デジタルモンスター研究報告会   作:タマリリス

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ジャガモンの森とスターモンのデジタマ

リーダー達は、スターモンのデジタマ採取を試みたが…『諦めた』そうだ。

 

現在ジュレイモンの森にいるスターモンは『三代目』だ。

初代スターモンはジャガモンへジョグレス進化した。

二代目はグレイモン達との戦いで死亡した。

その子孫が三代目スターモンである。

 

スターモンは、ゴツモン等の鉱物型デジモンや、テントモン等の甲虫型デジモンと共生している。

 

テントモン達は、スターモンによって外敵から身を守ってもらう代わりに、収集・貯蔵した餌をスターモンへ差し出すのだ。

また、三代目スターモンは返り討ちにした捕食者を食べたりもしている。

 

さて、なぜリーダー達がスターモンのデジタマ採取を諦めたのかというと…

スターモンの住処に原因がある。

 

ジャガモンが自身のパワーをジュレイモンへ譲渡し、苗の姿になったのを覚えているだろうか。

 

ジャガモンがあの後どうなったのかというと…

想像を遥かに超えた出来事が起こっていた。

 

ジャガモンがいた場所には、高さ20mほどの巨大な…岩と木でできた砦が建っていたのだ。

どうやら中心には巨大な樹木がおり、それを囲うように岩と土で城が作られているらしい。

岩石を積み上げて作ったような外見だが、岩の隙間は土で埋め固められて塞がっている。

 

さらに、岩の表面には苔が生えており、植物の根やツタが埋まっている。

 

砦の天井にはところどころ天窓が空いており、中に陽射しが届くようになっている。

雨天時には、大きな葉っぱが天窓を塞ぐことで雨漏りを塞ぐと同時に、雨水を城の地下のダムへと貯蔵する。

そして、貯蔵した水を木が汲み上げて、城の中の要所へ届けるのだ。

 

一体何故こんな砦があるのか?と疑問に思っていたが…

よく見ると、砦にはジャガモンの顔がついていた。

 

なんということだろうか。

ジャガモンはこの巨大な砦へと変化したのだ。

 

しかし…

この城、いまいち用途が分からないのだ。

 

ピラミッドのような形をしているこの砦を、以後は「盆栽城」とでも呼称しよう。

 

盆栽城はピラミッドのような形状になっており、上部へ登るのが楽そうだ。

そのため、昼になるとたくさんのベジーモン達が城の上で光合成をしている。

 

盆栽城の地下ダムに貯蔵された水は、根によって汲み上げられ、外壁へ届けられる。

外壁から突き出た茎は、咥えて吸えば水が出てくるようになっているらしい。

そのため、盆栽城の表面に登って光合成をしているベジーモン達は、よくこの茎から水を吸っている。

 

とりあえず現在、スターモンは盆栽城の一部屋を寝床として使っている。

高い盆栽城のてっぺんからは、森を見渡しやすく、パトロールにうってつけなのだ。

 

城の中には、スターモンだけでなく、テントモン、ゴツモン等のスターモンの仲間の成長期デジモンが住み着いている。

それだけでなく、コウモリ型成長期デジモンであるピコデビモンもねぐらにしているようだ。

 

しかし、様子を見るに…

スターモンも、ベジーモンも、ピコデビモン達も。

ジャガモンがこんな姿へ変貌した理由を、誰も分かっていないようである。

 

よくわからないが、とりあえず住むのに便利だから住んでいる…という現状である。

では、なぜ我々がスターモンのデジタマ採取を諦めたのかというと…

スターモンは、盆栽城の奥でデジタマを育成しているからだ。

 

パルモンにデジドローンのカメラを持たせて、盆栽城の中を探索させたことがあった。

パルモンはこの森のデジタマから生まれた植物型デジモンであるため、盆栽城に入るだけなら警戒はされなかったようだ。

 

だが、スターモンのデジタマを持ち出すとなると話は別だ。

 

城から出て出口まで脱出する必要があるのだが…

それまでの間に、ゴツモンやテントモンに捕まってしまえば、スターモンにぶちのめされてしまうだろう。

 

コマンドラモンの光学迷彩による透明化でこっそり持ち帰れないかも検討したが、現在の盆栽城へ透明化したまま入り、デジタマを確保し、そのまま脱出できるほど、透明化を長くは維持できない。

 

マッシュモンの撹乱も、あまり有用にはできそうにない。

 

そんなわけで、『現状の手駒では』、安全にスターモンのデジタマを持ち帰る算段がつかないため…

いったん保留にすることにしたのだ。

さて、そんなジュレイモンの森だが…

近年、異様な変化が起きている。

 

あれは、パルモンが食糧採集に出ていたときの話だ。

 

パルモンは樹木を登りながら、果実を採集していた。

そのとき、樹木になんと顔が生えていることに気付いたのだ。

 

森の中の木々は、どれも同じ形状の果実を実らせており、顔がついている。

 

そのとき、我々は気付いたのだ…

この木々は、レベルダウン進化によって成熟期になったジュレイモンであると。

 

そう。

ジュレイモンは、あれから目立った活動をしていないように見えたが…

 

実は、既存の木々を枯らして、己の分身を増やし、森を埋め尽くしていたのである。

 

なんだこれは???

森の木々が、どんどんレベル4ジュレイモンへと置き換わっている。

 

ジュレイモンは何をする気なんだ…?

ジャガモンが盆栽城へ変貌したことと関係があるのか?

 

まだ何も分からないが…

ジュレイモンはなにか、ろくでもないことを企んでいるような気がしてならない。

 

 

 

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