。

 

そのため、一日に摂取が必要な餌の量が多くなってしまう。

 

いつもあちこちで餌を探し回っている。

 

…ある日、てんとう虫の姿をした成長期デジモン、テントモンが、花の蜜から作ったであろうハチミツのような食物を、スターモンへ差し出した。

 

スターモンは、これを受け取って食べた。

その対価故か、スターモンはテントモンと共に行動するようになった。

 

 

 

 

ある日、テントモンがスターモンと共に森を歩いていると、なにか甘い香りのする植物を見つけた。

 

テントモンが植物の方へ飛んでいくと…

なんと、植物は蔓を伸ばし、テントモンを捕らえた。

 

この植物は、食虫植物型のデジモンであった。

 

今回から、私もデジモンの名前を考えるチームに加わった。

 

私はこの食虫植物型デジモンの名前として、ウツボカズラに似ていることからカズラモンはどうか、と提案した。

 

だが、女性研究員が提案したベジーモンという名称が採用された。

ベジタブル…野菜?野菜に見えるか!?あれが!?どう見ても食虫植物だろう!

納得いかないが…まあいい。

 

さて、ベジーモンは、テントモンを捕食しようとしたが…

スターモンはベジーモンへパンチの連打を浴びせ、テントモンを救出した。

 

 

この日、テントモンはいつもより多く花の蜜を集め、スターモンに渡した。

 

 

 

 

やがて、スターモンの周りに集まるテントモンの数は増えていき…

スターモンは、テントモンから与えられる蜜だけで栄養を賄えるようになった。

 

さながら用心棒といったところであろうか。

デジモン同士で共生関係を結ぶこともあるようだ。

 

ある日、スターモンがテントモン達とともに森を歩いていると…

 

ベジーモンの亜種であろう、赤い植物型デジモンの群れが、スターモン一向に襲いかかってきた。

 

これはレッドベジーモンと命名された。

レッドベジーモンは、5匹がかりでスターモンやテントモン達へ襲いかかった。

 

スターモンは、テントモン達を抱えると、空を飛んで一目散に逃走した。

 

レッドベジーモンは、スターモンの後を追うが…

空を飛ぶスターモンのスピードには追いつけなかった。

 

多数のテントモンを抱えながら、これほどのスピードで飛行できるのは、驚異的と言わざるを得ない。

 

 

それまで戦闘では無敵の実力を誇っていたスターモンであったが…

この時、スターモンは初めて逃走を選んだ。

 

このレッドベジーモンの群れは、それだけ強大な戦闘能力を有しているということであろうか…?

 

 

 

 

巣に戻ったスターモンは、彼が以前産んだデジタマから産まれ育ったゴツモン達に、戦闘のトレーニングを施した。

 

テントモンを連れて森の中を歩き回り、ウッドモンやベジーモンが襲ってきたら、それと集団で戦う…という、過酷な鍛錬であった。

 

ウッドモンやベジーモンは成熟期である。

成長期のテントモンやゴツモンよりも強い。

 

レッドベジーモンとの戦闘中、スターモンの子であるゴツモンの一匹がレッドベジーモンに飲み込まれた。

 

親であるスターモンは、手を貸さずゴツモン達に自力での解決をさせるつもりのようだ。

 

だが、レッドベジーモンは強い。

ゴツモン達がどれだけ体当たりをしても、まるで応えていない。

 

もはや、胃袋の中のゴツモンは消化され始めてしまう…

その寸前で、とうとうスターモンは、ゴツモンへ力を貸した。

なんと上空から隕石を降らせ、それをレッドベジーモンへ直撃させたのである。

 

隕石を腹部にくらったレッドベジーモンは、腹の内容物を全て吐き出した。

飲み込まれていたゴツモンは救出された。

 

苦しむレッドベジーモンを、ゴツモン達は集団で叩き…ついにこれを打倒した。

 

やがて厳しい戦闘訓練を積んだこれらのゴツモン達は、親同様にテントモンの警護をしながら、蜜を貰うという共生関係を築くようになった。

 

興味深いことに、鍛錬を積んだゴツモン達は、並の成長期よりもはるかに戦闘能力が増していた。

なんと成長期でありながら、ベジーモン程度の成熟期なら一人で打ち倒せるほどにまで至っていたのである。

 

デジモンの個体の強さは、トレーニングによって大きく伸びるようだ。

 

 

 

 

だが、このゴツモン達は、ベジーモンやウッドモンには対処できても…

カマキリに似た肉食昆虫型デジモンのスナイモンには、あっという間にバラバラに切り刻まれてしまった。

 

スナイモンは、成熟期の中でもスターモンに並ぶ実力を持った強豪である。

いくらゴツモンが過酷なトレーニングを積んでも、スナイモンとの実力差を埋めるには至らなかった。

 

スナイモンは、ゴツモンを優先的に探して捕食するようになった。

 

我が子をこれ以上好きなように貪らせるわけにはいかない…そう考えたであろうスターモンは、スナイモンの討伐に挑んだ。

 

スターモンとスナイモンの死闘は、熾烈を極めた。

互いに拮抗した実力の持ち主。

守護者と捕食者、ふたつの頂点が、激しい戦いを繰り広げた。

 

スターモンは格闘中に、ひそかに上空から隕石を降らせていた。

隕石の直撃をくらったスナイモンは、地面に倒れ伏した。

 

スターモンが、とどめの一撃を繰り出そうとした時…

スナイモンの体は光に包まれた。

 

光が消えた時…そこには、新たな姿へと進化したスナイモンの姿があった。

 

サソリのような形態のデジモン…スコピオモン。

この土壇場でスナイモンはついに、未踏の領域であるレベル5へ到達したのである。

 

スターモンは、ダメージを負った肉体でありつつも、今更引き下がれないとばかりにスコピオモンへ立ち向かった。

 

だが、スコピオモンの戦闘能力は、成熟期のスナイモンとは比較にならないほど向上していた。

 

スコピオモンはスターモンの目へ毒霧を噴射した。

視界を封じられたスターモンは、もはや勝機がないと察したのか、空中へ飛び去ろうとした。

 

だが、スターモンが離陸するよりも先に、スコピオモンの尻尾の針がスターモンの装甲を突き破った。

 

スターモンは、それでも飛行体制に入っていたおかげで、突き刺された尻尾を引っこ抜いて飛び立つことができた。

 

スコピオモンは、高い戦闘能力と引き換えに飛行能力を失っていたため、スターモンを追いかけることはできなかった。

 

だが、巣を目指して飛行中のスターモンは、次第にふらふらと動きがぶれていき…

 

どんどん高度が下がっていき…

 

やがて、森の中へ墜落した。

 

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