【推しライナー】   作:チェシャ猫もどき

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前話からかなり期間が空いてしまって申し訳ございません!

言い訳をさせてもらうと、ここからの話はどう頑張ってもライナーたちが曇ってしまって似たような反応になってしまうので、どう書くか悩んでいました。

作者も曇らせる進撃の巨人に脳を焼かれたので初投稿です!


マーレ編

 

 シガンシナ区の戦いから4年が経った854年、ライナーたちによる「始祖」奪還作戦の失敗を切っ掛けに開戦した中東連合国との戦争。

 

 その戦場から物語は始まった。

 

「……始まっちゃったね」

 

「島の外でも争いか……」

 

 エレンたちが憧れた外の世界がこのような争いをしていることに複雑な感情を抱くアイたち。

 世界が争いをしていることもそうだが、アイたちがそれ以上に辛くなっている理由は他にもあった。

 

「それに、こんな子供たちまで戦場に……」

 

 それは戦場にいる4人の子供たちの存在。

 アクアとルビーと一緒に過ごしているアイたちにとって戦場という危険な場所に子供がいるということを受け入れづらいことであった。

 

「ライナー、もしかしてこの子たち……」

 

「戦士候補生だ」

 

「じゃあ、この子たちは……」

 

「将来、巨人の力を継承する」

 

「じゃあ……ライナーも……」

 

「候補生の誰かに……継承されるはずだった」

 

「もう……そんなのやめて欲しいよ」

 

「でも……選択肢なんてないのよね」

 

 巨人の力の継承という巨人になって前任者を食らうという残酷な行為なんてしないで欲しいと思ってしまうアイたち。

 そして大切な存在であるライナーも子供たちの誰かに食われるということに胸を痛めるが、彼らにはどうしようもないという事実が突き付けられる。

 

 進撃の巨人

 

 そんな残酷な世界の物語である。

 

 

★ライナー・ブラウン

 

「パパだ!」

 

「モデルにされているから当然だけど……やっぱり似てるわね」

 

「似てる……けど」

 

「すっごい……やつれてる」

 

「えっと……島にいた時は何歳だっけ?」

 

「島にいた時が17だから、この時は21だ」

 

「21で……これ」

 

「島から帰還してからずっと戦争していたし、巨人の力のせいで寿命も近かったからな」

 

「お父さん……しっかり休んでね」

 

 

★兵器

 

 

「うわぁ……エグイ……」

 

「上空から巨人を降らすなんて……」

 

「落ちた巨人の衝撃で破壊して、生き残った巨人はそのまま敵を襲って」

 

「かなり効果的だな……倫理観から目を逸らせば」

 

「そうでもしないと……マーレは戦争に負けかねなかったんです……」

 

「大砲で巨人たちもあっさりやられちゃってるしね……」

 

「ライナーも大砲にやられちゃうし……」

 

「技術の進歩って……すごいね」

 

 

★終戦

 

 

「戦争は終わったけど……」

 

「ライナー……PTSDになってるよ」

 

「自分から望んで戦士になっておきながら……結局はこのざまだ」

 

「現実でもPTSDで苦しむ兵士は大勢いるんだから……仕方ないわよ」

 

「自分を大切にしてね……ライナー」

 

 

★夜の列車

 

 

「パパ……すごく怖い……」

 

「でも、これはファルコのためなんだよね?」

 

「作中でも言っているが、ファルコの発言を報告したらファルコたちは巨人兵器にされる。だからあんな風に言った」

 

「マーレのことを悪く言っただけで処刑されるなんて……」

 

「いくらなんでもひどすぎるよ……」

 

「でも……それに耐えるしかないんだよね」

 

「ファルコには頑張って欲しいけど……でもそうなったらファルコの寿命が……」

 

「本当に……どうすればいいんだろうね」

 

 

★いろんな奴

 

 

「うん、まぁ……変な感じになるよね」

 

「芋だもんね」

 

「それもあると思うが……ライナーが島の人達のことを大切に思っているのがわかったのかもしれねぇな」

 

「悪魔ってことにしてる島の人達と仲良くなっていたなんてバレたら巨人にされちゃうもんね……」

 

「本当に……世界がライナーに厳しい……」

 

 

★九つの巨人

 

 

「ライナーが子供の時に巨人の力を継承したってのは知ってたけどさ……」

 

「まさかこんなに小さな頃だったとは思わないじゃん……」

 

「この時……ライナー何歳だったの?」

 

「……10歳だ」

 

「マジで!?じゃあ作戦の時は?」

 

「……12歳の時だ」

 

「そんな小さな子供達だけで島に行かせたのかよ……」

 

「戦力だけでいえば充分だったんですよ……」

 

「だとしても普通は1人くらい大人も一緒に行かせない?」

 

「なんというか……ガバガバだね」

 

 

★父親

 

 

「この人最っ低!!」

 

「いくらなんでもひどすぎるよ!」

 

「ライナーがかわいそう!!」

 

「『逃げきってやるからな!!』だなんて!」

 

「言葉通り……このことがバレたら縛り首だから……」

 

「だとしても全然納得できない!!」

 

 

★真実

 

 

「ライナー……あんなに頑張ったのに」

 

「それがマルセルのおかげだったなんて……」

 

「俺にはなんの長所もなかったのに……自分の力で選ばれたんだと勘違いしてたんだよ」

 

「ライナーだって頑張ったよ!」

 

「そうだよ!ライナーだって頑張っていたんだから、全部マルセルのおかげってわけじゃないよ!!」

 

「……ありがとう」

 

 

★継承

 

 

「マルセルが……食べられちゃった」

 

「それにこれ……ユミルだよね?」

 

「これでユミルがマルセルの顎の巨人を継承したんだね……」

 

「ライナーはマルセルの代わりになろうとしちゃうし……」

 

「それで……みんなの兄貴分みたいになってたんだね」

 

「みんなと仲良かったし」

 

「エレンのためにアドバイスもしてあげてるし……」

 

「ライナーが本当にみんなの仲間になれたらよかったのに……」

 

「無理……だろうな。何の罪も無い人達を大勢殺したんだ。許されるわけがない」

 

「わかってるけど……どうしても思っちゃうよ」

 

 

★分岐点

 

 

「そうか……ファルコ。お前が……俺を」

 

「ライナーは……この時」

 

「ああ……俺は……ここで」

 

「大丈夫だよ」

 

「……え?」

 

「大丈夫、ライナーには私たちがいるから。大丈夫だよ!」

 

「そうだよ!パパに私たちがいるから心配しないで!」

 

「うん、僕たちがおとうさんを絶対に死なせたりしないから!」

 

「ルビー……アクア」

 

「だから、ライナーも無理したりするなよ?」

 

「辛かったら遠慮せずに言ってね」

 

「社長……ミヤコさん」

 

「そうそう!ライナーは普段から頑張りすぎなんだから、少しくらいサボったっていいんだよ!」

 

「みんなライナーの味方だから気にしないで!」

 

「ライナーに何かあった時の方が私たちは辛いんだからね!」

 

「みんな……ありがとう」

 

 

★地獄へ

 

 

「これって……エレン……だよね?」

 

「ああ……きっとそうだ」

 

「何を……するのかな」

 

「きっと……自分たちがされたことを……」

 

「ライナーは……これからの展開は……」

 

「この時はもう死んでいる……だから……わからない」

 

「『何でこんなことになったんだろう』……か」

 

「本当に……どうしてなんだろうね」

 

 

★祖父

 

 

「エレンのおじいちゃん……ってこと?」

 

「イェーガーさんって言われてたから、きっと……」

 

「この人も可哀想だね……」

 

「娘は犬に食われて……」

 

「息子のグリシャは復権派で処刑されて……」

 

「孫のジークは巨人を継承したから自分より先に死んじゃうなんて……」

 

「この人もこの世界の犠牲者なんだね……」

 

 

★祭り

 

 

「みんな楽しそうだね」

 

「普段は訓練ばっかりだし、マーレからは差別されているから楽しいことなんて少ないんだろうね」

 

「この子たちもまだ子供なのに……」

 

「そうだ……あの子達を守ってやらなきゃいけなかったのに……俺は」

 

「ライナー……あんまり自分を責めないで」

 

「そうよ……ライナー、あなただって本来は守られるべき子供だったんだから」

 

 

★地下

 

 

「……ライナー」

 

「ライナーのせいなんかじゃないよ……」

 

「そうだよ……ライナーはまだ子供だったんだし……どうにも出来なかったよ……」

 

「たしかに俺はガキで……何一つ知らなかった。周りに壁の中にいる奴らは悪魔だと教えられて……それが事実だと信じていた」

 

「うん……だから仕方なかったんだよ……」

 

「でも、違うんだ……あの時は……あの時だけは違ったんだよ。作戦を中止して帰ることも出来たのに、2人を無理矢理説得したのは俺だ。俺が誰かに強制された訳でもなく……自分の意思で壁を破壊することを選んだんだ」

 

「……ライナー」

 

「だから……時代や環境のせいじゃない……悪いのは俺なんだよ……」

 

「ばか……ライナーの……ばか」

 

 

★宣戦布告

 

 

「……始まっちゃった」

 

「たしかにマーレは島に宣戦布告したけど……」

 

「エレン達がされたことを……今度は……マーレに」

 

「ゾフィアも……ウドも……」

 

「順番って……やつなのかな……」

 

「マーレが島にしたことを……今度はエレンが……」

 

「じゃあ……今度はまたマーレが島にしちゃうんじゃ……」

 

「やって……やられて……いつまで続くんだろう……」

 

 

 

★島の悪魔

 

 

 

「みんなが……マーレの人達を……」

 

「今まではずっと巨人だったけど……今は」

 

「巨人じゃない……人を」

 

「戦争だから仕方ないのかもしれないけど」

 

「うん……なんか……つらいね」

 

「でも、マーレだって島を攻撃しようとしたし……」

 

「先に攻撃しなかったら島がやられてただろうし……」

 

「島のみんなは……戦争なんて望んでいなかったのに……」

 

 

★勝者

 

 

「やっぱり……ライナーは守ってくれるんだね」

 

「そんなことはない……ガビとファルコのおかげだ。それに……俺がもっと早く立ち上がっていれば……」

 

「ライナー、それは違うよ。マーレでも、私達の時もライナーはボロボロで普通の人なら立ち上がることなんて出来なかったよ」

 

「それなのに……私たちの声を聞いて、パパは立ち上がってくれた」

 

「僕達を……助けてくれた」

 

「私も、アクアもルビーも、ガリアードもライナーがいたから助かったんだよ。だから、助けた人達のこともちゃんと見てあげて」

 

「そう……だな。ありがとう」

 

 

★凶弾

 

 

 

「サシャが……」

 

「まさか殺されるなんて……」

 

「正直、ガビを許せない……けど」

 

「サシャもマーレの人を殺してるし……」

 

「純粋な被害者ってわけじゃないから……すごく複雑」

 

「これが……戦争をするってことなのかな……」

 

「殺して……殺されて……どうすればいいんだろう」

 

「無理かもしれないけど……みんな幸せになってほしいよ」

 

 

★島の悪魔たち

 

 

「みんないろいろやってたんだね」

 

「島の外の人達と交流したり、技術を取り入れたり」

 

「世界を滅ぼすつもりなんかないって……伝えようとしたのに」

 

「島の悪魔ってだけで、全て否定されて……」

 

「もしも……伝えることが出来ていたら……」

 

「そうしたら……誰も死なずに済んだのかな……」

 

 

★少女

 

 

「カヤって……すごいね」

 

「お母さんが巨人に生きたまま食べられたのに、ガビとファルコを憎んだりしないんだもん」

 

「カヤの言う通り、マーレで生まれただけでガビとファルコが悪いわけじゃない。だが、それをわかっていても実際にそう言って行動出来る奴が一体どれだけいるんだろうな……」

 

「だけど……サシャを殺したのは……」

 

「カヤなら大丈夫だって……思いたいけど……」

 

「正直、ガビを憎んでも仕方ないと思うけど……どうなるんだろう……」

 

「本当のことを知っても……ガビを許してあげて欲しいけど……」

 

「今は……カヤを信じよう」

 

 

★イェーガー派

 

 

「イェーガー派の人達はやり過ぎかもしれないけど……でも」

 

「方法がないもんね……」

 

「王家の人に継承させ続けるのはたしかに嫌だけど……」

 

「でも……なんとかしないと島が世界から攻撃されちゃうし……」

 

「だとしても……地鳴らしなんて絶対にダメだよ」

 

「話し合いさえ……出来れば……」

 

 

★森の子ら

 

 

「サシャのお父さん……」

 

「サシャのお父さんだって辛いはずなのに……」

 

「でも……カヤが……」

 

「仕方ないよ……大切な人を殺されたんだもん……」

 

「ぼくも……」

 

「……アクア?」

 

「ぼくも……あの時、ママとパパを殺されてたら……カヤみたいになっちゃってたのかな……」

 

「……アクア」

 

「大丈夫だよ、アクア」

 

「……アイ?」

 

「アクアもルビーも、私のことをライナーが守ってくれたでしょ?だから大丈夫!!ライナーなら何度だって私たちを守ってくれるよ!!」

 

「ああ、そうだ!相手が誰だろうと、お前達は俺が必ず守ってみせる!だから大丈夫だ!!」

 

「アイ……お父さん……」

 

「そうだよ!私にみんなもいるんだからね!!」

 

「ルビー……そうだね。みんながいるから……きっと大丈夫だ」

 

 

★ワイン

 

 

「そんな……ファルコ」

 

「ファルコも……巨人になっちゃうの?」

 

「まだ……ジークに叫ばせなければ大丈夫なはずだ」

 

「よかった……じゃあ、ファルコは大丈夫なんだね……」

 

「ああ……それに……」

 

「……それに?」

 

「いや……なんでも……」

 

「もしかしてライナー……自分をファルコに食べさせたらいいって思ってない?」

 

「いや、それはっ!」

 

「ダメだよパパ!!そんなの絶対ダメ!!」

 

「そうだよ!それじゃあファルコは助かるかもしれないけど、お父さんが死んじゃう!そんな風に助けられたって、ファルコは喜ばないよ!!」

 

「諦めちゃダメだよライナー。脊髄液が入っていないワインの可能性だってあるし、叫ぶ前にジークを倒せばファルコだって助かるはずだよ」

 

「そうだよ!最後まで諦めちゃダメだよパパ!!」

 

「そうだな……諦めちゃ……ダメだよな」

 

「大丈夫だよ……きっと」

 

 

★幼馴染

 

 

「エレン……どうして?」

 

「2人のことは大切なんじゃないの?」

 

「大切……だからなのかな?」

 

「ママ……?」

 

「大切だから……巻き込まないようにしたいのかな」

 

「……アイ」

 

「嘘を吐いて……嫌われたとしても……幸せになって欲しいから……」

 

「でも……そんなの間違ってるよ」

 

「……ルビー」

 

「どんなに辛くても……大切な人とは一緒にいたいよ」

 

「大丈夫だよ、ルビー。みんな一緒だからね」

 

 

★悔いなき選択

 

 

「……兵長」

 

「また……仲間を」

 

「ワインを飲んで巨人になっちゃったから仕方ないけど……」

 

「仕方ないのはわかるけど……やっぱり辛いよ」

 

「これを壁の中でされちゃったら……」

 

「ファルコだけじゃない……たくさんの人達が」

 

「殺した方がいいんだろうけど……」

 

「でも……クサヴァーさんって誰なんだろう……」

 

「ジークの大切な人なの……かな?」

 

「きっと……そうだろうね」

 

 

★安楽死計画

 

 

「もう……誰が悪いのかわからないよ……」

 

「グリシャの気持ちはわかるけど……」

 

「だとしても……いくらなんでもひどすぎるよ……」

 

「役目を押し付けて……それで勝手に失望したりして……」

 

「ジークがかわいそうだよ……」

 

「クサヴァーさんがいてくれてよかった……」

 

「そうじゃなかったら……ジークがかわいそうすぎたよ」

 

「密告はしたけど……そうしなかったらジークもおじいちゃんもおばあちゃんも巨人にされちゃってたもん」

 

「仕方なかったと思うけど……だけど安楽死計画なんて」

 

「そうすれば世界から巨人はいなくなるかもしれないけど……」

 

「だけど……もっと他に方法が」

 

「わからないよ……どうすればよかったのか」

 

「でも……雷槍が爆発したから……ジークは」

 

「いくら巨人の再生能力があったとしても……さすがに死ぬはずだが……」

 

「この先の展開がどうなるのか全くわからないね」

 

 

★騙し討ち

 

 

「アルミンのこれ……演技だよね?」

 

「だろうな……俺でもエレンが賛同するとは思えないんだ。ずっと一緒にいたアルミン達ならなおさらだろう」

 

「これでアルミン達は脱出出来るね」

 

「それにピークもエレン達を騙してガビを助けたね」

 

「一緒に戦ってきた仲間を信じてる……か」

 

「ライナーたちがファルコとガビを助けに来てくれたのは嬉しいけど……」

 

「ついにライナーとエレン達が会っちゃうよ……」

 

「大丈夫だよね……ライナー。ライナーは死んだりしないよね?」

 

「戦争だ……俺が死ぬ可能性は充分ある」

 

「そっか……そうだよね。戦争……だもんね」

 

「……ただ」

 

「……ただ?」

 

「この戦いで死のうが生き残ろうが……俺は全力を尽くすだろう」

 

「ライナー……死なないでね」

 

 

 




前話のあとがきで軽い気持ちで書いたライナーが声優になるというアイデアが高評価だったことに驚いています。

みんなライナーのこと好きすぎんか!?
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