デジタルモンスター研究報告会   作:タマリリス

58 / 156
デジタマ捕獲作戦 開始

私は、デジモン達の繁殖について調査し、レポートを作成した。

 

野生デジモンの食物連鎖の頂点は成熟期デジモンだが…

ピラミッド下層の成長期や幼年期デジモンは、なぜ『いなくならない』のか?

という疑問が主題だ。

 

いなくらない、というのは…

「なぜデジタルワールドは成熟期デジモンだらけにはなっていないのか?」という意味と

「なぜ被捕食者である幼年期や成長期は、成熟期による捕食活動で根絶していないのか?」という意味の両方だ。

 

当たり前の話だが…

食物連鎖のピラミッドは、被捕食者である下層がどんどん増殖しなくては、成立しない。

 

それなのに、被捕食者であるはずの幼年期や成長期デジモンは、(一部の個体群を除いて)デジタマを産まないのである。

これでは、すぐに食物連鎖のピラミッド下層が根絶してしまうのではないか…?

 

…結論から言うと…

デジモンの繁殖形態は、ある意味『蜂』に近いところがある。

 

蜂の社会は、大多数の働き蜂と、一匹の女王蜂で形成される。(※雄の蜂は今回言及しない)

女王蜂はひたすら産卵を行い、大多数の働き蜂は産卵せずに働くのである。

これは一見すると、司令塔の女王蜂が働き蜂を小間使いにしているかのように見えるが…

実際のところ、女王蜂は別に司令塔ではない。働き蜂へ何か命令をして指揮しているわけではない。ひたすら産卵ばかりしているのである。

これは裏を返せば、「大勢の働き蜂は、産卵という仕事を女王一匹に押し付けている」「女王は働き蟻の産卵を代行している」ともいえる。

 

デジモンの繁殖形態は、これに近い。

幼年期や成長期は、戦闘力は低いものの、産卵というタスクを成熟期デジモンへ押し付けているので、自身の生存にのみ全力になればいい。

少食であり、成熟期への進化という切り札を残しているので、環境適応能力も高い。

 

逆に成熟期デジモンは、戦闘力こそ高いものの、基礎代謝量が多い上に、幼年期や成長期に押し付けられた産卵タスクを担わなくてはならないのである。

 

その上、進化という環境適応の切り札を使ってしまった後であるため、個体レベルではもう「新しい環境へ適応する」ことが難しいのだ。

 

…そういうわけで、世の中弱肉強食…

と言いたいところだが…

強者は強者なりの苦労があり、むしろ弱者の方が気楽で生きやすいところがあるのである。

 

そしてレポートをリーダーへ見せた。

 

「成る程…。成熟期デジモンは、強者というより『強者としての在り方を強いられた者』なわけだな。それ故に、たくさんのデジタマを産まなくてはならないのか。…我々の世界の強者とは在り方が全く異なるな」

 

食われる幼年期や成長期デジモンは、子孫を残せずに死んでしまうわけですからね。

ならばその穴埋めは成熟期デジモンが担うことになります。

 

「仮に成熟期デジモンを、我々が育成した場合…、デジタマを産むなと言えば、産むのをやめられるだろうか?」

 

うーん…

そういう条件下で進化させれば、そうなるかもしれませんが。

野生デジモンと同じ環境負荷を与える条件下では、産卵を自分の意思で止めることはできなくなるでしょうね。

 

「ふむ…それは何故だ?」

 

リーダーがそう言うと、クルエがずいっと前に出た。

 

「止める方法があるなら私が知りたいですよ…私生理が重くって、しんどくて生理痛きついんですよ。ピルとか飲まずに自分の意思で止めれるならとっくに止めてますよ」

 

リーダーはそれを聞いて慌てる。

「そっそうなのか?体調が悪いなら休んでいいぞ…」

 

「そういうことじゃなくて。『卵を産みたくないのに産まれてしまう』というのは、人間もデジモンも同じってことです。頭で嫌がっても、排卵日は嫌でも来るんです。世の中に、産みたくない子供を産んでしまった女性がどれだけいるか、想像に難くないですよね?」

 

「な、なるほど…その通りだな」

 

いつになく言葉に迫力のあるクルエ。リーダーが気圧されている。

なんというか…よくそんなこと堂々と言えるな…。

 

まあ、人間だけの話とかではなくて…

 

「遺伝子は利己的」と言えばリーダーなら分かりますね。

 

「…なるほど。確かにそうだな」

「え?利己的?なにが?」

リーダーはうなづくが、クルエはピンと来ていないようだ。

 

…例えば、車を運転しようとした時。

車載コンピューターが「今は気分が乗らないので走りたくない」とか言って走行を拒否したら、どうしますか?

 

「えー?そんな車…乗らないでしょ。ちゃんと走る車を選びますよ」

そう…そういうことです。

つまり今の喩え話でいう車載コンピューターが、人間やデジモンの「脳や心」であり。

運転手が「遺伝子」なんです。

 

「遺伝子は…脳や心より、偉いってことですかね」

 

遺伝子は、デジモンの心が子供を産みたがろうが、産むのを嫌がろうが、「産むことを強制する」んです。

 

なぜなら、仮に脳の自由で子を産むことを拒絶できるように進化した種が現れたなら…

その種はやがて、個体数が減っていき、通常種との生存競争に敗けて絶滅するからです。

 

逆にいうと、脳が遺伝子に操られる生物は、そうであるからこそ淘汰されず生き残ってきたわけです。

 

「じゃあ、私が嫌でも生理痛に苦しまなきゃいけない理由は…。『自由に生理を止めれる人間がいたかもしれないけど、それらは子を残さなかったから滅んだ』かもしれないってことなんですね」

 

そういうことです。

たとえ個体が子を産むのを嫌がったとしても、遺伝子は否応なく子供を産ませる。

そういう生物だけが、生存競争を勝ち抜き、子孫を紡いでこれたということです。

 

「ほんと、遺伝子って利己的なんですね~…」

 

「…それはさておき。今日はいよいよ例の作戦を決行する日だ。この日に備えて、コマンドラモンとマッシュモンは準備と訓練をしてきたんだ」

 

え?例の作戦って何ですかリーダー?

 

「あれ?ケン君に言ってませんでしたっけ」

 

クルエさんは知ってるんですか?

 

「おや、伝えるのを忘れていたか。オペレーション・テイマーズ…デジタマ採取作戦を行うんだ」

 

デジタマ採取ですか。何を狙うんですか?

 

「こっちに来てくれ。メガとシンが主導で進めている作戦だ」

 

私はリーダーに連れられて、大型モニターのある部屋に来た。

部屋の中心では、メガが腕を組んで仁王立ちしている。

 

「ヒトロクマルマル!これより、エクスブイモン並びにスティングモンのデジタマ採取作戦を決行する!!」

 

うおお!

こんなに気合入った声のメガは初めて見たぞ。

 

「コマンドラモン、ボスマッシュモン!そしてミニマッシュモン軍団!配置に付け!パルモンは命令があるまで待機!」

 

メガがそう言うと、コマンドラモンとボスマッシュモンから「ラジャー」とチャットが飛んできた。

 

…えっと、いったい何が始まるんです?リーダー。

 

「対クラッカー用セキュリティデジモンを育成するならば、やはりデジクロスの素養を持つデジモンを最優先で確保したい。普段は基礎代謝量を抑えつつ、戦闘時の短期間だけ大幅にパワーアップできる仕組みは理想的だ。そこで、ディノヒューモン農園で最近産まれたエクスブイモンとスティングモンのデジタマを採取することにしたんだ」

 

なるほど…。

デジタマはどこにあるんですか?

 

「木でできた小屋の中だ。入口には二足歩行の亀型成長期デジモンであるカメモンが2体、常に見張っている。不届き者が来たら木で作ったラッパを鳴らして報せるらしい」

 

警備が厳重なんですね。

 

「前に我々がディノヒューモンのデジタマを一個奪ったからな。しかも、何やら他にもデジタマを奪われたデジモンがいたらしい…。そんなわけで、警戒レベルは今かなり高い」

 

なるほど…。

ディノヒューモン農園、かなりでかくなってますね。

木製の建造物がたくさん見えます。

 

農園側の戦力は?

 

「農耕・労働階級は成長期が中心だが…。群れの長であるディノヒューモンとスティングモンの2トップと、メガが『四天王』および『死神』と呼んでる5体の成熟期がいる」

 

四天王と、死神ですか。

 

「ああ。四天王というのは…亀型デジモンのトータモン。竜人型デジモンのエクスブイモン。火炎竜型デジモンのフレアリザモン。そしてカエル型デジモンのゲコモン。この4体だ」

 

私は提示された画像を見た。

亀形デジモンのトータモンは、ワニガメのような屈強な姿をしており、かなりでかい。カメモンと違って四足歩行をする。その強靭なクチバシは、樹木をかみちぎってしまうことができるほどパワフルだ。トゲの生えた甲羅からは、なんとミサイルのようにトゲを飛ばすことができるそうだ。『戦車』と『重機』の役割を兼ね備えた、器用な力自慢である。

 

エクスブイモンは前に見た通り。人のような体形の、二足歩行型の爬虫類デジモン…いや竜人型デジモン。背中にはふたつの小さな羽が生えており、空中を飛行できるようだ。このサイズの羽や、その付け根の筋肉では、羽ばたかせるだけでは飛べるだけの性能はなさそうだが…スターモンやポヨモンなどと同様に、サイキック的な超能力によって浮力をサポートし、羽を予備推進力や舵取りに使っているのだと考えられる。両手の指は器用に動き、細かい作業をするのに向いている。

 

フレアリザモンは二足歩行型の爬虫類デジモン。頭部は固い甲殻に覆われており、それ以外の全身は炎に包まれている。両手には金属でできた鋭い爪が生えており、炎で加熱することによって敵をプラスチックカッターのように溶断することができる。口から炎を吐くことができ、敵への攻撃以外にも、刈った草木を焼いて灰にしたり、餌を加熱調理してデンプンを消化しやすくしたり、様々な用途で活用している。…なぜ体表が燃え続けていても平気なのか、燃えてなくなる分の体組織はどうやって補填しているのか、その材料はどんなペースで補給しているのか。体温調節はどうやっているのか。そのあたりの疑問はまだ未解明だ。

 

ゲコモンもまた人のような体形をもつ、二足歩行型両生類デジモンだ。体には巨大なラッパのような管楽器状の器官が生えており、これを演奏することで美しい音楽を叶でる。ほかに何の用途があるかはまだよくわからない。また、素早く長い舌を伸ばして獲物を捕らえ、丸のみにすることができる。

 

…あれ?

前はフロッグモンやサラマンダモンがいませんでした?

 

「あの二体は略奪者との戦いで死んだ。その子供がゲコモンとフレアリザモンだ」

 

両方とも二足歩行ですね。

 

「その方が仕事がしやすいんだろうな」

 

それで…死神というのは?

 

「蛾型デジモンのモスモンだ。ハッキリ言って、今のディノヒューモン農園ではパイルドラモンの次にヤツが強い」

 

モスモンですか…。

体が小さいですね。成長期みたいだ。尾の先端に機関銃のような器官が生えている。

強いんですか?

 

「空を飛んで機関銃を連射できるんだぞ?眼球なんて狙われてみろ、正面からまともに戦える奴はいない」

 

なるほど。

モスモンのデジタマは狙わないんですか?

 

「それも考えたが…、奴は高い木の幹に巣穴を掘って産卵する。少しでも巣穴から音を立てたら蜂の巣だ。今のメンバーでは安全な採取が困難なので、保留だ」

 

いずれは欲しいんですね。

 

「そうだな。…さて、いよいよ作戦開始だ」

 

ちょっといいです?

四天王の中で、トータモンだけ四足歩行なのは何故なんでしょうか。

 

「トータモンはパワーがある。森林から伐採してきた材木を何十本も引きずって集落まで搬送できる。スピードはともかく、馬力ならタスクモン以上…グレイモン級かもしれないな」

 

うへぇ…

しばらく見ないうちに発展してるんですね。

 

こんなバケモノ軍団に、成長期だけで乗り込んで大丈夫なんですか?

 

「うまくいけば問題ないはずだ」

 

どこから行くんですか?

 

「小屋の中に直接デジタルゲートを開けたら、簡単だったが…あの中にアクセスポイントは無くてな。小屋に一番近いアクセスポイントからスタートだ。小屋との距離はおおよそ300mだ」

 

…健闘を祈ります。

 

メガが声を張り上げる。

「作戦開始!!」

 

オペレーションルームのスクリーンには、いくつものウィンドウ画面が表示されている。

 

ひとつは、農園を上空から映した地図と、コマンドラモンの体につけたマーカーの位置。

ひとつは、農園を上空から映した遠景の映像。

そして、コマンドラモンの主観視点の映像だ。

 

…あんまりよく見えないですね。

 

「奴らはデジドローンを嫌っている。視界内にデジドローンが映ったら即破壊しに来る」

 

こえー…。

ってあれ?上空から撮影してる映像にはコマンドラモンが映ってませんね。

 

「今は光学迷彩を使用中だ。この作戦のために、光学迷彩の持続トレーニングを積んで、スカモン戦の1.5倍長く消えてられるようになった。ゆっくり歩いている限り、大きな音を出さなければまずバレない。事前に体のにおいをできるだけ落としているからな」

 

…デジモンは進化だけじゃなく、トレーニングでも個体の強さが伸びるんですね。

コマンドラモンの主観視点の映像は、どんどん小屋へ近づいていく。

 

ディスプレイには、光学迷彩の残存連続可能時間が表示されており、だんだん数値が下がっている。

 

やがて、入口を見張っているカメモンの顔が映像に近づいてきた。

カメモンはコマンドラモンの接近に気付かなかった。

 

…コマンドラモンは、無事に小屋の中に潜り込んだ。

小屋の中には見張りがいない。

コマンドラモンは、小屋の中で光学迷彩をいったん解除した。

 

…今物音を立ててカメモンに見つかったら…

笛を鳴らされるんですよね…確か。

 

「そうだ。死神のモスモンだけでなく、エクスブイモンとスティングモンがデジクロスしたディノビーモンも来るだろうな」

 

つまり即死ってことですか。

 

「そうだ」

 

頑張れコマンドラモン…!

 

そしてコマンドラモンは、バッグから何かを取り出した。

…あれは何だろう。固形物だ。

何か固形物を取り出して、コマンドラモンはそれを食べた。

 

「無臭のレーションだ。デジタルワールドに自生しているバナナと、野生のデジモンの肉を混ぜて乾燥させ、においを消したものだ。帰路の光学迷彩を発動するために栄養を補給している」

 

野生のデジモンの肉?

 

「ああ。バクモンの肝臓だ」

 

どうやって仕留めたんです?

 

「光学迷彩を使いながら接近して…頸動脈をナイフでグサリだ」

 

つっよ。バクモンって成長期ですよね?

やっぱコマンドラモンって殴り合いが苦手なだけで、暗殺なら得意なんですね。

 

「作戦のために犠牲にした野生のバクモンには感謝しなくてはならないな。コマンドラモンには、『頂きます』の挨拶を教えたよ」

 

そうなんですね…。

コマンドラモンが栄養を補給し始めたのを見たメガは、指令を続ける。

 

「第一段階クリア!続いて第二段階目開始!ボスマッシュモン、ダミー隊用意!」

 

メガがそう指示すると…

小屋の地面から、にょきにょきとマッシュモンが二体、生えてきた。

うお!?なんだあれ!?

 

「ボスマッシュモンもトレーニングを積んで器用になった。ゲレモンやスカモンの戦法を真似したらしくてな。チビマッシュモンと有線の菌糸を繋げることで、視界を常に共有しつる命令を出せるようになった」

 

な、なんか地面からマッシュモンが生えてきたんですが。

 

「作戦の数日前から、地面の中にマッシュモンの菌糸を侵入させておいた。成長したマッシュモントリュフのように土の中で眠っていて…、今、ボスマッシュモンと接続して目覚めたんだ」

 

なんか…うちの戦力バケモノ揃いですね。

 

「白兵戦以外は器用だよな…白兵戦以外は」

 

小屋に生えたマッシュモンは、ふたつのデジタマを眺めている。

…すると、地面からデジタマによく似た模様のキノコがいくつも生えてきた。

あ、あれは!?

 

「菌糸のコントロールだ。ある程度望み通りの形のキノコを生やせる。ああしてダミーを作っている」

 

…随分トレーニングしたみたいだな…。

デジモンは、進化しなくても、トレーニングだけでこんなにやれることが増えるのか。

 

「うちのボスマッシュモンが異常なんだ。野生個体はここまで器用なことはしない」

 

小屋の中には、どんどんマッシュモンが増えていく。

…前もってあれだけのマッシュモンを、地面の中でトリュフみたいに育てていたのか。

怖すぎるでしょ…。

十分な数のマッシュモンが増えたのを見たメガは、指令を出した。

 

「第二段階クリア!続けて第三段階。集落の外で待機させておいたチビマッシュモン軍団!並びにパルモン!強奪作戦開始!」

 

メガがそう言うと、コマンドラモンは2つのデジタマを抱え、ガスマスクをつけた。

そして、集落の外から、大勢のチビマッシュモン達がどっと湧いてきて、大声をあげながら集落に侵入した。

 

「マシー!マシマシー!」

 

チビマッシュモン達は、トータモンやゲコモンのデジタマ置き場を目掛けて突撃した。

びっくりした集落の住人デジモン達。

カメモンは笛を吹いた。

 

スナリザモン、ブイモン、カメモン、ファンビーモン達は、チビマッシュモンと交戦する。

すると、チビマッシュモン達は…

何かを撒いた。

…あれは!

フローラモンの花粉だ!

どこから調達したんだ!?

 

爬虫類デジモン達は、花粉のアレルギー作用で咳ごみ、大量の涙と鼻水を流している!

 

そうしてチビマッシュモン達は、トータモンやゲコモンのデジタマ置き場へ突き進んだ。

 

…だが、集落の住人には、花粉が効かない者がいた。

蜂型成長期デジモン、ファンビーモン。そして幼虫型成長期デジモンのワームモンである。

 

虫にとって花粉は主食だ。

アレルギーになどなるはずがない。

 

ファンビーモン達とワームモン達は、チビマッシュモンを攻撃した。

ファンビーモン達は、ギザギザした針を剣のように振るってチビマッシュモンを斬る。

ワームモン達は、ネバネバした糸を吐いて、チビマッシュモン達を捕らえる。

 

むむ…強いぞ…!

 

そうして、徐々にチビマッシュモンの侵入ペースが落ちてきた頃…

 

「マシーーーーーー!!」

 

…エクスブイモンとスティングモンの卵を置いた小屋から、たくさんのマッシュモンが飛び出してきた。

エクスブイモンとスティングモンのデジタマに似せたたくさんのキノコを、それぞれが持っている。

それを見たファンビーモン達は大慌てしている。

 

「マシーーーーーー!!」

 

偽デジタマを抱えたマッシュモン達は、集落の外へ逃げていく。

 

ワームモン達は、マッシュモン達をネバネバした糸で捕らえていくが…

マッシュモンはバトンリレーのように、偽デジタマを手渡していく。

 

このまま、偽デジタマを持ち帰れるか…!?

いや、いらないんだけど…。

 

その時。

 

連続した凄まじい銃声が鳴り響いた。

大勢のマッシュモン達がばたばたと転倒する。

 

「マ…マシ…!」「マシー!」

 

来たな…!

死神モスモンが、ガトリング砲から煙を出しながらやってきた。

 

しかしマッシュモンは菌糸のデジモン。

腹部に風穴を開けられた程度じゃ死なない。

 

立ち上がろうとするマッシュモン達だったが…

 

瞬きしたその瞬間に。

十数匹のマッシュモンが、一瞬でサイコロステーキのようにバラバラになった。

持っている偽のデジタマごと。

 

ついに出たな…!

…ディノビーモンが、突如出現した。

エクスブイモンとスティングモンがデジクロスして誕生したデジモンだ。

 

ディノビーモンはすぐに消えた。

デジクオリアで撮影可能なフレームレートを超えた、想像を絶するスピードで動いたのである。

直後、再び十数匹のマッシュモンが、ダミーデジタマごと粉々に細断された。

 

こんなに速いなんて…!

速すぎて目で動きが追えない!

 

チビマッシュモン達が瞬殺されている間に…

コマンドラモンの位置マーカーは、どんどんデジモンキャプチャーのアクセスポイントへ近づいていく。

 

よし!

このまま持ち帰れば、採取成功だ!

 

…そう思った瞬間。

突如、コマンドラモンの視界は転倒した。

 

何だ…!?

何があった!?コマンドラモン!?

 

コマンドラモンの視界は、自分の足を映した。

うぅ、コマンドラモンの脛の真ん中から血が…!

モスモンの流れ弾が飛んできたようだ。

 

チビマッシュモン達は、コマンドラモンがいない方向へモスモンとディノビーモンを陽動していたから…

こっちに弾が飛んでくることは想定外だった。

 

そして、脚が映ったということは…

光学迷彩が解けたんだ!

 

コマンドラモンの視界の隅に、2つのデジタマが転がった。

 

や…やばい!

 

コマンドラモンは、片膝で立って、2つのデジタマを持ち上げると…

我々のデジモンキャプチャーのゲートのある方向へ、勢いよく転がした。

 

ゲートの中から、植物型デジモンが飛び出した。

二足歩行で立つ植物型デジモン。頭から花が咲いている。

 

一目でわかった。

フローラモン改めピョコモンの、進化した姿だ。

 

パルモンはツタを伸ばしてデジタマを捕獲し…

デジモンキャプチャーのゲートの中に投げ込んだ!

 

よし!

デジタマは確保した!

あとはコマンドラモンを救助すれば、作戦は…!

 

そこまで言いかけた時。

私は大型スクリーンで、コマンドラモンの視界を確認した。

 

コマンドラモンの視界には…

 

こちらを向いている、モスモンとディノビーモンが映っていた。

season1で好きなエピソードはどのへんでしょうか?

  • 1話~ジャガモン編
  • ベタモン分岐編
  • マッシュモン事件編
  • グレイモン・ブロッサモン編
  • 寒冷地帯編~コカトリモン編
  • 各種閑話休題(考証フェーズ)
  • スカモン戦編
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。