ハイスクールD×D×D~堕天した花嫁の激しく熱かりし物語ィィィィ!~ 作:不知火新夜
「粗茶をどうぞ」
「ありがとうございます」
「ありがとうなのにゃ」
「どうも」
「…ありがとうです」
助けて貰った御礼を改めて言いたいというバラキエルさんの勧めに従い、私達は彼らの住居である神社に立ち寄り、奥さんである朱璃さんからお茶を出された…
な、何だか緊張するな、相手がグリゴリの最高幹部なだけに余計…
「改めて自己紹介をしよう。私の名はバラキエル。堕天使の組織、グリゴリについては聞いた事もあるだろうが、私はその最高幹部に就いている」
「バラキエルの妻、姫島朱璃です。お蔭で助かりました」
「姫島朱乃です!助けてくれてありがとう!」
「えっと、兵藤一誠です」
「イッセーの姉の兵藤黒歌にゃ。多分感づいていると思うけど、妖怪の猫又にゃ。隣にいる白音もね」
「…いもうとの兵藤白音です」
「レイネルと言います。気付いておられるでしょうが、私の正体は堕天使です」
「君達から感じる底知れぬ力、刺客達を圧倒した手腕、尋常では無いとは思っていたが、やはりか。しかし、レイネルか…
グリゴリにそんな名前の堕天使がいるとは聞いていないが?」
「その事ですが、少々長くなりますが、宜しいですか?」
「構わない。余程、込み入った事情があるのだろう」
自己紹介の際、私の名前を聞いて疑問に思ったバラキエルさんに、その訳を説明する…
いっちゃんが赤龍帝である事、その禁手である赤龍帝の心核武装の事、それによって私達の身体から作り出された心核武装の事、その事が明るみに出る事に対して私が危惧している事、全てね。
「成る程な。赤龍帝である事だけでも衝撃的であるのに、更に心核武装と言ったか、その未知かつ強大過ぎる力を生み出す鍵ともなれば、心配になるのも分かる。私も家庭を持つ身だからな…
それにこっちは生憎白龍皇が既に所属している現状、大昔からの因縁の決着を態々早める訳にも行かないし、仮にその事に目を瞑って引き入れても、コカビエル辺りにその力を酷使させられかねない…
君達には家族を助けて貰った恩もある、そちらの想いの通り、口外しない事を約束しよう。朱璃も朱乃も、分かったな」
「はい、貴方」
「分かりました、お父様」
「あ、ありがとうございます!」
良かった、堕天使は上下関係が厳しいと聞いていたし、下級程度の力しか無い私の要望を、最高幹部であるバラキエルさんに聞いてもらえるか内心絶望的だったんだけど、それでも何とか話せて、そしてそれを聞き入れてくれて、本当に良かった…!
「さて、助けて貰っておいてお願いするのは気が引けるが、良いだろうか…?」
「はい、何でしょうか?」
「一体何にゃ?」
「我が娘である朱乃は人間である朱璃との間に生まれたハーフ、おまけに朱璃は神社の家の出、つまりグリゴリとは余り友好的と言えない勢力の出なんだ。その彼女が私と結ばれ、間に子をもうけた事を良く思わない連中は多い。今日みたいに朱乃達の命を狙って刺客が送り込まれるのもしばしばあった。今までは私自ら退けてきたものの、今日みたいにグリゴリでの仕事が忙しい日を狙ってまた襲って来るやも知れない。其処でお願いだが、今後も、朱乃を守ってはくれないだろうか…?」
「へ?」
「え?」
え、それって…
「ああ、勿論此処から数駅離れた所に住んでいるのは承知の上だし、その件でこっちに引っ越せと無理強いする気は無い。逆に、我々が君達の家の近所に引っ越し、朱乃も転校させたい。どうだろうか?」
「え、あ、貴方!?」
「お父様!?」
「こんな大事を、思いついたような感じに言って済まない、2人共。しかし身元が既に割れ、刺客の手も日に日にしつこくなって来ている。部下に頼もうにも、神社とこれ以上ゴタゴタは起こしたくないと及び腰だ。その点、彼らの強さは相当な物だし、今言った様なしがらみも特にない…
向こうが引き受けてくれればの話だが、これがベストな手段なんだ」
「それは、そうね…」
ちょっとそう言われると断れないな…
尤も、提案されなくても「やります!」と手を挙げちゃうだろうな、私…
だって、バラキエルさんと朱璃さんは堕天使と人間、性別こそ逆だし、地位や力的な物も違うけど、私といっちゃんと重なって見えるから。
そんな2人の純真な想いに、その結晶である朱乃ちゃんに、果たして第三者が自分の勝手な都合で手を掛けて良いのか、良い訳が無い…!
「いっちゃん、黒歌、白音…
どうかな?」
「よし、やろうよ、れーちゃん!朱乃ちゃんをおまもりしよう!」
「イッセーが良いって言うならOKにゃ」
「…はい!」
「うん!ありがとう、いっちゃん、皆!」
「そ、そうか、引き受けてくれるか!ありがとう、本当にありがとう!君達になら朱乃の身も安全だ!」
良かった、皆も同じ想いだった…!
「レイネル。そのお礼と言ってはあれだが、確かその歳で学校に行っていないと聞いた。学の面から言えば必要の無い事かも知れないが、学校に行く目的はそればかりじゃない。友達との触れ合いもその1つだ」
「は、はあ…」
あれ、どうしたのかな…?
「現状からして通うと危険なのはさっきも聞いたが、今のままの身分ではその他の活動にも支障が出かねない。そこで提案だ。我が養子にならないか?」
「へ…?」
え、え、それって…
「ああ、グリゴリに入る必要は無い。あくまで我らの2人目の娘として、朱乃の妹として、だ。我々としても朱乃を守ってくれる存在は多く、長い間いてくれる方が良いし、レイネルだってこれ以上、1人だけ留守番と言うのは我慢ならないだろう…
愛する存在と半日も離れ離れなのは辛いだろう?」
「!」
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その後、バラキエルさ、お父さん達姫島家の引っ越しと、私の姫島家への養子入りが決まり、私は今後、姫島怜奈と名乗る事になった…
だってああ言われたら食いつくしかないよ、それに合法的にいっちゃんと結婚できる立場になるんだし…