始めた時は3話か多くても5話くらいで終わると思っていたのにもう20話です!
まだ続きそうで脳が焼かれたので初投稿です!
ライナーが正式?にアクアとルビーのパパになってさらに盛り上がった打ち上げもさすがに終わりを迎えようとしていた。
「ん、もうこんな時間か」
社長がそう言うから時計を見ると、もう夜も遅くなっている。
いろいろあったからあっという間だった。
「楽しい時間はあっという間だね」
「途中、衝撃的な発言もあったしね」
「本当にごめんね」
このままアイをイジるのもいいけど、時間も遅いし長くなりそうだから今日のところはやめておこう。
みんなで片付けして帰る準備は完了。
「あ、ライナーは今日はここに泊まってね」
「え、どうして?」
「どうしてって……」
「だって親子なんだから一緒に過ごしなよ」
「誰かさんのせいで親子として過ごせなかったわけだし」
「もう……許して」
ライナーもアクアもルビーもみんな仲がよかったけど、親子だって知っていたらもっと違う過ごし方があったかもしれない。
今からでも、親子として過ごしてもいいでしょ。
「そうだな……親子だもんな」
ライナーは優しい顔でアクアとルビーの頭を撫でる。
父親だって知ったばかりなのに、もうすっかりお父さんになっている。
ライナーだから心配なんてしていなかったけど、これなら絶対に大丈夫だ。
「じゃあ……おやすみ!」
「しっかりやすんでね!」
「親子同士仲良くね!」
「アイ!変なことするなよ!」
「ライナーも無理しちゃダメよ!」
みんな声をかけて部屋を出る。
欲を言えばもっといたかったけど、家族になったばかりなんだから邪魔しちゃダメだよね。
「変なことしないから大丈夫だよ!」
「ママたちもおやすみ!」
「社長とミヤコさんもおやすみなさい!」
「みんな今日はありがとう」
ライナーたちとお別れしてマンションを出る。
いろんな情報が大量に来たからまだちょっと混乱しているけど、楽しかったって言える素敵な日だった。
「俺たちは事務所に戻る。お前たちも帰って休めよ」
「はーい!」
「いろいろあって疲れたよ!」
「本当に……ね」
いやぁ、本当にいろいろあった。
「みんなおやすみなさい」
「ミヤコさんおやすみ!」
「お前らも変なことするなよ!」
「しないよ!アイじゃないんだから!」
「あはは、おやすみ!」
社長とミヤコさんと別れてみんなと一緒に歩く。
アイだけじゃなくて、私たちも1人の仕事が増えて来ているから、アイ以外の3人だけになるのも結構久しぶりだ。
「だけど……ライナーがアクアとルビーのお父さんだったなんてねぇ」
「しかも……アイがねぇ」
「ライナーも知らなかったなんて……ねぇ」
あらためて言うけど、本当にとんでもない。
どうしてこうなったんだろうね。
「だけどあれだね……私ちょっと納得してる」
「やっぱり?」
「私も」
私だけかと思っていたけど同じB小町としてやって来たからか、みんなも同じだった。
「ライナーと一緒にいる時はアイドルじゃ無かったよね」
「お兄ちゃんに甘える妹って感じだったよね」
アイはいつもアイドルだった。
ステージの上でも。
ステージの外でも。
私生活でも。
アイはいつもアイドルだった。
それはプロ意識が高いからでもあったけど、きっとアイはずっと演じていたんだと思う。
誰からも好かれる存在を。
ゲームのキャラクターがプレイヤーに操作されているみたいに。
だけど、ライナーと一緒にいるときはちょっと違った。
お兄ちゃんに甘える妹のように笑ったり、ちょっとしたわがままを言ったりしていた。
その時だけはアイはアイドルじゃない、1人の人間としてのアイになれていたような気がする。
「アイが将来誰かと付き合ったりするなら相手はライナーだったらいいとは思っていたけどさぁ」
「いろいろとすっとばしたね」
「本当に……いろいろ」
いろいろな過程を全部すっとばしやがった。
アイにはちょっと天然なところはあったけど、まさかあんなことをするとは思わなかった。
「でもさ……ライナーにはあれくらい強引にいったほうがよかったのかもね」
本当ならあんなこと認められないんだろうけど、ライナーの前世を聞いたらあれくらいしないといけないのかもしれない。
「普通にしたとしたらきっとライナーは……受け入れてくれないだろうしね」
ライナーは何度も言った、何の罪もない人達を大勢殺したって。
責任感の強いライナーだから、前世にしたことだから今の自分には関係ないとか思ったりしなかった。
ライナーのことだから、きっと自分には幸せになる権利なんか無いとか思っていたはず。
「何の罪もない人達を大勢殺したら誰だってそうなるかもしれないけどさ……少しくらい頼って欲しかったよ」
私たちには関係のない話だし、ライナーが私たちのことを大切に思ってくれているから誰かに負担をかけないように黙っていたってことくらい私たちだってわかってる。
わかっているけど、私たちだってライナーのことを大切に思っている。
だから、少しくらい頼って欲しかった。
ライナーの苦しみを、少しくらい軽くしてあげたかった。
「アイもライナー……馬鹿だよね」
「自分たちだけで抱え込んじゃってさ」
たしかに当時の私たちは頼りなかったと思うけど、それでも相談くらいして欲しかった。
「でも……よくバレなかったよね」
「……本当だね」
「バレなくて……本当によかった」
思えば、アクアとルビーとよく一緒にいたからバレてもおかしくなかったよ。
本当にバレなくてよかった。
「もうやってしまったからには仕方ない!私たちもサポートするしかないよね!」
「もうアクアとルビーも、ライナーも幸せにするしかない!」
「しょうがないからアイも幸せにしてやるか!」
ライナーはずっと辛い思いをして来た。
アクアとルビーのことは世間にバレたらきっと非難されてしまうから、きっといろいろなことを我慢しなくちゃいけないかもしれない。
普通の人より大変な思いをするんだから、私たちも力を貸そう!
アクアとルビーもライナーも私たちで幸せにしてあげよう!
アイ?
アイはついだついで!
アイも私たちと同じでライナーたちのことが大好きだから、みんなが幸せだったらアイも幸せでしょ!
同じグループじゃなかったら警察に突き出してるよ!
「みんな、がんばろうね!」
「おうよ!」
「やってやろう!」
アクアとルビーもライナーも、ついでにアイも絶対に幸せにしてやる!
★
事務所のソファーに座って深く息を吐く。
今日の打ち上げでいろんなありすぎてもういっぱいいっぱいだ。
「お水飲む?」
「ああ、頼む」
ミヤコが水を用意してくれる。
打ち上げで飲んだせいもあるが、今は酒に酔いたい気分じゃなかった。
「まさか……ライナーにあんなことがあったなんてな」
いろいろと衝撃的なことがあったが、今1番に思うのはライナーのことだ。
「何の罪もない人達を大勢殺した……よね」
「間違っちゃいない……けどな」
その言葉に間違いはない。
間違ってはいないが、完全に正しいとは思わない。
「ライナーは自分を責めているが、ありゃ自分じゃどうしようもないだろ」
世界中がエルディア人という人種を、島の人間を差別していて、国も周りも、きっとライナーの親もその差別が正しいと教育していたはずだ。
そんな環境が間違っていると言うことなんて出来ないだろうし、言ったら巨人にされるんだからどうしようもないだろ。
仮にライナーがしなかったとしても、違う誰かがやったに決まっている。
「時代と環境のせいなのに、責任を自分1人で背負いやがってよ」
「……馬鹿よね」
「ああ……本当に馬鹿だよ」
時代や環境のせいにせずに、前世の罪を誰にも相談せずに自分で背負って1人で苦しんで。
本当に馬鹿正直な奴だ。
「でも……やっと言えたのね」
「死にかけたからってのが、ちょっと複雑だがな」
襲われて、アイたちを守るために刺された。
死ぬはずだったライナーが助かった。
どうして助かったのか説明するために前世の話もしなくちゃいけなかっただけで、助からなかったら文字通り死んでも言わなかっただろう。
アイたちを殺そうとした野郎は絶対に許せないが、完全に恨み切れないのが腹が立つ。
「でもライナーが前世のことを話してくれたから……私納得したのよ。どうして時々苦しそうにするのか」
「前世の奴らを……思い出したんだろうな」
ライナーはB小町の奴らや、アクアとルビーを見て時々辛そうにしていた。
話してくれた今だからわかる。
ライナーはきっと、前世で一緒に生きていた奴らのことを思い出していたんだろう。
「ライナーが言ったのよ。『俺はみんなから大切に思われていい存在なんかじゃない』って」
「……そうなのか?」
そんなことを言っていたなんて知らなかった。
「ええ……それがライナーが前世のことを話せるチャンスだったんでしょうけど、私がライナーの名前を呼んじゃって。それでライナーが正気に戻ったの。そのせいで前世のことは話してくれなかったわ」
「お前のせいじゃない。きっとその場にいたのが俺やアイたちでも……ライナーは話したりしなかっただろ」
自分の犯した罪を誰かに話して、誰かに負担を背負わせるようなことをライナーはしたりしない。
「お前は悪くないし、それに……俺もあいつが苦しんでいたのは知ってた」
「……そうなの?」
「普段のライナーの様子からもそうだし、ライナーと初めて会った時にな」
ライナーと初めて会ったあの日。
今でもハッキリと思い出せる。
「アイドルにスカウトする時にアイがライナーを連れて来たんだ。それでアイとライナーを説得する時に『みんなに愛してるって言っているうちに、嘘が本当になるかもしれん』って言ったんだよ。それを聞いてライナーは何かを思い出したのか、傷付いていた」
「きっと……兵士だった時のことを思い出したのね」
潜入するために兵士になったライナー。
偽りの姿だったはずが、仲間と一緒に過ごすうちに本当に兵士になってしまった。
嘘が本当になっちまったんだ。
「その時は前世なんて知らなかったからアイが施設に入る前に何か嘘を吐いて誰かを傷つけたんじゃないかって思ったし、あいつらを見て時々傷付いていたから今もライナーが苦しんでいるのは知っていたのに……結局何も出来なかった」
ライナーがずっと苦しんでいたのは知っていた。
ライナーのために何か出来たはずなのに、何も出来なかった。
ライナーのためにしたことが逆にライナーのことを苦しめることになってしまうんじゃないかと思うと、怖くて何も出来なかった。
「本当に……情けねぇよ。……俺は」
わかっていたのに、何も出来なかった。
ライナーのことを思うなら、たとえ傷付けることになったとしても何かをするべきだった。
それなのに、俺は我が身可愛さに何もしようとしなかった。
「それを言うなら……私だってそうよ。ライナーに何もしてあげられなかったわ」
ミヤコもずっと一緒に過ごしていたから、思うところがあったんだろう。
ライナーのために何かをしてやりたいと思っていても、俺と同じように何も出来なかったのか。
「でも……ライナーは話してくれたじゃない。これからライナーたちのためにがんばっていきましょう」
「……そうだな」
過去は変えられない。
だけど、ライナーは話してくれた。
ミヤコの言う通り、これからあいつらのためにがんばっていけばいい。
「……乾杯するか」
「ふふ……そうね」
ミヤコが隣に座り、お互いにグラスを手に持つ。
「これからのあいつらに」
「これからのあの子たちに」
「「乾杯」」
冷蔵庫で冷やされただけのただのミネラルウォーターだが、今まで飲んだどんな高級な酒よりもはるかにうまかった。
★
「みんな帰っちゃったね」
みんなが帰って、部屋には私たちだけになった。
今までならそこまでじゃなかったけど、今日はライナーがアクアとルビーのお父さんだってわかったからちょっとドキドキしてる。
「ライナー……じゃなかった。……パパ!」
ルビーがライナーの名前を呼んだけど、やめてパパって呼んでくれた!
「ああ……パパだ」
ライナーは嬉しそうに笑って、ルビーを撫でてくれる!
「おとう……さん」
アクアが照れくさそうに、お父さんって呼んでくれた!
「ああ……お父さんだ」
ライナーが優しく笑いながら、アクアを撫でてくれる!
「ねぇ……あなた」
「アイ、それはやめてくれ」
「なんで!?」
ライナーがアクアとルビーのお父さんになったから、せっかくだから私もライナーのことをあなたって言ったのに断られちゃった!
「いや……アクアとルビーのことはずっと面倒見ていたから俺の子供だとしても別に大丈夫なんだが、さすがにアイが相手というのはまだ……無理だ」
ライナーはアクアとルビーが産まれる前からずっと面倒見てくれていたし、みんなからアクアとルビーのお父さんだろって言われていたからすぐに受け入れられるんだろうけど、私がライナーにそういうことをしていたなんて知らなかったから仕方ないよね。
「ま、今はいっか」
「……あのなぁ」
困ったように言うけど、少しずつ家族になっていけばいいよね!
「ライ……おとうさん。今日はそういうのはやめようよ」
「そうだよ!せっかくパパになったんだから!」
「はは……そうだな」
アクアとルビーに言われて、ライナーは受け入れてくれたみたい。
まずは外堀から埋めていこう!
「ライ……おとうさん!これからどうする?」
「せっかくだが、もう遅いから寝よう」
「えー!せっかくライナーがパパになったのに!!まだ寝たくない!!」
「わがまま言っちゃダメだよルビー」
みんなで打ち上げをしていたから、もうすっかりおそくなっている。
アクアとルビーはまだ小さいからもう寝なくちゃ。
「ライナーはこれからずっとパパだから、あせらなくても大丈夫だよ」
「うん、わかった!」
今まではパパだって知らなかったからいろいろと我慢しなくちゃいけなかったけど、ライナーがパパってわかったからこれからはもう我慢なんてしなくていいんだから。
「それじゃ、歯をみがいて寝よう!」
「「はーい!!」」
みんなで一緒に歯をみがいて、お布団を敷いてみんなで並んで寝る準備は完了!
「じゃ、電気消すぞ」
「はーい!」
「おやすみなさい!」
「おやすみ!」
ドーム公演の前日もこうしてみんなで一緒に眠ったけど、あの日はライナーがアクアとルビーのパパだってことは秘密だったから新鮮だ。
ライナーがパパだって知って喜んでいたアクアとルビーだったけど、まだ小さいから電気を消したら眠っちゃった。
「ねぇ……ライナー。もう寝ちゃった?」
「いや……まだ起きてる」
起きているか聞いたら、ライナーはまだ起きていた。
「ねぇ……怒ってる?」
「……何をだ?」
「……こんなことをしたこと」
怖くて聞けなかった。
未成年のアイドルなのにアクアとルビーを産んで、ライナーを無理矢理お父さんにしたことを。
「まぁ……もう2度とこんなことはしないで欲しいな」
「……ごめん」
そりゃ、アイドルなのにこんなことされたら困るよね。
「だけど……アクアとルビーの父親になったことは嬉しいよ」
ライナーは嬉しそうに言ってくれる。
「何の罪もない人達を大勢殺して、あいつらのことをずっと騙したうえに裏切った。なんの責任も果たさずに逃げた俺が幸せになることなんて許されないってずっと思っていた」
ライナーがしたことを考えたら、幸せになっちゃいけないって思っちゃうのも仕方ない。
「だから……アクアとルビーの父親になれて……本当に嬉しい」
嫌なんじゃないかって、思っていたから。
ライナーがアクアとルビーのパパになって嬉しいって言ってくれて安心した。
辛そうにしていたライナーが、幸せになれるかもしれないから。
「ライナー……幸せになろうね」
ライナーも、アクアも、ルビーも、社長も、ミヤコさんも、B小町のみんなも、みんなで一緒に幸せになろうね!!
ハーメルンでもブルアカが流行っているしライナーとも相性良さそうだから書いてみたいんだけど、ブルアカやってないからストーリーがわからない。
だれか書いてくれないかなぁ(チラリ)