突撃!まふゆの晩ご飯!   作:レアブルー

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今回は料理無し


まふゆと買い物

男は日常のルーティーンとして、週に一度食材の買い込みをする日がある。

一人暮らしの男にとって毎日買い物をするのは億劫な上、毎日料理内容を決めるのも面倒だった。

そのため、こうやって週に一度、ある程度日持ちする物を買い込むことで、毎日買いに行かなくても家にある物で一週間料理できるようにしている。先に食材を買うことで料理を作るときにある程度選択肢が限定されて、わざわざ献立を考えずともできるもので作るようになる。

これが好き嫌いがあったりや同じ食べ物が続くと嫌だという子供がいる家庭持ちだと難しい。とはいっても男にも似たような大きな子供が晩ご飯を食べに来るようになったので、元は一ヶ月単位だった物がだんだん短くなって現在は一週間となっている。今日はその買い込み日であり、男は近所のスーパーで食材を物色していた。

 

「うーん、こないだはまふゆに野菜取れっていわれたし、なんか買うか」

 

基本的に男は日持ちするものを選ぶため、野菜など時間経過で傷みやすいものは余り買わないタイプなのだが、あまりにも彩りや栄養の偏りが酷いとまふゆに言われて、自分のためにも購入することにしていた。

 

「一応最低限の栄養のために野菜ジュースくらいは飲んでるけど、まあ現物に越したことはないか」

 

いつもであれば日持ちのするタマネギくらいしか買わないんだよな、と言いつつ、いくつかレシピを思い浮かべながら籠に野菜を放りこんでいく。

 

「キャベツはとりあえず万能だし、ピーマン、アスパラらへんもとりあえず美味しいな。……小さい頃はピーマン好きじゃなかったんだが、今では火を通せば美味しく感じるのはなんでなんだろうな」

 

野菜と言えばニンジン、ジャガイモは……あんまり好きじゃないからいいや、と材料調達者の特権で男の好きな物を籠に入れていく。

 

「ネギはパックで良いか。トマトはいつもどおり缶詰で妥協っと」

 

男は基本的に保存が利きやすい形ものがあればそちらを優先して入れている。というのも、まふゆの件もあるが、男がたまに自炊が面倒になり、そのまま数日作らなかった結果、あれこれ買った大量の食材を腐らせてしまった経験がそうさせている。

 

「――お」

 

男が食材を選別していると前方にポニーテールの髪型にお嬢様学校である宮益坂女子学園、宮女の制服を着た少女を見つける。男は声をかけようと手を上げかけたが、以前から周りの目についてまふゆに咎められている事を思い出し、手を引っ込める。

そのまま別方向のレジに向かおうとするが――

 

「ねえ」

「うわ!びっくりした!」

 

いつの間にか男の直ぐ後ろまで少女、まふゆが来ていた。突然声が聞こえた男は跳び上がって驚く。

 

「いつの間に後ろに居たんだ……」

「なんで避けたの」

 

眉をひそめ男に詰め寄るまふゆの姿は非難の感情がひしひしと感じられる。その姿を見て心外だといったように男は言う。

 

「いや、前に外では避けろってまふゆが言ったから……」

「別に、近くに学校の生徒もいないし良い」

「さいでっか」

 

確かに男が周りを見渡しても制服姿がまふゆ以外見つからない。

 

「そういえば制服って事は学校帰りか?珍しいな買い物なんて」

「お母さんから買い物を頼まれたの」

「なーる。……せっかく一緒に買い物するんだし、料理のリクエストでも聞いておこうか」

「トマト系以外」

「範囲が広いわ」

「最近食べた系以外」

「なんで消去法的なんだ、食べたいヤツはないのか」

「……別に、なんでもいい。――が作る料理なら」

 

まふゆは少し顔をそらしながら言う。その頬は少し赤みがかって見えた。その言葉を聞いて男も少し気恥ずかしそうに答える。

 

「――そか、んじゃ好きに作らさせてもらおうかね」

「ん」

 

お互いに必要な物を籠に入れていく。買う物が違うため特に一緒に行く必要は無いが、お互い急ぐ理由もない。

スーパーの端からゆっくり一緒に回っていく、これはどうか、あれはどうかと男がまふゆに聞く姿は傍から見ると家族との買い物風景に見えただろう。

 

「そういえば最近イタリア料理系多いよな」

「そうだね」

「久々に鯖の塩焼きとか和食作ってみるか?」

「それは昨日お母さんに作って貰ったから嫌」

「なんでも良くないやないかーい」

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