ハイスクールD×D×D~堕天した花嫁の激しく熱かりし物語ィィィィ!~   作:不知火新夜

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5話_新しい家族

悪魔達に狙われていた猫又姉妹を保護した私達は、帰宅して直ぐにいっちゃんの両親にその事を報告した。

幸い、いっちゃんの両親は人外勢力に関する見識を持っていた(というか、私が堕天し、いっちゃんが赤龍帝だと判明して直ぐに説明した。赤龍帝であるいっちゃんの血縁者という事で、人外勢力等から狙われる可能性があったから。まあ最初は半信半疑だったけど、私が翼を見せれば納得してくれた)為、直ぐに対応してくれた。

 

「さて、もう変身を解いても大丈夫だよ。此処は貴方達の事情を知っている人達ばかりだから、ね、猫又さん達?」

「っ!?な、何で知って、ああ、あの悪魔達がバラシていたの忘れていたにゃ…」

 

私の指摘に一瞬驚いた黒い猫又だったけど、その理由を直ぐに思い出し、猫の姿を解く、と、

 

「わ…?ふ、2人とも女の子だったの!?」

「いっちゃん、それもあの悪魔達が言っていたよ…?」

「あ、そうだったね…」

 

其処には着物を着用し、頭から猫耳を生やした2人の少女がいた。

比較的大柄だった黒猫は、黒髪で、私達より1つ位上の少女に、小柄だった白猫は、銀髪で、私達より1つ位下の少女になった。

さっきの悪魔達の会話からして、黒髪の少女が姉だろう、余り似ていない気もするけど…

 

「私は黒歌。知っての通り妖怪の猫又で、隣にいる白音の姉よ。さっきは助けてくれてありがとうにゃ」

「…白音です」

「ぼくは兵藤一誠。イッセーってよんでね!」

「私はレイネル。猫又って確か仙術って術式を使うらしいから感づいていると思うけど(バサァ!)、堕天使だよ」

「っ!やっぱりアンタ堕天使だったのね、どおりで色々と知っている筈にゃ…」

「といっても『神の子を見張る者(グリゴリ)』には入っていない、『はぐれ』だけどね」

「は、はぐれ堕天使…?はぐれ悪魔なら聞いた事あるけど、そんなのいるのかにゃ…?」

「まあ堕天してからずっと、挨拶にすら行っていないだけだけどね」

 

私が堕天してから1度も、グリゴリに出向かなかったのは訳がある、無論、いっちゃん達の事だ。

赤龍帝はその神器の稀少さ・強さだけでなく、そこに封印されているドライグと3大勢力との因縁も相まって、全世界の人外勢力が注目していると言っても過言じゃ無い。

もしいっちゃんが現代の赤龍帝だと明るみに出てしまったら、そしてその彼女である私が堕天使だと知られればどうなるか…

まず間違いなく、堕天使である私を通じて、グリゴリがいっちゃんを引きこんで来るだろうけど、その後どうなるかは全く予想が付かない。

ドライグ曰く『優しくも強い心』を持っている私と同じとは限らない…

嘗ての因縁を掲げて虐げられるかも知れないし、その強力さに目を付けて何かしらの研究の協力を求められるかも知れない、ひょっとしたら、非人道的なそれかも分からない。

また、引きこもうと引きこまなかろうと、他の勢力から戦争の意志アリと疑われるだろう…

赤龍帝の籠手を始めとした神滅具は、それだけ強力だからね。

その芽を摘むべく、いっちゃんとグリゴリの仲を裂かんとあの手この手を仕掛けて来る事も考えられ、その手は、私やいっちゃんの両親にも及びかねない。

そして今言ったのはあくまで『赤龍帝としてのいっちゃん』の存在が明るみに出ればの話であり、今のいっちゃんは更に心核武装という、これまでどの勢力も知らなかったであろうトンデモアイテムを作り出せる存在。

その事実すら知られてしまったら、考えただけでも恐ろしい…!

故に私は堕天してから1度もグリゴリに挨拶せず、所属する意思の無い『はぐれ堕天使』として過ごす事にし、私の存在が明るみに出るのを避ける為に学校には通っていない、という訳。

 

「助けて貰っておいてあれだけど、1つ聞きたい事があるのにゃ」

「何かな?」

「アンタが使っていたらしい剣、一体何なのにゃ?翼が1対しか無かった事、感じた力が余り大きくなった事から、アンタ下級堕天使でしょ?確かに悪魔にとって天使や堕天使が持つ光は天敵、上級悪魔ですら下級の天使や堕天使に後れを取る事もあり得なくは無いのにゃ。だけどそれが1対6ともなれば話は別だし、何よりアンタはあの時、光を1回も使っていなかった。なのに圧倒した末に全員を焼き殺した、突っ込み所が多すぎる場面にゃ。そうなればあの悪魔が言っていた剣、アンタが何時の間にか持っていた剣、その剣の力なんじゃないか、私はそう思っているのにゃ」

 

やっぱりそこが気になるか…

まあ気にするなという方がおかしいよね、これは。

けどどうした物か、いっちゃんの素性を明かすのは好ましくない以上、此処でぺらぺらと話しては本末転倒、しかし彼女達にはその現場を、間接的ながら見られている、此処で隠してもしつこく追及して来るやも知れない、猫って好奇心旺盛だって言うしね…

 

「いっちゃん、話しても良いかな…?」

「うん、いいよれーちゃん」

『良いのかレイネル?コイツらからリークされないとも限らないぞ?』

「其処はちゃんと考えているよ、ドライグ。じゃあ2人とも約束して?この事は誰にも口外しないって」

「何か今物凄く気になる単語が聞こえたけど、分かったのにゃ。良いわね、白音?」

「…はい、ねえさま」

 

2人に口外しない事を約束させ、私は事の子細を話した。

いっちゃんが今代の赤龍帝である事、禁手『赤龍帝の心核武装』と心核武装の事、全て。

 

「ま、まさかこの子が今代の赤龍帝で、しかも禁手が亜種、何か、驚きを通り越して理解し切れないのにゃ…」

「…いろいろとぶっとびすぎです」

 

ま、まあそうだよね、私もいっちゃんと過ごして大分経つけど、それでも未だにびっくりさせられっ放しだもん。

 

「それじゃあ黒歌に白音、こっちの事情を話したんだから、そっちの事も話してね?どうしてあの悪魔達に追い掛け回されたのか、どうして年端も行かない少女2人だけなのか、なるべくね」

「分かったのにゃ」

 

私の要求に応じ、黒歌は事の子細を話してくれた。

数週間前に両親が亡くなり、それから放浪の毎日だった事。

仙術の才を活かして、妹の白音をずっと外敵から守っていた事。

ところがそれを目にした上級悪魔が、彼女達を自分の手下とすべく付け狙っていた事。

何度も追い払ったり、または行方を眩ましたりしてはいたが、何時しか心身共に疲れ果てていた事。

そして、あの場所に追い詰められた所に、私達が偶然居合わせた事…

 

「そっか、2人とも、たいへんだったね…」

「何て事を…!才能が良いからって、本人の意志も無視で手下にしようだなんて、どれだけ心根が腐っているのかな…!」

 

良し…!

 

「そしたら黒歌に白音?良かったら私達と一緒に住まない?」

「あ、いいねれーちゃん!ナイスアイディアだよ!」

『俺も賛成だ。口封じの約束をさせた以上、監視の目を付けないといけなかったしな』

「え…?」

「良いのかにゃ…?」

「いっちゃんもこう言っているんだし、勿論だよ!」

 

その後、いっちゃんの両親にも事情を説明し、黒歌と白音は、兵藤家の養子となった。

ちなみに黒歌がいっちゃんの姉、白音がいっちゃんの妹、という事になる。

何だか一段と、賑やかになって来たね。

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