ハイスクールD×D×D~堕天した花嫁の激しく熱かりし物語ィィィィ!~ 作:不知火新夜
1話_もし彼が起きたなら…
「れー、ちゃん…?まって、れーちゃん!」
「っ!いっちゃん、起きたの…?」
「れーちゃん!?その、はね…」
「っ!あはは、ばれちゃったね…」
れーちゃんとこいびとになれたつぎの日のあさ、ぼくの目にうつったのは、はねがくろくなったれーちゃんが、まどからそとにでようとしていたところでした。
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いっちゃんへの恋心が実った翌朝、私の目に映ったのは、
「こ、これ、翼が…!」
何時の間にか真っ黒になった私の翼だった。
翼が真っ黒に染まるという事、それは…
「あ、あはは、私、堕ちちゃったんだ…」
私が堕天使になった事、悪事を行い、或いは邪な想いを抱き、堕ちたという事…
多分、いっちゃんへの恋心が引き金になったんだと思う。
何となく覚悟はしていたから、その事で後悔は無いし、いっちゃんを責めるつもりは微塵もない。
けど、怖い。
いっちゃんに、この姿を見られる事が。
いっちゃんに、罪を仕出かした存在として見られる事が。
いっちゃんに、嫌われる事が…
だから私は飛び出そうとした、この家から。
いっちゃんとその家族と数ヶ月過ごした、思い出の地から。
いっちゃんと過ごした数ヶ月の、思い出から。
だけどそれは、
「れー、ちゃん…?まって、れーちゃん!」
「っ!いっちゃん、起きたの…?」
直前で起きたいっちゃんによって阻止された、あ、翼隠し忘れた…!
「れーちゃん!?その、はね…」
「っ!あはは、ばれちゃったね…」
終わった、これで、私の恋が…
「うん…
私、悪い事しちゃったんだ。それで、翼が真っ黒になっちゃったんだ…」
「うそ、だよ、うそだよ!れーちゃんがわるいことするはずがない!ぼくはれーちゃんをしんじている!」
え…?
「いっちゃん、この翼の色が分からない…?黒だよ、真っ黒だよ!?私は、いっちゃんが思っている様な、良い娘じゃないの…!」
「そんなことないよ!れーちゃんはすごくやさしくて、いっしょにいるとしあわせになれる、いいこだよ!もしれーちゃんがいうみたいにわるいこだってみんながいったとしても、ぼくは、ぼくはれーちゃんがいいこだっていいつづける!」
「!」
いっちゃん…!
「いっちゃん…!私、私…!」
「わわっ!?どうしたのれーちゃん!?」
私は、馬鹿だ…!
いっちゃんの想いを無視して、1人で勝手に離れようとしていた、勝手にこの想いを捨てようとしていた…!
いっちゃんがどれだけの想いを抱いているのかも気付かないで、勝手に怖がっていた、恐れていた…!
私は、なんて馬鹿な女だ…!
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「御免ね、いっちゃん。私、怖かったの。いっちゃんに、この真っ黒になった翼を見られる事が、悪い事をしてお仕置きされた娘だって見られる事が、いっちゃんに、嫌われる事が、怖かったの…!」
「そっか、そうだったんだ。でももうこわくないよ、れーちゃん!だけど、どうしてまっくろなの…?」
「詳しくは分からない、朝起きたら、真っ黒に染まっていたから…」
嘘だ、正直、言える筈が無い。
いっちゃんへの恋心が堕天の引き金になったなんて。
言ったら、優しくて何時も真剣ないっちゃんの事だ、自分のせいだと思い込んでしまうだろう…
そんな事は無い、いっちゃんは悪くない、そう私が言っても聞かないだろう…
いっちゃんには、そうなって欲しくない、ある筈の無い罪を背負って欲しくないから…
でも、良かった…
私は、いっちゃんの側に居て、良いんだ…!
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もしこの時、私が飛び出すまでにいっちゃんが起きなければ、私は身勝手な思いからいっちゃんと離れ、そしてまた会う事も無かったかも知れない。
この時の私は、改めていっちゃんと想いを通じ合わせられた事、大好きな人と一緒にいられる事への嬉しさを噛みしめていた。
だからだろうか、この時はまだ気付かなかった。
いっちゃんの隣に立つ代償として、筆舌尽くしがたい位に壮絶な戦いに身を落とさなければならなくなる事に…