ハイスクールD×D×D~堕天した花嫁の激しく熱かりし物語ィィィィ!~ 作:不知火新夜
「やあっ!(ビュゥン!)」
「くっ!(ガキィッ!)はぁっ!(ヒュゴォ!)」
「うわっと!せいっ!(ヒュオッ!)」
「きゃぁっ!(ゴッ!)」
「だ、だいじょうぶ、れーちゃん?」
「ま、参りました…相変わらず強いね、いっちゃん」
いっちゃんが禁手に至り、心核武装と呼ばれる新たなる力の存在を知ってから数ヶ月が経ち、いっちゃんは小学2年生となった(私は学校には通っていない。後で説明するけど、身元が割れると色々と不味いから)。
まあいっちゃんが進級しても、学校から帰って来てからの特訓は一緒だけどね。
これまでは体力づくりや赤龍帝の籠手を使いこなす事を主なメニューにしていたけど、最近は武器を用いた試合もとり入れている。
いっちゃんの武器は勿論ガイハート、では対峙する私は何かと言うと、
「いっちゃんにまともな一撃が入らないし、私もまだまだこれを扱いこなせていないって所かな…」
「そうかな?1かいでもあたったらすっごくあついし、火がおもいっきりひろがるから、あたらないようにうごくのけっこうたいへんだよ?」
「でも当たらないと、どうという事は無いからね…」
ガイハートが大剣型に対してこれは野太刀型、ガイハートの刀身が青に対してこの刀身は赤、といった感じでガイハートとは色んな意味で対照的な私の心核武装『
この心核武装は、単純に「スピード」を強化するガイハートと比べてちょっとテクニカルで、「炎」を内包していて、持ち主の意志に応じて射出したり刀身に纏わせたりする事が出来る。
そのエネルギーは強烈の一言、故に対峙するいっちゃんは『1回でも当たったら負け』と言ってはいるけど、でもそれに反し、当たらなければ大した効果は無い。
更に言えば、これまで相手して来た相手はいっちゃん、そう、並大抵の存在では捉えられない程の素早さを誇る相手、ずっと直撃させようと(あ、火傷の心配は、まあ全く無いとは言えないけど、出した炎も直ぐに消せるから問題無いよ)努力や工夫を重ねて来たけど、未だに届いた試しが無い。
私、ちゃんと強くなっているのかな…?
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「さ、帰ろういっちゃん。ちょっと遅くなっちゃったね」
「うん、れーちゃん」
何時も特訓で使っている山間の空地から帰る私達、すっかり日が暮れちゃった、帰り道は気を付けないとね、はぁ…
「どうしたの、れーちゃん?」
『レイネル、ため息なぞついてどうした?元気が無い様だが』
「へ、あ、うん。ごめんね、ちょっと考え事していたの…」
「ほんとうにだいじょうぶ、れーちゃん?もしかして、さっきのこうげき、まだいたい?」
「それは大丈夫だよ、いっちゃん。それは、大丈夫、うん。ただ、ね…」
「ん?」
「私、強くなっているのかな…?」
『成る程。理想と現実のギャップという壁を前に思い悩んでいる、という事か』
「え、どういうこと、ドライグ?」
「まあ、そんな感じ。赤龍帝だって事が判明したいっちゃんを守って行こうって決意したは良いけど、蓋を開けてみれば、いっちゃんは物凄く才能豊かで、それでいてその才を上手く発揮している。そんないっちゃんの強さの前には、才能も経験も無い、堕天使の中でも下から数えた方が明らかに早い位の実力しかない私じゃあ、守るどころか、足を引っ張りかねない、てね…」
『それは違うぞ、レイネル。お前に誇れる才はある。相棒に、その家族に、そして憎まれても仕方ない俺にだって心を開き、そして開かせた、その優しさと強さを併せ持った心、それがあったからこそ相棒はお前に惹かれたのだし、それによって出来た深い絆の結晶がガイアールだ。それも相棒のガイハートに引けを取らない位の力を持っている。そしてお前は、その力に飲まれる事無く、今に至っている。その心は、何物にも代えがたい才だ』
「そう、かな…」
「そうだよ、ドライグのいうとおりだよ!」
「いっちゃん…!」
いけない、いっちゃん達に心配かけちゃったね、うん、頑張らないと!
と、悩みを吹っ切った私の耳に、
『にゃ~…』
「っ!いっちゃん、今しがた猫の鳴き声がしたよね?」
「うん、きこえた。なんか、くるしそうだったけど…」
『相棒の言う通りだとしたら、助けるならば急がないとな。あの方角から声がした様な気がする』
ドライグの指示に従い、向かってみると、ビンゴだね、其処には2匹の傷だらけの猫がいた。
1匹は黒猫、もう1匹は白猫、だけど何か違和感を覚える、何でだろう?
まあ良いか、一先ず家に連れて行く事に…!
「れーちゃん、だれかいるみたい…」
「っ!そうだね。しかもこの感じ、悪魔…?」
『上級クラスか。相棒、レイネル。敵意も感じるな、心して掛かれよ』
「うん、ドライグ」
「いっちゃんは其処の2匹を見ていて。私が対応して来る」
「れーちゃん!?」
「大丈夫、今思えば無謀だったけどいっちゃんを守るって決意したんだもん、これ位やってのけないと。でも、危なくなったら宜しくね?」
「うん、わかった…」
さて、向こうの人数は、ざっと6人って所かな?一直線にこっちへ向かって来る辺り、猫達に何か用があるみたいだね、それも物騒な方に。
こんな大人数で、可愛い猫2匹をいたぶるなんて、悪魔って随分と自分勝手な物だね、まあ、こっちにしてみれば今の私の実力を計る上で好都合だけど。
「あ?此処には結界を張っておいた筈だが、何で人間のガキが?」
「まあ良いだろう、見られたからには生かしておく必要は無い」
「だな、さくっとやっちまおうぜ」
「で、その後に其処の猫又姉妹共々眷属にしちまおうか」
「だよな、よし決まりだ」
「おいおい、さっきから動かないみたいだぜ。ま、今からどうなるかを察して、ビビっちまったんだろう」
随分と好き勝手言ってくれるね。
それにしても、あの2匹の猫は、妖怪の猫又だったんだね。
それと、眷属?確か悪魔陣営には、他の種族の存在を悪魔として蘇らせる技術があるって聞いたけど、それが何か関係あるのかな?
まあ良いや、
「ま、そういう事で…じゃあなお嬢ちゃん、自分の運の無さを呪いながら死「ガイアール!」(ヒュゴォ!)ぎゃぁぁぁぁぁ!?」
「お、おい何が!?」
「なっ!?何で急に炎が!?」
「あのガキがやったのか!?」
「何なんだあのガキ、唯の人間だったんじゃないのか!」
「構わねぇ!やっちまえ!」
悪魔の集団の内の1人が私に襲い掛かろうとしたのを見計らい、胸からガイアールを出しつつ、炎を射出させて一瞬の内に火だるまにしてやった(こら其処、ビー○マン言わない)。
尚も襲い掛かって来る悪魔達だけど、この距離、そのスピードならガイアールの的も同じだよ!
「やぁ!(ゴォォォォ!)」
「ぐぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「わっ!?ま、またかよ!?」
「け、剣だと!?何時の間に!?」
「しかもあの剣、只ならぬ力を感じる、だと!?」
「なんだってあのガキが、あんな剣を!?」
ドライグは上級クラスだと言っていた6人の悪魔達、だけどそんな悪魔達が、ガイアールを手にした私に成す術なく火だるまにされていき、そんな状況下でも私はいっちゃん達を、いっちゃんと2匹の猫又を守るという目的を忘れる事無く、冷静に動けている、これ、この光景って…
私も、成長出来ているって事…?
ドライグの言う通り、このガイアールの力に飲まれる事無く使えているって事…?
いっちゃんの足を引っ張る事が無い程、強くなっているって事…?
「はぁっ!(ボォォォォ!)」
「がぁぁぁぁぁぁぁぁ…!」
「くそっ何だってんだよ、これって…!」
「ちくしょうめ!」
行ける、やれる!
このガイアールが、私の力が、やれると教えてくれる…!
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「ふぅ、撃退成功ってね」
「れーちゃん、すごいかっこよかったよ!」
「えへへ、ありがとういっちゃん!それじゃあ、猫を助けるよ」
「うん!」
私が私自身の強さを理解し、猫又姉妹を救い出した、今日の戦闘。
だけどこの戦闘が、世界の歯車を少なからず狂わせた事を、まだ私は気付いていなかった。