ギターヒーロー二代目【完結】   作:怒雲

92 / 99
未確認ライオット、結末

 

 

 

 

未確認ライオット。ファイナルステージに進んだのは、結局SIDEROSとケモノリアだった。

 

 

 

 

 

『あー、SIDEROSです。観客の皆。暑い中、朝からお疲れ様』

 

『……今立ってるこのステージを目指したバンドを、今回はたくさん見てきました。

───いいバンド、ばかりだった』

 

 

『………いろんなモノを背負った、凄いギタリストにも出会った。

でも、それを退けて!私は今ここに立ってます』

 

 

 

「………だからその分、背負ってるものが半端ないの!

初っ端から死ぬ気でトばすから!最後までついてきなさい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

優勝したのは、SIDEROSだった。

 

うん、あの人達なら仕方ない。仕方ない、仕方ない……。

 

 

 

 

………それでも、やっぱり悔しくて。すっごく悔しくて!……泣かないつもりでも、結局泣いてしまった。

 

 

つられて虹夏さんも泣いて、喜多ちゃんも泣いて。きっと、リョウさんも……。

 

 

 

 

みんなと、みんなの頑張りを。みんなと造った唄を。──お姉ちゃんが遺してくれた、わたしの音も。

 

もっと、たくさんの人に。……今回のステージで。

 

 

 

 

 

「ちょっと!」

 

すっかりしんみりしてしまった中で、その声が響いた。

 

「えっ、ぽいずんさん? ……なんで、ここに……?」

 

ぽいずん(はーと)やみ。そう名乗った女性が、そこにいた。

 

少し困惑する虹夏と、緊張した面持ちで眺めるふたり。

 

ふたりとしては、もう会いたくない人である。……だった。

 

 

「ぜっ、絶対来てると思ったから探してたのよ。どうしても言いたい事があって……」

 

一生懸命探していたのだろう。彼女は少し、息を切らしていた。

 

それから──深く、深く。頭を下げた。

 

 

「ごめんなさい。ガチじゃないって。……お遊びって発言、撤回するわ」

 

「貴方達を追って、分かったの。二代目さんの居場所は……『ギターヒーロー』の居場所は、『結束バンド』じゃなきゃダメだって」

 

そこまで言って、少し、照れたような顔で、ぽいずん(はーと)やみこと愛子は微笑んで。

 

 

「手のひら返しなのは分かってる。けど──私にとっては結束バンドが一番だったから。……それだけ」

 

そう、言ってくれた。

 

 

「………──ッ、追い打ちかけないで下さいよー!!!」

 

その言葉に虹夏は更に泣いてしまい…………ふたりもまた、あの日の悔しさが。

 

心の中から流されていくのを感じた。

 

 

……だから。この人に。ふたりの心に残った、彼女への感情は。

 

 

 

「あの……お取り込み中悪いんですが、そろそろいいですか?」

 

 

そこに、とてもとてもしっかりしてそうな女性が現れた。

 

なんというか……ふたり的には、今まで関わった中で、一番しっかりしてそうな大人の女性、という印象である。

 

……いや、星歌等がしっかりしてないという訳ではなく……こう、なんというか……。

 

「そっ、そうだ!今日会いたかったのはもう一つあって、この方を紹介したかったからなの」

 

突然号泣してしまった虹夏らに困ってしまった愛子は、丁度良いとばかりにその大人の女性の紹介を始める。

 

 

「ストレイビートというレーベルでマネジメントをしています、司馬都と申します」

 

そう言って、彼女は品よく一礼した。そして、名刺を差し出す。

 

「レ、レーベル……?」

 

涙を拭いながら、虹夏はそれを見る。

 

「はい。先日のライブを観て、気になったのでお話出来たらと思ったのですが……」

 

「え…………」

 

 

 

「レーベル~~~~~~~~~!?!?」

 

まさかの、レーベルからのお誘いだ。

 

実感が、湧かない。湧かないけど、でも………。

 

 

 

 

 

 

 

努力は。音楽は、頑張ってる人を決して裏切らない。

 

届いたのだ。ちゃんと、頑張りは、届いたのだ。

 

「よーし!いつか必ずフェスのステージに……いや、ロック音ジャポン出場だー!」

 

虹夏が手を上げ、みんなと一緒に手を伸ばす。

 

みんなと一緒に、同じ夢を────。

 

 

もう少し、遊んで帰ろう。そんな話をして、喜多ちゃんが花火を買いに行くと駆け出したその際に───。

 

 

「あの、えっと、ぽいずん?さん」

 

ふたりは、遠慮がちにぽいずんこと愛子に声をかけたのだった。

 

「少し、お話、いいですか……?」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。