カンナギ・エンタープライズ日本支社のオフィスに着くと、女性職員が出迎えた。
「初めましてぇ~♪社長秘書の岸部エリカと申します~♪よろしくお願いしまぁす♪」
岸部エリカと名乗った女性は大変な美人であった。
「うひょー!すげー美人!」
おいカリアゲ!なんつうこと言うんだ!
令和の時代にそんな発言をする奴があるかバカ!
「あっすんませんつい…でへへ…」
「ま~ぁ♪褒められて嬉しいです~♪よろしくお願いしますねぇ♪」
岸部さんは微笑んでいる。
スポンサーさんも微笑んでいるが、二人のやりとりを見て汗をダラッダラにかいている。
そりゃそうだ。
うーん…カリアゲには後で説教だな。コンプライアンスとか色々。
応接室にて、リーダーはデジクオリア販売規制の相談をした。
危険なハッカーがデジモンを悪用したら、世界規模の混乱が起きかねない。
だから、デジクオリアのライセンスを発行する相手を、政府管轄の組織による許可制にしてほしい…
そう頼んだ。
岸部さんは答えた。
「でもウチ多国籍企業ですよぉ?海外支社でライセンス発行をするときは、どちらさんから許可もらうんですかぁ?」
メガはメガネをいじりながら答えた。
「その場合はその国の支社からライセンスを発行すれば…」
「あらぁ、うちの支社はさすがに世界196ヵ国すべてにあるわけじゃないんです~♪ですからムリですね♪」
うぅ~ん。そりゃ確かにそうだ。
カリアゲはうーんと唸ってから口を開いたは。
「じゃあよ…何かしらのさ、国際機関の承認を得なきゃダメってことにしたらどうだ?」
「いち企業のいち製品のライセンス発行を、国際機関が管理?うふふ、ずいぶん大げさですねぇ」
岸部は口に手の甲を当てながらくすくすと笑っている。
「まあ分かってると思いますけどぉ、うちの会社のお客さんが減るだけの提案をされて、はいそうですねって首を縦に振るメリット、ありませんよねぇ?」
そう来たか…。
リーダーは険しい表情で返答する。
「自分が何を言っているか分かっているのか…?あなた達は、犯罪に加担することも厭わないと言ってるのか!?」
「道具を正しく使う人もいれば、悪用する人もいる。それはデジモンに限らず、コンピューター全部そうでしょう?Wind●wsの購入に国際機関の許可いりますぅ?」
「むむ…」
あのリーダーが苦戦している…。
「誤解しないでください、うちは別に、悪用を推奨してはいませんよぉ?」
「ならばなぜ賛同してくれない!?」
「だって…あなた達がいう承認機関とやらが、そもそも信用できませんもの♪」
「!?」
「仮にあなた達がデジクオリア使用の承認権を独占したら…あなた達の暴走を誰が止められるんですかぁ?」
「暴走だと…?」
「そうですよぉ、承認機関がごく一部の人達の手に渡ったら、もうその機関は世界中に好き放題デジモンでサイバー攻撃し放題じゃないですか♪誰も止められなくなりますよ♪」
「馬鹿げたことを…そんなことは…」
そこまで言って、リーダーは言葉を止めた。
「そんなことは?」
「…」
り、リーダー?
断言してくださいよそこは。
「…起こりえるリスクだ」
リーダー!?
「うふふふふ♪賢い方ですねリーダーさんは♪その通り、あなた達の提案って、ようはサイバー戦争の道具を自分たちが独占して、世界をコントロールしたいって言ってるのと同じです♪うっふふふ♪」
岸部は笑っている。
クルエがつんつんと私の服の袖をつっついてきた。
どうしました?
「ケンさん…私、あの女嫌いです」
まあ…わからんでもないけどさ…
ヒソヒソ話だとしてもさ、今言うなよ。
「じゃあ、こうしましょう」
岸部は自身の口元に指を添えた。
「ライセンスの料金を、1000倍に上げます♪それでいいなら構いませんよ♪」
「ひゃっ…!?」
リーダーは青ざめている。
今だって安くないライセンス料金を払っているのだ。具体的には書かないけど…。
1000倍になったら流石に厳しすぎる。研究所そのものが維持できるかってレベルの話になってくる。
「だってそうでしょう?その話を飲むなら、本来私達が得られた収益が千分のイチくらいになっちゃうじゃないですか♪そんなにデジクオリアの価値を感じて独り占めしたいのなら、それくらい払ってもらわないとぉ♪釣り合いませんよぉ♪」
岸部は脚を組み替えながら余裕の表情をしている。
カリアゲがは不愉快そうな顔をしている。
「そ、そんな無理難題…!足元みやがって!平和より金のほうが大事なのかよ!」
「それはこっちのセリフですけどぉ?うっふふふ、お金がかさむなら平和を諦めるんですかぁ?政府からの補助金とかあれば払えるんじゃないですかぁ?」
す、スポンサーさん、どう思います?
「ね、値段交渉をしようじゃないか。1000倍は厳しいが…100倍くらいで手を打つのはどうかね?」
「だぁ~め♪頼み方がカワイくなかったから、1100倍にしますね♪」
「元より増えた!?むむ…」
スポンサーは頭を抱えている。
「…その額になると、この場で即決はできない。というか…そこまで値上げすると、君達カンナギエンタープライズにとっても損な結果になるんじゃないかね?誰も買わなくなるぞ。そもそもデジモンの研究自体やれなくなってしまう。君達が今ほどほど丁度良く得ているはずの収益もなくなるのではないかね?」
「ん…」
岸部が眉をピクっと言わせた。
おおっ効いている…?
「そうだ。分かるだろう?今の値段を1000倍に釣り上げたからといって、君達の収益が今の1000倍になるわけではない!そんな値段は払えない、と誰もがデジモン研究事業から撤退し、結果的に収益が一万分の一になることだって十分あり得るだろう!分かっているのかね君ィ!」
スポンサーさんは自信満々にそう告げた。
「む…く…」
岸部は眉をヒクヒクさせている。
おお、効いてる!効いてるぞ!スポンサーさんが優勢だ!
「だが我々は、今の100倍になるのなら…どうにか払えるぞ!デジクオリアを使ったビジネスやサービスを黒字化するビジョンだってある。どうだね、お互いwin-winなのはこのあたりじゃないかね?」
「…それは、…」
「ハッハッハ!だいたいねぇ。我々は払えるが…多国籍企業の君達が急にデジクオリアの値段を100倍に吊り上げたら、よその国からどう思われるかね!株価暴落が間違いなく起こるぞ、んん?いいのかね君ぃ?」
「…っ!」
岸部はスカートをぎゅっと握っている。
足元を見て墓穴を掘ったせいで自爆してるんじゃないかあの人…?
「どうだね?カンナギエンタープライズが株価暴落を起こさずにライセンス料金を吊り上げるなら…50…いや…25倍でギリギリってとこだろう。どうだね?お互いの落とし所はその辺じゃないかね?君達はライセンス料金を上げられる!我々はネットの平和を守れる!win-winじゃないか!まだ断る理由があるかね!?」
うおぉ、なんか流れで25倍まで根切りやがった!
色々突っ込みを入れたいが…今は下手に口を挟まないでおこう。
どうだ…向こうの反応は…?
season1で好きなエピソードはどのへんでしょうか?
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1話~ジャガモン編
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ベタモン分岐編
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マッシュモン事件編
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グレイモン・ブロッサモン編
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寒冷地帯編~コカトリモン編
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各種閑話休題(考証フェーズ)
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スカモン戦編