【推しライナー】   作:チェシャ猫もどき

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みなさんのランキングにのることあるのですが、前話を投稿したらランキングの17位になっていました!
人間ビックリしすぎると冷静になるんですね。
本当にありがとうございます!!

あと、前話を投稿してたくさんの感想をいただいたのですが、誰もライナーが死んだと思っていないしさっさと生き返れって人達ばかりでした。

まさかの感想に脳を焼かれたので初投稿です。


二千年……若しくは……二万年後のライナーへ

 俺みたいな人間は死んだら地獄に行くと思っていた。

 

「……ここは?」

 

 見渡す限り砂しかない、まるで砂漠のような場所に俺はいた。

 罪のない大勢の人達を殺した俺は地獄で永遠に苦しみ続けると思っていたが、ここには砂以外の何も無い。

 

「……あれは?」

 

 自分の後ろ、光が巨大な木のようになってこの場を照らしている。

 

「……誰だ?」

 

 逆光のせいで影になっていて見えないが、光の中に誰かいる。

 光に向かって歩く。

 

 ここがどこなのか。

 俺は死んだのか。

 これからどうすればいいのか。

 何か知っているかもしれない。

 

「そんな……まさか」

 

 そうやって歩いて、近づくほどに少しずつ見えてくる。

 その姿にありえないと思っても、決して見間違いなんかじゃない。

 

「よぉ、久しぶりだなライナー」

 

「……エレン」

 

 エレン・イェーガー。

 

 俺のせいで母親を巨人に食われた、あの世界で俺が犯した罪の犠牲者がそこにいた。

 

「ここは『道』だ。時空を超えたこの場所で全てのユミルの民は繋がっている。だから時間を気にする必要はない。長くなる。まぁ……座れよ」

 

「……ああ」

 

 エレンに促されてその場に座る。

 

「ライナー、お前に聞きたいことがあった。だからずっとここで待っていた」

 

「そうか……そうだよな」

 

 俺は何の責任も果たさずに逃げた。

 もう逃げるわけにはいかない。

 

「あの日……壁が破られ。俺の故郷は巨人に蹂躙され、目の前で母親が食われた。俺にはわからなかった。なぜだ?ライナー。なんで母さんはあの日、巨人に食われた?」

 

「それは、俺たちがあの日……壁を破壊したからだ」

 

 壁を破壊しなければ巨人は壁内に入ることは出来ず、エレンの母親が食われることはなかった。

 

「なぜ壁を破壊した?」

 

「任務に従い、混乱に乗じて、壁内に侵入し……壁の王の出方を窺うために」

 

 俺たちは任務を遂行するために壁内に侵入する必要があった。

 壁を破壊したことで巨人たちにより壁内は混乱した。

 俺たちはその混乱のおかげで簡単に侵入することが出来た。

 

「その任務とは?」

 

「始祖を奪還し……世界を救うことだ」

 

 島の悪魔から世界を救うために始祖を奪還する。

 それが正義だと俺は信じていた。

 

「そうか……世界を救うためだったんなら……それは仕方ないよな」

 

 世界を救うため。

 それを理由に俺は罪のない大勢の人達を殺した。

 そんなのは正義じゃない。

 仕方なくなんてなかったんだ。

 

「あの時言ってたよな『お前らができるだけ苦しんで死ぬように、努力する』って。そのために待っていたんだろ?」

 

 俺たちがみんなを裏切ってエレンとユミルをさらったあの時エレンが言った。

 

『お前らができるだけ苦しんで死ぬように、努力するよ……』

 

 俺は苦しみから逃げた。

 だからエレンは俺を苦しめるためにここでずっと待っていたんだろう。

 

「あぁ……言ったっけ?そんなこと……忘れてくれ」

 

「……え?」

 

 それは演技とかじゃなく、本当に忘れていたように見えた。

 どうしてなんだ?

 俺を苦しめるためじゃなかったら、どうしてエレンはこんなところで俺を待っていたんだ?

 

「確かにオレは……海の向こう側にあるものすべてが敵に見えた。そして……海を渡って、敵と同じ屋根の下で、敵と同じ飯を食った。ライナーお前と同じだよ」

 

 知らなかった。

 エレンがそんなことをしていたなんて。

 

「もちろんムカつく奴もいるし、いい奴もいる。海の外も、壁の中も同じなんだ」

 

 そうだ、同じだった。

 壁の中に悪魔なんていなかった。

 いたのは俺たちと同じ、人間だったのに。

 

「だがお前達は壁の中にいる奴らは悪魔だと教えられた。まだ何も知らない子供がそう叩き込まれた。一体何ができたよ。子供だったお前に」

 

 壁の中にいる奴らは悪魔だと教えられた。

 俺はそれを信じて疑いもしなかった。

 

「なぁ……ライナー。お前……ずっと苦しかっただろ?」

 

「違う!!違うんだエレン……!!」

 

 違うんだ!

 俺はお前に許されていい人間なんかじゃないんだ!

 

「俺はあの日……マルセルが食われて……アニと……ベルトルトは作戦を中止して引き返そうとしたのに……俺は二人を無理矢理説得して……作戦を続行させたんだ」

 

 あの時食われたのがマルセルじゃなくて俺だったら。

 作戦を中止して引き返していれば。

 お前の母親は巨人に食われることはなかった。

 

「俺は……英雄になりたかった!!誰かに尊敬されたかった……俺が悪いんだよ!!」

 

 英雄になりたいという自分勝手な願いのせいで、何の罪もない大勢の人達を俺は殺したんだ!

 

「時代や環境のせいじゃなくて……俺が悪いんだよ!!お前の母親が巨人に食われたのは俺のせいだ!!」

 

 あの日、壁を破壊する決断を下したのは俺だ!

 それは時代や環境のせいじゃなくて、俺の責任だ!

 

「そうか……やっぱりお前はそう言うんだな……ライナー」

 

「……やっぱり?」

 

 やっぱりってどういうことだ?

 まるで俺がこう言うと知っていたみたいに。

 

「ライナー……進撃の巨人の継承者は記憶を共有し見ることが出来る。それがたとえ未来の継承者の記憶であってもだ」

 

「……なっ!?」

 

 俺も鎧の巨人の継承者の記憶を見たことはあるが、それは前任者の記憶だけでそれ以前の継承者の記憶は見れない。

 ましてや未来の継承者の記憶なんて俺以外の巨人の継承者だとしても見ることなんて出来るわけがない。

 

「エレン……お前は……何を見たんだ?」

 

 世界の全てが敵だったあの世界。

 本当に未来を見ることが出来るなら、お前はどんな未来を見たんだ。

 

「俺は……未来で地鳴らしをした」

 

「そん……な」

 

 地鳴らし。

 

 それはパラディ島の壁に潜む幾千万もの巨人たちの行進による無慈悲な大量虐殺。

 あらゆる都市や文明が踏み潰されて全てが平らな地平になる。

 

 それが地ならし。

 

「どうして……そんな」

 

 わからない。

 エレンは確かに俺たちを恨んでいるだろう。

 復讐したいと思っても当然だ。

 だとしても、地鳴らしは無関係な人達も巻き込んでしまう。

 

 無関係な人達を巻き込んで平気な人間じゃないはずだ。

 

「どうしてって言われたら……それしかなかったからだ」

 

 諦めたように、仕方なかったんだと。

 俺の知っているエレンとは思えなかった。

 

「俺たちも地鳴らし以外の方法を必死で考えた。パラディ島と唯一の友好国であるヒィズル国の手を借りて外の世界も見た。敵ばかりじゃないと。話し合えばきっと分かり合えるはずだと信じて」

 

 その結果がどうなるのかわかってしまった。

 俺はその外の世界の人間だから。

 

「でも違った。外の世界に俺たちの味方なんていなかった」

 

 そうだ、世界中が島にいる人間は世界を蹂躙した悪魔だと。

 世界中の人を虐殺した悪魔だと。 

 滅ぼすべき悪魔だと。

 そう信じて疑っていなかった。

 

「世界中の人間が俺たち島の人間は悪魔だって言った。同じエルディア人ですら自分たちは被害者で、悪いのは島の悪魔だと」

 

 島の外にもエルディア人もいた。

 俺だってエルディア人だ。

 エルディア人ということで差別されたが、全部島の悪魔のせいだと決めつけていた。

 自分たちがこんなにも辛い目にあっているのは全部島の悪魔たちのせいであり、自分たちは奴らとは違う善良なエルディア人だと。

 

「ライナー、お前は鎧の巨人だから知っていただろ?世界が連合を組んで島に宣戦布告をすることを」

 

 マーレは女型の巨人と超大型巨人を失い、技術の進歩によって巨人の力も通じなくなりつつあった。

 世界の憎しみの矛先をマーレから逸らすため、始祖の力を手中に納めて技術が進歩するための時間稼ぎをするために、俺たちは世界に協力を呼びかけて宣戦布告をしようとしていた。

 

「だから……地鳴らしをした。島のみんなを守るために」

 

 世界のすべてが敵である状況で、それでも島を守るには地鳴らししかないだろう。

 他に島を守る方法があったとは俺には思えない。

 

「地鳴らしをして……全人類の8割を踏み潰したあと……俺は殺されるはずだった」

 

「殺……される?」

 

 耳を疑った。

 幾千万の巨人が相手ではどんな兵器だろうと巨人たちを殺しきることなんて出来るわけがない。

 なのに、どうしてエレンは殺されるんだ?

 

「アルミンたち地鳴らしに反対する島の人間と、マーレの巨人の力を持っている奴らが協力して地鳴らしを止めたんだ」

 

 それを聞いて納得した。

 あいつらは自分たちのためなら大勢の人達を殺すことを受け入れるような人間じゃない。

 だから、たとえエレンが相手だったとしてもあいつらは立ち向かっただろう。

 

「島の悪魔であるアルミンたちが地鳴らしを止めることで島の人間が必ずしも悪魔じゃないと世界は理解する。それに全人類が8割も踏み潰されたら復讐どころじゃない。そう思ったから俺は地鳴らしをしてアルミンたちに殺されるはずだった」

 

「はず……だった?」

 

 エレンは未来を見て、その未来に従って行動したんじゃないのか?

 なら、どうしてはずだったなんて言うんだ?

 

「俺を止めるために立ち向かった奴らの中にはライナー……お前もいたんだよ」

 

「……っ!!」

 

 いくらあいつらが巨人との戦いの経験が豊富とはいえ、その戦いは過酷だったはず。

 なのに鎧の巨人の力を持つ俺は自殺してしまった。

 俺のせいで未来が変わってしまった。

 

「あの戦いは誰が欠けても地鳴らしを止めることは出来なかった。だからお前が死んだと知って……俺はどうするべきなのかわからなくなった。このまま地鳴らしをしてもいいのかどうか」

 

 俺が自殺したことで地鳴らしを止めることは出来なくなってしまった。

 島以外の全人類も踏み潰され、アルミンたちも全滅するという最悪の結果になるだろう。

 

「いくら世界が俺たちの敵だとしてもすべての人間が悪いわけじゃない。それに少なくとも島と外じゃ死ぬ人の数が違いすぎる。だから……死ぬべきなのは俺たちの方じゃないのかって」

 

「それじゃあ……やめたのか?……地鳴らしを」

 

 島と世界。

 その人数は比べるまでもない。

 島の人間が全滅するのと、島以外の人間が全滅するのとではその数は違いすぎる。

 たとえ世界中が自分たちの敵だったとしても、世界を滅ぼす選択が簡単に出来るはずがない。

 

「いや……俺は結局……地鳴らしをしたよ」

 

「どう……して」

 

 地鳴らしを止めることは出来なくなってしまったのに、エレンはどうして地鳴らしを。

 

「なぁ……ライナー。お前が死んだことを……マーレは世界に対してどう言ったと思う?」

 

「どうって……自殺したと言ったんじゃ」

 

 俺は苦しみに耐えられずに自殺した。

 それ以外にないはずだ。

 

「マーレは世界に対してこう言ったんだ。『鎧の巨人の継承者であるライナー・ブラウンは、島の悪魔によって殺されてしまった』ってな」

 

「そん……な」

 

 そうだ、鎧の巨人の継承者である俺が自殺したなんてそんな醜態を言えるはずがない。

 なら、島の悪魔のせいにして世界に対して島の悪魔たちへの恐怖を煽るために使うに決まっている。

 どうして俺は、そんな簡単なことに気付けなかったんだ。

 

「俺たちはお前を殺していないのに……お前を殺したことになった。俺たちは世界を滅ぼそうなんて思っていないのに……俺たちは世界を滅ぼそうとしている悪魔にされた」

 

 エレンや島の人間たちはそんな奴らじゃない。

 俺はそのことを知ることが出来たが、それを言うことは出来なかった。

 言ってしまえば、俺や俺の家族は裏切り者として巨人兵器に加えられる。

 だから、言えなかった。

 

 そのせいで世界は、島の人間が悪魔じゃないと知ることが出来なかった。

 

「ふざけるな……全ての都合の悪いことは全部俺たち島の悪魔のせいだ」

 

 俺たちは都合の悪いことを、全ての憎悪を島に押し付けた。

 

「たしかに俺たちは島にいた巨人たちを全て駆逐して、始祖の力も手に入れて地鳴らしが出来るようになった。でもそれは……死にたくなかったからだ。生きていたかったからだ。自由になりたかったからだ」

 

 いろんな奴が戦っていた。

 生きるため。

 外の世界を見るため。

 巨人を駆逐するため。

 

 様々な理由で戦っていたが、誰も世界を滅ぼそうとする奴なんて1人もいなかった。

 

「世界は俺たちが悪魔でいることを望んだ。だから……望み通り悪魔になってやったんだ。世界を滅ぼす悪魔ってやつに」

 

 それは当然の報いだったんだ。

 俺たちが押し付け続けた憎悪を返された。

 

「俺はアルミンたちが巨人になれないように力を奪って……島の外にいる全人類を踏み潰した」

 

 地鳴らしを止めるためには巨人の力は必須だった。

 それが無くなってしまったら、いくらあいつらでも戦うことは出来なかっただろう。

 

「世界を踏み潰したあと……俺はみんなの記憶を消した」

 

「記憶……を?」

 

 記憶を消したってどういうことだ。

 それも進撃の巨人の力なのか?

 

「始祖はエルディア人の体の構造を変えることや記憶を干渉、改竄することが出来る。その力を使って巨人の力を奪ったあと……外の世界と巨人に関する記憶を消した。巨人の力を巡って争わないように……罪悪感で苦しんだりしないように」

 

 まさか始祖にそんな力があったなんて。

 始祖の力は巨人を操るだけかと思っていた。

 

「世界を踏み潰したあと俺は島で暮らして……一生を終えた。俺たちが死んだあとも島は発展をしていって……人は外の世界に出て行った。そして世界に人が繫栄して……歴史を紡いでいった。それが……今のお前が生きている時代の二千年……若しくは……二万年前の世界だ」

 

「……なっ!?」

 

 まさか俺の記憶は、あれは本当にあったことなのか!?

 この世界にあの世界のことが全く無かったのも、始祖の力で記憶を改竄されていたからだったのか!?

 

「どうして……俺は」

 

 どうして俺はあの世界の記憶を持ったまま生まれたんだ。

 どうして俺だけがあの世界を。

 

「ライナー……お前は始祖ユミルによってあの時代に産み出された」

 

「始祖……ユミル?」

 

 どうして始祖ユミルが俺を産み出したりしたんだ?

 

「俺は始祖ユミルじゃないからどうしてなのかはわからないが……きっと始祖ユミルは自分とお前を重ねたんだろう」

 

「……俺を?」

 

 始祖ユミルがどうして俺と自分を重ねるんだ。

 

「始祖ユミルは王を暗殺からその身を呈して守ったが、王は始祖ユミルのことを心配なんてしなかった。始祖ユミルは王のことを愛していたが、王は始祖ユミルのことを奴隷としてしか思っていなかった。愛していなかったんだ」

 

 愛されていなかったと言われて、納得してしまった。

 俺は母さんのことを愛していたが、きっと母さんは俺のことを本当の意味で愛してはいなかったと思う。

 

 だから母さんに愛されたくて、戦士になろうとした。

 戦士になって、世界を救えば世界一の自慢の息子になれると。

 そうすればきっと、母さんも俺のことを愛してくれると。

 

 そう……信じていた。

 

「そのことに絶望したのかもしれない。始祖ユミルは傷を治すことが出来たにもかかわらずそれをせずに自ら死を選んだ」

 

 愛されたいと思っていた相手に愛されていなかったという事実に始祖ユミルはどれほど傷付いたのかはわからない。

 だが、自ら死を選んだとしても仕方ない。

 それほどの絶望だ。

 

「ライナー……お前は本来なら死なずにみんなと一緒に戦い、地鳴らしを止めるはずだった。だが、お前は自ら死を選んだ。その結果……本来変わるはずのない未来が変わった。それが始祖ユミルの興味を引いたんだろう」

 

 変わるはずのない未来を変えた奴がいたら興味を引かれるだろう。

 それが自分と同じように愛されずに自殺していたのならなおさらかもしれない。

 

「きっと始祖ユミルは王に愛されていなかった自分と……母親に愛されていなかったお前を重ねた。だから始祖ユミルは始祖の力を使ってお前を産み出し、施設に預けた。愛を知らない少女である星野アイと引き合わせるために」

 

 俺は赤ん坊の頃に施設に預けられていて、親が誰なのかはわからなかった。

 それは始祖ユミルによって産み出されたからだったからなのか。

 

「お前は星野アイと生きて、星野アイをその身を呈して守った。王を守った始祖ユミルのように」

 

 俺にそのつもりはなかったが、始祖ユミルと同じような行動をしていたのか。

 それを始祖ユミルはどう思って見ていたんだ。

 

「愛されていなかったお前に……愛を知らない星野アイは『愛してる』って言った。自分を重ねていたそれで始祖ユミルは報われたんだろう。始祖ユミルは王の奴隷としての呪縛から解き放たれた」

 

 その言葉を聞いて俺も報われた。

 何の罪もない人達を大勢殺して、戦士としての責任も、守るべき子供たちからも逃げた俺だったが、あいつらを守れたのだと。

 誰かを救うことが出来たんだと。

 

「だから……お前も幸せになれよ、ライナー」

 

「……え?」

 

 その言葉に耳を疑った。

 大勢の人達を殺した俺が、幸せになることなんて許されるわけがないと。

 

「俺は……地鳴らしをして全人類を踏み潰したあと島で生きた。ミカサと結婚して……子供も産まれた。孫も出来て、子供や孫に看取られて一生を終えることが出来た」

 

 エレンたちはずっと戦って来た。

 幸せに暮らす権利はあるはずだ。

 

「罪悪感で苦しむこともあったが……それでも俺は幸せだった。だから……お前も幸せになって、俺と同じ地獄に来いよ」

 

「……地獄?」

 

「そうだ……何の罪もない人達たちを大勢殺しておきながら幸せになったクソ野郎として、俺のいる地獄に来るんだ」

 

「いいのか……俺は。幸せに……なっても?」

 

「いいんだ……ライナー。幸せになっても」

 

 そうだ、俺は地獄に行かないといけない。

 何の罪もない人達を大勢殺しておきながら幸せになって、もっと地獄の奥底まで。

 

「難しいかもしれないが……できるだけ幸せになれるように……努力するよ」

 

 何の罪もない人達を大勢殺した、その罪は決して許されるわけじゃない。

 幸せになれるとは思えないが、それでも俺は幸せになる努力をしなければならない。

 

 エレンと同じ地獄に行くために。

 

「だから……先に地獄で待っててくれ」

 

「ああ……先に地獄で待ってる」

 

 意識が消えていく。

 きっと俺はみんなのもとに戻れる。

 俺1人じゃ無理かもしれない。

 

 でも、みんながいる。

 

 だから俺はきっと幸せになって、地獄に行けるだろう。

 

 

 

 

「……ライナーは?」

 

「ライナーは……もう大丈夫だろう」

 

 ライナーには星野アイたちがいる。

 きっと、みんながライナーを幸せにしてくれる。

 

「じゃあ……行こう。地獄で……みんなが待ってる」

 

 手をつなぐ。

 一緒に行くために。

 

 ミカサもアルミンも、あいつらもみんな地獄に来てくれた。

 自分たちも同罪だと言って。

 俺と同じ地獄に。

 

「ミカサ……お前のことを……愛している」

 

「エレン……あなたのことを……愛している」

 

 





あれだけ刺されて死んだのに生き返るとか、ご都合主義とかクソ展開とかめちゃくちゃ批判されちゃうんだろうな。

あーあ、この話を投稿したあとのみんなの反応が怖いなぁ。(すっとぼけ)
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