デジタルモンスター研究報告会   作:タマリリス

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肉食哺乳類デジモンの出現、そして…

これまで我々が見てきた哺乳類デジモンは、海獣型、偶蹄類型程度だった。

 

しかし、近年は哺乳類型デジモンがデジタルワールド中で数と種類を増やしつつある。

 

原因は、あるエレキモンが、奇妙なデジモンへ進化したためだ。

有袋類のオポッサ厶に似た姿の、オポッサモンだ。

オポッサモンのDPは低い。エレキモンより少し上くらいだ。既存デジモンでいうとベジーモンと同程度である。

 

だがオポッサモンはなんと、風船を作って空をふわふわ浮くことができる。

どんな原理なのだろうか?熱気球のように熱で浮翌力を得ているわけではないようだが…。

 

オポッサモンは風船を様々なことに使う。

ヤンマモン等の敵が襲ってきたら、風船を投げ当てて爆発させて身を護る。

見たところ、風船の中身は水素ガスのようだ。

 

オポッサモンは、デジタマを産むと、腹部の袋に収めて温める。

そして幼年期が産まれると、そのまま袋の中で育てるのだ。

 

デジタルワールドに自生する植物の果実は、我々の世界で商業用に栽培されるフルーツのように大きく実る。

オポッサモンは、デジタルワールド中を風船で旅して回り、果実を食べながら暮らす。

 

そうしてオポッサモンは、デジタルワールド各地へ、哺乳類型の成長期デジモンを産んで回っているのである。

 

かつて我々がスカモン戦で見たネズミ型デジモンの「チューモン」も、オポッサモンが産んだ種だ。

おそらく例の個体も、もとを辿ればオポッサモンを祖先としているのだろう。

 

 

 

オポッサモンの出現からしばらくして、森の中で見かけるようになった、犬とも猫とも言い難い姿をした、長い爪を持つ肉食哺乳類型成長期デジモンがいる。

その名はガジモン。かつてベーダモンに操られて獲物を解体したのはその一個体だ。

 

もしもガジモンの集団に狙われたら、硬い体を持つゴツモンですら、甲殻をひっぺがされて軟組織を食い千切られてしまうことがある。

 

…ガジモンは個体群によって習性が異なる。

単独で狩りをする個体群もいれば、群れで狩りをする個体群もいる。

ガジモンの群れの脅威度は、既に成長期の範疇を超えている。

ベジーモン程度の成熟期なら造作もなく仕留めことができる、恐るべきハンターである。

 

 

攻撃でなく、護りや逃走が得意なデジモンもいる。

トゲモグモンの子孫とみられる成長期、アルマジモンは、敵に襲われると体を丸めて、硬い甲殻で身を護る。

完全に防御態勢に入ったアルマジモンの甲殻は、ガジモンの群れでも破壊できない。

ゴツモンと違って、爪を差し込める隙間がないようだ。

 

また、大きな耳で空を飛んで逃げる、ツカイモンというウサギに似た成長期デジモンも出現した。

ツカイモンは夜行性であり、昼間は地面に掘った巣穴の中で眠る。

ガジモンの群れに襲われたときは、空を飛んで逃げて生き延びる。

 

…だが、ガジモンの一部は、猫型成熟期デジモンのミケモンへ進化した。

ミケモンは跳躍力に優れ、木登りが得意なため、空中へ逃げたツカイモンがそのまま空中で仕留められることも少なくないようだ。

 

 

 

 

ある夜。

ツカイモンが、草原でレッドベジーモンに追いかけられていた。

 

ツカイモンは、さっそく耳をはばたかせて飛行を始めた。

レッドベジーモンは蔓を伸ばしてツカイモンを捕獲しようとするが、ツカイモンはそれをバレルロールで躱した。

見事なものである。

 

レッドベジーモンは、諦めて帰っていった。

 

平原ならば、木の上から襲ってくるミケモンもいない。

そのまま逃げ切れるだろう、そう思って、ツカイモンは空を飛び続けていたが…

 

突如、空中で何者かに捕獲された。

フクロウ型成熟期デジモン、アウルモンだ。

 

ツカイモンは必死に暴れて抵抗するが、アウルモンの強い握力からは逃れられない。

 

そのままアウルモンの巣へ連れ去られたツカイモンは…

鋭い爪で生きたままバラバラに解体された。

 

そして、アウルモンの巣にいる小さな雛鳥型幼年期デジモン…

ピナモン達は、細切れになったツカイモンの肉を美味しくいただいた。

 

哺乳類デジモンだけでなく…

鳥類型デジモンも、徐々に増えつつある。

 

そんなツカイモン達だが…

あるツカイモンは、成熟期への進化へ成功した。

 

コウモリ型デジモン…ピピスモンである。

 

コウモリ型とは言ったが、その体の構造はコウモリとは大きく異なる。

四本の手足とは別に、背中に一対の翼を持っているのである。

 

ピピスモンは、超音波をソナーのように使うことで、闇夜でも空間を認識できる。

アウルモンの接近に気付き、逃げることができるのだ。

 

ミケモンの群れがいても、先に接近に気付いて離れることができる。

 

…こうして、オポッサモンやピピスモンなどの哺乳類デジモンは、空中をも住処としていくのだった。

 

「逃げるが勝ち」という言葉がある。

 

高いDPをもつ肉食のデジモンにとっては…

DPが低いにもかかわらず、俊敏かつ立体的な逃走方法や、接近を能動的に感知する感覚器官をもつ草食デジモンが、ある意味一番の天敵といえる。

 

やがて、ピピスモンもデジタマを産んだ。

木の洞で孵化したデジタマから産まれた幼年期デジモンは…

コウモリ型の成長期デジモンへ進化した。

 

ピコデビモン。

…ツカイモンより、さらに夜の闇に溶け込むことに特化した哺乳類型デジモンである。

 

このピコデビモン達がどのような進化を遂げるか…

見物である。

 

 

 

 

season1で好きなエピソードはどのへんでしょうか?

  • 1話~ジャガモン編
  • ベタモン分岐編
  • マッシュモン事件編
  • グレイモン・ブロッサモン編
  • 寒冷地帯編~コカトリモン編
  • 各種閑話休題(考証フェーズ)
  • スカモン戦編
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