ハイスクールD×D×D~堕天した花嫁の激しく熱かりし物語ィィィィ!~ 作:不知火新夜
黒歌と白音が兵藤家の家族となってから、更に1年が経った(ちなみに2人は私と違って学校に通っている。妖怪には勢力を一元的に纏める政府の様な組織が無いしね)。
その間も、2人を新たに加えながらも特訓は続いていた。
その2人の状況はというと…
まずは姉の黒歌。
元々白音を外敵から守っていたのに使っていた事もあって、仙術を始めとした数々の術式に通じていて、そしてそれを行使する才も類稀な物があった。
その術式に対する博識さから、時折私達に様々な術の使い方を教えてくれ、一方で自分はそれを用いた戦闘スタイルを模索している。
一方の妹の白音。
黒歌には及ばないといっても彼女もまた仙術の才があり、そして彼女ならではの特徴として、私達の中では群を抜いて高い身体能力と、猫又としての力を使いこなす才の高さが上げられる。
それらを用いた戦闘は、時としてこの中では一番強いいっちゃんですら苦戦する程。
私は未だに食らいつくのも難しいのに…
後余談だけど、2人揃っていっちゃんに惚れている様なんだよね…
黒歌は本人曰く「強者の子を宿すのが夢」らしく、赤龍帝な上に心核武装という未知の存在を有するいっちゃんへのアプローチが結構激しい。
白音も白音で家族となって以来、いっちゃんの優しくて純真な姿にすっかり骨抜きにされてしまったそうで、猫らしくいっちゃんの膝を占有したがる。
いっちゃんもそんな2人に対して困惑しつつも何処か満更でも無い様子で…
私の存在は何処へ行ったのかな、かな?
まあでも、いっちゃんにべったりされちゃうと許しちゃうんだけどね…
私、いっちゃんにとことん堕とされちゃったみたい。
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「ちょっと黒歌!いっちゃんから離れて!ベタベタし過ぎだよ!」
「そんなにけちけちしないで欲しいにゃ、レイネル。減るもんじゃ無いんだし」
「減るよ!いっちゃんの男としての威厳とか色々!」
「ちょ、ちょっとれーちゃんもお姉ちゃんもケンカしないで。せっかくのお出かけなんだからさ」
「…おにいちゃん、わたしもぎゅってしたい…」
「どうしたの白音?あまえたくなっちゃった?かわいいなぁ」
「…ふにゃあ、もっとなでなでして…」
「白音!?抜け駆けは厳禁なのにゃ!」
「どさくさに紛れないの!」
全く羨まし、ゲフンゲフン、人前でいちゃつかないの、白音!
って、つい我を忘れちゃった。
今私達は、住んでいる街から何駅か離れた街に4人で出かけている。
これをデートと思う人は少ないだろうけど、私はそうだと思っている、多分他の3人もそう思っているかも。
今みたいないっちゃんを巡る喧嘩も度々あったけど、それでも買い物したり、一緒にランチを食べたり、ゲーセンで遊んだり、楽しい時間はあっという間に過ぎて行った。
そして日が暮れ始め、帰ろうとした時の事。
「あ、神社があるにゃ。そうだ、折角だからお参りにいこうにゃ」
「そうだね。そこで願掛けでもしない?」
「うん、いいね」
「…おにいちゃんたちとのすえながいしあわせ…」
偶然、神社を見つけた私達は、黒歌の提案に乗ってお参りする事にした…
私が願うのは勿論、いっちゃん達との平穏の日々。
願掛けする内容を思い描きながら境内への道を進んで行こうとした時、
「待つのにゃ、皆。何か、人払いの結界が張られているみたいにゃ…」
「え?それは本当なの、黒歌?」
「微妙な違和感を覚えたから仙術で調べてみたら、ビンゴなのにゃ。尤も、私達には効果の無い代物だけど」
「ということは、この中で、なにかあぶないことが…!」
「…はやくいきましょう!」
黒歌の忠告に、緊張が走る私達…
いっちゃんの言う通り、人目を避ける処置を施しているとなれば、中の存在が良からぬ事を行おうとしている可能性が…!
そう思い立ち、皆揃って心核武装を取り出しつつ、中の様子を探る、と、
「朱璃よ、今すぐにその子供を渡せ。その子供は忌まわしき黒い翼を持った、この世に存在してはならぬ者だ!」
「嫌です!この子は私とあの人との子供です!」
「明らかにヤバそうな雰囲気バリバリにゃ…」
「見た感じ、あの女性の後ろにいる子、あの子を手に掛けようとして、前の女性が護ろうとしているって所ね…」
「けどレイネル、感知した気配と、向こうの話を纏めるとあの子は恐らく堕天使、それもあの女性と堕天使であろう父親との間に生まれたハーフって事になるにゃ。グリゴリに感づかれると不味いんじゃなかったかにゃ?」
「今この場面を見て、後先考えて見てみぬ振りをしろって?そんな事、死んでも御免だよ!」
「同感にゃ」
「もちろん、たすけ出しに行くよ」
「…わたしもいきます!」
「なら、イッセーが先陣を切って蹴散らしつつ、あの子達を保護して。白音がそれに続き、レイネルと私が後詰で制圧、これで行こうにゃ」
「うん!」
「分かったよ!」
「はい!」
作戦会議を早々と終わらせつつ、各自構え、
「ぜぇぇやぁ!」
「む(ザァン!)がぁぁぁぁぁぁぁ!」
「な、何が(ザシュゥ!)ぐぅぅぅ!」
「ば、馬鹿な(ズバァ!)あがぁぁ!」
「大じょうぶですか!?ぼくのうしろにかくれて下さい!」
「え、あ、はい…」
いっちゃんがガイハートを手に、何人かを一瞬の内に斬りつけつつあの親子を庇うポジションに立ち、
「ぶっとべ!」
「侵入者か(ごすぅ!)ごはぁぁぁ!」
「そこっ!」
「は、早く(どごぉ!)がはっ…!?」
白音が、龍の頭部の様な形状の打撃部分を持った大型ハンマー、白音の心核武装『
「エクシーズ召喚、ジャイアント・ハンド!なんちゃって」
「(ゴン!)ぎゃぁぁぁぁ!?」
「(バコッ!)ぐはぁぁぁ!?」
「ジョークはこれだけにして、ぶった斬るのにゃ!」
「(ドシュゥ!)ぐぁぁぁぁ!」
「燃え上がれ!(ヒュゴォ!)」
「がぁぁぁぁ!?炎がぁぁぁ!?」
「ぎゃぁ!?な、何故消えぬ!?」
「た、助け…!」
黒歌と私が、トドメを刺す。
黒歌は、龍を模した意匠の、金色をメインカラーにした両刃のバトルアックス、黒歌の心核武装『
その奮闘の甲斐あって、制圧は難なく完了した。
「怪我はありませんでしたか?」
「は、はい、貴方達は…?」
「ぼくは兵藤一誠です」
「私は兵藤黒歌にゃ」
「…兵藤白音です」
「私の名はレイネルです。この街にはちょっとした用で来ていまして、偶然この神社を見かけたので立ち寄ったのですが、まさかあんな事態が起きていたとは…」
「朱璃!朱乃!無事か!?」
「あ、貴方!」
「お父様!」
あの親子の安否を確認していると、空から父親らしい堕天使の声がしたって、これは…!
「この力の感じ、5対もの翼、これって…!」
「間違い無いにゃ、堕天使の中でも最高幹部クラス…!」
「…っ!」
「え、どうしたの3人とも?もしかして、あの人のすごい力が…?」
その姿と強大な力に戦慄を覚える私達、其処へ、
「君達が我が家族を守ってくれたのか。私の名はバラキエル。我が家族を命の危機から救ってくれてありがとう。心から礼を言いたい」
その堕天使は、まさかのグリゴリの最高幹部、バラキエルだった…
この日この時を以て、世界が大きく動き出す事を、この時誰が気付いただろう。