自分の中の総統に脳を焼かれたので初投稿です!
宮崎で彼と会って、私は殺さそうになったけどライナーが守ってくれた。
その後カラスたちが飛んで行って、そして彼はいなくなった。
あれが何だったのかはわからないけど、きっとライナーの前世の、巨人の力みたいに私たちではどうにも出来ないことなんだ。
だから、あれはもう終わったことだと思うしかないんだ。
「…………知ってたの?」
「ああ……昔、宮崎に来た時に」
「……そっか」
どうして教えてくれなかったのか、なんて聞かない。
アイドルとしても母親としても大変だった時に先生が殺されたことなんて言えないに決まっているから。
「アイ……これを」
「…………それ」
「先生が身に着けていたものだ」
ライナーが取り出したのは、『アイ無限恒久永遠推し!』って書かれたキーホルダー。
先生の遺品を、ライナーはずっと大切にしてくれていたんだ。
「先生の推しはアイだからな。俺が持っているよりも、アイが持っている方が先生も喜ぶだろう」
「うん……そうだね、ありがとう、ライナー」
先生と私はファンとアイドルで先生と患者ってだけ。
先生と私はお互いのことなんて全然知らなかったけれど、先生が私の大ファンだってことはよく知っていた。
だから、これは私が持っておく。
先生のことを絶対に忘れないように。
先生のおかげで、私はアクアとルビーのお母さんになれたから。
「帰ろう……ライナー」
「帰ろう……みんなのところへ」
本当なら先生のお墓参りだってしたいけど、ほとんど他人の私たちじゃもしかしたら怪しまれるかもしれない。
今日だけじゃなくて、きっとこれからも先生のところへはいけない。
だけど、絶対に忘れない。
私たちの大切な人のこと。
そうして、私たちはあの後すぐに宮崎から帰った。
スケジュールの関係もあるけど、きっとしばらくは宮崎には行けないと思う。
東京に帰って、ライナーと一緒に部屋へ帰っている。
何度も歩いた部屋までの道のり。
それを今は一歩一歩大切に踏みしめている。
一緒に歩いてチャイムを鳴らす。
部屋の鍵が開いて、チェーンが外されてドアが開く。
「「おかえりなさい!!」」
アクアとルビーが元気に出迎えてくれた!!
「アクアとルビー!!ただいま!!」
私も負けないように元気に言って2人を抱き締める!
会えなかったのはたった数日だけだったけど、もしかしたら殺されていたかもしれないと思うと、こうしてまたアクアとルビーに会えることが嬉しくてたまらない。
「おかえり!ライ……パパ!」
「おかえりなさい!ライ……お父さん!」
「ああ……アクアとルビー、ただいま」
ライナーがお父さんだってわかったのが最近だから、まだお父さんって言い忘れちゃいそうになっちゃうけど、そんな2人をライナーは優しく微笑みながらアクアとルビーを撫でてくれる。
「アイ!ライナー!!おかえり!」
「2人とも大丈夫!?」
「怪我してない!?」
「大丈夫!私もライナーも無事だよ!」
みんなも待ってくれている。
ドーム公演の時に襲われたばっかりだから、すっごく心配させちゃったと思う。
私たちは無事だって伝える!
「アイを守ってくれてありがとねライナー」
「お前も無事でよかった」
ミヤコさんも社長も待ってくれてくれていた。
私たち本当に大切にされている!
「それで、大丈夫だったの!?」
「うん、もう大丈夫だよ!」
彼がどうなったのかはわからないけど、私たちにはどうしようもないことだった。
正直に言ってみんなに心配かけたくないから誤魔化すしかない。
大丈夫なのは本当だから嘘は言ってないから!
「妊娠がバレた時はどうなるかと思ったが、なんとかなってよかった」
みんなで決めたことだけど、やっぱりバレたらみんなに迷惑がかかっちゃうからなんとかなってよかった。
社長は事務所のトップだったから尚更だったと思う。
「それじゃ、これからのアイたちについて考えるぞ」
こうしてみんなが集まってくれたのは私たちのことが心配だったってのもあるけど、これからどうするかを考えるためでもある。
「これからと言っても……ねぇ」
「どんなに考えても……ねぇ」
「未成年のアイドルなのに……ねぇ」
「お願い……もう許して」
私たちがどれだけ対策しても、今回みたいに妊娠している時の写真みたいなハッキリとした証拠があったらどうしようもない。
悪いのは100%私だけど、もう許して欲しい。
「まぁ……これからってのはライナーについてだ」
「俺ですか?」
「ああ……これからはもっとライナーにアクアとルビーの父親らしいことさせていきたいからな」
今まではライナーを含めたみんなが、アクアとルビーのお父さんがライナーだってこと知らなかった。
だから、アクアとルビーのお世話はミヤコさんが中心でしていた。
だけどライナーがお父さんってわかったから、もっとライナーにお父さんらしいことをさせてあげたいのかも。
「父親らしいことっていっても……ねぇ」
「別に今のままでよくない?」
「俺もそう思うが、他にいい案がないかと思ってな」
父親らしいと言われてもみんな特に案を言ったりしない。
だって今までも充分父親っぽいことしてたもんね。
「普段からアクアとルビーのお世話しているし」
「休みの日も面倒見てるしね」
「この前遊園地に連れて行ってくれたよ!」
「動物園や水族館とかいろいろ連れて行ってくれてるよ!」
「いや、すごいねライナー!」
「めちゃくちゃお父さんしてるな!」
普段からアクアとルビーのお世話をしてくれているけど、あらためて聞いたらライナーすごいお父さんしてくれてるね!
「これ本当に今まで親子だって知らなかったの!?」
「知らなかったのにすごくいいお父さんしてるじゃん!」
私にはお父さんがいなかったから普通のお父さんがどんなのか知らないけど、それでもライナーがいいお父さんだってわかるよ!
「別に……これくらい普通じゃないのか?」
「積極的に子育てに参加してくれて、休みの日もいろんなところに連れて行ってくれるのはいいお父さんだよ!」
「施設育ちだから普通の父親知らないんだなコイツ!」
ライナーも私と同じ施設育ちどころか、赤ちゃんのころから施設にいたからお父さんがどんなのか知らない。
だから、きっと調べたいいお父さん像が普通のお父さんだって思っているのかも。
「え……パパも施設にいたの?」
「あれ?言ってなかったっけ?」
「みんなには言っていたが、アクアとルビーには言っていなかったかもしれないな」
みんなには私とライナーが同じ施設にいたことは言ったけど、アクアとルビーには言っていなかったかもしれないね。
だからアクアとルビーもすごくビックリしている。
「俺とアイは同じ施設にいたんだ」
「そうだったんだ!」
「まさか、アイがアイドルになる前からずっと一緒にいたの!?」
「ああ、俺はアイがアイドルになる前から一緒だ」
今更だけど、私とライナーの付き合いって本当に長いね。
「そんな長い付き合いなのにアイはライナーに……」
「普通に告白すればよかったのに……」
「どうして……あんなことを」
「だって……告白しても振られたらって思ったら怖くて」
ライナーが私のことを大切に思っていてくれていることは知っていたけど、ライナーが私の告白を受け入れてくれるとは思えなかった。
だから、私はあんなことをしたんだ。
「振られるのは怖いのに……」
「未成年のアイドルなのに……」
「妊娠するのは怖くないんだね……」
「妊娠がバレた時のことを考えたら……」
「怖くて怖くて仕方なかったんだけどな……」
「誠に……申し訳ございません」
私は本当に馬鹿で愚かで無責任なクソアイドルです。
「ま、まぁ……当時の俺じゃアイに告白されても振っていたと思いますから、だから……まぁ、あんなことをしても仕方ないですよ」
「まぁ……そうかもしれないけど」
ライナーは幸せになることに罪悪感があったから、私じゃなくても誰かと結婚して生きていくことはしなかったかもしれない。
「振ってたって言うけど、お父さんはアイのこと好きじゃないの?」
「ママすっごくかわいいのに!どうして振っちゃうの!?」
アクアとルビーがライナーに不思議そうに聞く。
私とライナーも一緒にいて仲もいいから告白されても振っていたって言われても信じられないのかもしれないね。
「アイはかわいいと思うが、異性として見たことは無かったからな」
いや……ライナーが私のことを恋愛対象として見てないことはなんとなくわかってはいたけど、実際に言われたらちょっと傷付くね。
「そうなの!?」
「うそだ!?」
アクアとルビーがものすごく驚いてる。
アクアとルビーも私のこと大好きだからね!
「どうして!?ママすごくかわいいのに、どうしてそうなるの!?」
「どうしてって言われたらアイが施設に来たのが俺は高校生でアイは小学生の時だったからだな」
「たしかに小学生を恋愛対象としては見づらいよね」
同じくらいの年齢ならまだしも、高校性が小学生の子を恋愛対象として見るのは難しいよね。
「でも!愛に年齢は関係ないよ!」
「まぁ……今時年齢差のあるカップルも珍しくないけど」
芸能界でも年の差カップルなんてあるから、ルビーの言う通り愛に年齢は関係ないとは私も思う。
「でも施設にはアイと同じくらいの年の子もいたし、アイを含めたみんなの面倒も見ていたから恋愛対象にはならなかったんだよ」
「ああ……もはや家族みたいな関係だったんだね」
「恋愛対象とかすっ飛ばしたんだ感じか」
「恋愛漫画とかで幼馴染が負けるパターンだ」
「実際、ライナーはみんなのお兄ちゃんみたいな感じだったよ」
施設のみんなは家族みたいに生活していた。
施設の子供たちはみんなライナーのことを頼れるお兄ちゃんみたいに思っていたし、私だってライナーのことはお兄ちゃんみたいに思っていた。
「それに……アイがアイドルになって俺もB小町のマネージャーになったから」
「アイドルのマネージャーなのにその担当アイドルを恋愛対象としては見れないよね!」
「ちゃんと恋愛はしなかったよね!」
「妊娠はしやがったがな!」
「はい……私はアイドルでありながら妊娠をしたクソアイドルです……」
恋愛を禁止のアイドルなのに、それをすっ飛ばして妊娠するなんて普通に考えなくても大問題。
なのに、私はそれを未成年でありながらしたんだから、そりゃあ怒られるよ。
「で、でも!パパだってママのマネージャーになったのは、ママのことが好きだったからでしょ!?」
「まぁ……恋愛対象としては見れないからといって嫌いなわけじゃないしな」
「ほら!」
ルビーが必死にフォローしてくれている。
気持ちはすごく嬉しいよルビー!
「でもねルビー……ライナーはマネージャーになるつもりなんてなかったんだよ」
「そうなの!?」
「何それ!?初めて知ったんだけど!?」
「本当なのライナー!?」
「まぁ、そうだな。別にアイドルに興味とか無かったから、そんな俺がアイドルのマネージャーとしてやっていけるなんて思わなかったんだよ」
施設にいたこともあるかもしれないけど、ライナーは特にアイドルに興味はなかった。
だから、アイドルのマネージャーとしてやっていけると思えなくても仕方ないよね。
「それじゃあ、どうしてお父さんはマネージャーになったの?」
「それはアイと俺がライナーをマネージャーに誘ったからだな」
「アイはわかるけど、社長も誘ったの?」
アクアの疑問に社長が答える。
「アイをスカウトする時にアイと一緒にライナーも来てな、アイがライナーのことを信頼しているのがわかったからアイのサポートとしていて欲しいと思ったんだよ。それに事務所も小さくて人手も確保したかった」
「ママのスカウトに一緒に来るって、やっぱりママのこと大好きじゃん!」
「いや、アイはまだ小学生だったし事務所も小さかったから騙されているんじゃないかって心配だったんだよ」
大手の事務所ならまだしも、聞いたことのない小さな事務所がアイドルとしてスカウトに来たら心配になるよ。
私も小学生の時だったから、悪意なんて見抜けないだろうし。
「それで実際に社長と会って信頼出来るって思ったからアイがアイドルになることに賛成したし、それでもアイドルは大変だろうからサポート出来るようにマネージャーになったんだ」
「じゃあ……ママと社長が誘わなかったら、パパはマネージャーになっていなかったかもしれないんだね」
私が誘ってもライナーは乗り気じゃなかったから、あの時社長がライナーを誘ってくれなかったらライナーがマネージャーにならない可能性は十分にあった。
「ライナーがいないB小町……か」
「うわっ!想像したくない!」
「最悪じゃん!それっ!」
ライナーがいなかった時のB小町を想像したらしいみんなが嫌そうな反応をしている。
私も少し想像してみたけど、ロクなことにはならなかった。
「そんなに?」
「アクアとルビーは昔の私たちを知らないからねぇ……」
「今はみんな仲良しだからね」
今はみんな仲良しだけど、一時期は大変だった。
いや……あの時は辛かったなぁ。
「B小町は最初アイだけの力で売れていたんだよ」
「私たちも頑張っていたんだけど、アイと私たちの間で格差が出始めたちゃって」
「それが不満になって……アイに嫌がらせとかしちゃいました」
「うそだぁ!?」
「本当なの!?」
私が活動休止から復帰してからはずっとみんなと仲がよかった。
だから、仲のいい私たちしか知らないアクアとルビーがビックリしてる。
「そんな私たちをライナーが説得してくれたんだよ」
「それでアイと仲直りしたの」
「それからはずっと仲良しだから大丈夫だからね!」
みんなとライナーがどんな話をしたのかはわからないけど、ライナーのおかげで私たちはまた仲良しに戻れた。
「じゃあ、パパがいなかったら……」
「……絶対にこんなに仲良くはないね」
「最悪……解散してるんじゃない?」
ライナーのおかげでみんな仲良しに戻れたから、いなかったらあのギスギスした状態が続いてもっとひどいことになっていたね。
「解散はさせなかったとしても、嫌がらせしてた奴を卒業させて代わりのメンバーを加入させたな」
「うわっ!エグイ!」
「卒業っていうか追放じゃん!」
「本当にライナーがいてくれてよかった!」
仕方ないかもしれないけど、嫌がらせをしていた子を追放させるのはエグイ!
ライナーがいなかったら、本当にそうなったかもしれないから怖い!
「それにライナーがいなかったら……アクアとルビーも産まれなかったんだよね」
「うん……多分、そうだね」
「……多分?」
私は愛する対象が欲しかった。
私はライナーとそういうことをしたけど、もしライナーがいなくても他の誰かとしていたかもしれない。
そう思ってちょっと微妙な反応になったのを見て、みんなが反応する。
「え……アイ……まさか」
「……嘘だよね?……嘘だよね?」
「まさか……マジで言ってる?」
「……正気?」
「お前……本当にアイドルなのか?」
「ママ……それはさすがに」
「アイ……嘘だよね」
やっぱり、みんな信じられないって顔で私を見る。
このままじゃヤバい!
「や、やだなぁー!!そ、そんな訳ないじゃん!!」
「だよね!そうだよね!」
「相手がライナーでもギリギリなのにね!」
「他の人だったら絶対にダメだよね!」
「あ、当たり前だよ!ライナー以外の人とそんな関係になるわけないじゃん!」
「だよねー!!」
あ、あぶなかった。
あのまま続いていたら絶対にみんなからめちゃくちゃに言われていた。
なんとかなってよかった!
「でも、アクアとルビーに会えないのは悲しいよ!」
「本当!つらい時にアクアとルビーに何度助けられたことか!」
「うーん!アイのしたことは絶対にあれだけど、アクアとルビーに会えなくなるのは嫌だよ!」
ライナーとそういう関係にならないってことはアクアとルビーが産まれないってこと。
私がしたことは本当にあれだけど、アクアとルビーに会えなくなるのは悲しいからみんなも悩んでいる。
「もう暗い話はやめやめ!明るい話をしよう!」
「過去は過去!これからのことを考えよう!」
「そうだね!ライナーがアクアとルビーのお父さんとしていられるようにしよう!」
ライナーがいなかったらなんて、そんなもしもの話をするよりはこれからどうすればライナーがお父さんとして生活出来るか考えた方が楽しいよね!
「生活は今までのままでいいかな?」
「そうだね、今までもずっとお父さんしていたから今まで通りでいいんじゃない?」
「だね、ずっとお父さんだもんね」
知らなくてもずっとアクアとルビーのお父さんしていたから、知ったら今まで以上にお父さんしてくれると思う。
だから、今まで通りの生活で何も問題ないはず。
「強いて言えば、SNSにライナーがアクアとルビーと一緒にいるところをアップしていくことかな?」
「一気にアップすると怪しまれるかもしれないから、少しずつアップしてった方がいいね」
気を付けることといったらそれくらいかな?
怪しまれてから、アクアとルビーの本当のお父さんとお母さんが私たちだってバレると大変だし。
「髪の色同じだから、すぐにお父さんって言われそうだね!」
「冗談とはいえ、私たちもライナーのことアクアとルビーのお父さんだって言ってたもんね!」
「知らなかったから、俺はずっと否定していたんだけどな……」
髪が同じ金髪だからみんなふざけて、アクアとルビーのお父さんはライナーだって言っていた。
みんなですらそんなことしていたから、ファンのみんなもふざけてライナーのことをお父さん扱いしそうだ。
「私たちみんなもアクアとルビーのママってファンのみんなから言われたりするし、案外すぐにライナーもアクアとルビーのパパって扱われそうだよね!」
「私たちのことを実際にママって呼ぶファンもいるから……ライナーも頑張ってね」
B小町のみんながアクアとルビーのママって感じになるようにSNSにアップした結果、私たちはみんなアクアとルビーのママになった。
そのおかげでアクアとルビーが私のことをママって言っても怪しまれたりしないけど、一部のファンが私たちのことをママって呼ぶようになるとは思わなかった。
「まぁ……バレるよりはいいだろう」
複雑そうな顔になるけど、ライナーが本当のお父さんってバレるよりはいいから諦めてもらうしかない。
「これから一緒に頑張ろうね!パパ!!」
「これからよろしくね!お父さん!」
アクアとルビーが本当に嬉しそうに、ライナーを呼んでくれる!
「ああ……よろしくな。アクア、ルビー」
ライナーも本当に嬉しそうに笑いながら、アクアとルビーを抱き締める。
それを見て、大丈夫だって思った。
普通の家族とは全然違うけど、私たちはちゃんと家族になれるって!
推しの子の本編を読むと、ライナーをぶち込みたいって欲望に駆られて困ります。
本編のライナーがいない世界の物語をこっちのみんなに見せてみたいな!