ハイスクールD×D×D~堕天した花嫁の激しく熱かりし物語ィィィィ!~   作:不知火新夜

4 / 9
3話_禁じられた遊び道具

いっちゃんの神器が発現してからは、彼が学校から帰って来てからずっと特訓に勤しむ日々となった。

その際、幸か不幸か、神器に眠っていた『赤い龍』ドライグの魂は、初めて発現してから程無く目覚めた。

何らかの存在が封印されている類の神器は、その存在が目覚めない限りは最低限の機能しか使用出来ないと言うデメリットがあり、いっちゃんのそれも『龍の手』同等の力しか使用できなかった。

それが発現してから直ぐに目覚めた事でいっちゃんは、その身に宿る神器のポテンシャルを持て余す事は無くなった。

けどそれは同時に、いっちゃんの神器が『赤龍帝の籠手』であると証明してしまった。

いっちゃんが今代の『赤龍帝』であるという事、いっちゃんの中に宿るドライグを狙って数々の勢力に狙われる事が運命づけられた事、そして『白龍皇』との因縁がいっちゃんの人生に立ち塞がるのが決定された事…

それら全てが確定づけられた『事実』として、改めて私に付きつけられたという事になる。

天使としても、堕天した身としても、ちっぽけな力と、浅すぎる人生経験しか有していない私が、その事実からいっちゃんを守るのは余りにも重荷かもしれない、だけど…!

だけど私は、いや私達は、運命と戦う…!

戦いに、勝って見せる!

 

けれどこの時の私は、まだいっちゃんの力の全貌に、その力が示した波乱の道に、まだ気付いていなかった。

 

------------

 

「ば、禁手(バランス・ブレイカー)を覚えた!?」

「うん。そうだよ、れーちゃん」

『まさか、俺が目覚めてから僅か1月で禁手に至るとは…

しかも本来とは違う物と来た。この歳で神器を発現するのもびっくりだが、そこから直ぐに俺が目覚め、挙げ句元からかけ離れた禁手、今代の相棒は末恐ろしい位の才を持っているな』

 

それはいっちゃんが神器を初めて発現させてから1月経った日の事だった。

2人(いや此処は1人と1匹って言った方が良いかな?)の話によると、昨日の特訓の後で自主トレをしていた所、脳裏に禁手を使う自分のイメージがハッキリと映し出されたらしく、その通りの動作をしたら禁手に至ったらしい。

禁手というのは、神器の使い手がその力を極め、ある領域に至ると発現出来る様になる、いわばその神器の「真の姿」とも言うべき形態の事で、使い様によっては世界の均衡すら揺らがせるのも不可能じゃない事からこの名が付いている。

基本的には元の神器の能力をグレードアップした物になるが、本来とは異なる『亜種』と化す事もあるらしく、いっちゃんは後者に当たるらしい。

ま、まさかそんな事が…

禁手は文字通りの強力な力、其処に至るにはそれこそ一生を賭けた努力が強いられると言っても過言じゃ無い。

それを、初めて発現させてから僅か1月で、しかも本来の禁手『赤龍帝の鎧』とは明らかにかけ離れた亜種、ドライグの言う通り、いっちゃんには天性の才とも言うべき、赤龍帝としての才があるのかも知れない…

 

「それで、どんな禁手なのかな、いっちゃん?」

「うん、いくよ!バランス・ブレイク!」

 

私の質問に答えるべく、禁手を発動しようとするいっちゃん、宣言と同時に籠手で覆われた左手を胸に当て、

 

「いくよ、ガイハート!」

 

いっちゃんがそう叫んだ次の瞬間、

 

「っ!?この光と威圧感は!?」

 

いっちゃんの胸から放たれたであろう眩い光と、赤龍帝の籠手を初めて見た時の比じゃない位の威圧感が、私に襲い掛かった…

こ、これって…!

 

「大丈夫、いっちゃん…!?いっちゃん、そ、その剣は!?」

「これがぼくのバランス・ブレイク…

ぼくのなかにあるドラグハートを生み出す力『ドラグハート・ブースター』…

そしてこのけんがぼくのドラグハート『ガイハート』だよ」

「『赤龍帝の心核武装(ドラグハート・ブースター)』…心核武装『銀河龍剣(ガイハート)』…

凄い、これが、いっちゃんの力…!」

 

眩い光が晴れた後に目に映ったのは、自分の身の丈程の刀身を持つ大剣を片手で構える、口調にこそ名残を残すものの、今まで見せた事が無い位に精悍な佇まいのいっちゃんだった。

 

------------

 

あの後、いっちゃんから禁手『赤龍帝の心核武装』について詳しい説明を受けた。

何でも、使い方とか、どういう物かとかが、禁手に至ったと同時に頭に入って来たらしい、なんて親切な禁手だろう…

赤龍帝の心核武装は、見た目こそ赤龍帝の籠手と変わらないが、本来の力(10秒毎に自らの力を『倍化』し(此処までなら龍の手でも出来るけど、最大の違いが『神器としての』倍化の制限が無い事。一方で龍の手は一回やったら終わり)それを『誰か(もしくは何か)』に『譲渡』出来る力)を更に発展させた(倍化の間隔が一瞬にまで短縮されている)他、使い手(此処ではいっちゃんだね)及び使い手と深い絆で結ばれた存在の胸元から『穴』を開き、其処からその存在の精神を具現化した武装『心核武装』を生成し、取り出せるとの事。

そしていっちゃんの心核武装であるガイハートは、使い手のあらゆるスピードを劇的に上昇させる能力があるらしい(具体的には感覚速度と運動速度を上昇させて、周囲がゆっくりに見える中を自分だけ普段通りに動ける様になる、クロックアップみたいな事を起こせる等)。

そして心核武装にはまだまだ隠された力があるとの事だけど、その詳細まではいっちゃんも分からないらしい、肝心の部分が抜けている様な気がするのは私だけかな…

とはいえ、1つ確認できた事がある。

いっちゃんは、並外れたという言葉が軽く感じられるくらいの才を有している。

私では微力にすらならないかも知れないけど、それでも、この力をちゃんとした方に使って行って欲しい、そうなる様、私が何とかしないと…!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。